第8話 なぜクルスたちは勇者の仲間になったのか

こんにちは。僕はブレです。あ、クルスさんかと思いました?残念、僕です。
やっと会えました、あの時の面白い人。勇者候補と聞いて探してたんですが、ついに見つけました。
あ、そういえば仲間を探してるっていう噂を聞きました。聞いてみましょう。
「あの、とある噂を耳にしたんですが…」
「仲間を探してるんですか?」
「はい」
やはりそうですか。勇者って言ったら共に戦う仲間ですもんね。
「だったら俺が仲間になってやるぜ!」
クルスさん…あなた一人で突っ走りすぎです…後僕たちのことを含めてないですよねその言い方。
「あの…僕たち、でしょ?」
「あ、ああ。そ、そうだな!お、俺たちだ!」
この人本気で僕たちいること忘れてたんですか?薄情者。
と、こんな茶番をしていると、プレヤーさんがこっちにこい、とハンドサインをします。
どうやら案内をしてくれるらしいですね。
「にぃに、この人無口だね…」
「ああ、イメージと少し違うな…」
確かに一般的な勇者のイメージとは違いますが、僕はこういう人結構タイプです。
ってなると、なんでクルスさんと一緒にいたくなるんでしょう。こういう人はあまりタイプじゃないのに…あつくるしいし…
「おっしゃ!じゃあ皆行くぞ!」
「相変わらず熱いわねぇ…あんたって。」
「それは僕も同意します。」
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【クルス目線】
よぉ、俺クルス。って、すっげぇ違和感する!なんかこのセリフを言うタイミング逃した気がする!と言うかブレに出番取られた気がする!
ま、まあいい!勇者か…なかなかかっこいい装備つけてるな!ほしい!よこせ!っていう冗談は置いといて…アレが勇者の家?なんか魔王城みたいだな…
「お、おい!なんか来るところ間違えたんじゃねぇの!?なんか魔王城っぽいのが見えるんだけど!?」
そう俺が口に出すと、
「え、知らないの?あんた、知識ないわねぇ…」
とブレイズさんになんか知らんけどバカにされる。
「ああ、プレヤーさんの母親のアンリさんは、魔王のダガラスさんと結婚してるんですよ。」
!?え、なんでネット掲示板のSSにありそうな感じなの!?
え、えぇ!?
「え、えええ!?ってことは、これって、魔王城っぽい建物じゃなくて…」
「本物の魔王城、ですね。」
「!?」
ここで明かされる衝撃の事実!勇者の子は魔王の子でもあった!そして勇者の実家=魔王城だった!
OMG!どうしてこうなった!やっと正統派な展開になったぞ~と思ったとたんにこれだよ!こんな世界にどとしんようするかくそが
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んー、中も案の定魔王城っぽい。てか魔王城。
「…よーくきたねー。」
!?
「誰なんだあんた一体!」
やっべ、反射的に返しちゃった。
「…僕の名はアンリ!天に選ばれた勇者にして…魔王妃様だぁ!」
…こいつが?勇者?世界を救ったことのある?…はぁ?
…まず外見がどんなんかと言うと、この世界では珍しい艶のある黒髪、15歳くらいの幼い顔。
水色の上着に濃い青のマントを羽織っていて、茶色のズボン、薄茶の手袋に、背負った剣に、頭には銀色の冠を頂いた…所謂勇者のテンプレ的な容姿をしている。
しかし、威厳のかけらもない。年齢もパッと見わかんねぇ。なんだこいつ。
「…え、えぇ…」
「やあやあ!僕の愛する息子よ!その人たちが見つけてきた仲間?いい人そうだねー。」
「はい」
「ちょっと待ってくださいアンリさん、僕と一人称被ってます」
え、め、メタい!や、やめろ!
「じゃあカタカナにして区別するよー。」
だから…
「お前らメタいわ!やめろ!」
ふぅ、叫んで落ち着いた。
「にぃに、勇者の仲間なんてすごいよ!」
「ああ、ラッキーだったな!」
「果たして、本当にただの幸運かしらね…」
みんなぁ!そっちで勝手に盛り上がんなぁ!
「さー、ボクの息子よ!その仲間と共に旅立つのだ~!」
「何をやっているのだ、勇者よ。我に言わずに…」
え、え?こ、こいつってまさか…
「げぇ!魔王!」
あ、やっぱり!
「あんたがダガラスか!」
「いかにも!我こそ魔王ダガラスである!」
…威圧、そういうものを感じる。これが…魔王か。
「ところで勇者よ…」
「ま、魔王…何?」
あ、職業名で呼び合ってるんだこの二人。そこらへんも勇者・魔王モノSSっぽい。
「プレヤーを旅立たせるつもりなのだろう?本格的にな…」
「そ、そうだけど…」
「なら勇者よ。我は気になるのだ。」
「なに?魔王。」
「我が冒険についていけばどうなるのか…とな。」
「ち、ちょっとまったー!そ、そんなことをしたら…」
「問題ない、印象操作の魔法をかけておく。」
「で、でも…ボクは魔王がいないなんて嫌だよ!」
「ではついてこれば良かろう。」
「そ、それじゃあここの指揮を執るのは…」
「秘書にでも任せておけばよい」
「そんな適当でいいの!?」
こ、この二人なんかめっちゃ話してる…
「と言うことで我も同行するがよいか?」
「はい」
「では決まりだな」
「待ってえええ!ボクはまだ許可してないよおおおお!!」
なんでこうなった!?は、反対しないと!
「そうだそうだ!俺もだ!」
「普通に僕たちも許可してませんし」
ブレ、援護射撃感謝する!
「多数決など関係ない、勇者の決定は絶対だ。」
暴君ですねダグラスさぁん!
「な、ならボクにも決める権利は…」
「我が妃よ、お主は元勇者であろう?」
「そんなあああああ!!」
夫婦漫才見せつけんなぁ!爆発しろぉ!!
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次回予告
「ここがオートデザイスですよ」
「ここが魔法大国ゥ!」
「我は不思議の国から出たことはほとんどなかったからな…新鮮だ」
「ひきこもりかよこの魔王」
「ここが魔法学校ねぇ…」
「なんだお前。なんで僕のチートが効かないんだ?」
「…僕に何をするつもりだったんですか?」
「…チッ、あのクソ神。なにがハーレムチートだ、魅了できねぇ奴がいるじゃねぇか」
「あなたは…誰ですか?」
「絶月吹雪。ぜつつきふぶき、だ。」
(気に入らない奴だ、チートを貰った僕を邪魔する奴は…スベール!)
「う、うわぁ!いてて、なんなんですか?」
「お、おい!大丈夫か、お前が転ぶなんて言うドジをするなんてな」
「…僕が原因ではありません、急に滑ったんです」
「ふふ、もういいぜ、行こうか」
「本当なんですよ…」
次回「一般人VSチーター」
次回も、心を熱く燃やして!



最終更新:2019年04月27日 22:01