こんにちは。僕はブレです。あ、クルスさんかと思いました?残念、僕です。
やっと会えました、あの時の面白い人。勇者候補と聞いて探してたんですが、ついに見つけました。
あ、そういえば仲間を探してるっていう噂を聞きました。聞いてみましょう。
「あの、とある噂を耳にしたんですが…」
「仲間を探してるんですか?」
「はい」
やはりそうですか。勇者って言ったら共に戦う仲間ですもんね。
「だったら俺が仲間になってやるぜ!」
クルスさん…あなた一人で突っ走りすぎです…後僕たちのことを含めてないですよねその言い方。
「あの…僕たち、でしょ?」
「あ、ああ。そ、そうだな!お、俺たちだ!」
この人本気で僕たちいること忘れてたんですか?薄情者。
と、こんな茶番をしていると、
プレヤーさんがこっちにこい、とハンドサインをします。
どうやら案内をしてくれるらしいですね。
「にぃに、この人無口だね…」
「ああ、イメージと少し違うな…」
確かに一般的な勇者のイメージとは違いますが、僕はこういう人結構タイプです。
ってなると、なんでクルスさんと一緒にいたくなるんでしょう。こういう人はあまりタイプじゃないのに…あつくるしいし…
「おっしゃ!じゃあ皆行くぞ!」
「相変わらず熱いわねぇ…あんたって。」
「それは僕も同意します。」
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【クルス目線】
よぉ、俺クルス。って、すっげぇ違和感する!なんかこのセリフを言うタイミング逃した気がする!と言うかブレに出番取られた気がする!
ま、まあいい!勇者か…なかなかかっこいい装備つけてるな!ほしい!よこせ!っていう冗談は置いといて…アレが勇者の家?なんか魔王城みたいだな…
「お、おい!なんか来るところ間違えたんじゃねぇの!?なんか魔王城っぽいのが見えるんだけど!?」
そう俺が口に出すと、
「え、知らないの?あんた、知識ないわねぇ…」
とブレイズさんになんか知らんけどバカにされる。
「ああ、プレヤーさんの母親のアンリさんは、魔王のダガラスさんと結婚してるんですよ。」
!?え、なんでネット掲示板のSSにありそうな感じなの!?
え、えぇ!?
「え、えええ!?ってことは、これって、魔王城っぽい建物じゃなくて…」
「本物の魔王城、ですね。」
「!?」
ここで明かされる衝撃の事実!勇者の子は魔王の子でもあった!そして勇者の実家=魔王城だった!
OMG!どうしてこうなった!やっと正統派な展開になったぞ~と思ったとたんにこれだよ!こんな世界にどとしんようするかくそが
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んー、中も案の定魔王城っぽい。てか魔王城。
「…よーくきたねー。」
!?
「誰なんだあんた一体!」
やっべ、反射的に返しちゃった。
「…僕の名はアンリ!天に選ばれた勇者にして…魔王妃様だぁ!」
…こいつが?勇者?世界を救ったことのある?…はぁ?
…まず外見がどんなんかと言うと、この世界では珍しい艶のある黒髪、15歳くらいの幼い顔。
水色の上着に濃い青のマントを羽織っていて、茶色のズボン、薄茶の手袋に、背負った剣に、頭には銀色の冠を頂いた…所謂勇者のテンプレ的な容姿をしている。
しかし、威厳のかけらもない。年齢もパッと見わかんねぇ。なんだこいつ。
「…え、えぇ…」
「やあやあ!僕の愛する息子よ!その人たちが見つけてきた仲間?いい人そうだねー。」
「はい」
「ちょっと待ってくださいアンリさん、僕と一人称被ってます」
え、め、メタい!や、やめろ!
「じゃあカタカナにして区別するよー。」
だから…
「お前らメタいわ!やめろ!」
ふぅ、叫んで落ち着いた。
「にぃに、勇者の仲間なんてすごいよ!」
「ああ、ラッキーだったな!」
「果たして、本当にただの幸運かしらね…」
みんなぁ!そっちで勝手に盛り上がんなぁ!
「さー、ボクの息子よ!その仲間と共に旅立つのだ~!」
「何をやっているのだ、勇者よ。我に言わずに…」
え、え?こ、こいつってまさか…
「げぇ!魔王!」
あ、やっぱり!
「あんたがダガラスか!」
「いかにも!我こそ
魔王ダガラスである!」
…威圧、そういうものを感じる。これが…魔王か。
「ところで勇者よ…」
「ま、魔王…何?」
あ、職業名で呼び合ってるんだこの二人。そこらへんも勇者・魔王モノSSっぽい。
「プレヤーを旅立たせるつもりなのだろう?本格的にな…」
「そ、そうだけど…」
「なら勇者よ。我は気になるのだ。」
「なに?魔王。」
「我が冒険についていけばどうなるのか…とな。」
「ち、ちょっとまったー!そ、そんなことをしたら…」
「問題ない、印象操作の魔法をかけておく。」
「で、でも…ボクは魔王がいないなんて嫌だよ!」
「ではついてこれば良かろう。」
「そ、それじゃあここの指揮を執るのは…」
「秘書にでも任せておけばよい」
「そんな適当でいいの!?」
こ、この二人なんかめっちゃ話してる…
「と言うことで我も同行するがよいか?」
「はい」
「では決まりだな」
「待ってえええ!ボクはまだ許可してないよおおおお!!」
なんでこうなった!?は、反対しないと!
「そうだそうだ!俺もだ!」
「普通に僕たちも許可してませんし」
ブレ、援護射撃感謝する!
「多数決など関係ない、勇者の決定は絶対だ。」
暴君ですねダグラスさぁん!
「な、ならボクにも決める権利は…」
「我が妃よ、お主は元勇者であろう?」
「そんなあああああ!!」
夫婦漫才見せつけんなぁ!爆発しろぉ!!
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次回予告
「ここがオートデザイスですよ」
「ここが魔法大国ゥ!」
「我は
不思議の国から出たことはほとんどなかったからな…新鮮だ」
「ひきこもりかよこの魔王」
「ここが魔法学校ねぇ…」
「なんだお前。なんで僕のチートが効かないんだ?」
「…僕に何をするつもりだったんですか?」
「…チッ、あのクソ神。なにがハーレムチートだ、魅了できねぇ奴がいるじゃねぇか」
「あなたは…誰ですか?」
「絶月吹雪。ぜつつきふぶき、だ。」
(気に入らない奴だ、チートを貰った僕を邪魔する奴は…スベール!)
「う、うわぁ!いてて、なんなんですか?」
「お、おい!大丈夫か、お前が転ぶなんて言うドジをするなんてな」
「…僕が原因ではありません、急に滑ったんです」
「ふふ、もういいぜ、行こうか」
「本当なんですよ…」
次回「一般人VSチーター」
次回も、心を熱く燃やして!