魔王ダガラス

今から50年程前に出現した魔王
熾烈な魔王候補の戦乱を勝ち抜き、多くの魔族を従えて人類と戦いを繰り広げていた。

その体躯は優に5メートルに及び、山羊の様な角と竜の翼と尾を持った『怪物としての魔族』を具現化したような威容。
黒錆の骨となった悪魔と竜の意匠があしらわれた全身鎧を身に纏い、手には禍々しい形状の双刃の魔剣を携えている。

魔王としての凄まじい強さを持ちながらも、魔族を正しく統べる『王』として配下達から慕われていた。
魔王候補同士の戦乱においても彼の才覚を認め、自ら軍門に下った魔将も多いと言う。

そんなダガラスであるが、自身は平穏を願う穏健派であったようだ。
だが同族同士で争う時代をこれ以上続けさせない為、あえて人類と敵対する事で魔族を一枚岩にしようとの思惑があったらしい。

人類側の『勇者』として立ちはだかった一人の少女と激しい戦いを繰り広げ圧倒した。
しかし戦いの中で彼の胸中を悟った少女は人間と魔族の共存と言う可能性を説き、自ら剣を置き対話を望んだ。
遭遇する度に『荒唐無稽な夢』を語る少女を始めは拒絶するも、それでも未来を信じようとする勇者の言葉に徐々に心動かされていく。
何時しか彼の胸元に刻まれた『魔王の証』たる黒い紋章は消え、最後は差し出された少女の手を取り和解へと至った。

今現在は妻となった元勇者と共に辺境のどこかで静かに暮らしているらしい。
なお上記の姿は魔力の全解放と変身魔法が合わさった事によるものであり、本来は黒錆色の髪と角を持つ人に近い容姿の魔族の男である。


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最終更新:2024年02月24日 14:41