「-DESIRE-行為の意味-」
作者:本スレ 1-710様
172 :-DESIRE-行為の意味-:2011/10/02(日) 23:01:47
以下、属性等の告知です
・そんな描写はあんまり出てこないけど、現代風ファンタジー(獣人変化もの)
・青年×青年(ウィリアム×アルフレッド)です
・エロあり(だがしかし!途中までだよ!)
・でも一応、今回のこの話はこれで完結です
あと、申し遅れましたが、自分、
本スレ1-710です
キャラは違いますが、以前投下しているSSとなんとなく、雰囲気が似ているような気も
しますので、苦手な方はスルーでお願いします
似たようなのでも大丈夫!という方は、よろしかったら、どうぞ
174 :-DESIRE-行為の意味-:2011/10/02(日) 23:07:35
彼は、ふいに零れそうになる吐息を押し殺しながら、相対する真っ直ぐな墨色の長い髪と
トパーズブルーの瞳が印象的な青年の肩へと、寄りかかるようにして身体を預けた。
それから、艶めく吐息とともに、相手から与えられている、この身体の芯から熱く疼くよ
うな感覚と行為を今更ながら拒む言葉を口にする。
「……ん、っ……ウィル、嫌だ……」
それが本心からのものではないと、相手も、彼自身も解っているから、そんな言葉を告げ
たところで、この行為が止められるはずもない。
先程からずっと受けているこの施しによって、もう既に充分過ぎる程の熱を帯びている彼
の身体は、目の前の相手の掌が自身の腰へと優しく添えられ、其処から伝わってくる暖か
い熱を感じ取った瞬間、僅かに跳ねた。
「あ、あぁっ!」
添えられた青年の手によって、しなやかな線を描く腰を軽く揺すぶられると、彼は腰の辺
りから這い上がるように伝わってくる熱い感覚に悶え、小さく喘ぎながら、再び切なげな
吐息を零す。
そうして、互いにベッドから上半身を起こしているこの姿勢にあって、なおかつ、既に身
体の最奥に繋がるあの場所へと、相手の熱い塊を受け入れておきながら、今更、自分は何
を言っているのだろうと、彼は自嘲気味に思った。
両手を相対する青年の肩にかけ、その鎖骨の辺りに顔を埋めて、俯くようなその姿勢のま
ま、彼は、見目麗しいという言葉が合い相応しい面ざしにほんの一瞬だけ、微笑みを浮か
べた。
「アル、それは今、考えなくていい」
「っは、や、あぁっ!! っ、……ウィル、嫌だ! あ、あぁっ!!」
自身がウィルと呼んだ青年から、自らの名前を呼ばれ、まるで心の内を見透かされている
かのような言葉をかけられた直後、それに呼応するように、アルの背中が跳ねた。
同時に、目の前に相対するこの青年の掌で、自らの昂りを包み込むようにして、強く刺激
されたアルは、自分の身体の中心から生じている、熱く迸るような感覚を堪え切れずに声
をあげた。
それから、ウィルに、余ったもう片方の手で腰を掴まれ、内壁の一番感じやすい部分ヘと、
熱くたぎる楔を再び激しく打ち込まれるように突き動かされると、彼は、その場でしどけ
なく首を振りながら、ただ喘ぐことしか出来なかった。
「くっ、うっ、ああっ!」
彼が背中を反らせつつ、首を振る度に、それにあわせて、肩口辺りまで長さがあるものの、
さして整えられた様子も無く、無造作かつ緩やかに波打つ、淡い黄金色の髪が揺れる。
終わることなく与え続けられている、自らの身体を灼きつくすかのような熱い感覚の波に
呑まれながら、アルは自身の碧い瞳で、相手の方を見据えた。
「貴方が、全てを忘れさせてくれるんだろう?」
「余裕なんて全くない癖に、強気だね」
「それはお互い様だ」
そんな遣り取りをしながらも、碧い瞳に涙を滲ませてはいたが、アルは、それでもなお、
真っ直ぐな視線を相手の方へと向けていた。
アルの姿を目に留めたウィルは、ふらつく彼の身体を自らの両腕で受け止めるようにして
微笑んだ。
そうして、ウィルは、自分の目の前で、強い眼差しをもって、こちらを見据えるようにし
たまま、更に視線をあげ、途切れそうな声で応じてきたアルを改めて見つめた。
自分よりも2つ年下のこの青年は、誰もが見惚れる秀麗な容姿と、その瞳に宿す意思の強
さも相まって、今までに見てきた、どんな男よりも、また、どんな女よりも美しい。
生来の姿のまま、衣服など何ひとつ纏うこと無く、滑らかな肌をほんのりと上気させてい
ることが見て取れるうえに、なおかつ、艶めく荒い吐息を零すこの青年の姿は、目にする
誰の視覚をも刺激せずにはおかないだろう。
もっとも、今、彼のこの姿を目にしているのは、自分だけだが。
ただ、自分は、この青年が持つ複雑な身の上と心境を知っている故に、それを利用して彼
を抱いているに過ぎない。きっとアル自身もそう思っている筈だ。
既に解りきっている事の筈なのに、それを想うと何故か胸が痛む。
「全てを忘れさせてやるよ」
「……ん、っ!」
ウィルは、その想いを打ち消すように、アルの頬へと自身の片方の手を添えると、もう何度
目になるのか解らない口付けを施した。
相手からの口付けを拒むことなく受け入れたアルは、それを更に深く交わすことを自ら求
めるように、ほんの一瞬だけ自分の舌を相手の舌先へと軽くあてた。
それに呼応するように、ウィルから施される口付けは、次第に熱を帯びる。
そうしてそれは、互いに舌を絡め合い、相手の想いをも確かめ合うかのような、深いもの
へと変わっていく。
ウィルはそんな口付けを施しながらも、アルの頬へと寄せていた手をそっと外した。
それから、外した手を熱を帯びたアルの身体へと流れるような所作をもって、軽く触れる
ようにして這わせてゆくと、胸元に色づく小さな突起を弄る。
施され続けていた口付けによって、相手から与えられた新たな刺激を敏感に感じ取ってい
ながら、声をあげることさえも、かなわなかったアルは、ただ、小さく背中を震わせた。
そうして、ウィルの肩へと置いていた両手を相手の背中へと廻し、強く摑まるようにしな
がら、相手から与え続けられる感触に身悶えつつ、それを堪える。
胸の奥を焦がしていくかのような感覚を身体に受け入れながら、アルは無意識に自ら腰を
揺らし、先程から自身の最奥に迎え入れたままのウィルの昂りを再び締め付け始める。
ウィルは、そんなアルの身体の内側から沸き起こる感覚の変化を感じ取ると、先程から交
わし続けていた口付けを漸く解いた。
「……やっ、あ、ああっ! ウィル!」
相手からの口付けを解かれた瞬間、アルはけぶる意識の所為で、相手から施される行為に
応じた、この喘ぎ声を止めることが出来ずに、艶やかな声をあげた。
アルは、自身の身体の最奥の場所を潤ませながら、恐らくは、痺れるような、疼くような、
なおかつ、内側から灼かれているかのような、あの感覚に感じ入っているのだろう。
碧い瞳に再び涙さえ滲ませているアルの姿を目したウィルは、僅かに微笑むと、相手の耳
元へと囁くように声をかける。
「アル、まだ、これからだよ」
「や、いやだあぁっ!!」
ウィルは、その言葉とともに、自身が一度、刺激を与えることを止めていたその間にも、
ずっと張りつめたままの状態を保っていたアルの中心を再び握り込むようにして触れた。
そうして、既に充分な熱を帯びている其処に対して、先程よりも、より一層、強い快楽を
与えながら、更にその果てへと追い込んでいくことを明確にした所作をもって、強弱を付
けながら煽る。
アルのそそり勃つ中心へと刺激を加えつつ、ウィルは、頃合いを見計らって、敏感な先端
の部分に親指を充て、其処から既に零れるように溢れている暖かな露を塗り込むようにし
て擦った後に、その場所に僅かに力をかけながら、指先で弾いた。
「っは、や、ああぁっ!! ……ウィル、もう、止め……」
ウィルからその行為を受けたアルは、一際、高い声で喘ぎ、無意識のうちに、碧い瞳から
涙を零し、相手の律動にあわせて、内側に迎え入れている熱い楔をより一層、強く締め付
けていた。
そんな言葉で、この行為が終わるはずもない。それは解っている。
目の前のこの男は、いつも自分の心の内を知り尽くした上で、こうした行為を施してくれ
ているのだから。
情けなくも思うが、自分には、時折、こんな、獣じみた行為を求めずにはいられなくなる
時がある。
自身の中性的で、人から言わせれば、何時もかなり一目を惹くと評されるこの容姿では、
情愛など微塵も伴わなくとも、この行為をある程度、割り切って受け入れなければ、この
世界で生き残っていくことは不可能だ。
たとえ、自分自身が、時に純白の狼に変化する事さえも可能な能力を合わせ持つ魔獣であ
り、その能力がどれだけ人並みから外れた程のものであろうとも、一定限度を超えた人数
の敵対者を駆逐することは難しい。
だから、その場の状況に応じて、相手が誰であれ、自分が生きていく上で、必要だと思え
ば、こうした行為を受け入れてきたまでのことだ。
それ以上でも、それ以下でもない。
そう思ってきた筈なのに。それが必要では無くなりつつある、今、現在においても、自ら
の身体の最奥に相手の昂りを受け入れるこの行為を、こうして求める自分の気が知れない。
自分には、その気にさえなれば、自身と比べると屈強な体躯をした黒豹へと変化する能力
を持つ、この目の前の男さえも、瞬殺できる程に、並み外れた能力があるのに。
この男の行為を押し止めることなど、造作も無い筈なのに。
なのに、何故、俺は未だに、この男に抱かれたいなどと思うんだ!!
「……あ、ぅっ、く……ウィル、ウィル!!」
そんな想いを胸にしながら、アルは、今、目の前に映る青年の名を呼び、相手の逞しくも
思える胸元へと縋り付くようにして、自らの身体を再び預けた。
自分は、こんな想いの意味など、知らない。
自分の意思さえも弱くする、こんな想いの意味など、今は知りたくもない。
ただ、忘れたいだけだ。叶うことなどない、自らの望みの全てを忘れたいだけだ。
そう思うと、アルは余計に自身の瞳から零れ落ちる涙を止めることが出来なくなった。
「……あぁっ!」
「アル、もう、いい」
そのアルの気持ちを察するように、ウィルは、それまで、彼を煽るために施していた行
為を止め、相対する青年のしなやかな身体をそっと抱きしめた。
自らの身体がふわりと包み込まれるように、抱きしめられたことを感じた瞬間、アルは、
相手のその所作に驚き、声をあげた。
「……くっ、あ……どうして……」
下世話な話だが、相手の熱く勃ちあがったままのそれは、同じように熱く潤んでいる自分
の内側へと迎え入れられたままだ。
相手にも自らにも、灼けつくような感覚と熱を生み出し、それを与え続けている自身の身
体の最奥へと繋がるあの場所に挿れらたままなのだから。
こんな状態で、その動きを止めるのは、相手にとっては、かなり辛い行為の筈だ。
それを受け止めている自分の方だって、どうにかなりそうなのだから、相手の方が余程、
苦しいはずだ。
相手に対する戸惑いにも似た思いを重ねていたアルの思考は、背中を優しく擦るように撫
でるウィルの暖かい掌の熱によって遮られた。
それは、いつものように、自分の全てを預けても構わないのだとアルに錯覚させる程に、
優しく、心地良い温もりに満ちたものだ。
その優しさに抗うように、自分自身の身体の深い部分が再び疼き始めた様を自覚すると、
アルは僅かに背中を反らせた。
「んっ、ウィル、俺は……」
「アル、もう、良いよ。そんな風に自分を追い込むな。
それと、少なくとも俺には、君に対する好意が在るのだという事は覚えておいて欲しい」
アルが自分の名を呼ぶ小さな声に、言葉を重ねるようにして、ウィルは自らの想いを相手
へと伝えた。
それが、この青年にどのように伝わるかは、充分に理解していたし、自身の想いも、目の
前のこの相手を唯一人の人として、想い定める程に深いものかと問われれば、そう言い切
る自信など、未だに無かった。
随分と身勝手なものだとは思うが、それでも、ウィルは、自分が今までにアルを蹂躙して
きた相手とは違う情愛を持って接しているのだという事を認識して欲しかった。
だが、今までにその権力をもってアルを抱いてきた輩も、その程度にこそ、自分とは大き
な差異があるにしても、甘い言葉を耳元で囁き、彼の心に深い傷を負わせてきたのだ。
それを受けるアルの方からすれば、恐らくは、相対する相手からの情愛など一片もないの
だと実感させられるような行為と経験をもう、ずっと受け入れてきたのだろう。
だから、こんな風に中途半端な自分の想いなど、アルが受け入れられる筈もない。
それは、自分自身の幼い頃の経験も踏まえて察するに、既に解りきっている事だ。
そうしてウィルが推測していたとおりに、アルは目の前の相手の肩に顔を埋めた姿勢のま
ま、碧い瞳から溢れるように涙を零しながら、その言葉を告げる。
「……ごめん……その言葉の意味が、俺には解らない。だから……」
「いいさ、君が自分の気持ちに正直でいてくれれば、それで良いよ」
先程と同じように優しく包み込むようして、温かい掌を背中へと添えながら、自分の身体
を受け止めてくれていたウィルの言葉に応じようと、アルは涙に濡れたままの面差しを相
手の方へと向けた。
ウィルは、その面ざしを目に留めると、アルの目元へと、一度、そっと口付けてから、彼
の身体を強く抱きすくめた。
相手からの口付けにあわせて、アルは碧い瞳を閉じると、自身から応じるように、ウィル
の身体を抱き返す。
目の前の相手は、もう、ずっと前から自分のこんな気持ちを理解してくれている。
だからこそ、ウィルは、今までずっと、相対する自分の方に、この行為を求める言葉を告
げさせることなど、決して無かった。
何故、これが欲しいと思うのか、未だに解らないけれど。
自分が、今この相手を欲しいと想うこの気持ちに嘘偽りは無い。
アルは、自分自身のそんな気持ちを確認してから、再びゆっくりと瞳を開けた。
そして、相手の肩越しに、今まで告げた事のない言葉を、小さな声で口にした。
「……ウィル、解らないけど……でも、俺は貴方とこの続きがしたい」
その言葉に返事を返すかのように、アルの唇へと、ウィルからの優しい口付けが再び施さ
れた。
そうして、それは、互いの想いの全てを確認し合うようかのような、あの行為へと再び繋
がっていく。
まるで深い夜の闇の中で存在を認め合う獣同士のように、互いにその行為を求めずにはい
られないのだ。ならば、その事実を受け止めるまでだ。
本能にも似た二人の想いと、熱い吐息だけが、真夜中の漆黒に染まる時間を紡いでいった。
【END】
お付き合いいただきありがとうございました!
アルにはエイシアさんが切れていない状況下なら、一番能力に長けていて強い人という設
定があるのですが、ウィル相手だと受けなので、その辺の理由を付け加えてたらこんな風
な感じになりました
あと、あえて深くは書いてませんが、ウィルも小さい頃は、色々あったんだね…という設
定が書いてるうちに追加されてましたよw
それから、ほかの組み合わせでも書ける選択の余地を残すというのが、結構難しかったよ!
書いてる途中で、彼らを本気でくっつけたくなって困ったw
では、また…
最終更新:2012年09月04日 16:19