450 : ◆vGTe9D4z5Y:2011/07/01(金) 15:50:38
「皆さん大丈夫ですか!?」
相変わらずのでたらめな加速力で突っ込んでくるのは
アインツェル。かつてはエアリオンの呼び名を持っていたイスルギ重工のアーマードモジュールだ。
「DC残党の皆さんは降伏してください。こんな街中でドンパチやるのはひじょーしきですよ」
ツインピームソードを向け、臨戦態勢を取りながら発言する。
イータの
シグルド改はケイトをサポートするように銃口を合わせる。
グングニールは、かつて兄と慕っていた人の愛機カドゥケウスを元にしたものだ。少しだけ感傷に浸るような表情になっていたのは致し方ないことだろう。
451 : ◆YZUHAnFXK6:2011/07/01(金) 16:13:40
>>447>>449>>450
「ようやく来たか、形勢逆転だ……!」
知覚範囲内に現れた機体たち、それらは全て自らの味方と呼べる者達だ。
ここに来てようやく役者がそろったと言ってもいいだろう。
蹴りを入れていた筈のメガリオンは蒸気のように消え失せる。
周囲に存在していたビルがミシミシと音を立て、一部のガラスが砕けて雪のように光を乱反射した。
全てはメガリオンの高速戦闘による衝撃波が原因だった。
予備動作無しでの後方ダッシュなど、ミロンガの頃から変わらずパイロットへの安全性は捨てている。
それと同時に、
メガリオン自体の左腕が空中で吹き飛んだ―――破損した部位が、自己の加速に対応できなくなっていたのだ。
HP30%
ユーリの身に起こる脳負荷を無視した念動力の感覚範囲の拡大はまるでブラックホール、暗黒
意識へと喰らい付き、そのまま飲み込んでガリガリと彼の精神を削りとる。
T-ブースターを正しい強化方法と例えるなら、それは邪まで強引な手段だといえるだろう。
「だったらお前にもこの街のツケを取って貰わないとな……!!」
頭痛と自分自身を他の視点から見ているよな非現実感の中で、何とか口からひりだした言葉は悪態といってもいい。
マニピュレーターに握る銃《Cアームズ》、クルクルとその銃を指で回して構え直す。
もう1つの弾丸―――長距離エネルギー砲。
エレナによる攻撃による照準補正を瞬時に読み取り、それを最適化。
指をかけた引き金を動かし、黄色の光の矢は放たれた。
452 : ◆gnI8YzVxOo:2011/07/01(金) 16:20:58
>>444
クーガー少佐は紫亜たるグングニールに視線を注ぐ。無事だったらしい輸送機の搭乗員がその負傷した身体を物陰に運んでゆく。
「動いたか……頼んだぞ」
ミツヤはひるんだ。
「こいつ……動くぞ!?」
ミツヤは自分が間抜けな声を出したことに気付いた。
やはりPTに乗っていないうちに撃てばよかった。しかし彼にはそれはできなかった。新人に課せられる特訓での、豚の屠殺も半泣きで十時間近くもかけてやったというのに、生身の人間は撃てなかった。
カホルがビームキャノンを撃つ。ミツヤもそれに応じて
エアロ・クラッパーを撃つ。TEX-14の右腕が失われた。
「チャンスだ!」
カホルの射線からいくらか機体をずらし、エアロ・クラッパーをMode-Sに変形。SはSlash? Strike? そんなことはどうでもいい。
絶好の距離で、ミツヤのリオンTTは斬撃を放つ。狙うは左腕。これで行動不能だ――
453 : ◆hrBR6tpC7Y:2011/07/01(金) 16:28:05
>>451
カホル「……いいだろう。こいつの本当の力ってのを見せてやる!」
カホルは躊躇うことなくスイッチを押す。するとメーンディスプレイにティータン・システムと表示された。
ブリューナクの眼光色が変わり、機体から発せられる念の力が倍以上になっていると感じる事が出来るだろう。
急にブリューナクの機動性は跳ね上がり、攻撃は容易く回避される。
カホル「ティータン・システムはなあ、ただの強化システムとは違うんだぜ!!」
AECPカノンに今まで以上のエネルギー反応が出る。俄かに信じ難いが、念動力が出力を上げているのである。
カホル「まとめて消してやる!! 行けよおぉぉ!!!」
ブリューナクはAECPカノンを放つ。MAPWレベルにまで出力を上げたその荷電粒子砲は、メガリオンだけでなく後方のグングニールや街をも巻き込む勢いであった。それは機体の反動を殺すためにブリューナクが念動フィールドを展開していることからも分かるだろう。
エレナ「……部下とこの街の市民をやらせるワケにはいかないッッ!!!」
G・テリトリーを全開にしたヒュッケバインMk-2がメガリオンの盾となり、その一撃を全身で食い止める。
エレナ「あとは……まかせ……」
荷電粒子砲が止むと同時にヒュッケバインMk-2は爆発する。
【量産型ヒュッケバインMk-2大破】
455 : ◆YZUHAnFXK6:2011/07/01(金) 17:08:12
>>453
機体が変わった、まるで機体そのものが巨大に見えるようだ。
ピリピリと皮膚が毛穴が汗線が刺激される、捕らえようのない恐怖に近い感覚。
念動力の拡大はメリットだけではない、その感覚を膨れ上がらせるということは、恐怖などの負の部分すらも巨大にしてしまう――――慣れない念動力者同士のプレッシャーのぶつけ合いに
一瞬だけ、秒にも満たない僅かな時間だが思わず機体を止めてしまった。
それが、いけなかったのだ。
―――まずい!
敵が放った荷電粒子砲は強大だ、傷ついたこの機体の念動フィールドで絶えることは難しい。
―――だが……だが!!
後方にいるグングニールはぺーぺーの一般人が乗っている、ここで回避してしまえばグングニールは間違いなく破壊される。
動くことは出来ない、この機体よりも優先するべきことが―――――
覚悟を決めて見据えたモニターに映りこむ光、それをかき消すひとつの影があった。
見覚えのある薄茶色の背、簡易なバインダースラスター……量産型ヒュッケバインのそれ。
女性の砂嵐に紛れたその言葉は、確かにスピーカーから届いた。
爆炎がメガリオンを包み込み、同時に彼に宿っていた火を《炎》に変える。
施された紫の炎のペイント――――まさに、彼の感情をそのまま映したようだ。
増えた。
傷ついた機体でありながら、その動きはさらにキレを増していた。
2機、3機、4機……それは緩急の付いた《特殊な専用マニューバ》による擬似的な分身。
ばら撒かれるマイクロミサイル、現れては消える長距離エネルギー砲を放つ姿。
ホーミングレーザーに紛れて飛び回り、弾倉を空にする勢いで乱射されるショットシェル。
「……お前には勿体無いけどな、いくらでも貰っていけッ!!」
マニューバによって初めて可能となる、単機による擬似複数機攻撃、踊る兆弾《ダンシング・リコシェ》――迫るそれは銃弾の雨などという言葉では表しきれない、嵐と言っても差し支えは無かった。
HP18%
456 : ◆FB0Vu0hpIc:2011/07/01(金) 17:24:49
>>452
「来る!」
頭では反応出来る。だが、未だに歩く事ぐらいしかまともに出来ないグングニール。回避は到底間に合わない。
「!?!? なんだこれ?」
左腕健在。
腰の大型スカートに装備されている板状の何かが一つ射出され、リオンTTの刃を弾いた。
「えっと……SS――ストライク? シールド?」
念動力に反応して機動するストライク・シールド。これなら機体すらまともに動かせない紫亜の気持ちを代言してくれる
「もう一つ。動いて?」
紫亜の念を敏感に読み取り、残る5枚のストライクシールドが機体周囲に展開される。
「あいつを倒して」
と、ストライクシールドに呼び掛けるとリオンTTの左右から一枚ずつ念の刃を纏ったストライクシールドがタイミングずらしの時間差をつけて襲いかかる 。
457 : ◆gnI8YzVxOo:2011/07/01(金) 17:42:12
斬撃はすんでのところで受け止められた。
ストライクシールド。その正体を思い出した時にはもう遅い。それぞれのシールドがギロチンの刃と化して、リオンTTに殺到した。
右腕。左足。右足。左腕。そして、首。それぞれがさしたる間を置かずに斬り断たれた。
「うわあああ――ッ!!」
ミツヤは恐怖に駆られながら脱出装置を作動させた。盛大にロケット炎を噴出させて、コクピットブロックがミツヤごと飛んで行った。
最後のストライクシールドが胴体を真っ二つに裂き、爆炎を上げさせた。
【リオンTT撃破】
458 : ◆hrBR6tpC7Y:2011/07/01(金) 18:09:20
>>455>>457
カホル「……があァァ⁉ これ以上は機体がやられるだけ……か」
只の一撃ではなかった。まさに全弾全力の最大攻撃。念動フィールドでダメージを軽減させたところで損傷を減らせる次元ではなかった。
【ブリューナク残りHP30%】
カホル「クソっ……邪魔が入ったせいで!! ……槍を失うワケにはいかない。ここは下がらせてもらう」
今となってはボロボロのTEX-15はこちらに飛んできたミツヤの脱出ポッドを回収し、キラーホエールのいる所へ撤退する。
こうして、伊豆市街での戦闘は終わった。多大な犠牲を払って―――
459 : ◆FB0Vu0hpIc:2011/07/01(金) 18:13:23
>>457
敵を撃破したストライクシールドが忠犬の様にスカートへ戻って来る。
「……っし。やりましたよエルちゃん先輩!」
小さなガッツポーズ。反射的に何故かバイト先の仲間の名前が出てくる。
「今回限りだよ、こんな危ない事に首突っ込むのは。……私にはバイトも学校もあるし」
そう自分に言い聞かせる。日常を忘れてしまわない様に。
>>455
T-LINKシステムを通して、この機体のパイロットに危険が迫っている事ぐらいは解る。
だが到底、素人紫亜の力では割って入れない様な高機動の戦闘になっている。
「がんばれ」
思いを念に乗せてただ、無事を祈る。
460 : ◆vGTe9D4z5Y:2011/07/01(金) 18:21:53
>>453
ケイト・ラインハルトは勘が良い。それこそ超能力じみているとさえ言われる、悪魔じみた勘の持ち主だ。
敵が何をしたのかは念動力を持たないケイトにはわからない。しかし、猛烈に嫌な空気だけは感じ取っていた。
そして、そう言う時の彼女の勘は外れたことがない。
「いけない……エレナさん……それは」
言い終わる前にACEPキャノンが放たれる。荷電粒子砲の光の奔流がヒュッケバインを焼き尽くす。
そして、光が消えた先には大破したヒュッケバインの姿があった。
ケイトにはその時間が永遠のように感じられた。
「許さない……」
ケイトの目から怒気をはらんだものが見える。轟々と燃える烈火のように、その怒りを一撃にこめる。まさに一瞬だった。
グロウエッジを構えたアインツェルがブリューナクを貫かんと接近する。彼女の高い技量のすべがつまった神速の突きだ。槍の名を持つ相手にその攻撃は……皮肉以外の何があろうか。
461 : ◆hrBR6tpC7Y:2011/07/01(金) 18:28:31
>>460
カホル「……悪いな、感情丸出しじゃ俺は倒せないぜ」
ティータン・システムで念動力が増幅されている今、一直線で向かってくる敵意には簡単に反応が出来る。ギリギリの所で回避行動を取り、ブリューナクはそのまま退却する。
462 : ◆YZUHAnFXK6:2011/07/01(金) 18:36:23
>>458>>459
「はぁっ……はぁ、はぁ……」
過呼吸になりそうなほど小刻みに、肩を大きく揺らしながら空気を取り込む。
幻影たちは薄まるように消え、代わりに大量の薬莢と弾倉がアスファルトを飾っていた。
「逃がした……それだけじゃない、キサラギ大尉を撃墜されて……」
AIMの強制解除、赤く輝く6つの瞳や全身から滲んでいた碧い輝きはもうない。
あるのはただその左腕を?がれ、初陣でありながらボロボロになった姿だけであった
落ちるように道路に降りる、機体ダメージからかミシミシとその脚部パーツが悲鳴を上げる。
立って居るのが奇跡と呼べるほど、それはまさに崩れる寸前の石碑だった。
力を抜くと頭がまるで鉄の塊になったように重くなる。
(AIMの起動後は大体この症状が起きる……また頭痛とぐにゃぐにゃな夢を見ることになるか)
バランスを崩し、後ろに倒れこむようにしてシートに体を預けた。
「……早く少佐にメディックと、キサラギ大尉の捜索を……」
息も絶え絶えに短い通信を味方に送る。
通信を終えると、操縦桿をいたわるように撫でた。
(こいつもボロボロだ……運んでもらわないと流石に無理か……)
この戦いは――――――幕開け。
463 : ◆hrBR6tpC7Y:2011/07/01(金) 18:44:15
>>462
レイカ「ゆ、ユーリ……大丈夫ですの!?」
エドガー「おや……彼自身も機体のように無理をなされたようです、お嬢様。」
レイカ「エドガー、急いで基地に運ぶわよ! ……もちなさいよ、ユーリ」
カラヴィンカはメガリオンを抱えて伊豆基地へと向かう。
464 : ◆vGTe9D4z5Y:2011/07/01(金) 21:48:49
>>461
「……私には仲間の敵をとる力もないんですか……?」
自らの力の無さにうなだれる
──もっと力があればこんなことにはならなかったのかもしれない
無力感が体を駆け巡る。操縦桿を握る力も弱まり、完全に動きを止めてしまった
数分間ずっとそのままだ。ケイトの目もいつもの爛々とした輝きを失っている
「……エレナさんが死んだとは限らない。きっと探せばまだ」
決意したように前を向くと、再び、操縦桿を強く握りしめた
どこかにいるであろうエレナを探し、黒きフレームが空をかけた
最終更新:2011年07月03日 14:52