第6話 「闘覇の宴」 4

200 : ◆rJzb6vv1uA:2011/07/19(火) 03:01:35
???「うんうん、おもしろくなってきた!」
この一連の戦闘をモニター越しにみつめる影

???「やっぱり私の考えは間違ってなかった!ああ、このままもっと面白くなればいいな~」
影がポンと手を叩く

???「そうだ!DR!お前が言って面白くさせたらいいんだ!そうだ!それよ」

DR「はい!ご主人様!私はすぐいって面白く、事態をさせてきます!」

???「うむ!いってくるがよい!」


201 : ◆tL.I1Fkj/Y:2011/07/19(火) 07:27:51
>>194
「トウジ、どうやら壁を一つ越えたみたいね」

そう呟き、僅かに嘆息するエルトロス。
自分が直接な何かをした訳ではないが、仲間が元気を取り戻すのは嬉しい事だ。

>>196-197
風の如く立ち去る闘神機達を、ただ憮然として見送るエルトロス
先程の敵と同等以上の相手がもう一機……どう考えても分が悪すぎる。

「全く、せめて“あれ”が無事なら……それにしても一難去ってまた一難とは良く言ったものね」

配信されたニュースを見て、エルトロスは深く溜め息を吐く。
先程の部隊は間違いなく今ニュースの話題となっている敵の別動隊だろう。
新たなる戦禍の気配を、エルトロスはひしひしと感じていた。

>>199
「あっ、ちょっと待ちなさ……行っちゃったわね」

エルトロスが呼び止めるより早く、デュネイアスは姿を消した。
去り際のアリスの様子が、エルトロスはどうにも気になっていた。
――変な事考えてセレネを泣かせないでよね。回り回って姉さんにまで影響来そうだし。
そんな事を内心思いながら。



>>178
「はいなはいな、承りますれば♪」

レヴィアはやはり表情を崩さずにマハ・ヤートゥとムラサメとペリュトンの元へとポントスを飛来させる。
ゆっくり地表に降り立ちそれらの機体に接触するとポントスは不気味に明滅し始める。

「ではでは皆様御機嫌よう……“大いなる火”の導きの元、またの交差を期待しますれば」

そして、そう言い残すとポントスを含めたDC残党全機の姿が掻き消える。
どうやら、何らかの手段で姿を眩ましたようだ。

【DC残党、全機撤退】



「……いつの間にかアイツ等まで消えてるし」

気が付いたらDC残党まで姿を消していた事に、エルトロスは大きな溜め息を吐いた。


202 : ◆OLze.DQMEw:2011/07/19(火) 09:32:01
【宇宙 ???】

「これはこれは…なかなかおもしろい展開ではありませんか」
ジャッジメントアンドロマリウスフラウロスに倒される場面を見てそう言った。
「しかし…オーストラリアがああも簡単に陥落するとは思いませんでしたよ」

「彼らをうまく利用すれば目的はすぐにでも達成できるかも知れませんねぇ」


203 : ◆FB0Vu0hpIc:2011/07/19(火) 10:18:39
>>194
「その通りやね、トウジクン。前は何も感じなかった。いや、考えようともせんかったけど……今の私には解るんや。……いずれ私には相応の報いを受ける時が来るんやと思う。必ずね」

セレネは自分を慕ってくれていた少年を完膚無きまでに裏切ったのだ。今はその事を悔いている。セレネが心を持ったのも彼らのおかげなのだ。

「トウジクン、いけ……!」

わだかまりが溶けかけている。まだ完全な物とは言い難いが、トウジロウの良い笑顔が見れて、セレネはほっとした。

>>196
「……馬鹿な?……なんでや?あの闘神機はアスケラの師匠の黒龍先生の機体や。なんでやねん!……アスケラをなんで、討ったんや」

アスケラのアンドロマリウスを貫いたフラウロスの一撃。
セレネにはその理由が訳も分からず、ただ苛立ちを覚えるだけだった。
否、理由は解らずともあの黒龍先生はセレネと同じ事をしている。大切な人を裏切った。なに食わぬ態度で。
そして残された者には怒りや悲しみ、憎悪といった物だけが心に刻まれるのだ。

「……アスケラ。しっかりするんや!」

アンドロマリウスは大破。さぞ心身ともに深い傷を負っただろう。
この極限状態だ。心が折れれば、アスケラは死んでしまうだろう。セレネは必死でアスケラを呼び続けた。

>>199
「アリス様、体が辛いのですか?……これは念動力を酷使し過ぎです。すみません。私が……傍に居ながらも、ちゃんと二人を護れんかったせいです」

自分の見通しの甘さがアリスを、アスケラを傷つける。
セレネは何処かアムドゥスキアス戦で一歩退いた様な戦い方をしていた。相手との実力差を判断した時、身体に無意識に歯止めをかけていたのだ。
これでは友に申し訳が立たない。

「……ああ。悔しさっていうのは、こんな感情なんやな」

そして、それと同時に闘神機達のオーストラリア占領の速報を聞きつけ、セレネの生まれたての心には初めての感覚。悔しさと言う物が芽生えた。


204 : ◆vGTe9D4z5Y:2011/07/19(火) 14:50:47
>>203
「昔なら空間転移の一回や二回でへばることはなかったのにね……」
弱々しい声でアリスはそう呟く
しばらくは戦闘もままならないほど念を消耗しきっている
頭痛が酷い。
「守るだなんて……セレネは友達なんだから、そんな気負わな…くて良いよ」
消え入りそうな笑みを浮かべながら、やんわりと否定する
そう、アリスとセレネの関係はもう主従関係ではない
そういう損得を抜きにする友好関係にあるのだ
「私のことは…アリスって呼んで欲しい」
様をつけられることで壁を感じていた
弱っている今だからこそ、このような本音が出たのだろう


205 : ◆FB0Vu0hpIc:2011/07/19(火) 16:40:54
>>204
「はい、わかりました。……いんや、わかったでアリス?……こんな感じで?」

実に自然な感じでついでに敬語もやめにしてみた。
セレネとしても心のどこかでそうしたいと願っていたのだ。

「ごめんな、アリス。私は友達としてキミ達を守りたい。それは気負いとか主従とかや無いんやよ。キミの笑顔を護りたい……ええかなアリス?……お願いやから私にキミを守らせてくれ」

こんなにも弱っているアリスはセレネは見た事が無い。あのソルには見せていたのだろうか……?
セレネはアリスのこの今にも消え入りそうな笑顔を見て思う。こんな事は二度とさせてなるものかと。


207 : ◆hrBR6tpC7Y:2011/07/19(火) 18:05:26
【オーストラリア・トリントン基地】
連邦軍人「な・・・なんなんだ、アレは!?」

突如として、オーストラリアの上空に浮遊大陸が出現したのである。そして・・・そこからは大量の巨人が降ってくるのである、雨の如く。

決死隊員「ヒャッハー!汚物は消毒だぁ!!」

落下したサブナックの軍勢はオーストラリア各地で暴動・略奪・破壊の限りを尽くし始める。
そして、トリントン基地には――

???A「ほぅ・・・・・・・ここが“異界”であるか!」

巨人の中でも3倍くらいは大きい特別なものが基地のど真ん中に落下してきた。

???B「なかなか、我らの世界と似ているように見える。」

その近くに着陸する桃色の巨人の中にいる女性が大巨人の操縦者に語る。

???C「――――視える。この地が瞬く間に我らの物となるだろう。」

桃色の巨人の反対側に現れた灰色の巨人の操縦者であるスキンヘッドの男には、これから起こるであろう事象が分かるようだ。

連邦軍人「貴様らは何者なんだ・・・・・・?」

???A「――炎の氷柱であるッッ!!!」

グリフォンの翼と大蛇の尾を持つ狼の姿の大巨人は翼を大きく広げ、闘気を溜める。すると、翼からミサイルのようなものが沢山生えてくるではないか。

???A「しかと見るが良い・・・・・・これが天を覇しうる力よぉぉぉぉぉおお!!!!」

ミサイルのようなものは一斉に発射され、基地は一瞬で吹き飛び――辺り一面が焼け野原と化した。僅かの時間で地球連邦軍のオーストラリア方面軍本拠地は消え去ったのである。

???A「フッ・・・この程度のものであるのか、なんと弱き存在であることか・・・・・・・」

???B「王、部隊から・・・各地で我が方が押しているとの報が・・・・・・。」

???D「・・・・・・あっけないものだな、この地の闘士は。」

焼け野原に一体の黒い巨人が歩いてくる。存命する3体の巨人に近づくと、その巨人の操縦者は中から降りてみせる。

???A「――拳聖殿か。長らくの勤め、ご苦労である!」

サウザンド「武王拳当主代理サウザンド・クロウ、只今をもって帰還致す・・・。」

???C「・・・・・・・拳聖黒龍、娘がいないようだが?」

ニヤりと口を歪ませて、スキンヘッドの男は尋ねる。

サウザンド「反抗者なら、ワシが自ら破門にさせた・・・・・・これで文句はあるまい、ヌンキ・ボレアリス――幻朧拳当主よ。」

ヌンキ「フン・・・己が弟子を率先して処分するとは、流石・拳聖といったところか。」

???B「・・・・・・本当ですか!?ヨハンだけでなく、妹のアスケラまでが・・・そんな・・・・・・」

サウザンド「――ザディーラ、ワシは事実を述べたまでよ。」

ザディーラ「・・・・・・。」

桃色の巨人に乗るザディーラという名の女性は顔を俯かせる。幼馴染のみならず、その妹までが“あの方”に反抗して戻らぬ身となったからである。

???A「――――まぁよい。それが拳聖殿なりのケジメなのならば、な。」

サウザンド「ははっ!」

???A「さて、この島を制圧次第・・・俺はこの世界に布告をしよう。ワシが力を以て全てを奪う、とな。この私に続けぃ!!!」

サウザンド・ザディーラ・ヌンキ「はっ・・・・・・我らが覇天王カウス・アウストラリス!!!」

大巨人の操縦者が一喝をすると、他の3体の巨人は跪いた。

覇天王(フフフ・・・、愉しみだなァ――――アスケラ、アスケラ・ルクバート。兄妹揃って我に挑むとは愚かであると、貴様のアンドロマリウスをこの手で潰して証明してみせようぞ!!!)

ヌンキやザディーラはサウザントがアスケラを殺したと思っていたが、この漢・・・この漢だけは真実に気付いているようである。


209 : ◆vGTe9D4z5Y:2011/07/19(火) 18:59:43
>>205
「うん」
敬語をやめたセレネに、にこりと笑みを浮かべ、頷く
「私もあなたのことを」
守る。そう言い終わる前に彼女は気を失う
すやすやと幸せそうに眠りにつく姿はどこを見ても、何の変哲もないただの少女のそれだ
誰かに身を任せて、眠りにつくのは彼女にとってはこれが二回目
強さだけを求められていた存在であるがゆえに、心は子供のように脆い
(ソル…)
夢を見ながら、その名を小さくつぶやいた


210 : ◆FB0Vu0hpIc:2011/07/19(火) 19:47:43
>>209
「ああ、今はお休みな……アリス」

3人、3機共にボロボロの状態だ。しばらくは闘う事は出来ないだろう。とにかく、今はアリスとアスケラをしっかりと休める場所に連れて潜んでいるしか無かった



~宇宙・廃コロニー~

闘神機達のオーストラリア制圧の報は宇宙のアルカナシリーズ達にも伝わっていた。
「あー!?クロノ、あのオーストラリアを制圧した奴らの軍勢、この間ジャッジメントが調べると言ってた奴と似ているのよ。きっと出所は同じだわ」

モニターに写るオーストラリアの状況を見て、フールは大声をあげて画面を指さす。モヒカン頭の機体の姿は、知識人ならばこそ、完全にブルーフィストやそのお供の黒の機体と同系列であると判断出来た。

「……ああ、本当だ。今、赤茶の角付きが映っているな。彼らと共に現れた城の様な浮遊物も大いに気になるよ。彼らは我々とは違い異世界から……明確な意思を持ってこちらにやって来たのでは無いか?考えたくは無いがね」

クロノはワイングラス片手に不敵に笑う。もしかすると彼の欲する物がすぐに手にいれられるかもしれないのだ。

「馬鹿バっカやろう!仮にそうだとしたら、あそこから転移装置を奪えって言うの!?……ごふっ!…あんたは無茶なのよ!?それじゃまたアルカナシリーズに犠牲が出るわ……げふ!ごほ!」

オーストラリアを制圧した闘神機達の力は本物だ。アルカナシリーズも総力戦を挑まねばならぬだろう。そしたらまたクロノは使い捨てる様に人形達に『切り札』の発動を命じるに違いないのだ。
フールはそんな事を許してたまるかと感情を昂らせ激怒。しかし、クロノには何も伝わっていない様で、ただ心拍数が乱れ、発作を引き起こしてしまうだけである。

「落ち着くんだフール。私も君の言う程は馬鹿では無いさ。第一にムーンとアリス・ウィンザードを始末しなければならない。総力戦は流石に勿体無いからな。……まずはオーストラリアの彼らに探りを入れよう。転移装置を持っていなければ、今後とも無視していい相手だ。……フール、君ならばここでどのカードを切るのが適任と思うかね?私は君が再調整を施し、犬の様になったサンを見てみたい所だね」

そう言って懐からおもむろにタロットカードのセットを取り出し、19番、太陽のタロットを場に置いた。

「ソルは……駄目だよ、バカ野郎。却下。……そうね。ジャッジメントの奴とは完全に別方面から1人。あいつらを探らせるわよ。……星。ステラなら絶対に上手くやるわ」

フールもタロットデックから新たに17番、星のカードを抜き出して、太陽のカードを脇にどけ、それを場に置く。

「なるほど。スターならば失敗しないだろうね。私はムーンとの直接対決に是非とも彼女を切りたかったが、君が言うならば間違い無いか」


211 : ◆YZUHAnFXK6:2011/07/19(火) 20:28:34
【???】

「……オーストラリア、ちょっと厄介ね」
色素の薄い金の横髪を中指で持ち上げると、それを耳へとかける
細めた瞳はもう一度記された文字をなぞり
小指の先にも満たない小さな隙間を空けたその唇からは、憂いの篭った吐息ともため息とも分からないものが漏れる

得体の知れない異邦人に、しかも蛮族まがいの敵に制圧されるのは彼らにとっては面白くないことであった。
戦線は完全に混沌としている
異邦人のどれかが早々に壊滅してくれれば持ち返しも効くだろうか?
そうも行かないだろう、どちらかといえば「こちらの人間同士の争い」が終わった方が安定するか……

「そう、か……」
指先は記されたある単語の上でぴたりと止まる
結局この争いの中心に位置する彼ら――――TEXチームにかかっていると見ていい。
彼らが生き残ること、勝ち残ることはデメリットも多い……だがそれ以上のメリットを得られるだろう。

現に今彼らはその恩恵の1つを肖ろうとしているのだから。
既に彼の念動力はあれを使用するには十分な域に達しているはずだ。
だが使用したという報告は今のところ受け取っていない

「―――――そろそろ一回焚き付けに行く頃合かもしれないわね」


213 : ◆tL.I1Fkj/Y:2011/07/19(火) 21:09:15
>>207
【ほぼ同時刻、浮遊大陸にて】

予備兵力として待機していた一軍の先頭に立つ、樹木色の魔人。
その操縦者である壮年の男は、大陸各地の自軍の状況をつぶさに観察していた。

「ふん、ほぼ全域に置いて我が軍が優勢か。やはり我の出番は無さそうだな」

自分の想定通りだと言わんばかりにそう呟く壮年の男。
樹木色の魔人の直ぐ近くに控える機体に乗る操縦者は、そんな彼に対して更なる報告を行う。

「……軍師様。大陸の占拠、ほぼ滞りなく完了しました」
「ふむ、想定していた中でも最も早い時間だな。鎧袖一触とは正にこの事か……」

──異界の軍とは何とも脆弱な物だ。
軍師と呼ばれた男……アル・ワズルは、そう呟きながら此度の作戦の成功をほぼ確信した。
そこで先程の兵からの報告にあった『ほぼ』という言葉が引っ掛かる。

「……ん? 待て、『ほぼ』とはどういう意味だ?」
「はっ、それが……覇天王様が、基地を一つ消滅させてしまわれたようでして……」
「……あの御方は……まあ、良い。ある意味では想定の範囲内だ」

あの御方が前線に出られたならば、まあそういう事もあるだろう。
眉間を抑えながらもそう考えアルたは、思考を別の方向へと切り替える。
今、これより考えるべき事は、次なる一手をどう打つかであるならば。

「これからますます忙しくなりそうだな……」

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最終更新:2011年07月19日 22:34
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