第7話 「発動因子」 3

308 : ◆gnI8YzVxOo:2011/07/24(日) 12:01:32
ホリゾントの貴賓室のドアを叩いて、許可が出た後開ける。
くつろぐ客員に、少佐は折り目正しい敬礼を向ける。
アイノクス・クーガー少佐です。マサト・ミツルギ中将」
二人はミツルギの乗艦の際に一度顔を合わせただけで、面識はない。言葉を交わすのはこれが最初と言っていいだろう。


309 : ◆tL.I1Fkj/Y:2011/07/24(日) 12:48:41
308
入室してきた青年の生え抜きの軍人らしい綺麗な敬礼に感心しつつ、返礼するミツルギ。

「マサト・ミツルギだ。道中世話を掛けるが改めて宜しく頼む、アイノクス・クーガー少佐」

齢70を越えてなお矍鑠としたその振る舞いは、正しく歴戦の兵を連想させる姿。
しかし、次の瞬間にはその風貌に相応しい好々爺然とした態度で言葉を繋ぐ。

「それと、私は既に退役した身だ。今、中将と呼ばれるのは少々……気にはなるな?」

冗談めかした口振りではあるが、良く見れば目が笑っては居ない。
態々世間話をしに来た訳では無いだろう……そう問い掛けているかのようであった。


310 : ◆gnI8YzVxOo:2011/07/24(日) 17:21:42
309
「失礼しました。では、ミツルギ議員」
姿勢を崩さず、少佐が言った。
「このホリゾントのみならず、陰日向の数多のバックアップ、TEXチームを代表してお礼を申し上げます」
礼を代わりに言っておいてくれ、とはクリストフ翁から事前に言われていたことである。それに、少佐も個人的にこの議員に興味があった。


311 : ◆tL.I1Fkj/Y:2011/07/24(日) 21:12:51
310
「何、この星の未来を守るために必要な事を行っているだけだ……君達には、期待している」

自分は職務に忠実に、当然の事をやったまでだ。そう言いきるミツルギ。
その口調は何処までも実直で、込められた思いは正しく本物。
そして、続く言葉もまた万感の思いが込められた物だった。

「君達はあの馬鹿者が……誰よりもこの星の事を思っていた者が見定めた剣なのだからな」

そう呟き、ミツルギはそっと目を閉じる。
思い返されるのは、この星を思うが故にとんでもない暴挙に出た一人の男の姿。
もしもあの時、自分に今ほどの権力があれば或いは……今更の話ではあるが、どうにも考えてしまう。


312 : ◆gnI8YzVxOo:2011/07/24(日) 22:56:59
311
「……ご期待に沿えるよう、善処します」
返す言葉はそれしか浮かばなかった。

同じ頃、ホリゾントに追従しながらキラーホエールが深度を上げてゆく。
ホリゾントのレーダー範囲の限界近くまで近づき、浮上――リニアカタパルトから射出される機体は、ガーリオンだ。
ただのガーリオンではない。ガーリオン・テレキネシスカスタム。通称TC。
厳しい訓練に耐えたミツヤのために、トウドウがガーリオンに乗れるように掛けあってくれたのだ。
「感謝しますよ、トウドウ少佐……!」
上昇するガーリオンTCに三機のロンギヌスが並行する。いっぱしの軍人になった気分だった――階級は曹長のままだが。
「さあ行くぞ、TEXチーム!」
ガーリオンTCを中心に編隊を組みながら、ミツヤは白銀の艦艇目掛けて機体を走らせた。


313 : ◆OLze.DQMEw:2011/07/24(日) 23:28:12
キラーホエールからガーリオンTCとロンギヌスが発進したのをウィリアムは見届けた。
「さて…これからどうする?」
キラーホエールの艦長がウィリアムに尋ねる。
ブリューナククラウソラスも発進させて下さい。
 他の艦からもお願いします。」
「了解した。各機発進せよ。」
続いて他の3隻のキラーホエールも浮上し、機体が発進する。
アートルム、そして水面を高速移動する新型機ーアートルム・アサルト。
それらもTEXチームに襲いかかっていった。

【アートルム9機、アートルム・アサルト9機、キラーホエール3隻出現】


314 : ◆tL.I1Fkj/Y:2011/07/25(月) 00:04:18
312
クーガー少佐の言葉に頼むぞと小さく頷くミツルギ。
と、その時突然、敵襲を告げる警報が鳴り響く。

「……ほう、敵襲か。なんとまあ、予想通りとはこの事か」

ミツルギはそう呟き、再びクーガー少佐に向き合う。

「では少佐、TEXチームのお手並みを拝見させて頂こう」



312-313
敵襲の報を聞いたエルトロスは、急ぎ格納庫へと駆けていく。
そして格納庫に到着すると直ちにディアビスへと乗り込み、起動準備に取り掛かる。

「……良いわねメラン、お爺ちゃんの見てる前で無様は晒せないわよ」

強い意思の込められたエルトロスの言葉に、本来の姿に戻ったメランもまた力強く頷く。
無理を言ってTEXチームに捩じ込んで貰ったのだ、それに見会うだけの成果を出して見せる……そう言わんが如く。

エルトロス・アイカテリネ、ディアビス出るわよ!」

そして、深紅の巨人は戦場へと飛び立った。

316 : ◆FB0Vu0hpIc:2011/07/25(月) 01:49:10
312>>313
「潜水艦で追いかけて来たの!?あの機体群は例のテロリスト組織だね」

紫色の人型機動兵器、グングニールが出撃する。与えられたポジションはバックス。旗艦ホリゾントの周囲に展開し、主に前衛が撃ち漏らした敵機を的確に射抜くサポート役だ。

「……ちょっと待った。ここは抜かせないよ」

ホリゾントの大空弾幕と織り交ぜる様にグングニールのセトル・リフレクターから放たれた念動収束レーザーが敵機体アートルムを射抜き、海へと墜落させる。
激しい火線が敵機を全く艦に寄せ付けない。


317 : ◆vGTe9D4z5Y:2011/07/25(月) 11:05:50
312‐313
「敵襲……」
最初に反応したのはイータであった
機影から判断するに、例のDC残党
シグルド改は出撃すると、ホリゾントに寄り添うように周辺を守る
彼女の役割は後衛。主に遠距離から援護射撃をする役回りだ
一方、ケイトはアインツェルを敵中央まで加速させた
本来なら、どの距離にも万能に対応出来るアインツェルは中衛として立ち回るべきなのだが、ケイトにはそれが理解出来ていない
先行してきたアートルムをビームソードで叩き落とすと、回線を使って宣言する
「ホリゾントには指一本触れさせませんよ」
中央に陣取るように双剣を構えたアインツェルが鎮座していた
イータはまた始まった、と呆れ顔でケイトを見ていた
アインツェルが中衛をこなす可能性をほぼゼロと見ていたため、ある意味予想通りではあるが、それでも実際にその光景を見ると……といったところだろうか


318 : ◆tL.I1Fkj/Y:2011/07/25(月) 12:03:00
313,316-317
「……ふぅん、今の所は問題無いみたいね」

仲間の様子をみて問題無しと踏んだエルトロスは、ディアビスを敵陣深く突撃させていく。
サーベル片手に突撃してくるアートルムに対しては手刀の連続突きから回転斬りを放ち撃破。
続けざまに横合いから放たれるアートルム・アサルトからの攻撃をバレルロールを行いながら回避。
その勢いのままアートルム・アサルトに肉薄し、回転肘打ちから回転蹴りを叩き込みそれを撃破。
こうして、ディアビスは敵陣の真っ只中にて舞い踊る。
自分達に求められるポジションはフォアード。敵陣深くにて戦う事こそがその真骨頂なれば。

「さあさあ、折角こうして前に出てきているのだから……どんどん掛かってきなさいな?」

挑発的な笑みを浮かべ、辺り一円に念を発するエルトロス。
──強き念は、敵味方を問わず意識を集める──
その性質を理解した上で発せられる念は、戦場に置いてさながら誘蛾灯の如く輝く。


319 : ◆OLze.DQMEw:2011/07/25(月) 18:41:44
「各機、念動力者の援護に徹せよ。
 アサルト隊は遠距離から敵旗艦を狙え」
キラーホエールの艦長の指示で接近していたアートルムとアートルム・カスタムが距離をとる。
念動力者たちを念動力者たちに任せるかのように。


320 : ◆hrBR6tpC7Y:2011/07/25(月) 19:35:06
316
ラバン「••••••そうはいかせないッッ、シア!!」

爆炎の中からビームの光線が3発、グングニールに向かってくる。姿を視認せずとも、念動力により向けられる敵意などで相手の位置は把握出来るものである。


317
カホル「そらよ!」

ブリューナクのAECPカノンの射程圏は長いので、突撃してくるケイトのアンツェルだけでなくシグルド改すら狙える。荷電粒子砲はアインツェルを掠めてシグルド改に向かってくる。

カホル「•••••••お前の相手は人形で充分だ。コイツを試させてもらう!」

アインツェルには3機のロンギヌスが襲いかかる。3機は編隊を組み一斉に射撃を行う


321 : ◆hrBR6tpC7Y:2011/07/25(月) 19:43:20
レイカ「••••••ホリゾントの防衛はわたくしのカラヴィンカにお任せなさい!皆さんは敵の撃退に集中を!!」
エドガー「ここが特機の正念場でありますな、お嬢様。」

カラヴィンカはホリゾントにしっかりと張り付き、防戦に徹するようである。

レイカ(わたくしには、わたくしの闘いがありますわ••••••!そう、前線で活躍するだけが戦争ではないように。)


322 : ◆FB0Vu0hpIc:2011/07/25(月) 20:06:11
320
「……っぐ!?……何か、またあの白い女の人のイメージ?」

脳内にまた違和感。前に戦った時と同様の白い女性のイメージがフラッシュバックされる。
セトル・リフレクターの防御モード。そのエネルギーリフレクターでグングニール、紫亜にプレッシャーを掛けてくるクラウソラスの三連の射撃攻撃をブロック。

「また性懲りも無く……!」

とにかくはその違和感をぬぐい去り、グングニールもセトル・リフレクターの射撃モードを連射して迎撃に応じる。

321
「レイカさん、敵のTEXナンバーはグングニールを何故か狙って来てます……。グングニールが囮になることで、あいつをホリゾントから引き離します」

臨機応変にホリゾントから離れ、自ら動くことで、敵を誘導する様だ。

「ホリゾント頼みます」


323 : ◆gnI8YzVxOo:2011/07/25(月) 20:07:03
314
少佐はミツルギに敬礼を残し、艦橋へ向かう。
「幸い物資にスクリューモジュールが三基ある。飛行が不可能な機体は優先して装備しろ」
命じて、ホリゾントに尋ねる。
「敵は?」
ジュワユーズである確率は90%と判断します。――敵AMが四機編隊で接近中、迎撃行動に入ります』
機銃とミサイルが敵編隊――ガーリオンTCと三機のロンギヌスへ襲いかかる。
ミツヤは慌てずかわせるものはかわし、流れてきたミサイルをマシンキャノンで撃ち落とす。
モニタに目をやると、
「『羽付き』か」
カラヴィンカの巨体が視界に入る。看過は出来ない相手だった。
「ロンギヌス、奴を撹乱しろ!」
三機のロンギヌスが正三角形の陣形を組んでカラヴィンカへフォトン・ガンを浴びせかける。


324 : ◆vGTe9D4z5Y:2011/07/25(月) 20:09:04
320
不意の射撃を受けるも、ケイトはよろめきながらも回避、イータは敵意を感じ取っていたため、念動フィールドにより、ACEPキャノンのエネルギーを遮断した
「あなたは……」
ケイトの雰囲気が一変する。憎しみや怒り、普段のケイトとは違う黒い感情が渦巻いていた
三機のロンギヌスの連携攻撃を捌ききることが出来ず、受けるが、関係ない
「エレナさんの敵討ちではありませんが、私があなたを討たせて貰いますよ」
口調は丁寧だが、どことなく強い感情が籠もっていることは分かる
くるりと回転し、連携を強引に崩すと、三機のロンギヌスへと踏み込んだ
両腕のツインビームソードと右足によるお手本のような三段攻撃
軸となった足を使い、空中で宙返りをすることですぐに体制を立て直す
「援護するよ」
防御された相手にはシグルド改から放たれるレンダクルランチャーが襲いかかる

【アインツェル残り耐久80%】


325 : ◆OLze.DQMEw:2011/07/25(月) 20:17:23
【訂正】>>319
(誤)アートルム・カスタム→(正)アートルム・アサルト


326 : ◆hrBR6tpC7Y:2011/07/25(月) 20:44:59
322
ラバン「・・・・・・くっ!?・・・・・・やはり、反応するか――シア。」

グングニールと交戦状態になると、彼女にも相手の姿にイメージが再びフラッシュバックされる。

ラバン「貴様にも視えているのなら、私にも視えるッ・・・・・・!!」

己に向かってくるグングニールの射撃よりも遥かに速く飛んでくる敵意に反応することさえ出来れば、回避行動は造作もない。

ラバン(・・・・・・しかし、あの時ほどの感覚はない。となれば・・・・・・鍵となるのはティータン・システムなのか?)

いくら強い念動力を持ち合わせていても、平時に共鳴を起こすことは不可能に近い。その陰には、互いの機体に仕組まれた力の解放が必要なのだ。

ラバン「・・・間合いを詰めれば!!」

前回の交戦経験を生かし、紫亜が不得意とする近接戦闘に持ち込もうとクラウソラスはスラスターを吹かして接近してくる。

ラバン「セトル・ベイオネットの方が剣としては優秀だ・・・。さぁ、受けろ!!」

牽制にセトル・ベイオネットの射撃モードで2発撃ち、そのまま銃を剣へと可変させて斬りかかる。


324
カホル「――散開。」

彼の念による号令で密集形態を取っていた三機のロンギヌスは瞬く間にお互いから離れ、攻撃を回避させてみる。

カホル「・・・・・・これは、なかなか使えそうだ。次はこうだ!」

散開したロンギヌスを再び呼び寄せて、ブリューナクを中心に三角形の形に陣取る。

カホル「今度は俺も一緒だぜ・・・!AECPカノン!!」

ロンギヌスのフォトンガンを小隊攻撃にし、本命のAECPカノンをアインツェルに放つ。


327 : ◆hrBR6tpC7Y:2011/07/25(月) 20:51:43
322
レイカ「・・・・・・分かりましたわ!気をつけてね、シア・・・。」

ここは彼女の狙いを受け入れ、奪われたTEXシリーズは紫亜に一任してみる。

323
エドガー「このカラヴィンカにビーム攻撃とは・・・。」

機体の表面にはビームコートが施されている。特機としての持ち前の堅さと相まってダメージは軽微なものとなる

【カラヴィンカ残りHP95%】

レイカ「・・・・・・・残念ですけど、わたくしはその手には乗りませんわよ!!」

あくまで自分の使命は母艦の防衛。逸る気持ちを抑えて、その場をキープしたままウイングカノンで各個に対応するように反撃をする


328 : ◆hrBR6tpC7Y:2011/07/25(月) 21:10:02
323
エドガー「このカラヴィンカに生半可な攻撃は通らないので御座います・・・。」

特機としての持ち前の堅さでダメージは軽微なものとなる

【カラヴィンカ残りHP90%】

レイカ「・・・・・・・残念ですけど、わたくしはその手には乗りませんわよ!!」

あくまで自分の使命は母艦の防衛。逸る気持ちを抑えて、その場をキープしたままウイングカノンで各個に対応するように反撃をする


329 : ◆vGTe9D4z5Y:2011/07/25(月) 21:28:54
326
「避けられた…!でも」
三体から放たれるフォトンガンを神懸かり的な反応で避けていく途中、ACEPカノンのチャージに気づく
とは言え、急に動きは返られない。ACEPカノンをシールドを投げつけ、攻撃を遮断
爆発を起こし、撃墜を偽装した
鮮やかなまでの動きで、ロンギヌスに回り込みツインビームソードを振るう


330 : ◆hrBR6tpC7Y:2011/07/25(月) 21:46:50
329
カホル「・・・・・・お前からは念動力を感じないが、なかなかやるじゃないか・・・!?」

ロンギヌスAは右脚部を切断され、痛手を負う。

【ロンギヌスA残りHP69%】

カホル「このすばしっこい相手はラバンに任せたいが――――奴はTEX-14を食い付かせているから無理、か・・・・・・。」

高機動をウリにするアインツェル相手に、砲戦主体のブリューナクでは相性が悪い。

カホル「まぁ・・・ティータン・システムを使うのも早いか。・・・・・・ならば、アレを試してみる価値がある・・・。」

カホルは念動力でロンギヌスに指示を送る。
その指示を受けたロンギヌスはぐるぐるとアインツェルの周囲を高速で回りながら近づいてくる。無人機だからこそ、多少なりと無茶な機動が取れる。

カホル「・・・TEX-03、お前は暫く俺に釘付けになってもらうぞ・・・・・・!!」

ブリューナクは機動性を活かして、シグルド改の死角へ回り込むようにしてAECPカノンを撃つ。


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最終更新:2011年08月19日 19:51
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