四度目の定時放送の時間となった。
これで開始から一日が経過したことになる。
この声を聞く者は皆、この一日この地獄を潜り抜けた精鋭だ。
まずは、よくぞここまで生き残ったと褒めたたえよう。

今回は特に重要な連絡事項があるからね、殺し合ってるものは手を止めて耳を傾け、寝ているモノは起きるといい。
言いかな? それでは行くよ、聞き逃さないように。

まずはいつも通り禁止エリアの発表だ。
追加される禁止エリアは。

『F-6』
『F-8』
『H-5』
『H-7』

後はCとIのライン、3と9のラインを禁止エリアとする。
もはや動ける範囲の方が狭くなってしまったが、足を踏み外さぬようこれまで以上に慎重に行動することだ。

次に、この6時間で脱落した死亡者の発表を行おう。
死亡者は


以上9名。
生き残りは8名となる。
そこにいる僕を除けば7名か。
いよいよ佳境という所か。

そしてここからが君たちに直接かかわる大事な話だ。
覚えているかな? 1時間に1人死者が出なかった場合、ランダムに首輪を爆破するというルールの事を。
この場面でわざわざこのルールを振り返ったという意味が賢明なキミ達なら分かるだろう?
そう、先ほどの6時間で1時間人の死ななかった時間帯が存在する。
まったく、これだけ死んだのに人が死ぬ時間が偏り過ぎていたようだね。

それは始まりと終わりの1時間。つまり2名だ。
2名、生存者からランダムに死亡者を抽出する。

ここまで生き残った参加者をこんな形で失うのは僕としても不幸だが。
これもまた運命か。
ではペナルティーを受ける死亡者を発表する。


以上2名。
処理の実行は30分後だ、0時30分に行う。
支給した時計は正確だから、それを見ながら心してその時を待つといい。
祈ったところで救われるでもないが、せめて悔いは残さぬよう。

さて、革命の時は近い。
これが恐らく最後の放送になるだろう。
キミ達の、この世界の至る結末を僕に、神に、世界に見せてくれ――――!

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


パチン、と音がした。


放送を終えたワールドオーダーが放送室の灯り落としたのだ。
役目を終えた放送室の出口に向かい、その扉を開く。

唯一の住民が消えれば自然、光の落ちた薄暗い部屋は静寂に包まれる
永遠に変わらぬような静寂。
それは不変だ。

だが永遠などありはしない。
その静寂はいつか破られる。
永劫の不変は破られるのを待つように、訪れる者を待っている。

いつか至り、終り、変わる世界のように。

いつか破られる、その時を待っている。




本を閉じる様に、パタンと扉が閉じた。

















今はまだ、訪れる者はいない。















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最終更新:2018年11月12日 13:27