ROOT
URL | http://root.cern.ch/ |
説明 | 高エネルギー物理学で使われる、解析用ソフトウェア |
金額 | 無料(GNU LGPL) |
ROOTとは
ヨーロッパ合同素粒子原子核研究機構(CERN)が開発した、C++による解析ソフトウェアである。素粒子、原子核物理学、宇宙線、宇宙物理といった、高エネルギー物理学の分野で主に使われている。
C++のインタプリタであるCINTが内蔵されているため、全てのマクロやコマンドをC++で書くことが可能である。そのためC++を知っているものであれば、新たな言語を習得する必要がないので非常に使いやすい。
インストール
OS Xで使用する場合は(他環境ではDYLD_LIBRARY_PATHは不要)、3つの環境変数を設定する必要がある。
bash環境では、
$ export ROOTSYS=/usr/local/root $ export PATH=$ROOTSYS/bin:$PATH $ export LD_LIBRARY_PATH=$ROOTSYS/lib:$LD_LIBRARY_PATH $ export DYLD_LIBRARY_PATH=$ROOTSYS/lib:$DYLD_LIBRARY_PATH
を実行する。また、cshやtcsh環境では
% setenv ROOTSYS /usr/local/root % setenv PATH ${ROOTSYS}/bin:${PATH} % setenv LD_LIBRARY_PATH ${ROOTSYS}/lib:${LD_LIBRARY_PATH} % setenv DYLD_LIBRARY_PATH ${ROOTSYS}/lib:${DYLD_LIBRARY_PATH} % rehash
を実行する。次回以降のログインでもこの設定を自動的に有効にさせる場合は、bash環境では前者を$HOME/.bashrcに、cshもしくはtcsh環境では後者を$HOME/.cshrcに書いておく。
1) バイナリからインストールする場合
例えばftp://root.cern.ch/root/root_v5.13.06.macosx-i386-gcc-4.0.tar.gzからバイナリをダウンロードする。ここで、Intel MacとPowerPC Macでは異なるものが必要なので、URLをよく確認すること。次に
例えばftp://root.cern.ch/root/root_v5.13.06.macosx-i386-gcc-4.0.tar.gzからバイナリをダウンロードする。ここで、Intel MacとPowerPC Macでは異なるものが必要なので、URLをよく確認すること。次に
$ tar zxvf root_v5.13.06.macosx-i386-gcc-4.0.tar.gz $ su Password: # mv root /usr/local
2) ソースからコンパイルしてインストールする場合(bash環境と仮定して説明)
例えばftp://root.cern.ch/root/root_v5.13.06.source.tar.gzからsourceをdownloadする。次に
例えばftp://root.cern.ch/root/root_v5.13.06.source.tar.gzからsourceをdownloadする。次に
$ su Password: # tar zxvf root_v5.13.06.source.tar.gz # mv root /usr/local # cd /usr/local/root # ./configure # make # exit
とする。あくまでこれは一例であり、環境や好みによってやり方が異なる場合がある。初心者はこれで問題ない。
上記の1)か2)を行った後、
$ root
と打てば、ROOTが起動して
******************************************* * * * W E L C O M E to R O O T * * * * Version 5.12/00 10 July 2006 * * * * You are welcome to visit our Web site * * http://root.cern.ch * * * ******************************************* FreeType Engine v2.1.9 used to render TrueType fonts. Compiled on 11 July 2006 for macosx with thread support. CINT/ROOT C/C++ Interpreter version 5.16.13, June 8, 2006 Type ? for help. Commands must be C++ statements. Enclose multiple statements between { }. root [0]
のように表示されるはずである。
root [1] .q
と打てば終了する。
$ cd /usr/local/root/tutorials $ root root [0] .x benchmark.C
とすれば、ROOTを用いたベンチマークが実行される。これがうまく実行できれば、インストールは成功である。
32 bitでコンパイルする場合
PyROOTを32 bitで使用する必要がある場合(Pythonを参照)、ROOTを32 bitでコンパイルする必要がある。この場合、configureの時点で
./configure macosx --enable-python
のように、"macosx"と明示的に環境を指定することによって、32 bitでコンパイルされるようになる(64 bitの場合は"macosx64"である)。
参考文献
[1] René Brun, et al. (2005) "The ROOT Users Guide"
[2] 藤井恵介 (2003) 『Dis45ユーザーのためのROOT入門 猿にも使えるROOT:番外編』
[2] 藤井恵介 (2003) 『Dis45ユーザーのためのROOT入門 猿にも使えるROOT:番外編』
Last Updated: 2008-11-18