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跋扈vsアンチ跋扈――元締最期の戦い――

―――対跋扈連合

「最後の戦い、と思えば不思議と心が寂しくなりますね」
「けれど最後の宴だからこそ思いっきり騒げる。そうじゃないの?」
「そうですね。もっともこの宴、私達の勝利以外に有り得ませんが」
大きな戦の前だというのに緊張の欠片すら感じさせない女性が二人、対跋扈連合旗艦『ラー・カイラム』の一室で談笑していた。
「・・・なんだ、こんな所で油を売ってたのか。しかも酒臭い。作戦前だというのに貴様達は何をしてるんだ」
「何って、アンタんとこの大将と勝利の美酒を先に味わっていたのさ。ねえ、カリス?」
「そうですね、カエデ。しかしHolly、アナタもKYと呼ばれたくなかったらもう少し空気をよm」
「分かった分かった、今度からそうする。艦長達が呼んでいる。全パイロットはブリーフィングルームに集合だ」
「アナタは言ったそばから・・・いいでしょう、行きましょうカエデ」
「ああ。Holly、君も軍略以外をもう少し学んだほうがいいぞ」
「って待て、ゴミを散らかしたまま行くな。おい、聞いてるのか。くそ、何で俺が片付けるハメに・・・」
そう呟く青年を他所に、二人は酔った素振りも無くブリーフィングルームへと去っていった。

「さて、作戦の説明は以上だ。質問はあるか?」
「大有りなのだー。なんでこの艦が他の艦を置いて前に出る必要があるのだ。旗艦は後ろで撃墜されないようにするべきじゃないのかー!!」
「落ち着けプラティ、さっきも説明があっただろ。他の艦じゃ機動部隊の援護が出来るほどの練度を持ったクルーがいないんだ。」
「でもウィルだってこの艦に乗ってるから、前に出るのは困るんじゃないのかーっ!?」
「でもそれはこの艦に乗ってるオペレーター全員の総意なのよ?相手があの跋扈粋軍である以上、パートナーには出来る限りの支援をしたいってね。」
「うー、納得いかないけど、オペ子がそう言うなら我慢するのだ。」
「他に意見はないか?・・・・・・・・・なら、3時間後に作戦開始だ。各員の働きに期待するっ!!」
ブリーフィングが終わり、次々と退室していった部屋には、作戦を説明していた青年とオペ子と呼ばれた少女の二人だけが残った。
「さて、俺に何か言いたいことがありそうだなオペ子・・・・・・いや、妹よ」
「その呼ばれ方も久しぶりね、兄さん。どうして今更戻ってきたの?しかもけっしゃにではなく連合に」
「・・・・・・お前の知らない因縁がある。少なくとも俺の中では・・・いや、俺達の中ではまだ決着がついてないのさ。お前がこの世界に来る前の話だから知らないだろうけどな」
「ちょっと怪しいけど、そういうことにしておいてあげるわ。兄さんが嘘をつく時なんてよほどの時だけだしね」
「そうか、すまんな・・・コ。さて、お喋りは終わりだ。俺達も配置につくぞ」
「了解兄さn・・・じゃなくて艦長っ」

「んー、ヴァニさんがいながらアヴィンさんに対するオペ子ちゃんの態度が特別だと思ったけど、実は兄妹だったなんて」
「やっぱりメイちゃんもお年頃だなぁ、おじさんも若い頃は・・・」
「おじさん、バカ言ってないでさっさと行くよ」
「待ってよ、メイちゃーん」

決戦まであと三時間


――――跋扈粋軍

「おやおやぁ、どうしました戒さん。複雑そうな顔してますよ?」
「……ちょっと感傷に浸っていただけだ。作戦開始までには元に戻る」
「そうですか、それならいいんですけど」
「しかし相棒、バーゼル殿の言う通りらしくないな」
「相手さんにちょっと因縁があるだけだ。相棒と出会う前のな……」
「皆さんこんなとこにいたんですか。あれっどうしたんですか、三人とも暗い顔してますよっ」
「イエス。お嬢様の言う通り、お通夜にでも出席できるような顔をされてます」
「もう!イエスマンっ!アタシそこまで言ってないわよ!!」
「イエス、すみませんお嬢様……」
「ソシエ殿、イエスマン殿も反省しているようだしその辺にしてあげたらいい。それより俺達を探していたのではないのか?」
「あ、いけない!元締達が呼んでたの忘れてました!!」

「よく集まったねぇお前達」
「久しぶりねノヴァ。貴女とこうして会うのは何時振りだったかしら」
「そんなことァ覚えていないよ、まめ。しかし、アタシは全員に声をかけたつもりだったがいないのもちらほらいるみたいだねぇ」
「仕方ないでしょう。我々が散らばってから時間が経っています。この世界から足を洗った者達がいてもおかしくはありません。」
「しかし元締、これだけの面子を集めて何しようっていうんですか。僕達に世界でも征服しろと?」
「ディアナ様が望むとあれば私はそれでもいい。だが、今回は目的が不明瞭すぎる……趣味かっ」
「趣味で世界征服ってのも楽しそうだねェ。でも今回は違うよ。目的はただ一つ、大きな戦さァ!!」


「ふぅ、イエスマン。水を取ってきて頂戴」
「イエス、お嬢様」
「さすがのソシエ殿もアレだけの面子を前に緊張していたと見えるな」
「あ、アラストルさん。私は新参ですから失礼が無いようにって精一杯でしたよ」
「それを言うならば俺の方が大変だろう。御仕舞衆に拾われ裏の仕事をするようになったとはいえ、
 跋扈粋軍とは特に関係があったわけでもなかったのだからな」
「……アラストルさんは本当は向こう側に行きたかったんですか?」
「かの有名な跋扈粋軍だ。刃を交えてみたくないといえば嘘になる。しかし今回は戒の強い後押しもあってな、
 こちら側で戦うことにした。そんな顔はしなくていい。これも俺が納得して決めたことだ」
「アラストルさん……頼りにしていますから頑張ってくださいねっ!!」
「共に戦うんだ、ソシエ殿も頑張るんだよ」
「あっ、そうですね。私ったらつい…」

「相棒もソシエ殿には甘いことだ」
「イエス。しかしお嬢様も嬉しそうなので私達は空気を読みましょう」

決戦まであと二時間


――――開戦直前
距離にして約十キロ。機動兵器での戦闘を考えればどちらが先に動いてもすぐに対応できる距離にて二つの戦艦が対峙していた。
「跋扈元締ノヴァ、久しぶりだな。といってもアンタが俺を覚えているかどうかまでは分からんがな」
「アンタ・・・・・・あァ、確か彼岸島とかいう組織にいた命拾いしたボウヤだろ。お姫様が帰ってこないから他に浮気したのかい」
「ふん、そういうアンタは相変わらずだな。まあいい、俺が言いたいことは分かってるんだろう」
「ハッ、分からないねェ。言葉にしない行動なんて分かりたくもないねェ」
「そうか、だったら言ってやるよ。跋扈粋軍のトップの一人、元締のノヴァ。今日がアンタの最期の日だっ!!」
「ヤれるもんならやってみなボウヤ。アタシは簡単にイキやしないよ」
「その言葉、アンタの遺言にしてやるよ。全機発進準備」
「了解、全機発進準備」
「アンタたち、勢いでアチラさんに負けるんじゃないよォ、全機アタシに続きな!!」

「敵艦からノヴァ機の発進を確認。他反応多数。接近してきます。」
「準備の終わってる機体から順次発進させろっ」
「右舷カタパルト、mirai機、プラティ機、Holly機、順に発進どうぞ!!」
「左舷カタパルト、乱馬機、ヴァイス機、サティ機の順に発進します。おじさん、気をつけてね」
「こちらmirai、出撃します」
「任せろメイちゃん。おじさんの強さを見せ付けてやるぞ~」
「・・・・・・ヴァイス、出る」
「春くん、私の背中は春くんがいるって信じてるよっ♪」
「陽ちゃん、大丈夫。今度こそ僕は君を守るっ!!絶望の海になんて落とさせない」

「蜂の巣をつついたようにわらわらと出てきたな。元締、どうするんだ」
「全機展開終了しました。これより本艦も前進を開始します。」

「そんなのキマってるよ、命令は一つだよ!
「よし、全機に通達っ!

『目標は敵勢力の殲滅。全機、攻撃開始!!』



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最終更新:2009年11月19日 20:46
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