扉を突き破って現れたのは
スーザン。かつて
キャンディ王国郊外の地下で出会った“
ヒョーマン”である。助けを求めるスーザンにフィンは快諾。ジェイクは
過去の経緯からスーザンに疑念を抱くも、しぶしぶフィンの手助けをすることにした。スーザンの求めにより火の点いたランプを手にして、一同は地底空間へ。エラを持つヒョーマン“フィッシュピープル”は、相変わらずフィンたちを恐れているようだ。
地底空間の中を歩きながら、スーザンは二人に語りかけた。「かつて自分たちは“
ビュートピア”という都市に住んでいたが、
ラブグラブという怖い魔物に襲われてビュートピアを奪われてしまった」と。その都市の奪還をスーザンはフィンに依頼した、ということのようだ。地底の流水道らしきところに着いたスーザンは「もぐっていく」と言い、いきなりフィンの顔を水中に押し込んだ。…フィンをフィッシュピープルの仲間だと思い込んでいるからだ。慌ててスーザンを制してフィンを助けるジェイク、フードを取ったフィンにエラが付いていないことに気付いたスーザン。一行はボートを使って進むことにした。
スーザンをいまいち信用できないでいるジェイク
流水道の途中にあった渦に飲み込まれるボート。その渦を抜けると、さらに深い地底の流水道へと続いていた。ふと、奥から流れてくる浮き輪を「ラブグラブだ」と恐れるスーザンを見て、ジェイクはいまだ彼女への不信感を募らせていた。気を紛らわせるかのようにジェイクがふざけていると、奥からガシャン、ガシャンという音。繰り返し開閉する二つの壁が流水道を通る者を押しつぶす“
ぺちゃんこゲート”を目の前にし、覚悟を決めるフィン。勢いにまかせてなんとか強引に通ることができたが、ボートの後ろ半分を失ってしまった。
ビュートピアまであと少し。スーザンはラブグラブへの恐怖を吐露しつつ、フィンへの信頼の気持ちを熱く語った。一行は手漕ぎでさらに奥へと進み、ついにビュートピア…旧時代に建造されそのまま放棄された地底都市を発見した。中央にある動力塔と思しき建物に近づいていくと突然、都市の水没している一郭から大量の浮き輪が。「ただのオモチャじゃねーか」と言いながらジェイクが突っつくと…浮き輪が破け、ドス黒い異形の魔物・ラブグラブがその本当の姿を露にした。
果敢に応戦するが、その数の多さに手を焼くフィンとジェイク。怯えていたスーザンも勇気を振り絞りフィンたちに加勢、「あかいはな、もっていく!まちのしんぞう!」と叫びランプをジェイクに託した。一気に体を伸ばして動力塔の頂上の点火部へ辿り着いたジェイクは、巨大なラブグラブの塊に邪魔されながらもなんとか塔に点火することに成功。都市の各所に火が灯り、ラブグラブたちは一斉に消滅した…。
こうして、再び火を灯したビュートピアに移り住んだフィッシュピープルたち。「ここにいて」と請うスーザンにフィンは「僕は君と違う…」と寂しげに返す。ふとスーザンは、フィンの手をフードで隠れた自分の襟首に入れた。…フィンはその手触りでようやく、スーザンにエラがないことを確信したのだった…。