「あの娘を探そう!」とジェイクに探索を提案するフィンに、彼女の猛烈なお転婆さを目の当たりにしているジェイクは返事を渋ったのだが、顔をこねくり回して懇願するフィンの熱意に負け、フレイム・プリンセス探しに出かけることに。ジェイクがフィンの気を逸らそうと話しかけている最中、煙を出しながら飛んでいる
茶色い鳥を目撃したフィンは、鳥との会話を手掛かりに森の中へ。そこには、ひっそりとたたずむフレイムの姿があった。
FPに触れられた花は炎に包まれ、炎は池のある方向へ。フレイムがその燃える手で池に触れたとたん、小さく痛む声を発した。「花みたいに綺麗だ…」一部始終を見ていたフィンは、水で痛むFPを庇おうと駆け寄った。突然のフィンの出現に警戒していたフレイムだったが、彼の熱烈なラブコールは彼女の心を高ぶらせ…その炎はフィンの足元に。フィンは驚いて反射的に火を踏んで消したが、火を消すことが彼女の体を傷つけることになると気付いた…。
言葉とは裏腹なフィンの態度に怒るフレイム。フィンから遠ざかろうとするフレイムだったが、ニヤニヤしながらその後を追いかけるフィン。足止めするために炎で焼き倒した大木も、フィンとジェイクにとっては何の障害にもならなかった。やがて広い草原へと出たフィンとジェイクを待ち構えるように、フレイムは彼らを囲むように炎を展開させて火球で攻撃。それを避けつつもフィンはいまだその“燃える心”でフレイムを口説こうとする。心を躍らせつつも、やはり弄ばれている気がしてならなかったフレイムは、「私の邪魔をする気?炎で
ウー大陸を満たすのが私の使命…」と恨みの言葉を投げかけ、草原の先にある
ゴブリン王国へと向かっていった。
懸命に口説くフィン。フレイムの心に火はともるのか…
ゴブリンたちの危機に慄くジェイクは、フレイムの退治を決意。彼女を傷つけることを露骨にためらうフィンだが、ヒーローとしてゴブリンは助けなければ…。二人は一旦
ツリーハウスの作業場へ。そこで偶然
ネプターを発見し、ネプターと共に
耐火ロボットスーツを製作。ゴブリンたちの町へと向かう間もフィンは、ゴブリンたちよりフレイムが無事なのかどうかに気をとられていた…。
ゴブリン王国の街々は、すでに無数の火の手に覆われていた。逃げ回るゴブリンたちに目もくれず炎を燃えたぎらせるフレイムを見つけたフィンたち。暴挙を止めるよう話しかけてくるフィンに向かってフレイムは火球を投げつけたが、それが全くフィンたちのスーツには効いていない。…投げつけた火球が逸れ、ゴブリンの家財が炎に包まれた。炎を消そうとするジェイク、炎が消されるたびに苦痛の声をあげるフレイム…フィンはジェイクを制そうとしたが、スーツの一部のネプターは“消火泡放射器”をフレイムに向けて起動しようとした…。
泡が発射される寸前にその方向を無理矢理逸らしたフィン。しかし泡は燃える家へと降りかかり、フレイムはさらに苦しみの声をあげた。怒りのフレイムはその身を巨大化させ、炎を王国ごと包み込む…その目には悲しみの炎の涙が…。スーツを脱ぎ捨てて止めようとするフィンだが、好きな女の子も町も救うことができないでいる自分の無力さにうなだれ、泣き崩れた。涙の一滴が、炎へと落ちる。その涙による“痛み”で振り返ったフレイムは元の大きさになってフィンのそばへ。怒りの静まりに呼応するように、周りの炎はいつの間にか無くなっていた…。
涙に濡れるフィンの顔を見て得心したフレイムは、「あなたの正体は“水”なんだわ」とつぶやいた。とっさに否定するフィン。フレイムはさらに言った。「例え好き同士でも、私たち“炎”と“水”はお互い傷付けあうわ…」…フィンは「我慢するよ、なんでも…」と言いそっとフレイムを抱きしめたが、炎の熱は容赦なくフィンの頬を焼く…熱さのあまりフレイムを離してしまうフィン…フレイムはフィンにそっと「さよなら…」と言い、炎の軌跡を残してこの場を去って行った…。
かすかに黒く焼けた頬をさすりながらその行方を見守る今のフィンには、ゴブリンの救出を済ませたジェイクの「ハグはどうだった」という問いに、「痛かった」と答えるのが、精一杯だった…。
【挿入歌:
ご主人様にロボット作る】