小野塚 知夏(おのづか ちなつ、1994年4月26日 - )は、
熊本シルフィードに所属したプロ野球選手(投手)。
概要
経歴
高校時代
本格的に野球を始めたのは中学2年のころだが、福井西高に進学して女子野球部に入部してからはその才能が開花。もともと身体能力が高かったようでコーチや先輩からのアドバイスをスポンジのように吸収していった。高校1年の秋からエースとして活躍を始める。変則的なサイドスローはたまたまYou Tubeで見ていた小林正人(中日)から発想を得て自己流にアレンジしたもの。
ただし変化球が最初はどうしても投げられず、決め球がないせいで当初はここぞの場面で痛打されることが多かった。しかし投げ込みを重ねる中で「大きな変化球がなくてもボールを動かせばいい」という発想に至り、カットボールを習得。後にプロ入り直前にスライダーを覚えるまでは速球の球威とボールの微妙な動きだけで打線を抑えていった。
しかし全国大会には縁がなく、いつも決勝で
大野聖陵高等学校のエースで1学年下の
野村友梨奈に投げ負けることが多かった。
2012年PGBドラフトで広島レッドリーブスに指名され入団する。
プロ入り後
2013年
プロ入り後しばらくはロングリリーフ要員として出番は少ないながら登板。先発陣の駒不足から7月24日の熊本シルフィード戦で初先発を果たすと8回2失点と好投、一時期は先発ローテーションの一角も担った。
結果的に失点が自責点の2倍以上という成績になってしまったが、2勝(1敗)を挙げて先発・中継ぎにフル回転した。
2014年
開幕時はセットアッパー候補として期待を受けるも、リリーフでは5試合に登板するも不本意な成績に終わる。5月11日の
横浜アクアマリンズ戦ではシーズン唯一の先発登板も4回6失点の大炎上を喫するなど、前年とは打って変わって安定感を欠いてしまった。
オフに背番号を
34から
70に変更。
2015年
新たに広島の監督に就任した
髙江洲愛華からは、左のワンポイントとしての役割を任され、ショートリリーフとして10試合に登板。防御率こそ自己最悪となる8.44となってしまったが、課題である対左打者被打率は.100(10打数1安打)と抑え込み、左キラーとして手ごたえをつかんだシーズンとなった。
オフに投球フォームをそれまでのサイドスローからスリークォーターに変更した。
2016年
スリークォーターにフォームを変更し、新たにスライドパームを習得。引き続きリリーフとして開幕を迎えたがフォームを固めきれず4月から炎上を繰り返し、昨年抑えて切っていた左打者相手にもたびたび痛打されるなど改造が裏目に出る結果となってしまう。先発ローテーションの崩壊から7月20日の
熊本シルフィード戦ではおよそ2年ぶりに先発登板を果たしたが、
武雷蒼に2打席で2本塁打を被弾するなど3回6失点の大炎上でノックアウト。以降は登板機会が訪れることなくシーズンが終了。最終的には自己ワーストをさらに更新し、防御率10.32を記録してしまった。
オフに
牧野佑奈との交換トレードで熊本へ移籍。背番号は
67とした。
プレースタイル
投球
- サイドスロー時代は、120キロ台中盤のストレートを軸にカットボール、スプリット、チェンジアップ、スライダーを投げ込む。高校時代はストレートとカットボールしか持ち球がなかったために少しでもコントロールが甘くなると痛打される場面が多かった。
- スリークォーターに改造してからは投球スタイルをモデルチェンジし、スライドパームを決め球にしている。
- スクランブル登板にも耐えうるタフネスさには定評がある。図太い精神力も魅力だから技術的にはまだまだ未熟なところも多い。
人物
- 基本的にマイペース。「図太い精神力」も裏を返せば気にしていないだけである。
- ブルペン陣のムードメーカー兼トラブルメーカーであるらしく、大倉雅実投手コーチには「ゴキブリみたいな奴」と評された。
- 試合中は寝ないようにコーヒーを飲むのが習慣になっている。
- そばアレルギー持ち。
- 従兄の小野塚将崇もプロ野球選手(内野手)であり、2015年オフのフォーム改造の際には将崇の助言も積極的に取り入れた。
詳細情報
年度別投手成績
年度 |
所属 |
規定 |
試合 |
勝 |
敗 |
S |
H |
完投 |
完封 |
先発 |
QS |
完了 |
防御率 |
投球回 |
打者 |
被安 |
被本 |
奪三 |
与四 |
与死 |
敬遠 |
失点 |
自責 |
WHIP |
2013 |
広島 |
× |
10 |
2 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
3 |
2 |
2 |
3.13 |
31 2/3 |
146 |
33 |
5 |
32 |
17 |
3 |
0 |
25 |
11 |
1.58 |
2014 |
広島 |
× |
6 |
0 |
2 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
4 |
7.82 |
12 2/3 |
64 |
18 |
2 |
9 |
8 |
3 |
0 |
11 |
11 |
2.29 |
2015 |
広島 |
× |
10 |
0 |
1 |
0 |
2 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
8.44 |
5 1/3 |
24 |
3 |
2 |
2 |
5 |
1 |
0 |
5 |
5 |
1.51 |
2016 |
広島 |
× |
9 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
3 |
10.32 |
11 1/3 |
60 |
25 |
6 |
10 |
3 |
0 |
0 |
13 |
13 |
2.47 |
2017 |
熊本 |
× |
15 |
0 |
0 |
1 |
8 |
0 |
0 |
0 |
0 |
3 |
1.86 |
9 2/3 |
36 |
6 |
2 |
10 |
3 |
0 |
0 |
2 |
2 |
0.93 |
2018 |
熊本 |
× |
15 |
1 |
0 |
0 |
6 |
0 |
0 |
0 |
0 |
3 |
0.00 |
9 1/3 |
37 |
2 |
0 |
14 |
6 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0.86 |
2019 |
熊本 |
× |
20 |
2 |
0 |
0 |
4 |
0 |
0 |
0 |
0 |
4 |
2.77 |
13 |
52 |
9 |
1 |
14 |
5 |
0 |
0 |
4 |
4 |
1.08 |
通算:7年 |
85 |
5 |
5 |
1 |
20 |
0 |
0 |
5 |
2 |
20 |
4.45 |
93 |
419 |
96 |
18 |
91 |
47 |
7 |
0 |
60 |
46 |
1.54 |
記録
初記録
- 初登板:2013年5月26日 対東京フレイズ2回戦 7回表に救援登板、0回1/3を無失点でホールド記録
- 初奪三振:同上 7回表に木村唯佳から
- 初勝利:2013年7月7日、対横浜アクアマリンズ3回戦(広島メモリアルスタジアム)、3 2/3回1失点
- 初先発:2013年7月24日 対熊本シルフィード6回戦 8回2失点で勝利投手
節目の記録
背番号
- 34(2013-14)
- 70(2015-16)
- 67(2017-)
登場曲
- 勇気100%/Sexy Zone(2014年)
- GUTS!/嵐(2015年ホーム)
- LIFE ~目の前の向こうへ~/関ジャニ∞(2015年ビジター)
- 青空の下、キミのとなり/嵐(2016年ホーム)
- ハダシの未来/嵐(2016年ビジター)
- Power of the Paradise/嵐(2017年)
- つなぐ/嵐(2018)
- 夏疾風/嵐(2019)
能力推移
年度 |
速球 |
球威 |
変化 |
制球 |
体力 |
守備 |
ピン/特1 |
対左/特2 |
打強/特3 |
クイ/特4 |
総合 |
2013 |
13/C |
|
8/E |
7/E |
14/C |
8/E |
4 |
3 |
4 |
2 |
630/D |
2014 |
12/C |
10/D |
10/D |
7/E |
14/C |
8/E |
4 |
3 |
4 |
2 |
78/D |
2015 |
14/C |
7/E |
12/C |
5/F |
9/D |
8/E |
3 |
3 |
3 |
2 |
58/F |
2016 |
12/C |
10/D |
10/D |
7/E |
10/D |
8/E |
3 |
5 |
2 |
4 |
85/D+ |
2017 |
11/D |
12/C |
8/E/ |
8/E |
8/E |
8/E |
2 |
2 |
2 |
4 |
59/F |
2018 |
12/C |
9/D |
13/C/ |
9/D |
6/F |
8/E |
5 |
3 |
奪三振 |
クイ× |
83/D+ |
2019 |
12/C |
9/D |
15/B |
12/C |
5/F |
8/E |
ピン○ |
奪三振 |
クイ× |
- |
89/D+ |
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最終更新:2020年05月12日 14:30