二重積分型ADCによるデータロガー作成
秋月で購入可能な電子部品のみを用い,それなりに実用になるデータロガーを作る.
仕様
| 項目 |
値 |
| 変換方式 |
二重積分型 |
| 分解能 |
5桁 |
| 変換レート |
100ms/s |
| 直線性 |
TBD |
| 入力範囲 |
FS±20mV/2V/200V 3レンジ |
| 入力インピーダンス |
10MΩ |
| 動作温度範囲 |
20℃~30℃ |
| 表示 |
キャラクタLCD |
| 電源 |
USBバスパワー |
| 絶縁 |
USB-ADC間 500V機能絶縁 |
なぜ作るのか
24bitΣ⊿型ADCが数百円で手に入る現状において,二重積分型を,ましてディスクリートで自作する意味はどこにもない.
が,温故知新を実感したい.
回路方式
入力段
アナログスイッチ式アッテネータ(スルー or 1/100)-PGA(ゲイン1 or 10)
入力インピーダンスは10MΩなので,バッファアンプはCMOSタイプを使用する.
過電圧入力でも破損しないように,保護ダイオードを設ける.
二重積分型ADC
教科書には必ず載っている,基本的なAD変換方式.
電圧配分の検討
- 二重積分のためには,変換対象とは逆極性の基準電圧が必要となる.多くの場合,基準電圧は負電圧とする.
- 変換対象は正負電圧
負電圧の生成には,チャージポンプなり,正負出力DCDCが必要で,回路が面倒.
そこで,正電圧を分圧して得た電圧を仮想GNDとし,仮想GND-本当のGNDの電位差を負の基準電圧にすることにする.
仮想GNDのレベルは,2.465Vとする.シャントレギュレータNJM1431Aを使って生成する.
もう一つ面倒な要素が,入力電圧が正負であるということである.
入力電圧の正負に応じて,基準電圧の正負を入れ替えるのは面倒である.
そのため,入力電圧に直流オフセットを加算し,常に正電圧になるようにする.
直流オフセットは,仮想GNDレベルの2倍の4.93Vとする.仮想GNDレベルをゲイン2の非反転増幅回路で増幅することで得る.
これで,電源は,正電源一系統でまかなえることになった.
積分定数
積分オペアンプの出力が飽和しないようにすることを制約として,積分定数を決定する.
入力電圧の積分時間は,20msまたは,16.7msの切り替えとする.(言わずもがな,50Hz,60Hzの一周期である.)
入力電圧は0V以上(仮想GND基準)であるから,積分を開始すると,積分器の出力は負電圧方向(仮想GND基準)に増加する.
20ms積分して,積分器出力が電圧レールを叩かないようにすれば良い.電圧レールは仮想GNDと等しい.
レールギリギリまでは使えないので,-2.4Vを狙いとする.
積分器出力電圧は次式
とすると,
と求まる.
積分コンデンサに0.1uFを使うとすると,R=372.1kΩとなる.
E6系列に合わせて,470kΩとする.
オペアンプはLMC6482AINを選定.CMOSタイプで入出力RtR,動作電圧15Vまでなので十分.
絶縁
500V機能絶縁を実現する
電源
5V単電源を絶縁する
最終更新:2018年12月11日 13:15