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教科書と「偽りの記憶」

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正論2006年9月号(産経新聞社・扶桑社)
靖国特集 
沖縄集団自決冤罪訴訟が光を当てた日本人の真実
弁護士 徳永信一

教科書と「偽りの記憶」


真実を追究することはたやすいことではない。だが、手にした真実を守り抜いて世に伝えることはもっと難しい。赤松元大尉も梅澤元少佐も赤松氏も真相が明らかになった時点で、やがて悪夢は終わると信じた。だが、現実は違った。悪夢は続く…。

昭和55年、赤松元大尉は死去し、曽野氏の『ある神話の背景』は、その使命を終えて絶版となった。しかし、大江氏の『沖縄ノート』は何ら修正のないまま刷を重ね、今日まで50刷、約30万部が書店に並んできたのだ。

そして、気がついたときには、中学校や高校で使われている歴史教科書に《軍命令による集団自決》が堂々と掲載されるという由々しき事態が進行していた。今も教室で使われている中学、高校の教科書には、例えぱ、日本書籍新社の中学社会の教科書には「軍は民間人の降伏も許さず、手榴弾をくぱるなどして集団的な自殺を強制した」とし、三省堂の高校日本史Aには「犠牲者のなかには、慶良間諸島の渡嘉敷島のように、日本軍によって『集団自決』を強要された住民や虐殺された住民も含まれており」とまで書かれているのだ。

心理学用語に「偽りの記憶」というものがある。現実にはなかったことが、あったことのように記憶に刷り込まれることをいう。ナチスのゲッペルスは嘘も百遍繰り返せぱ本当になると言ったが、教科書にみる事態は、いわぱ日本人の意識にナチスよろしく「偽りの記憶」を刷り込むものにほかならない。そもそもこうした教科書が文科省の検定を通過したことが不思議なのだが、もはや文科省には歴史の真実を守る意思もカもないということなのだろう。そして教育現場には、真実より政治的信念を優先させようとする勢カがあり、何が何でも《軍命令による集団自決》という「偽りの記憶」を子供たちに刷り込もうと蠢動しているということなのだ。




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