【side:Ash】
何だ…?一体、何が起きた?
右手が急に熱くなったと思ったら聞こえた謎の声。
レザーグローブを外してみると右手の甲には白い石が埋まっていた。
元からそこにあった、自然なものだと言わんばかりに何の違和感もなく。
原因が分からない意味不明なことばかりだ。
レザーグローブを外してみると右手の甲には白い石が埋まっていた。
元からそこにあった、自然なものだと言わんばかりに何の違和感もなく。
原因が分からない意味不明なことばかりだ。
「なぁ、今何が起きたか分かる?声、聞こえたか?」
教会の奥に立っている人物に声をかけてみる。
もしかしたら今の声は幻聴かもしれない、そう思ったから。
俺の声は静寂に満ちた教会内に予想以上に響いた。
さっきの声とは違う、確かな現実感をもって。
もしかしたら今の声は幻聴かもしれない、そう思ったから。
俺の声は静寂に満ちた教会内に予想以上に響いた。
さっきの声とは違う、確かな現実感をもって。
…手に現れた石が「何か」が起きたことを証明してるけど、それでも信じがたい現象だ。
触れてみると、硬く冷たい感触がした。
皮膚との境目なんかも良く分からない。
少なくとも外すことは出来なさそうだって言うのは分かる。
触れてみると、硬く冷たい感触がした。
皮膚との境目なんかも良く分からない。
少なくとも外すことは出来なさそうだって言うのは分かる。
声は届いてるはずなのに、人影は何も言わない。
焦れてもう1度尋ねようとしたとき。
焦れてもう1度尋ねようとしたとき。
「…分からない」
そう、端的に声が返ってきた。
戸惑いを含みすぎて逆に感情が感じられないような飽和した声で、まるで囁くように。
戸惑いを含みすぎて逆に感情が感じられないような飽和した声で、まるで囁くように。
返事があったことに半ばホッとしながら、けれど内容に顔を顰めた。
分からないっていうことは少なくともあの声は確かに現実らしい。
意味不明な…とても不吉な響きをもつ言葉などいっそ幻聴であったほうが良かった。
分からないっていうことは少なくともあの声は確かに現実らしい。
意味不明な…とても不吉な響きをもつ言葉などいっそ幻聴であったほうが良かった。
幸福の代償の報い?
俺はいつのまに報い受けるような幸福なんか貰ったっていうんだよ。
不幸とも思わないけど幸福な生活をしているとは思えない。
そもそも日々を生きるだけで一杯一杯だ。
俺はいつのまに報い受けるような幸福なんか貰ったっていうんだよ。
不幸とも思わないけど幸福な生活をしているとは思えない。
そもそも日々を生きるだけで一杯一杯だ。
魔術で声を遠くに飛ばすものはある。
けど、それとさっきの声はまた違う。
幾ら俺が魔術は素人だといってもそれくらいは分かる。
けど、それとさっきの声はまた違う。
幾ら俺が魔術は素人だといってもそれくらいは分かる。
まぁ場所が場所だけに意味深、だけど…。
カミサマのお告げ、なんて…ありえないだろ?
そんな存在が居るとは思わない。
居たとしても俺とは何の関わりもないだろう。
カミサマのお告げ、なんて…ありえないだろ?
そんな存在が居るとは思わない。
居たとしても俺とは何の関わりもないだろう。
一歩、また一歩と少しずつ相手に近付いた。
それまで支えていた手が離れ、背後で扉が閉まる音がする。
入り口から差し込んでいた光は無くなって教会内は蝋燭の柔らかな灯りだけになった。
それまで支えていた手が離れ、背後で扉が閉まる音がする。
入り口から差し込んでいた光は無くなって教会内は蝋燭の柔らかな灯りだけになった。
「お前、さっき手を押さえていたよな?」
5メートルほどの距離を置いて立ち止まる。
顔が見えて、何かあればすぐに行動に移せる距離。
――逃げるにしろ、攻撃するにしろ。
顔が見えて、何かあればすぐに行動に移せる距離。
――逃げるにしろ、攻撃するにしろ。
そこまで近付いて漸く相手の顔が見えた。
まだ若そうで、俺と同じくらいの年の男。
光源の所為でオレンジがかって見えるけど…銀髪か?
整った顔にはあれほど不可思議なことがおきたばかりにも関わらず、殆ど表情は無かった。
まだ若そうで、俺と同じくらいの年の男。
光源の所為でオレンジがかって見えるけど…銀髪か?
整った顔にはあれほど不可思議なことがおきたばかりにも関わらず、殆ど表情は無かった。
「…それが?」
レザーグローブを外したままの右手を目の高さまであげて見せた。
彼の目に確かな驚きが浮かんだのが分かる。
反応した以上、何かあるはずだ。
彼の目に確かな驚きが浮かんだのが分かる。
反応した以上、何かあるはずだ。
「これ、今急に現れたんだ。それで」
一緒の場所に居たお前は何ともないのか?
そう、言い募ろうとしたして彼が見せた手に息を呑む。
そう、言い募ろうとしたして彼が見せた手に息を呑む。
同じような石が、彼の手の甲にも現れていた。
色も形も大きさも多分大体同じ。
色も形も大きさも多分大体同じ。
「これが何かは僕にも分からない」
俺と同じような状況にあるなら、それは確かにそうだろう。
こう見えても実は困惑してるのかもしれない。
…しかし俺と彼は初対面だし、何の共通点もなさそうだ。
なのにどうしてこんなことになってるんだ?
この場所に何かあったとか、そういうこと?
こう見えても実は困惑してるのかもしれない。
…しかし俺と彼は初対面だし、何の共通点もなさそうだ。
なのにどうしてこんなことになってるんだ?
この場所に何かあったとか、そういうこと?
「なんなんだよ、一体………?」
外に感じる気配に、俺は剣の柄に手をかけた。
いつでも抜けるように。
俺の行動に彼が一瞬目を瞠ったが、すぐに扉の方に視線をやったところをみると彼にもわかったらしい。
いつでも抜けるように。
俺の行動に彼が一瞬目を瞠ったが、すぐに扉の方に視線をやったところをみると彼にもわかったらしい。
この教会は、囲まれている。
それも魔物でも一般人でもない、大勢の訓練された輩に。
それも魔物でも一般人でもない、大勢の訓練された輩に。