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Place to stay

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「…王命だ!城まで同行願う!」


大きな軋音を立てて勢いよくドアが開かれると一人の兵士が歩み出て高らかに告げた。
その後ろにも大勢兵がいるのだろう、妙な威圧感が空間を占めた。

王命…?
王に引き立てられるようなことをした覚えはないし、僕がここに居ることは目の前の青年以外誰も知らなかったはずだ。
先刻この場に満ちた魔力。
それに関係があるのだろうか?
それにしては行動が早い。
強い魔力を感じたのは本当についさっきなのだから。
一体なんだというのだろう…?



「…理由は?」

そんな思考を打ち切るように響いた青年の声に顔を上げる。
僕は視線を向けて兵士と彼のやり取りを見つめる。

「我らにそれを答える権限はない。」

剣を構えながらはっきり告げられる言葉。
言外に強制連行を響かせる返答に、青年が大仰に溜息をついたのがわかった。
反抗は無意味だと察したようだ。
僕も元より抗うつもりなどなく、いつのまにか周囲を囲んでいた兵士に素直に連行に応じることにした。





ご丁寧に馬車に押し込められ城に向かう。
拘束はされていないものの、武器は取り上げられ常に威嚇するように馬車に同乗した兵士はこちらから警戒の視線を外そうとはしない。
その周囲には同行していたらしい数多の兵。
僕はどうにもなろうはずもない現状を確認してから、窓から過ぎていく景色に目をやった。
一緒に連れてこられた青年も、兵がいるから不用意に話さないほうが得策だと踏んだのか大人しく座っている。



そうしてるうちに遠くに見えていた城が段々と近づいてくる。
大きく立派な白い外観とそれを覆うように降る白。
無垢な白に包まれる城の白は、どこかくすんでいるようで澄んでは見えない。
…僕にとってあそこでの想い出は紅い雪だけ。



沈み込んだ思考を馬の嘶きが現実へと引き戻す。
気付けば、どうやらついていたらしい。
僕と青年は兵士に連行され城内に入る。

「…これから何処に行くんだ?」

不満と億劫が交じり合った声音で問うた青年に、彼の真後ろを歩く兵士が事務的な口調で答える。

「…王が謁見を望んでおられる。」



強制連行され、王との謁見。
王直々ということはそれほど重要なことということか。
そしてそれはこの手にある石に関係しているのだろうか…。

思考してわかりそうなことでもなく、考えるのに疲れた僕は促されるままに城内を進んだ。






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