【side:Chal】
「…ほら、行くぞ?」
そういって此方に向かって手を差し伸べるのは黒髪で灰色の瞳をもつ男。
先ほど僕と一緒に此処まで連行されたアッシュだ。
その意図を計りかねて胡乱げに彼を見上げれば、焦れたような声が降って来た。
先ほど僕と一緒に此処まで連行されたアッシュだ。
その意図を計りかねて胡乱げに彼を見上げれば、焦れたような声が降って来た。
「ほら、早くしろよ」
「……何故?」
「……何故?」
ぽつりと戸惑いを多分に含んだ呟きを返せば、アッシュは大仰に溜息をついた。
「こんなとこで死にたくないから。」
きっぱり答える彼の瞳には一切の迷いはなかった。
それが当然だと言わんばかりの瞳。
それが当然だと言わんばかりの瞳。
「……一人で逃げればいい。」
わざわざ今日初めて会ったばかりの縁も所縁もない男を助けたところで彼にメリットはない。
僕が足手まといになれば、それこそあるのはリスクだけだというのに。
呆れたように淡々とそう返せば彼は何事か言うつもりか開きかけたが言葉を発することを止め、焦れたように閉じ牢の中に入ってくると僕に歩み寄りぐい、っと腕を引き上げる。
厭がおうにも立ち上がってしまい、非難の視線を向けるも彼はもう牢を出る為に僕の腕を掴んだまま歩みを進めている。
腕を振り払おうと腕に力を込めるが、アッシュの力が思うより強くて外れそうにない。
僕が足手まといになれば、それこそあるのはリスクだけだというのに。
呆れたように淡々とそう返せば彼は何事か言うつもりか開きかけたが言葉を発することを止め、焦れたように閉じ牢の中に入ってくると僕に歩み寄りぐい、っと腕を引き上げる。
厭がおうにも立ち上がってしまい、非難の視線を向けるも彼はもう牢を出る為に僕の腕を掴んだまま歩みを進めている。
腕を振り払おうと腕に力を込めるが、アッシュの力が思うより強くて外れそうにない。
一体何を考えてるんだろう?
此処から抜け出すってことは下手をすればこの城にいる何千という兵士を相手にすることになる。
それなら少しでも確実に逃げる方法を考えるべきだろうに。
此処から抜け出すってことは下手をすればこの城にいる何千という兵士を相手にすることになる。
それなら少しでも確実に逃げる方法を考えるべきだろうに。
「まずは、武器か…。」
そんな僕の思考はお構いなしに、彼は自分だけで思考を進めている。
どうやら僕の意見は聞く気はないらしい。
僕も一緒に逃げることは決定事項にしたらしくアッシュは取り上げられた武器の心配をしているようで考えるようにぽつりと呟いた。
どうやら僕の意見は聞く気はないらしい。
僕も一緒に逃げることは決定事項にしたらしくアッシュは取り上げられた武器の心配をしているようで考えるようにぽつりと呟いた。
僕は彼の腕から逃れることを早々に諦め、その呟きに答えるようにぽつりと言葉を紡いだ。
「……倉庫。」
「…え?」
「……この先の部屋が多分見張り兵の休憩所だと思う。
階段を上って一階に戻って、通った通路とは反対側の奥に倉庫のような造りの扉があった。
多分そこが罪人から取り上げた武器等を保管する武器庫を併用した倉庫になってると思う。」
「…え?」
「……この先の部屋が多分見張り兵の休憩所だと思う。
階段を上って一階に戻って、通った通路とは反対側の奥に倉庫のような造りの扉があった。
多分そこが罪人から取り上げた武器等を保管する武器庫を併用した倉庫になってると思う。」
淡々と話す僕の言葉に振り返ったアッシュは訝しげな表情で首を傾げる。
「何でそう思うんだ?」
「そういう物騒で不要なものは王族があまり立ち入らないような場所に保管されると考えるのが妥当だから。
…来るときに見たあの場所は条件に近い。」
「そういう物騒で不要なものは王族があまり立ち入らないような場所に保管されると考えるのが妥当だから。
…来るときに見たあの場所は条件に近い。」
あくまで推察に過ぎないけれど。
つい、言葉は口から出ていた。
つい、言葉は口から出ていた。
それはきっと親切心なんかじゃなくて。
掴まれた腕が痛いから……ただ、それだけのはずだ。
掴まれた腕が痛いから……ただ、それだけのはずだ。