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Place to stay

chal

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「シャリス、絶対生き延びるんだからな。俺もお前も」

お節介な奴だと思う。
人を牢から連れ出し、人の意思を無視して逃がすという。
………おまけに親しげに名前など呼ぶ。
馴れ馴れしい…。

若干の不満がつい表情が出た。
アッシュは僕がそんな表情を浮かべる理由がわからないのか、訝しげな表情をしたが、状況が状況なので追求はせずに先を歩き出した。
牢の廊下を歩きながら突き当たりの扉に向かう。
大きな扉の向こうは見張りの兵士の休憩所で。勿論中には人の気配。
二…いや、三人だろうか。さほど人数がいるわけではないようだ。
どちらにせよ、このくらいの数なら何とかなるだろう。
問題は騒ぎ出す前に倒すこと。
素早さと扉を開けるタイミングが重要だ。

扉にそっと手をかけたアッシュが、タイミングを見計らうように扉の向こうの気配を探り視線だけこちらに向ける。
どうやら此処の扉は開いているらしかった。
呆れるほどの無用心だが、今の僕らにとっては有難い。
いつでも構わない、というように僕は小さく頷いた。

「…いくぞ」

小さな呟きと共にバタンッ、と力任せに勢いよく扉を開くとアッシュは室内へと駆け出す。
僕も少しだけ遅れて彼に続いた。

「なに…?!」
「どうやって牢を…!」

焦ったように立ち上がったり剣を取る兵士。
アッシュは迷うことなく扉の一番近くにいた最初に応戦する気配を見せた兵士へ駆け寄りソレを蹴り上げた。
しかし、厚い鎧の上からでは致命傷にはならず、少しの時間稼ぎにしかならない。
あとのことを考えるならば、どうせなら昏倒させて置くべきだ。



「……我の意志を介して、その身に安らかなる愚眠を。」

走りながら短く詠唱を唱え、その勢いのまま兵士の胸に掌をつく。
兵士が頭上高く掲げた剣を振り下ろす瞬間、剣は高い音を立てて床に転がる。
そして、がくりと兵士の膝が崩れ、倒れこむ。

簡易の睡眠術。一定の間眠らせておくことができる簡単な術だ。
問題はかける相手の精神力と術者の魔力、どちらが強いか。
……結果は歴然だけど。

アッシュの方に視線を向けると、兵士から奪った剣で二人を昏倒させたところだった。
彼の戦闘スタイルは剣を用いるのが常らしい。
筋肉の付いた鍛えた身体をしているようだし、最初に会ったときも剣を持っていた。

「…とりあえず次は一階だな。さっさと行こう。」

兵士から奪った剣を担いだアッシュに、僕は静かに頷き返した。





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