【side:Chal】
「んじゃ、いくか。」
「…何処に?」
「…何処に?」
倉庫を出て軽く伸びをしながらいったアッシュに、呆れ雑じりな言葉を返す。
「え?だから、城を出るんだろ?」
何を言い出すんだとばかりに首を傾げて振り返るアッシュに、僕は今度は本格的に溜息をついた。
なんとなく予想はしていなくもなかったが、まさかノープランなのか。
なんとなく予想はしていなくもなかったが、まさかノープランなのか。
「……だから、どうやって?」
「だから、出口に向かって…」
「…その出口までの道順は?
…出口は要は正門。このまま正面から突っ込むつもり?」
「だから、出口に向かって…」
「…その出口までの道順は?
…出口は要は正門。このまま正面から突っ込むつもり?」
もしそうだとしたら物凄く無謀…というか、やっぱり計画性皆無だ。
「…じゃあ、他にどうするんだよ?」
困ったようなムッとしたように器用な表情をしてみせるアッシュの言葉に、しばし考える。
アッシュはこの城に来たのは初めてだろうし中の構図は詳しくない。
そういう僕も逃げるつもりはなかったから脱出経路なんて考えてなかったし、連行されながら見たといえば通ってきた通路くらいだ。
唯一覚えているのは城内に入って通された正門から謁見場、そして地下牢への道順だけ。
その状態でこの道順を辿れば、兵に見つかることは必至。
正門から逃走が図れる可能性は限りなくゼロに近い。
王城ともなれば、緊急時王族が城を抜け出す為の隠し通路のようなものがあるのが相場だ。それなら、城の外へも兵の目を避けて逃げられるかもしれない。
しかし肝心のそれがどこにあるのかがわからない。
宛もなく彷徨って迷子になっても兵に見つかり結果は同じ。
兵に見つかり多勢に無勢になってしまったのでは逃げられるものも逃げられない。
そういう僕も逃げるつもりはなかったから脱出経路なんて考えてなかったし、連行されながら見たといえば通ってきた通路くらいだ。
唯一覚えているのは城内に入って通された正門から謁見場、そして地下牢への道順だけ。
その状態でこの道順を辿れば、兵に見つかることは必至。
正門から逃走が図れる可能性は限りなくゼロに近い。
王城ともなれば、緊急時王族が城を抜け出す為の隠し通路のようなものがあるのが相場だ。それなら、城の外へも兵の目を避けて逃げられるかもしれない。
しかし肝心のそれがどこにあるのかがわからない。
宛もなく彷徨って迷子になっても兵に見つかり結果は同じ。
兵に見つかり多勢に無勢になってしまったのでは逃げられるものも逃げられない。
どちらにせよ、出口へ向かうためには城内を兵に見つからず移動する方法を見つけなければならない。
「シャリス?」
考え込んでいた僕の名をアッシュが呼んだ。
それに僕は不快そうに眉を顰める。
それに僕は不快そうに眉を顰める。
「……馴れ馴れしく名前を呼ぶな。」
「え…?」
「え…?」
ぼそっと呟くように漏れた言葉はアッシュの耳には明確に届かなかったようで彼は訝しげに首を傾げた。
「なんでもない。……それで?」
「…解決策が思いつかないなら、此処で立ち止まってても見つかるの時間の問題だろ?」
「…解決策が思いつかないなら、此処で立ち止まってても見つかるの時間の問題だろ?」
言われた言葉は尤もで。
「…そうだけど…。要は城内を気付かれずに歩ければいいんだけど…」
どうするべきか、と溜息を吐けば、にアッシュがあっさりと言い切った。
「へ?なら簡単じゃん」
「……?」
「こいつらの鎧、ちょっと拝借してけばいいんだよ。」
「……?」
「こいつらの鎧、ちょっと拝借してけばいいんだよ。」
扉の前に転がっている兵士達を指して、アッシュは言い放った。
………重い。
体中にのしかかるような鎧の重さに思うように動けない。
兵士達の動きが遅い理由はこれかと今更ながら納得してしまう。
足音は絨毯の中に飲み込まれ、最低限の動き難さを緩和させるように間接部分に隙間を設けているようだが体を動かすごとにがしゃがしゃと金属の擦りあう耳障りな音がする。視界も決して良いとは言い難い。
防御面だけしか考えていないのではないかと、長い廊下を歩きながら小さく溜息をつくと、先を歩くアッシュが小声で話し掛けてくる。
兵士達の動きが遅い理由はこれかと今更ながら納得してしまう。
足音は絨毯の中に飲み込まれ、最低限の動き難さを緩和させるように間接部分に隙間を設けているようだが体を動かすごとにがしゃがしゃと金属の擦りあう耳障りな音がする。視界も決して良いとは言い難い。
防御面だけしか考えていないのではないかと、長い廊下を歩きながら小さく溜息をつくと、先を歩くアッシュが小声で話し掛けてくる。
「これ、結構いいな。さっきすれ違った兵も気付かなかったし。」
反してアッシュはどこか嬉々としていて、八つ当たりのように視線で静かにしろと黙殺する。
狭まった視線では伝わった気はしないがアッシュは察したのか、軽く肩をすくめると再び前を歩きだす。
狭まった視線では伝わった気はしないがアッシュは察したのか、軽く肩をすくめると再び前を歩きだす。
とりあえず僕たちは正門を目指すことにした。
外に見えた正門の位置を確認しつつ、慎重に角を曲がり兵を装いながら無駄に長い廊下を歩く。
重い鎧を着たままだとさすがに疲れるから、さっさと脱いでしまいたい。
これで体力を使い果たしいざというとき戦えないのでは笑い話にもならない。
外に見えた正門の位置を確認しつつ、慎重に角を曲がり兵を装いながら無駄に長い廊下を歩く。
重い鎧を着たままだとさすがに疲れるから、さっさと脱いでしまいたい。
これで体力を使い果たしいざというとき戦えないのでは笑い話にもならない。
しばらく歩くと門前に大きな扉が見えてきた。
開け放たれた扉のその先には正門だ。
開け放たれた扉のその先には正門だ。
…しかし。
その手前の門番の兵士が、出入りする兵士と話している。
多分身分確認だろう。
あそこで捕まれば、兵士でないことがばれることは確実。
アッシュもそれを危惧したのだろう、歩みが段々と遅くなり扉の少し手前で死角になった通路に入りこちらを振り返る。
その手前の門番の兵士が、出入りする兵士と話している。
多分身分確認だろう。
あそこで捕まれば、兵士でないことがばれることは確実。
アッシュもそれを危惧したのだろう、歩みが段々と遅くなり扉の少し手前で死角になった通路に入りこちらを振り返る。
「どうするんだ?」
「………行くしかないだろ」
「………行くしかないだろ」
僕が小さく発した問いに、アッシュは小さくもはっきりとそう返した。
ばれたら場合は強行突破か?行けるだろうか?
無謀さすら孕むアッシュの言葉に、僕は小さく溜息をついた。
無謀さすら孕むアッシュの言葉に、僕は小さく溜息をついた。