【side:Chal】
放った氷の矢が門番の肩を射抜く。
立ち止まることなく動きの止まった門番の横を通り過ぎる。
アッシュもすぐに後に次いだ。
立ち止まることなく動きの止まった門番の横を通り過ぎる。
アッシュもすぐに後に次いだ。
とりあえずは城から出ることは出来た。
あとは城外に出るだけ…だが。
正門ともなれば警備はより厳重のはずだ。
それを先ほどの手で誤魔化せるかは疑問だし、それには時間がなさ過ぎる。
あとは城外に出るだけ…だが。
正門ともなれば警備はより厳重のはずだ。
それを先ほどの手で誤魔化せるかは疑問だし、それには時間がなさ過ぎる。
正門を開けるには中央の支えを外し数人がかりで両端の鎖を巻き取り仰々しい扉を開けなくてはならない。
それを僕とアッシュで城内の兵が追いつく前に、というのはあまりにも無謀というもの。
ならば他の道を探す他はなさそうだ。
それを僕とアッシュで城内の兵が追いつく前に、というのはあまりにも無謀というもの。
ならば他の道を探す他はなさそうだ。
正門以外に外へ出れる場所。
考えを巡らせて、ふと思い出した。
考えを巡らせて、ふと思い出した。
幼いころの酷く曖昧な記憶。
もういつの頃だったのかすらおぼろげな。
もういつの頃だったのかすらおぼろげな。
片隅に引っかかったのはそんな昔、一度だけ父に手を引かれて城にきた日の…。
父は王族だったけれど、変わり者だった。
母と結婚した後は城ではなく街の外れにある屋敷で暮らしていたらしい。
勿論、生まれた僕もそこに。
王族として執政の一端を担いながら城ではなく、寂れた街の外れに居なんか構えて、と叔母が話していた。
それだけに危険の多い生活だったけれど、幸せの多い生活だと父は他者に話していたと聞く。
だから僕の両親の記憶は、いつだってその街の外れの屋敷でのものだった、けど。
母と結婚した後は城ではなく街の外れにある屋敷で暮らしていたらしい。
勿論、生まれた僕もそこに。
王族として執政の一端を担いながら城ではなく、寂れた街の外れに居なんか構えて、と叔母が話していた。
それだけに危険の多い生活だったけれど、幸せの多い生活だと父は他者に話していたと聞く。
だから僕の両親の記憶は、いつだってその街の外れの屋敷でのものだった、けど。
そんな父に連れられて、数えるほど城に来た事があった気がする。
詳しくは覚えていないが、人の目を盗んで僕の手を引いたまま庭へと出た父は秘密の抜け道だ、と楽しそうに笑った…。
その場所がおぼろげに思い出される。
…あの場所が僕の記憶違いでないのなら、今もあるならば…もしかしたら。
詳しくは覚えていないが、人の目を盗んで僕の手を引いたまま庭へと出た父は秘密の抜け道だ、と楽しそうに笑った…。
その場所がおぼろげに思い出される。
…あの場所が僕の記憶違いでないのなら、今もあるならば…もしかしたら。
「……ディアン」
先を走るアッシュに声をかける。
小さな声だったけれど彼の耳には届いたらしく、アッシュが振り返る。
小さな声だったけれど彼の耳には届いたらしく、アッシュが振り返る。
「このまま正門に向かうのはリスクが大きすぎる…」
「そうだけど…それ以外に抜け道でもあるのか?」
「そうだけど…それ以外に抜け道でもあるのか?」
聞き返すアッシュに一瞬迷い僕は足を止めた。
……一種の賭けだ。
リスクの高い選択肢しかない、賭け。
それにアッシュを付き合わせる必要はあるのだろうか。
そう考えて、そして考えるのを止めた。
僕はアッシュに付き合い此処に居るに過ぎないのだ。
リスクの高い選択肢しかない、賭け。
それにアッシュを付き合わせる必要はあるのだろうか。
そう考えて、そして考えるのを止めた。
僕はアッシュに付き合い此処に居るに過ぎないのだ。
どちらにしろリスクの高い選択肢しかないのなら、それはアッシュが決めればいい。
言い訳じみた思考に迷いを振り切った。
「……抜け道が、あるかもしれない…。」
小さく抑揚のない声で可能性を示唆してみせ、僕は答えを求めるようにアッシュを見る。
そう遠くない後ろから、兵達の声が聞こえ始めた…。