【side:真央】
「真央、久しぶり」
休憩中、ホッと息をついたときにかけられた声に振り返った。
面倒に思いながらも笑顔で振り返る。
どんなときでも笑顔を忘れない。
それが僕のイメージで、事務所からも言われているから。
面倒に思いながらも笑顔で振り返る。
どんなときでも笑顔を忘れない。
それが僕のイメージで、事務所からも言われているから。
「僕のこと、もう覚えてないかな?」
表面上は笑顔を保ちながら昔のことを思い返してみる。
けれど思い出したくない記憶は幾つもあって。
すぐに思い出す努力は放棄した。
けれど思い出したくない記憶は幾つもあって。
すぐに思い出す努力は放棄した。
「秋月雅哉。小学生まで隣に住んでたの、憶えてない?」
雅哉………。
そういえば…昔、隣の家にマサ兄ちゃんと呼んで慕っていた人が居た。
僕よりも3歳上で、7歳差の弟が居て。
いつも3人で遊んでいた。
そういえば…昔、隣の家にマサ兄ちゃんと呼んで慕っていた人が居た。
僕よりも3歳上で、7歳差の弟が居て。
いつも3人で遊んでいた。
親の事情で小学生の頃に引っ越したけど、過去の思い出で彼らだけが唯一楽しい記憶だ。
「…ああ」
改めてみてみると顔立ちに昔の面影が残っている気がする。
「雅哉、で良いよ」
マサ兄ちゃんと呼ぶのもな、と躊躇ったことに気付いたのか出される助け舟。
それに乗ることにして小さく笑った。
それに乗ることにして小さく笑った。
「…久しぶり、雅哉。元気にしてた?」
「それなりに。真央は元気そうなのテレビで良く見てるよ」
「雅哉はどうして此処に?」
「それなりに。真央は元気そうなのテレビで良く見てるよ」
「雅哉はどうして此処に?」
歌手の僕は所謂芸能人で、此処はテレビ局で。
一般人が入れる場所じゃない。
ADにでもなってたんだろうか。今まで全然気付いてなかったけど。
一般人が入れる場所じゃない。
ADにでもなってたんだろうか。今まで全然気付いてなかったけど。
「僕はマネージャー。ほら、向こうに居る二人の」
見た先に居るのは今日共演しているライバル事務所の看板コンビ。
2人とも芸暦も年齢も僕よりも上だ。
2人とも芸暦も年齢も僕よりも上だ。
「…売れっ子のマネージャーなんて凄いんじゃない?」
「代理だよ、2人のマネージャーが風邪引いて倒れちゃってるからその間だけ。僕がついてるのは芳山尚己、もし会ったら仲良くしてあげてね」
「それでも……あ、呼んでるよ?」
「本当だ、もう行かないと。真央、今度家に遊びにおいで。僕はもう自立しちゃってるけど…真央が来たらきっと喜ぶから」
「代理だよ、2人のマネージャーが風邪引いて倒れちゃってるからその間だけ。僕がついてるのは芳山尚己、もし会ったら仲良くしてあげてね」
「それでも……あ、呼んでるよ?」
「本当だ、もう行かないと。真央、今度家に遊びにおいで。僕はもう自立しちゃってるけど…真央が来たらきっと喜ぶから」
誰が、と尋ねる暇を与えずに名刺を俺の手に押し込むと雅哉は素早く立ち去ってしまった。
マイペースぶりは全く変わってない。
マイペースぶりは全く変わってない。
「…そういえば、弟の名前は何て言ったっけ…?」
きっと彼こそ今頃随分変わってしまっているだろう。
そのことを少し寂しく感じながら、ポケットに名刺をしまった。
…1度、久しぶりにあの街を訪ねるのも悪くないかもしれない。
そのことを少し寂しく感じながら、ポケットに名刺をしまった。
…1度、久しぶりにあの街を訪ねるのも悪くないかもしれない。