「帰゛り゛た゛い゛よ゛マ゛マ゛ー゛ー゛ー゛ー゛!゛!゛」
少女は咽び泣いた。
ミニスカートのミイ♪♪♪はごく普通の女子高生。
殺し合いだなんて野蛮極まりない世界に放り込まれるだなんて、と自分の不運を心底呪った。
それと同時に、こんなところで野垂れ死にするのは私の人生じゃない! と思った。
「殺すしかねぇ……殺すしか!」
実にラジカルな決断を下す。
この世界で生き残るためには、見知らぬ誰かの命を奪う事を躊躇してはいけないのだ。
大丈夫、早いうちに物事に取り組めば、他人より一歩リード出来るって言われてるじゃないか。
これだけ早期に殺す覚悟を決めたのだ、きっと生きて帰れる!!!
ミイ♪♪♪はもはや、ごく普通の女子高生ではない……平気で人を殺す悪魔だ!
――悪魔がここに誕生したのだ。
「ククク……。さて、そうなれば準備をせねば」
一度腹を決めてしまえば、気が楽なものだ。
いかにも悪人のような顔を浮かべながら、自身の荷物をひっくり返す。
十秒前にとんでもなく無様なセリフを発していた少女の姿はどこにもない。
「いでよ! あたしのポケモンたち!!!」
『リザアアァァ~!』
『クロ―――ッ!』
「しゃ―――! リザードンとクロ……えっと、なんだコイツ!! なんかカッコイイコウモリ!!
うはあヤベェこれ初っ端から引きが強すぎじゃない??? どうみても強そうだしさ!!!!」
全身から熱気をたぎらせる巨竜リザードンと、空気を切り裂くように高速で飛び回る黒い影クロバット。
ミイ♪♪♪はクロバットの名前を忘れていたが、勉強不足が祟った……と反省するでもなく、ただその"強そう"な姿に興奮していた。
それでも最新機種の扱いには詳しい。手際よくポケッチを操作し、手持ちのモンスタボールと連動させる。
これによってポケッチに搭載されたアプリ『ポケモンリスト』から、ポケモンの状態を確認出来るのである。
「ククク、そしてこれが支給品か……! よくわからないけど、まぁ合ってそうなのを付ければいいよね」
ポケッチは扱えても、ポケモンバトルの道具は知らない。
フレンドリーショップでは見た事無いのだから、知らないのも無理はないだろう。
支給された道具は『レッドカード』『ひのたまプレート』『パワーリスト』
簡単な説明書きがなされてるので目を通す。
「プレートは勿論リザードンに持たせようっと。
で、コウモリ君には……パワーリストが良さそう。
要はちからがパワーアップする道具だよね?
あれだけ素早いんだし、多少削ってちからに回した方がバランスが取れるハズ」
パチンパチンとリストを巻かれ、ポカーンとしているクロバット。
それを気に留める事もなく、ミイ♪♪♪はポケモンコンバータを取り出す。
「ほほ~、これが能力を変えられる道具ねぇ。
考えうる限りの最強の構成にしなくては……!」
リザ(略称)とクロバ(略称)をモンスターボールに戻し、コンバータにセットする。
僅かなローディング時間の後に、モニターにポケモンの能力が数値化された表が映された。
「あぁ、能力とかよくわからん……。二匹とも結構能力高いみたいだし、体力とちからを上げておこう。
技は……こんなに種類があると迷うな~。まぁバランスよく、ね。どんな状況でも対応出来るに限るからね、フフン」
知識が無くとも、どう操作すればいいのかが一瞬でわかる辺り、ミイ♪♪♪の現代っ子らしさが伺える。
彼女なりに最善だと思える構成をパパパパっと操作していく。
その後、画面下にある『変更』を押す。
バチッバチ!! と静電気のような音がして、取り付けられたモンスターボールが一瞬だけ光を帯びた。
ミイ♪♪♪はこの一連の操作を二つのモンスターボールで行なった。
それから二体をボールから出して、その様子を眺めた。
「いいね、勇敢そうな顔つきになってるじゃん」
『リザッ!』『クロクロッ』
「うむ、いい返事! ……よろしい、ならば戦争だ……!
この私が殺し合いを勝ち抜き、見事生還を果たしてやろうじゃないか……!」
殺意の波動をたぎらせて、颯爽と歩み出す。
ミイ♪♪♪の過酷な死闘が、今ここに幕を開けた――
【C-2/草むら/一日目/日中】
【ミニスカートのミイ♪♪♪ 生存確認】
[ステータス]:良好、謎テンション
[バッグ]:基本支給品一式、レッドカード
[行動方針]:殺人の意思あり
1:自らの生還をかけて容赦なく戦うぜ……!
▽手持ちポケモン
◆【リザードン/Lv50】
とくせい:もうか
もちもの:ひのたまプレート
能力値:HP、こうげき特化
《もっているわざ》
きあいパンチ
ブラストバーン
りゅうのはどう
ほのおのパンチ
◆【クロバット/Lv50】
とくせい:すりぬけ
もちもの:パワーリスト
能力値:HP、こうげき特化
《もっているわざ》
はかいこうせん
シャドーボール
さいみんじゅつ
そらをとぶ
最終更新:2014年11月15日 22:12