かわいいおんなのこがあるいています。
花のようにはれやかなピンク色のドレスをきて、あたまには大きなリボンがよくにあっています。
おんなのこのなまえはシェリといいました。
あたまのなかにあった黒いきもちがきえて、あんしんしていました。
ジャマなとうだいをこわしたおかげでしょうか。
ニドキングとニドクインに手をひかれながら、ゆっくりとあるきました。
草木がならんださかみちを、ゆっくりとあるきました。
さかみちをのぼった先には、町がありました。
シェリのこころがざわつきました。
むかしルキとたびをした町ににていたからです。
さらにものかげから、みどり色のふくのおとこのこも出てきました。
「あっ……そこのキミ!」
シェリよりも少しだけ年上でしょうか。
とまどったようすで、はなしかけてきました。
「えーっと……俺もキミと同じ立場、のはずだ、よな? コロシアイに巻き込まれて……。
だから、その、俺はコロシアイに乗る気は無い人間だ! 本当だ!
その、落ち着いて話を聞いてくれないかっ?
俺はケイイチって言うんだけど、今は協力できる仲間を探してて……」
シェリのこころに黒いきもちがわきあがりました。
私に助けを求めている。
誰も彼も、私の声を散々無視してきたと言うのに。
自分が困っている時は、私に助けを求めるのだ。
なんて都合の良い。
この男も、どこかクラスメートに似ていた。
利口そうな顔で振る舞いながら、だけど私と関わる事は無かった。
安全で安心な状態を維持したいから、切り傷だらけの私に触れようとしなかった。
無性に不愉快だ。
この黒いきもちはどうすればきえてくれるでしょうか。
町も、人も、壊してしまえばいいんです。
そうすればシェリのこころのいやなものも、いっしょにきえてくれるんです。
シェリはパパの手をはなしました。
それをあいずに、ゆうかんなパパはじゃまものにたちむかっていきました。
◆
「メブキジカ!」
ケイイチくんはすぐにポケモンをとりだして、ニドキングとたたかわせました。
『ウッドホーン』がニドキングのむねにつきささりました。
しかし、たいする『メガホーン』で、メブキジカはかんたんにたおれました。
「ヤッベェ……」
ケイイチくんは青ざめました。
つぎのポケモンがたおれたら、じぶんがしんでしまうからです。
「頼む、メタモン!」
ボールからとびだしたメタモンは、ニドキングへとへんしんしました。
ポケモンコンバータでわざをかくにんし、そしておどろきました。
「なしくずし、あばれる、だいちのちから、メガホーン……。
まさか、デフォルトのわざしか覚えさせて居ないのか……!?」
メタモンに『だいちのちから』をつかわせると、ニドキングはたおれました。
そのとき、シェリは大きな声でさけびました。
「パパ!」
くるったようになきさけびました。
「ごめんなさいパパ! わがまま言ってごめんなさい!
悪いのは私なの! 痛かった!? 苦しかった!?
私も同じだけ痛い目に遭うから、私の事嫌いにならないで!」
「えっ……パパ、って……。あの子は一体何を言って……」
ずっとあやまりながら、パパの入ったボールをきかいにセットしました。
そしてシェリはニドクインにささやきました。
パパとおなじくらいのいたみをわたしにあたえて、と。
しかし、ニドクインは首をよこにふりました。
シェリはやりきれないきもちになりました。
そして言いました。
「だったら、周りのもの全部壊して!!」
ニドクインはあばれはじめました。
まわりの家ばかりを、こうげきをはじめました。
シェリはそこからガレキをひろいあげ、じぶんをなぐりました。
ケイイチくんはこわくなって、にげだしました。
【B-6/ソナイシティ/一日目/午後】
最終更新:2015年02月09日 09:30