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「この崖、世界レベルね……」

 ビキニのおねえさんのヘンリーは見上げる。
 目の前に聳え立つは先程、新しく出来た崖。
 つうしんサーチャーを見た限り、近くには誰もいない。

「あの叫んでいた騒がしい男、全くとんでもないことをしてくれるじゃないの……!」

 だが、あの騒がしいおっさんがいないのは運がいい。
 あの騒がしいおっさんは世界レベルのパワーを持っている。
 今のこの状態で戦った場合、確実に仕留められるのは自分の方だと確信した。

「さて……」

 シンボラーにはねやすめを行わせて体力を回復をさせるか。
 もしくはモンスターボールに戻してコンバータ入れるか、悩む。
 時間を取るか、安全策を取るか、迷ったが……

「そういえば聞いたことがある……。
 あの伝説のアイドルトレーナー、スター・ストロベリーはアイドル見習いのとき、崖を登ったことがある……らしい。
 世界レベルのアイドルは自分の力で崖を登る……アイドルの世界において常識であるのは確かね」

 ヘンリーは自力で崖を登ることを決意した。
 シンボラーはボールに戻してコンバータにセットし回復させる。

 ロッククライムを覚えるポケモンがいれば、楽に登れた。
 しかし、それが出来るポケモンがいないために自力で登るしかない。
 ちなみに先程、手に入れたポケモンは…………。

 あの世界的な配管工にそっくりなポケモン! ダイノーズ!
 月の妖精! ピクシー! 勿論、二匹ともロッククライムは覚えない。

「うーん、シンボラーとピクシーでマジックガードが被ってしまったわ」

 これには少しヘンリーはがっかりするが。
 仕方ないね、といった感じで気にしないことにした。
 ないよりはマシである。とりあえず、二匹をボールに戻す。

 そして、次にランダムアイテムを確認する。
 最初に出てきたのは……

「黒い鉄球じゃないの……重っ!」

 そりゃ重いよ。当然、黒い鉄球だもの。
 どんな飛行ポケモンでも地面に撃ち落とすくらいに重いよ。
 音速で動けるポケモンもゆっくりになるくらい重いよ。
 そんなものを持ちながら崖登ったら余計疲れるさ。
 だから、ダイノーズをもう一度ボールの外に出し、黒い鉄球を持たせてボールに戻す。

「さて、あと一つね……出来れば世界レベルのアイテムが出るといいわね」

 まるで抽選のようである。
 そして、出てきたのは……

「きちょうなほねだわ!! 微妙すぎる!! カントーレベルね!!!」

 これまた微妙なアイテムが出てきた。
 これはホントに使えそうにないが、一応持っておく。
 そして、ヘンリーは崖を登り始めていく。

 右足を僅かな出っ張りにかけて、身体を持ち上げる。
 右手、左手、左足と確実に上がっていく。
 安全綱なしのロッククライミング。
 下は極力見ないで行く。

 そして、約10分後。
 世界レベルの速度で崖を難なく制覇した。
 しかし、結構の速度で登ったがため、手はボロボロ、身体に擦り傷と。
 ヘレンはかなり痛々しい姿になってしまった。
 さらに何とも言えない空腹感があった。

「ここで貴重な食料を失うわけにはいかないわ」

 与えられた食料は一日分。
 たった一日分である。
 そこでヘンリーが取った行動。

「ピクシー、『タマゴうみ』よ!」
『ピッ!』

 ピクシーをボールから出して、指示を出す。
 食料が無ければポケモンに出してもらえばいい。
 共生とはそういうことである。

「栄養価はあるわよね、きっと」

 ラッキーのタマゴ。
 ヤドンのしっぽ。
 ミルタンクのミルク。
 と、数々食べてきたが、ピクシーのタマゴは初体験だった。

「では、いただくわ……」

 タマゴの殻を割り、中身を一気に食す。
 タマゴの中身は口の中を一気に駆け巡っていく。

「……ゥンまああ~いっ!
 こんなタマゴは食べたことはない……!
 まさに……これこそが真の世界レベルね……!」

 大満足だった。
 自分の体力もかなり回復した。

「ごちそうさまでした」

 満足したところでヘンリーはピクシーをボールを戻す。
 そして、コンバータにセットした時、ある衝撃的なことに気付いてしまった。

 シンボラー♀ Lv50
 ダイノーズ♀ Lv50
 ピクシー♂ Lv50

 ピクシー♂

 ♂


「このピクシー……♂じゃないの!!!!!!!!」

 ピクシー♂でもタマゴが産める。
 カントーのタマムシシティではよくあることです。

「ま……いいわ」

 だが、気を取り直す。
 こんなことで止まっていられないからだ。

「この格好じゃちょっとまずいわね」

 夜になったら冷えて体力が奪われるのは目に見えている。
 だからこそ、早めに服を手に入れる。
 世界レベルのビキニ姿を見せつけられないのは残念だが、死活問題になるまえに動く。 
 そして、ビキニのおねえさんのヘンリーの選択は……


「服が手に入りそうな場所は……ここの近くだと南の街かしらね」


【A-1/崖の上/一日目/日中(もうすぐ午後)】
【ビキニのおねえさんのヘンリー 生存確認】
[ステータス]:疲労(中)、軽傷
[バッグ]:基本支給品一式、きちょうなほね
[行動方針]こんなちっぽけな島で終わらないために、
1:私こそが世界レベル
2:あの騒がしい男を要警戒。

▽手持ちポケモン
◆【シンボラー♀/Lv50】
とくせい:マジックガード
もちもの:かえんだま
能力値:????
《もっているわざ》
サイコシフト
はねやすめ
コスモパワー
アシストパワー


◆【ダイノーズ♀/Lv50】
とくせい:がんじょう
もちもの:くろいてっきゅう
能力値:
《もっているわざ》
????
????
????
????


◆【ピクシー♂/Lv50】
とくせい:マジックガード
もちもの: なし
能力値:HP、特攻振り
《もっているわざ》
ムーンフォース
だいもんじ
かみなり
タマゴうみ


第34話 わるだくみ 第35話 SEKAI NO LEVEL 第36話 正しいだけでは生きられない

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最終更新:2015年02月23日 23:52