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ヴァンパイア・コレクション

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ヴァンパイア・コレクション

The Vampire Omnibus


編纂:ピーター・ヘイニング
著者:スティーブン・キング 他
翻訳:風間賢二 他
発行:角川書店

吸血鬼をテーマとした短編(もしくは長編の一部)を年代順に21編を編纂したアンソロジーです。
キングの短編「新・死霊伝説」を読みたくてわざわざ注文して買ったにも拘らず、同作が「トウモロコシ畑の子供たち」収録の「<ジェルサレムズ・ロット>の怪」であると知ってしまい、何年もの間書棚で眠らせていたのですが(典型的な積ん読状態)、読む本が無くって引きずり出してきました。

吸血鬼と言えば定番中の定番であるブラーム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」(1897)の登場で、そのイメージは不死族のモンスターという形で固定されているようですが(僕は特にそうでした)、小説の中には様々な吸血鬼のイメージがあります。特にドラキュラ以前の吸血鬼は悪霊としてのイメージが強く、邪悪な魂が死後吸血鬼となり人々に災いをもたらすと考えられていたようで、本書の中でも興味深く読めました。

全体的に見ると、古い作品はストーリー云々より、やはり古いなりの表現法で物足りないのは否めないし、長編の一部って言うのも全編が気になって欲求不満になる。僕に取っては吸血鬼というテーマに沿った資料的読み物という側面が大きかったと思います。
勿論、読み物として楽しめる作品も多くあり、古典も長編として書き直したら十分に通じるんじゃないかというものもあります。
各話の冒頭にはピーター・ヘイニングのコメントが書かれていて、作品・作者の適切な紹介がなされています。これのおかげで長編の一部であったとしても違和感無く読めます(とは言え欲求不満が解消される訳ではないのですが)。
ウディ・アレンやレイ・ブラッドベリの作品も収録されていて、それだけでも楽しめました。読んで損は無いアンソロジーだったと思います。

近年においてはパロディーの元ネタになる事が多いらしく、ちょっと寂しくも、それはそれで面白かったと記しておきます。

収録作品

1.古典的吸血鬼譚

  • 「骸骨伯爵 - あるいは女吸血鬼 - 」 エリザベス・グレイ
  • 「吸血鬼の物語」 ジェームズ・マルコム・ライマー
  • 「蒼白の貴婦人」 アレクサンドル・デュマ&ポール・ポカージ
  • 「白い肩の女」 ジュリアン・ホーソーン
  • 「ソーホールの土地のグレッテル」 フランク・ノリス
  • 「血の呪物」 モーリー・ロバーツ

2.フィルムの中の吸血鬼たち

  • 「島の花嫁」 パイロン卿(ジェイムズ・ロビンソン・プランシュ)
  • 「夜の悪魔」 ピーター・トリメント
  • 「兇人ドラキュラ」 ジミー・サンスター
  • 「ダーク・シャドウズ」 マリリン・ロス
  • 「新・死霊伝説」 スティーブン・キング
  • 「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」 アン・ライス

3.現代に蘇るヴァンパイア

  • 「ヴラド伯父さん」 クライヴ・シンクレア
  • 「ドラキュラ伯爵」 ウディ・アレン
  • 「十月の西」 レイ・ブラッドベリ
  • 「闇の間近で」 シオドア・スタージョン
  • 「死にたい」 ウィリアム・F・ノーラン
  • 「読者よ、わたしは彼を埋めた!」 ベイジル・コッパー
  • 「出血者」 リチャード・レイモン
  • 「ドラキュラ - 真実の物語」 ジャック・シャーキー

ちなみに巻末の解説によると、編纂者のピーター・ヘイニングは怪奇幻想アンソロジストの第一人者であり、彼の編んだ著作は百冊以上に及ぶそうです。
また諸般の事情で収録がカットされた作品が13本もあるそうです。数にして1/3以上がカットされているってのは・・・

2006/06/06

【追記】
特に「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」は全編読みたい。映画も見てないから、そちらが先か?
ブラーム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」も読み直したい。
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