Z-コンピテントセル作製法
Zymo-Reserach社が販売しているコンピテントセル作製キットを用いた作製法。 容易にE.coliのコンピが作製でき、しかも作製されたコンピはインキュベーション時間が2~5分と短時間で、ヒートショック・キュアリング不要。 ただし、キットは高いので節約しましょう。
【参考URL】
http://www.zymoresearch.com/zrc/pdf/T3001i.pdf (Zymo-Reserach)[英語PDF]
http://www.zymoresearch.com/zrc/pdf/T3001i.pdf (Zymo-Reserach)[英語PDF]
〔全体の流れ〕
〔ラボデータ〕
元菌培養
【所要時間】
2日
2日
【試薬・器具】
・M9プレート
・4mL LB培地
・M9プレート
・4mL LB培地
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1. 最小培地プレート (M9プレート) に元菌(-80℃保存)をストリーキング →→ 37℃ O/N
※コンピテンシーが比較的高くなりやすい菌は、代わりにLBプレートなどでもOK
2. ストリーキングしたプレートからシングルコロニーを選択し、4mL LB培地に植菌 →→ 37℃, 200rpm O/N (~16h)
※SOB培地 50mL をこの段階で調製しておく。
コンピテントセル作製
【試薬・器具】
・Z-competent cell kit (2×Wash Buffer, 2×Competent Buffer, Delution Buffer)
・SOB培地 50mL
・15mL ファルコンチューブ 数本
・1.5mL エッペンチューブ 50本程度 (※ 1×Competent Buffer量 [通常5mL] を100ulで割った本数)
・Z-competent cell kit (2×Wash Buffer, 2×Competent Buffer, Delution Buffer)
・SOB培地 50mL
・15mL ファルコンチューブ 数本
・1.5mL エッペンチューブ 50本程度 (※ 1×Competent Buffer量 [通常5mL] を100ulで割った本数)
【注意点】
・高いコンピテンシーを得るためには、SOB培養後からいかに温度を与えないかによります
・可能な限り全操作を0℃付近の環境で素早く行いましょう
・ただし、依然として抗生物質が存在しない環境下での作業になるのでコンタミには十分注意すること
・高いコンピテンシーを得るためには、SOB培養後からいかに温度を与えないかによります
・可能な限り全操作を0℃付近の環境で素早く行いましょう
・ただし、依然として抗生物質が存在しない環境下での作業になるのでコンタミには十分注意すること
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1. 前日から前培養してあった元菌をSOB培地 50mL に加える →→ 18~26℃, 200rpm
※ 培養温度が高いほどO.D.上昇は早いがコンピテンシーは低い傾向
※ 菌が弱い場合などは、O.D.が0.4に到達するのに3日ほどかかることもある
※ 菌が弱い場合などは、O.D.が0.4に到達するのに3日ほどかかることもある
2. O.D.= 0.4~0.6 のとき培養終了し、氷上で十分に冷却 (10min以上)
※ 早く冷やすためには少しアイスボックスに水を加える
3. 冷却後、培地を 0~4℃、3000~3700rpm, 10min 遠心
※ 遠心中に 4 の Wash Buffer, Competent Buffer を調製しておくこと
4. Z-competent cell キット の溶液を使って、次の2つの試薬を調製。
1× Wash Buffer 5 mL (以下 WB)
【組成】
・2× Wash Buffer 2.5 mL (キット)
・Delution Buffer 2.5 mL (キット)
【組成】
・2× Wash Buffer 2.5 mL (キット)
・Delution Buffer 2.5 mL (キット)
1× Competent Buffer 5 mL (以下 CB)
【組成】
・2× Competent Buffer 2.5 mL (キット)
・Delution Buffer 2.5 mL (キット)
【組成】
・2× Competent Buffer 2.5 mL (キット)
・Delution Buffer 2.5 mL (キット)
※どちらの溶液も氷上で十分に冷却しておくこと
5. 遠心終了した3の培地の上清を速やかに除去し、ペレットを WB 5mLで穏やかにピペッティング再懸濁(On Iceで)
6. 5の懸濁溶液を再度、0~4℃、3000~3700rpm, 10min 遠心
※ 遠心中に8で使う液体窒素を用意しておきましょう
7. 上清を速やかに完全に除去し、ペレットを CB 5mL で穏やかにピペッティング再懸濁(On Iceで)
8. オートクレーブ済み 1.5mLチューブを 50本+α 程度用意し、7の再懸濁溶液を100ulずつ分注。分注したエッペンはすぐに液体窒素で10min以上凍結。
※ 分注の際はコンタミに十分気をつける
※ 液体窒素による凍結は「コールドショック」と呼ばれる過程でコンピテンシーの向上に影響する(ただしZ-コンピでは不要・・・?)
※ 液体窒素による凍結は「コールドショック」と呼ばれる過程でコンピテンシーの向上に影響する(ただしZ-コンピでは不要・・・?)
9. 凍結したエッペンは、液体窒素から引き上げたのち融解しないよう速やかに-80℃保存
コンピテンシーチェック
【所要時間】
1日
1日
【試薬・器具】
・LBAプレート 数枚 (通常はLBA)
・テストプラスミド (pBR322 , pUC118 , pUC19 .etc)
・LBAプレート 数枚 (通常はLBA)
・テストプラスミド (pBR322 , pUC118 , pUC19 .etc)
【注意点】
・予想されるコンピテンシーに応じて適宜プラスミド量のオーダーを増減すること。
・予想されるコンピテンシーに応じて適宜プラスミド量のオーダーを増減すること。
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1. 作製したZ-コンピを用いて、テストプラスミドを下記の量でトランスフォーメーションする
●105 プレート
テストプラスミド 10pg
テストプラスミド 10pg
●106 プレート
テストプラスミド 1pg
テストプラスミド 1pg
●107 プレート
テストプラスミド 100fg (=0.1pg)
テストプラスミド 100fg (=0.1pg)
●0 プレート (コンタミチェック)
テストプラスミドを入れずにコンピのみをプレーティング
テストプラスミドを入れずにコンピのみをプレーティング
※ コンピテンシーが高い自信があったら、105プレートは無くてもOK
2. 一晩37℃培養したあと、各プレートに形成されたコロニー数を数える
→ 106プレートに100個生えたら、コンピテンシーは 106 × 100 = 108
→ 0プレートにはコロニーが生えてはいけない (生えたらコンタミしてる)
→ 0プレートにはコロニーが生えてはいけない (生えたらコンタミしてる)
※コンピテンシーは『プラスミド使用量1μg あたり形成されるコロニー数 cfu/μg 』で表されます
コンピ作製データ
菌 | プレート | 培養温度 | SOB培養時間 | コンピテンシー 10x | 元菌 | 作成日 | 作製者 |
HB2151 | LB | 26℃ | 6時間 | 4 | コンピ? | 2011.04 | 荒川 |
HB2151 | LB | 18℃ | 18時間 | 8.6 | HB2151元菌(2008) | 2011.10 | 藤田 |
DH5α | LB | 26℃ | 10時間 | 4 | コンピ? | 2011.04 | 荒川 |
コメント
【ストリーキング】
シングルコロニーへの分離。
また、薬剤耐性遺伝子やF因子など、特定の遺伝子を保持した菌体の選抜。
また、薬剤耐性遺伝子やF因子など、特定の遺伝子を保持した菌体の選抜。
( XL10-Gold→Kmr、BL21(DE3)pLysS→Cmr、TG-1の最小培地選択、など。)
白金耳に菌体をつけ、目的に応じた寒天培地に広げて植菌する。
↓
37℃にて培養、o/n
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37℃にて培養、o/n