宜野座伸元とアールが立つ街の道路に、光が指す。
光の正体は、とうとうやって来たタクシーのヘッドライトだった。
やって来たのは、それも二台。
両台のドアがバタリと開く。
宜野座は後方の、アールは前方の車に乗り込もうと足を挙げる。
そしてその直前、アールが口を開く。
「どちらまで向かうんですか?ギノさんは。」
「さて、何処でしょうね。」
気難しそうな顔を作った宜野座はそう返し、車に乗り込む。
アールもそれを確認し、自分の方の車に乗る。
◆ ◆ ◆
「うっ!」
街灯とヘッドライトだけが照らしてくれる夜の街。
其処でタクシーは急に真っ直ぐな公道で曲がりだした。
「どうしたんです?」
ドアにぶつけた頭をなでながらも神妙げな表情で宜野座が、運転手に問う。
「いや、道路にデコボコが有りまして……。」
「……成る程。」
横を見てみれば、辺りのビルが一部ボロボロになっている。
サーヴァント同士の戦いが、此処で繰り広げられていたのだろうか、と独り言ちながら、宜野座は頬杖をついて窓の景色を覗く。
◆ ◆ ◆
「此処で構いません。」
目的地の廃倉庫に到着した所で、宜野座は運転手に合図を掛ける。
そして、財布から千円札を一枚取り出し、運転席と助手席の間の所に手を伸ばし運転手に差し出す。
「ああ、ありがとうございます。しかし、此処は通りが少ないですが、大丈夫でしょうか?」
「いえいえ、少し捜査関係で……ん?」
ふと、前窓に止まっているタクシーが気になる。
アレはアールが乗っている方の車だ。
更に、開いたドアからはアールが出てきている、これは一体……?
(何故彼が此処を…?)
可笑しい。
通報が有るにしても、仮にも日本警察の人間ではないアールに110番が届くはずもない。
況してや彼は協力者だ、そんなことは。
「お客さん、まだ降りないのですか?前にいるご友人さんはもう出ていらっしゃった頃ですけど。」
「わかりました、ありがとうございます、それではこれで。」
ドアが開き、宜野座は其処から出る。
それと同時にタクシーは、既に暗闇の向こうへと走り去っている前方の車両を追うように走り去っていく。
此処で宜野座は、横にあるレンガに身を隠し、アールを見つめる。
幸い、廃倉庫に向かって歩くアールは此方には気づいていない様だ。
スキを見計らって、後で此方も向かおう。
『マスター。』
不意に、隠れているであろうセイバーからの念話が届く。
『どうした。』
『此処らに霊圧を感じる、恐らくはサーヴァントの気配だろう。』
『何!?』
面倒だ。
ともなれば、恐らくは近くに自分やアール、そしてあの死体まみれであろう配倉庫の存在が他のサーヴァントに漏れているということだ。
ニュースで伝えられる前に、直ぐに此方の状況がバレているという事だ。
(だが、俺のセイバーの能力はバレていないはず……)
大丈夫だ。
余程、派手に動くことさえなければ……
そう考えながらも、宜野座はアールを見つめ、物陰でじっと様子を伺う。
◆ ◆ ◆
『サーヴァントがいるみたいだけど、大丈夫なの?』
『何、そのままにしておいてやれよ。』
アーチャーからの念話に軽口で答えたアールは、しかし神妙げに、廃倉庫の中を覗き込む。
中は血塗れ。
其処に有るのは無数の赤い肉片。
職業柄、戦闘沙汰になることがしょっちゅうあるアールだが、しかしこんな無残な光景は久々に見た感覚がする。
お得意の演技力で口は弧を描いているが、決して気分が良いわけではない。
ポケットからスマートフォンを取り出す。
警察に連絡をするためだ。
この組織については概ね把握はできている、後は警察と手を組んで捜査をさせてもらうだけだ。
◆ ◆ ◆
5分後。
夜が更け静まり返っていた此処らの廃倉庫に、喧しい騒音が鳴り響いた。
赤い光がサイレンとともに差し込み、此方にやって来る。
宜野座はその光が指す方向に目をやる。
見れば、やって来るのは数台のパトカー。
(アールが電話を掛けたのか……?)
思い返せば、アールは彼処で携帯電話を耳に当てていた。
まさか、110番通報をした、と言うことなのだろうか。
と考えている内に、パトカーの群れは宜野座の眼の前で停まり、ドアが立て続けに開く。
中からは複数の警官が姿を表していき、即座に現場に向かう。
そして、一人の女性刑事も、中から出てきた。
「どうした宜野座警部補、此処は捜査現場だぞ?」
宜野座はそれに一旦項垂れながらも、表情を立て直して頷く。
「分かっているよ、真戸。」
そう言って宜野座もまた、他の警官とともに現場へと走る。
捜査は、まだこれからだ。
【F-2/廃倉庫/1日目 夜(22:05)】
【宜野座伸元@PSYCHO-PASS】
[状態] 健康
[令呪]残り3画
[装備] ポリスリボルバー
[道具] スマホ、ウォッチ@PSYCHO-PASS、警察手帳
[所持金] 普通
[思考・状況]
基本行動方針:元の世界に帰る。
1. 聖杯戦争に付いて調べる。
2. これから捜査を始める。
[備考]
【セイバー(
朽木白哉)@BLEACH】
[状態] 健康、霊体化
[装備] 斬魄刀
[道具]
[所持金] かなり裕福
[思考・状況]
基本行動方針: マスターを護る。
1. ルキアを止めたい。
2. マスターに居場所を教える。
[備考]
バーサーカー(
朽木ルキア)の姿を発見しました、生前に面識はありますが宝具まで知っているかは不明です。
F-2の廃倉庫からルキアの霊圧を感知しています。
アーチャー(
北岡秀一)の霊圧を確認しました、ただし、姿は観ていません。
【
アール(レナート・ソッチ)@ヨルムンガンド】
[状態] 少し酔っている(強い方)
[令呪]残り3画
[装備] スマホ
[道具] 銃
[所持金] 普通
[思考・状況]
基本行動方針:元の世界に帰る
1. 鬼兵隊について調べる。
2.警察の捜査に協力する。
[備考]
酒は強い方ではありますが一応酔っています。
【アーチャー(北岡秀一)@仮面ライダー龍騎】
[状態]健康
[装備]
[道具] カードデッキ
[所持金] かなり裕福
[思考・状況]
基本行動方針:第二の生命を手にする
1. 此奴は不味いでしょ
2. マスターは護る
[備考]
- セイバー(朽木白哉)が近くにいることを感知しましたが、誰かは知りません。
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最終更新:2023年10月13日 11:10