大道克己は霊体化して自然公園の周辺地域を探索していた。
目的は先刻戦う処を見たセイバーの発見である。
別段戦おうとか、マスターを仕留めようなどと思っている訳では無い。探しているのは、クルーゼからの指示で、交渉して手を組む為である。
他のサーヴァントの手の内を探るのは克己の考えであり、クルーゼも反対はしなかったが、『ある条件』を満たすサーヴァントを探す様に、克己に命じたのだ。
そして克己は、今日は既に四体のサーヴァントを確認し、充分な成果を挙げたと認識して、クルーゼの命に従って行動することにしたのだった。
克己の能力を知るクルーゼは、克己に十全の信頼を置いているが過信はしていない。
当人の戦闘能力と多彩な能力を持つガイアメモリ、認識した宝具を任意で使用不能とするエターナルレクイエムは如何なるサーヴァントに対しても優位を取れる。
あくまでも『優位を取れる』のであって『勝てる』という訳ではない。
事前に情報を入手し、下準備をして一対一で戦えばまず勝てる。そう認識している。幾つかの例外は有るが。
刻まれた知識と克己の能力からクルーゼが想定し克己に聞かせた、克己が苦戦を強いられる、或いは敗北する相手は三つ有った。
一つは先刻戦うところを見たランサーの様に、複数の宝具を持つサーヴァント。
エターナルレクイエムによる宝具封じはマスターの魔力に依存する。クルーゼはマスターとしては落第点である為、後から後から宝具を持ち出されてはすぐに魔力が枯渇する。
複数の宝具を一度に封じたとしても同じ事。ましてや高ランク宝具ともなれば、クルーゼは消耗に耐えられまい。
最もあのランサーは克己の敵では無い。仮面ライダーW、風都の守護者達と同じく『変身』する事で戦闘能力を得るランサーは『エターナルレクイエム』の前には無力。
尤もあのランサーは克己の敵では無いというだけで、他の連中にとっては充分に難敵だ。ヤル気満々の様だし、精々他の参加者を相手に暴れて貰おう。
二つ目は先刻戦ったバーサーカーの様に宝具に依らない特異なスキルや能力を有する者。
予め戦う処を見ていて、バーサーカーが手負いだったから圧倒出来たが、あのバーサーカーとは思えぬ瞬間移動を駆使した戦い方は、初見で尚且つバーサーカーが無傷であったなら、相当な苦戦をしただろう。
三つ目はあの巨剣や鎧のセイバー達の様に単純に強い場合。
バーサーカーのトリッキーな戦い方に殆ど対応し、マスターの援護が有ったとはいえ撤退に追い込んだ巨剣のセイバーや、
フォームチェンジを行い、複数の異なる武器を用いたランサーを、宝具も用いず正面から圧倒した鎧のセイバーの戦闘能力は明らかな脅威と言える。
特に、鎧にセイバーの高い水準で纏まったステータス。初見でランサーの多彩な攻撃を防ぎ切った武技。
此の地に顕れたサーヴァントの中でも最上位の強さを持つ事は疑う余地の無い事実。
最大の強みである手数の多さが通じにくい上に、地力で劣るとなっては敗北は濃厚。宝具を封じても克己が優位とは言えない強さでは、魔力を消耗するだけの結果となりかねない。
そしてこの三つのケースの内『単純に強い』というのが重要だった。
クルーゼは克己が苦戦を強いられる相手として、強力かつ多彩な魔術を駆使するキャスター。理性と引き換えに能力を底上げするバーサーカーを上げていた。
どちらも宝具に依らずとも強大な戦闘力を発揮するという点では同じである。キャスターは最弱とされるが、対魔力を持たず、霊格も低い克己では脅威というより他に無い。
そしてクルーゼは、この両者に対抗する為に手を組む相手としてセイバークラスのサーヴァントを挙げていた。
優れた性能と武技を持ち、高い対魔力を有するセイバーは、このキャスターとバーサーカーに対して有効な戦力となり、尚且つ切り札である宝具も分かり易い。
克己の戦力を考えれば手を組む相手としてこのクラス以上のものはない。
そして今日見つけた二人のセイバーの内、鎧のセイバーを味方にすべく、住宅地を探索しているのだった。
此方を探している理由は二つ。
一つは探し易さ。鎧のセイバーのマスターは徒歩で移動していた。つまり自然公園が徒歩の行動範囲に入るエリアに住んでいる。そう考えても良いだろう。
この近辺を探せば多分見つけられる筈だった。
二つ目はマスターが少年であるという事。年端もいかない子供なら、クルーゼの弁舌ならどうとでも丸め込める。サーヴァントが異を唱えてもマスターさえ押さえておけばどうにでもなる。
これがもう一方のセイバーともなると、何処にいるのか判ら無い上に、マスターもサーヴァントもどうにも剣呑な雰囲気で、且つマスターも魔術を使うとあっては始末するにも一苦労だ。
尤も手の組み易さという点で見れば、バーサーカーのマスターに勝る者は無いと言える。何しろ判断力どころか思考すらロクに出来無い死病持ちだ。
クルーゼの地位を利用し、病院に秘密裏に入れてやれば、自陣営に引き入れるのは容易な事だろう。
少女のサーヴァントがバーサーカーで無ければ。近づけば襲ってくるのではどうしようも無い。バーサーカーを殺せばどうにでもなるが、瀕死の子供を抱え込む意味など何処にも無い。
克己にはあの少女の死病を如何にか出来る心当たりは有るが、今の処どうこうしようとは思わない。
結局の処、鎧のセイバーが同盟相手としては最適解と言えた。
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[[最上リョウマ]]は海岸を目指して夜道を歩いていた。クロスローダーに反応が有ったデジモンとの邂逅を目指し、反応が有った地点を目指しているのだった。
反応が有ってから随分経つ、もうとっくに移動して居くなっているだろうが、痕跡位は見つかるかもしれない。
リョウマはそんな事を思いながら夜道を行く。気持ちは逸るが足取りはむしろ緩やかだ。危急の時では無いし、状況によっては全力で逃亡しなければならないかもしれない。疲労する様な事は避けるべきだった。
【モモンさん、周囲にサーヴァントの気配は?】
全身を甲冑で鎧ったモモンは、目立つのを避ける為に霊体化をしている。声に出して聞くと夜道で独り言を言っている様で、此れまた目立つので念話で問う。
【無い】
周辺のことを聞いてきたリョウマに、モモンも念話で返す。
【アンデッドは?】
【幾つか有る。近い処だと三つ。内一つは家の有る辺りだ】
リョウマが息を飲むのが気配で伝わって来て、モモンは家を離れたのは正解だったかなー。などと思案する。
家の周辺に居るのが何者かは不明だが、味方でも無い者に拠点を知られるというのは得策では無い。ましてや例のアンデッドのアサシンなら尚更だ。
ふう。とモモンはため息を着く。
ナザリックが在り、その守護者達が居れば、拠点がバレる心配などする必要は全くと言って良いほどに無いのだが。
仲間達と共に築き上げ、仲間達の生み出した“子供達”が守るあの墳墓は。サーヴァントが単騎で陥落させるなら、対城宝具を使わなければ不可能だ。
アサシンだろうがなんだろうが、足を踏み入れた瞬間に死の運命が決すると言って良い。
はあ。とモモンはまたため息を着く。
無い物ねだりをしても仕方無い。至高の四十一人の繋がりは課金アイテムだけとなってしまったが、此れだけでも充分過ぎる。ナザリックまで望むのは贅沢というものだろう。
此処でモモンは思考を中断して実体化する。サーヴァントの気配をモモンの感覚が捉えたのだ。それも二体。
戦うわけでは無いが、戦闘になった時の備えをするのは当然だろう。
ついでに己のステータスを見せることにより、抑止効果とすることも出来る。
「マスター、サーヴァントだ。一つ訊きたいが、デジモンは居るかな?」
クロスローダーを見たリョウマから、「居ない」という返答を聞き、モモンは僅かな安堵と失望を抱いた。
安堵は折角興味を抱いたデジモンと戦わずに済んだこと。失望はデジモンと逢うという目的が果たせ無い事だった。
「接触するか迂回するか決めて欲しい」
「手を組めるかもしれない相手です。其れに、反応のあった方から来たからには、デジモンと接触したかも知れません」
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柊シノアと
エレン・イェーガーは連れ立って住宅街を目指していた。
お家に帰る訳では無い。シノアの情報を頼りに、仲間を増やしに向かっているのだ。
シノアのサーヴァントは穴の無い能力を持つが突出した処もなく、何より戦闘継続時間が短い。
エレンのサーヴァントは強力だが、バーサーカーである為に取り扱いが難しく、しかも巨体である為に目立ち、狭い場所では運用出来無い。
共にピーキーな性能のサーヴァントを従える者同士、凡用性の高いサーヴァントを従えるマスターと同盟を組みたい。そう思うのは当然の事だった。
「それで、今から逢う奴は信用出来るのか?」
「どうなんでしょうね?マスターとしてはかなり強いという話ですが」
「何だか妙な言い方だな」
「直に会ったことありませんので」
要するに覗き見か……とエレンは思った。
【マスター。サーヴァントが一体。近くに居ます】
二人の会話をキャスターが断ち切った。
【此方に向かって来て居ます。指示を】
「バーサーカーが回復するまで戦いたくありませんが……実体化しておい て下さい」
シノアとエレンはビルに隣接する広い駐車場に入って、シノアが中央に陣取る。
エレンは離れて様子を窺う、こうすることで二人纏めてやられる可能性を減らすのだ。
そして二人の前にそのサーヴァントは姿を現した。
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「セイバーですか……」
シノアの目線の先、20mほど離れた駐車場の入り口に立つのは、二振りの巨大な剣を背中で交差させる様に背負い、鎧で全身を覆った剣士。セイバー。
シノア達が会いに行こうとしていたのはアサシンのマスターだったが、此処でセイバーを仲間に出来れば勝率はグンと高まる。
キャスターが作成した陣地に篭り、セイバーが戦闘をこなし、拠点に篭る敵はバーサーカーの火力で殲滅する。此処に号竜とアサシンを加えれば搦め手を用いて嵌める事も可能。
目的の為にもこんな優良物件を逃す手は無いと、涼しい顔をしながらも、シノアの頭脳はフル回転している。
むう。と、モモンは心中に唸る。荒事になった時の事を考えたのだろうが、誰に狙われているかも知れ無い現状では、遮蔽物の無い場所に出て行くのは避けたい。
鈴木悟という人間が、異世界に死の超越者として転生し、その世界の歴史に“アインズ・ウール・ゴウン”の名を刻む始まりとなったのは、“ユグドラシル”のPvPと言える。
ギルド“アインズ・ウール・ゴウン”とは元が人間種のプレイヤーに虐げられていた異形種のプレイヤー達の互助会に端を発するのだから。
眼前の相手に気を取られて周囲へ気が回ら無い少女に対し、同盟を組むとしても主導権を渡すのは危険だと判断する。
取り敢えず罠だった時の用心に、リョウマにはハムスケをつけて、アサシンなり他のサーヴァントなりが襲ってくれば即座に逃げる様言い含めて、離れた場所に隠れさせておく。
リョウマの安全を一先ずは確保したモモンは、駐車場の入り口付近に陣取った。
【モモンさん。相手のサーヴァントはキャスターです。ステータスは総じて低いですね。一番高い魔力もCですし」
【とすると同盟の申し出の可能性が高いか…。戦うとすれば宝具を使用するか、罠を張っているな】
幾ら何でもキャスタークラスのマスターが自分のステータスとクラスを見て正面から挑んでくる事は無いだろうと判断する。
それでも警戒を怠らない。何しろ本戦まで残ったのだ、とんでも無い隠し札を有しているかも知れ無い。
そしてもう一人の従えるサーヴァントはバーサーカーだろうと見当をつける。
キャスターをセイバークラスの自分の正面に立たせておいて、もう一人はサーヴァントを実体化させずにいるのは、
魔力消費と制御が難しい為に、戦闘時以外は霊体化させておくのが最善のバーサーカーだと考えるのが妥当だった。
「それで、何の用かな」
黙っていても何も進展し無いので、取り敢えず話を切り出すことにした─────その時、凍える様な殺意と共に、暴風が炸裂した。。
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克己がリョウマとモモンを発見出来たのは只の偶然に過ぎなかった。
単純に2人を発見出来なかったので、他の場所を見て廻ろうと思い立ち、『バードメモリ』を用いて飛行中にサーヴァントの気配を感知。手頃なビルの屋上のに移動して探ってみれば、目当ての相手だったというわけである。
克己とクルーゼの方針は、リョウマ達を手駒として使い潰すこと、その為にもリョウマ達には孤立していて─────出来れば複数の敵を抱えていて欲しい所だった。
孤立し、敵に囲まれた状態ならば、こちらの申し出に飛びついてくるだろう。
「取り敢えず何も話さず別れて貰おうか」
『トリガー』『サイクロン』『ヒート』『アイスエイジ』『ウェザー』『ルナ』『メタル』のメモリをスロットに差す。
「派手に踊ってくれよ」
『サイクロン』及び『アイスエイジ』の力を乗せた風雪の弾丸を、シノアとエレンの中間目掛けて放ち、次いで各種様々な弾丸を撃ち放つ。
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「セイバー!!」
モモンは突然の攻撃に此方の身を案じるリョウマに構うことなく、シノア達の方を見る。
この攻撃がシノア達の仕掛けた罠と疑ったからだ。
だが、モモンの視界に映ったのは、シノアとエレンの中間に、白く冷たく輝く弾丸が着弾。暴風を撒き散らして地面を氷結させる処だった。
次いで三人目掛けて飛来する、赫炎、烈風、氷結、稲妻の弾丸を、何時の間にか鎧を纏ったキャスターが刃を以って切り払い、シ『サイクロン』『ヒート』『ノアが何処かからか大鎌を取り出して撃ち払う。
エレンも飛来する弾丸を何とか躱しながら、凍った路面に苦労しながらシノア達との合流を図っていた。
─────アレがキャスターの宝具か。
パーフェクトウォリアーの様な物かと推測する。鎧を纏ったキャスターは、下手な三騎士にも匹敵する剣捌きで、飛来する弾丸を寄せ付け無い。
キャスターの剣技に感心した処で拙い状況になっている事に気付いた。
あの攻撃は“モモンとリョウマには全く向けられていない”。
向こうから見れば、予めモモンの仲間が隠れていて、自分達に攻撃している様に思えるだろう。
流石にランサーと因縁が有るわアサシンに狙われているかも知れないわ、という状態で、これ以上敵を増やすのはゴメンだった。
いま攻撃を加えて来ているのは、例のアサシンでは無くキャスターかアーチャーだろうが狙撃手を確認しない限り断言は出来ない。宝具次第ではアサシンでもこの様な攻撃が可能かも知れないからだ。
それに─────此方にアンデッドの気配が凄まじい速度で近づいて来ている。
例のアサシンだとすればリョウマの身が危ない。
さっさと彼等の誤解を解いて場所を変えて話をしよう。その為にモモンは地を蹴ってシノアとレオの前に立ち、双剣で稲妻と烈風の弾丸を切り払った。
「此処は私に任せて退け」
「待ってたぜ、動くのをよ」
モモンが動くのを見た克己は、口元を笑いの形に吊り上げた。
『サイクロンメモリ』『ヒートメモリ』の力を込めた弾丸に、『ウェザーメモリ』で更に暴風を込めて、モモン目掛けて撃ち放ち、更に『メタルメモリ』で硬度と質量を増した弾丸を、『ルナメモリ』の力を込めて撃つ。
「この攻撃は…貴方の差し金では……」
「生憎と、今の処手を組んでいる相手は居なくてね」
シノアに答えたと同時、モモンは飛来した火球を双剣で切り落とし─────今迄とは桁違いの爆炎が発生した
高熱を含んだ狂風が一瞬で路面の氷を蒸発させ、離れた場所のエレンの皮膚すら焦がす。
「ヌオオオ!」
至近で熱波を浴びたモモンは構わずにシノアの方に目線を向ける。自分やキャスターは鎧に身を守られているが、キャスターのマスターは生身だった。下手をすれば致命傷になりかねない。
結果を言えば、シノアは無傷だった。シノア自身の防御力に加えてキャスターが庇ったらしい。
モモンは息を付くと、次いで飛来した黄色い複数の光弾を撃ち払おうとして─────。
「んな!?」
複雑な軌道を描き、モモンの剣を掻い潜った光弾がキャスターの全身に直撃した。
本来ならばこうまで見事に全弾直撃などしない。モモンが迎撃した火球の爆発と、当のモモンの身体が死角を作った事に依り反応が遅れたのだ。
「キャスター!?」
モモンとしても失態だった。最初からこんな動きをしていたのならともかく、今迄の光弾全てが直線を描く軌道だった為に、まさか此方の迎撃を外すとは予測出来なかったのだ。
さっきの火球といい、モモンの行動が悉く裏目に出ている。此処は離脱して、狙撃手から身を隠すべきだろう。
「いそ─────」
すぐに此処から離れる様に告げようとした瞬間。モモンは強い衝撃を受けて吹き飛ばされていた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
百夜ミカエラが三組の主従を発見出来たのは、単に夜空を染める強い光が見えたからやって来た。というだけの事だった。
やって来て見れば何処からか攻撃を受けている鎧を纏ったサーヴァントが二体と、マスターらしい男女の姿。
最初は消耗を避ける為に傍観するつもりだったが、鎧を纏ったキャスターが被弾したのを見て考えを変えた。
すぐに位置を変えて、キャスターとセイバーが直線上に重なる場所に陣取り、バーサーカーに今までの様な刃を飛ばす攻撃では無く、バーサーカー自身を突撃させた。
刃の嵐を放つ攻撃は強力だが、僅かに時間を要する上に魔力を消費する。今は直に突っ込ませた方が、確実だろう。
この位置から突撃すれば、セイバーが回避してもキャスターには直撃する。弱ったキャスターには耐えられまい。
そう考えて放ったバーサーカーは炎の様な魔力を総身に纏い、獣の様に四つ足で標的目掛けて走り出す。
「ルゥオオオオオオオオ!!!」
咆哮し、疾走するその姿は、殺意の塊と形容しても─────殺意そのものと言っても違和感の無いものだった。
そしてミカエラの殺意に駆られた獣は、鎧姿のセイバーに激突。吹き飛ばされたセイバーは、付近のビル壁を突き破り、中へと消えていった。
セイバーに激突した拍子にバーサーカーの突撃の方向がズレなければキャスターは致命傷を負ったはずだが、そこは良しとしよう
「良し」
先程の二回の戦闘ではこうは旨く行かなかった。残るは傷ついたキャスターのみ。此れならばどうにでもなる、狙撃に気を付けていれば、此処で二組を脱落に追い込める。
いざとなれば自分も加われば良い。凡そマスター同士の1対1の戦闘ならば自分に勝てるものはそうっは居ないという自負がミカエラには有る。
だが狙撃手に対し自分の姿を晒すつもりは無い。素性を探られるのは防がなければならないから、ミカエラには決して巻き込みたく無い家族が居るのだから。
その時ミカエラはおそろしく珍妙なシロモノを見つけてしまった。
「何…あれ?」
ミカエラが絶句するのも無理は無い。ヒグマより巨大なジャンガリアンハムスターが少年を乗せて走ってくるのだ。誰だって驚くミカエラだって驚く。
優ちゃんなら喜ぶだろなー。とか呑気な事を思ったのも束の間、あんなシロモノに乗ってるのは聖杯戦争の関係者以外に存在して居るわけが無いだろうから、即座に殺しに掛かる事にする。
剣柄に手を掛け、一気に走り寄る。先ずはハムスターの前脚を斬り飛ばし、落下した少年を仕留める。
最上リョウマは離れた処に隠れて見守って居た処、モモン達がいきなり攻撃を受けたにで、モモンの指示通り離れることにしたのだが、まさかまだ敵が居るとは思ってもいなかった。
「ぬお!?」
硬質な響きと衝撃をリョウマが感じたと同時、ハムスケが頓狂な声を出す。
見れば、ハムスケの前にいきなり現れた金髪の少年が、手にした剣でハムスケの前肢に斬り付けていたのだ。
「中々見事な斬撃でござるが、それがしの毛皮は殿でも斬り裂けぬのでござるぞ」
言いながら少年を飛び越し、少年の頭上と後方から繰り出す硬い鱗に覆われた尻尾の刺突。剣で払ったミカエラが振り向いて追撃しようとした処へ、足元を尻尾で薙ぎ払う。
ミカエラは前方に大きく跳躍し、直接リョウマを狙うも、読んでいたハムスケが尻尾をミカエラの正面から叩きつける。
咄嗟に反応し剣で防ぐが、正面から受け止めてしまい、ミカエラは大きく弾き飛ばされてしまった。
「チィッ」
空中で体勢を立て直したミカエラが追うとした時には既に巨大ジャンガリアンハムスターはかなりの距離を稼いでいた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
シノアが獣─────バーサーカーの攻撃を四鎌童子で受け止められたのは全くの偶然だった。
モモンが攻撃を受けたのが辛うじて見えたので、咄嗟に四鎌童子を振るったら、バーサーカーがシノア目掛けて繰り出した魔力を帯びた拳と四鎌童子が激突。
互いに原型が無くなる程に乗用車同士が激突したかの様な轟音が響くより早く、シノアはモモンが消えたビルの方に飛ばされていた。
「ハァッ!!」
追撃しようとする獣にキャスターが鋭い斬撃を連続で浴びせて退かせると、飛ばされたシノア目掛けて跳躍、空中で抱えてエレンの側に着地する。そこで装着限界を迎えて、鎧が解除されてしまう。
「バーサーカー!!!」
最早戦えるのは己のサーヴァントのみ、エレンは此処で躊躇うこと無くバーサーカーを呼ぶ。目立つ事この上なく、周囲に被害が出やすいが、仲間を失う事とは比べ様が無い。
実体化したバーサーカー─────デスティニーガンダムは、両側頭部の17.5mmCIWSを獣目掛けて発射。回避する獣を追う弾丸が駐車場の地面を砕き破片を散らす。
次いでビームライフルを取り出すと、狙撃手がいると思しき方向に、立て続けに数発撃つ。夜闇を裂いて飛翔した光線が、幾つかのビルの屋上部分を破壊した。
更にCIWSで獣の動きを牽制し続けながら左掌を繰り出しパルマフィオキーナを発射、当たれば獣の五体を粉砕したろうが、この攻撃を獣は跳躍して回避する。
獣はパルマフィオキーナによる爆発により生じた風で加速をつけてデスティニーガンダムに一気に肉薄、空中で取り出した大百足に炎の様な魔力を纏わせ、突撃の勢いと全身の力を乗せた一撃を叩き込む。
これを受け止めたデスティニーガンダムの右掌を大百足が叩き割り、魔力の火花を散らす。夜の空気を激しく震わせる凄絶な響きは、音の域を超えて衝撃波と化して周囲のものを打ち据えた。
右掌を傷つけられたデスティニーガンダムは損傷が拡大することも厭わずパルマフィオキーナを発射、獣は魔力を纏わせた大百足で受けたものの、攻撃の威力に大きく後方に飛ばされ、50m程離れた場所に着地する。
手から離れた大百足が回転しながら飛んで行き、ミカエラの近くの路面に突き立った。
─────バーサーカー!?サーヴァントが他にも居たのか!?
離れた場所に陣取り、戦況を見守っていたミカエラは驚愕した。
今度こそ邪魔が入らないと思ったら、思わぬ伏兵が居た。
自分の運の無さに思わず笑ってしまいそうになるが、呑気に笑っている暇など無い。
このまま見ているか、参戦してさっさと殺すかを、すぐに決めなければいけなかった。
然し、シノア達には継戦の意図は全く無かった。
獣が視界から消えた途端に此の場からの離脱を開始したのだ。
此れはミカエラの戦闘能力とそのサーヴァントを知るシノアの指示で、獣を見た瞬間にミカエラが近くに居ると判断。
キャスターが戦えない状態でミカエラとバーサーカーの相手など出来る訳が無いと撤退することにしたのだ。
最後まで残り、獣目掛けて牽制射撃を行っていたデスティニーガンダムも、シノア達が充分離れたところで霊体化して、此の場を離れて行った。
好機を逃したミカエラは小さく舌打ちをすると、バーサーカーを霊体化させ、セイバーを叩き込んだ穴を一瞥すると、大百足を引き抜いて穴に投げ込んでからその場を離れた。
心中にこんな好機は二度と無い。そう自分に言い聞かせながら。
「はあ…酷い目に遭った」
誰も居なくなった駐車場で、霊体化したモモンは胸中に呟く。
バーサーカーに飛ばされ、ビルの中に消えた時に、追撃を避ける為に霊体化し、駐車場での死闘を傍観していたのだ。
折角、同盟を組めそうな二人とは話も出来なかったし、狙撃してきた相手も不明。
おまけにリョウマは人間とは思えぬ強さのマスターに襲われたらしい。ハムスケが奮闘して事無きを得たが。
「デジモンを見たかったが」
アンデッドのアサシンの件も有る。またの機会にするべきだろう。モモンは霊体化したまま、リョウマと合流すべく移動を開始した。
【D-2/ビル街/1日目 夜(22:40)】
【エレン・イェーガー@進撃の巨人】
[状態] 健康
[令呪]残り3画
[装備] 無し
[道具] 無し
[所持金] 貧乏(一般学生の小遣い程度)
[思考・状況]
基本行動方針:生き残り、願いを叶える。
1. シノアと手を組む。
2. 取り敢えず帰宅する。
3.誰が狙撃してきた?
[備考]
キャスター(
布道レオ)の宝具を確認しました。
夢の中に出てきた少年がバーサーカー(
シン・アスカ)だとは気づいていません。
セイバー(モモン)の姿とステータスを確認しました。
【バーサーカー(シン・アスカ)@機動戦士ガンダムSEED DESTINY】
[状態] 宝具の翼を損傷、宝具の右掌を損傷、魔力消費(中)
[装備] デスティニーガンダム
[道具] デスティニーガンダムの装備一式
[所持金] 無し
[思考・状況]
基本行動方針: ■■■■ー!
1. ステラァァァァァ……
2.
[備考]
翼をランサー(
スカルナイトモン)に破壊されました。宝具の特性上修復はされますが、時間はかかります。
右掌をバーサーカー(
黙示録の獣)に破壊されました。宝具の特性上修復はされますが、時間はかかります。
柊シノアと同盟を結びました、連絡先の交換は後程行うそうです。
【柊シノア@終わりのセラフ】
[状態] ダメージ(小)
[令呪]残り3画
[装備]四鎌童子
[道具] 呪術関連の道具を幾つか
[所持金] そこそこ裕福
[思考・状況]
基本行動方針: サーヴァントを全て倒し、優勝を目指す。
1. エレンとの同盟の成立が完了!
2. ミカさんに対する警戒、一応仲間の家族なので出来れば和解したい。
3.この勢いでもう一人仲間を増やしたい。出来れば小回りが効くのを。
4.誰が狙撃してきた?
[備考]
エレン・イェーガーと同盟を結びました。
幾つかのマスターの情報を所持していますが、詳細に関しては後続の書き手様にお任せします。
セイバー(モモン)の姿とステータスを確認しました。
バーサーカー(黙示録の獣)の姿とステータスを確認しました。
【キャスター(布道レオ)@牙狼-GARO-~MAKAISENKI~】
[状態] ダメージ(中) 魔力消費(小)
[装備] 魔戒剣、魔導衣
[道具] 号竜×3、その他多くの魔導具
[所持金] 無し
[思考・状況]
基本行動方針:マスターを護る。
1. 取り敢えずは術による偵察と、号竜の作成に専念する。
2. あぁ、号竜で偵察なんてしなきゃ良かった……
[備考]
号竜を3体程連れています。
マスターに提供してもらった柊邸の地下室に、大量の号竜が置かれています。
1体の号竜の残骸が
ケイネス・エルメロイ・アーチボルトの手に渡っています、号竜の仕組みが流出する危険性も十分にあります。
【D-2/ビルに面した駐車場付近/1日目 夜(22:40)】
【百夜ミカエラ@終わりのセラフ】
[状態] 健康、膨大な魔力
[装備] 「剣」
[道具] 無い
[令呪] 残り三画
[所持金] 学生だが孤児院住まいなのでそんなには無いだろう
[思考・状況]
基本行動方針:優勝狙い。まずはある程度情報を入手してから、
バーサーカーの火力で他の敵を潰していく
消耗は避ける
1.『家族』を巻き込まない様にする
2.慎重に行動する
3.不意打ちは止めておく、当分は偵察のみで。
4.このままSE.RA.PH全域を回っていく。
[備考]
1.輿水幸子&アヴェンジャー(輿水幸子)を認識。ステータスを確認しました。
2.
瀬田宗次郎&アサシン(
シルベストリ)を確認。ステータスを把握しました。
3.
網島ケイタ&セイバー(
剣崎一真)を確認、ステータスを確認しました。
4.ライダー(
フル・フロンタル)を認識、ステータスを把握しました。
5.ランサー(
クー・フーリン)を認識、ステータスを把握しました。
6.
最上リョウマ&セイバー(モモン)を認識、ステータスを確認しました。
7.
柊シノア&キャスター(布道レオ)を認識、ステータスを確認しました。
8.
エレン・イェーガー&バーサーカー(シン・アスカ)を認識、ステータスを確認しました。
9.予選時点でクルル・ツェペシから貰った血を幾らか持ってきていましたが、決戦時点で既に飲み干しています。
クルルの血と吸血鬼が持つ魔術回路のお陰で魔力は大量に有りますが、回復が出来ないので慎重に。
【バーサーカー(黙示録の獣)@.hack//G.U.TRILOGY】
[状態] 健康
[装備] 無し
[道具] 無い
[所持金] マスターに依存
[思考・状況]
基本行動方針:??????
[備考]
1.輿水幸子&アヴェンジャー(輿水幸子)を認識。ステータスを確認しました。
2.瀬田宗次郎&アサシン(シルベストリ)を確認。ステータスを把握しました
3.網島ケイタ&セイバー(剣崎一真)、ライダー(フル・フロンタル)を確認。
4.ライダー(フル・フロンタル)に刃の嵐を投げつけました。
5.ランサー(クー・フーリン)を認識、ステータスを把握しました。
6.最上リョウマ&セイバー(モモン)を認識、ステータスを確認しました。
7.柊シノア&キャスター(布道レオ)を認識、ステータスを確認しました。
8.エレン・イェーガー&バーサーカー(シン・アスカ)を認識、ステータスを確認しました。
【E-3路上/1日目 夜(22:40)】
【最上リョウマ@デジモンクロスウォーズ 時を駆ける少年ハンターたち】
[状態] 健康、魔力消費(小) ハムスケに騎乗中
[令呪]残り3画
[装備]
[道具] クロスローダー
[所持金] 貧乏(一般学生の小遣いレベル)
[思考・状況]
基本行動方針:答えを見つけるまで専守防衛
1. クロスローダーに反応のあったデジモンを探す。
2. アサシンらしき存在には最大限警戒
3.現在帰宅中
[備考]
※クロスローダーが、C-1/海岸でのスカルナイトモンの戦いに反応しました。
リョウマの所持デジモンでないこと以外、なんというデジモンかなどは分かっていません。
百夜ミカエラの姿を認識しました。名前は知りません。
【D-2/ビルに面した駐車場/1日目 夜(22:40)】
【セイバー(モモン)@オーバーロード】
[状態] 健康
[装備] 双剣、漆黒の鎧
[道具] その他多数の装備
[所持金] 無し
[思考・状況]
基本行動方針:マスターの依頼を引き受ける。聖杯戦争の運営には警戒
1.「アインズ・ウール・ゴウン」の名はなるべく隠しておく。
2.自分の正体がバレてマスターの心の傷を抉らないか心配。
3.切り札である魔法アイテムはなるべく取っておくが、使い時には惜しまない。
4.感知したアンデッドのアサシンらしき存在には注意する。
5.コレクターとしてデジモンに興味
6.あのランサーがたっちさんの憧れた仮面の変身ヒーローなのか?
7.アンデッドばかりなのは気のせいか? 何か意味があるのでは? そもそもこの戦いでのアンデッドの定義は?
[備考]
※ランサー(
駆紋戒斗)の宝具「刺し貫く鮮黄の槍(バナナアームズ)」、「射り撃つ黄金の矢(レモンエナジーアームズ)」を確認しました。
柊シノア&キャスター(布道レオ)を認識、ステータスを確認しました。
エレン・イェーガー&バーサーカー(シン・アスカ)を認識、ステータスを確認しました。
バーサーカー(黙示録の獣)の姿とステータスを確認しました。
※かつての仲間から仮面ライダーシリーズについての熱弁を沢山聞いていますが、殆ど聞き流していたためろくに覚えていません。
※アンデッドへの探知能力はモモンの状態だと遠ければ遠いほどなんかいるなー程度になっています。
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【了解。あのロボットマスターの拠点も探っておく】
一面高熱で溶けたビルの上で念話を行う大道克己。
デスティニーガンダムを見た瞬間に、克己と視覚を共有して戦況を見守って居たクルーゼが退避を指示。
即座に『バードメモリ』の力で飛翔、『サイクロンメモリ』の力を併せて用いて高速で離脱したのだ。
そして今ガンダムを知り尽くしているクルーゼの指示を受け、ガンダムを操るサーヴァントのマスターの拠点を探る任務を与えられ、再びビルの屋上から街を見下ろして居るのだった。
「クルーゼの世界にはあんなシロモノが有ったのか」
ガイアメモリを見た時に興味深そうにしていたが、克己に言わせればクルーゼの世界の方が変わっている。
わざわざあんなモノを用いて戦争しているのだ。NEVERなんて間違いなく不用だろう。
克己は自嘲すると、バーサーカーのマスターと思しき男の追跡を開始した。鎧のセイバーは拠点の大まかな位置を掴んでいる。今はバーサーカーを優先すべきだろう。
【D-2/ビル屋上/1日目 夜(22:40)】
【アサシン】(大道克己)@仮面ライダーW FOREVER AtoZ 運命のガイアメモリ
[状態] 健康・僅かな苛立ち
[装備] ロストドライバー、ナイフ、T2メモリ
[道具] 無し
[所持金] マスターに依存
[思考・状況]
基本行動方針:優勝狙い。他マスター達の『解放』
1. 偵察を続ける
2. 鬼兵隊の動向を警戒
3.自分からは当分は仕掛け無
[備考]
1.セイバー(
ガッツ)、バーサーカー(朽木ルキア)を認識。ステータスを確認、戦うところを観察しました。
2.
カオスヒーローが魔界魔法を使用したのを目撃しました。
3.二ノ宮飛鳥&ランサー(駆紋戒斗)と最上リョウマ&セイバー(モモン)を認識。ステータスを確認、戦うところを観察しました。
4.
ステラ・ルーシェを視認。死期が近いことを知りました
5.バーサーカー(
朽木ルキア)とランサー(駆紋戒斗)の宝具を認識しました。
6.最上リョウマ&セイバー(モモン)を認識、ステータスを確認しました。
7.柊シノア&キャスター(布道レオ)を認識、キャスターの宝具とステータスを確認しました。
8.エレン・イェーガー&バーサーカー(シン・アスカ)を認識、ステータスを確認しました。
9.僅かな苛立ち。
備考
鎧のセイバー(モモン)のマスターとガンダム(シン・アスカ)のマスターの拠点を捜索中です。
鎧のセイバー(モモン)のマスターの拠点が大まかな位置を絞り込みました。
備考
D-2に有る駐車場に壊滅的な破壊が発生し、隣接するビルに大穴が空き、数百m離れた場所に有る複数のビルの屋上が破壊されました。
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最終更新:2017年01月29日 05:21