+ | あらすじ |
とある山奥に存在する村、東関村で赤く腐った死体が発見される事件が発生していた。この事件を解決すべく集まったヒーローたち、そして偶然にも村に来ていたヒーローたちによって事件の調査が行われた。この時、PC①は深紅の着物を着た少女に出会う。どこかで会った気もするが、彼女が何者かを思い出せないまま彼女はどこかへと去ってしまった。
調査を行う中で、ヒーローたちは『腐り姫の伝説』という東関村に伝わる伝説を知ることになる。そして、その伝説に記された『腐り姫』と深紅の着物を着た少女が酷似しており、この一連の事件は彼女によって引き起こされたものではないかと考えた。 さらに調査を進めると、ヒーローたちは伝説に記されていた宝玉を発見する。宝玉は使う素質のある者に対してのみ語り掛け、PC①にはその素質があった。そして宝玉は、伝説の真実が記された書のありかをヒーローたちに教える。その書(『腐り姫の伝説(裏)』参照)を読み終えたヒーローたちに、更に宝玉は「腐り姫の封印は異界から来た悪によって解かれてしまったこと」「一人の少女が、再びその身に腐り姫を封印したこと」「そしてその封印が弱まりつつあること」を知らせる。その話を聞き終えた時、PC①は今の腐り姫を封印している少女の正体が、自らの従妹にあたる「伊勢 樹里」であることを思い出す。そして宝玉は選択を迫る。腐り姫を封印するのか、封印の肩代わりをするのか。 宝玉の力を得て腐り姫の居場所を突き止めたヒーローたちは彼女と戦い、PC①は宝玉の力をもって彼女をこの地に封印した。東関村には再び平和が訪れたが、PC①は再び起こるであろう腐り姫の惨劇を食い止めるべく、自らにできることを考え始めていた。
※『腐り姫の伝説』と『腐り姫の伝説(裏)』は、ハンドアウト置き場のものを参照
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+ | 登場PC |
セッションシートが見つからなかったため正確なPC名はわかりませんので記名しません……
PC①…PL:kvkv PC②…PL:Shin PC③…PL:G.K PC④…PL:KAZZ-I PC⑤…PL:まち |
+ | あらすじ |
「異界からのヴィラン、シヴァクゾーンが何らかの動きを見せている」「繁華街にて薬物の売買が頻繁に行われている」「椎名宏子という少女が失踪している」「悩みを抱える者に特殊な薬物を渡そうとする黒いコートを着た男がいる」という複数の事件が錯綜する中、PC①は夜の繁華街で「ケット・シー」を名乗る少女に出会う。特異な格好と言動をするその少女と、PC①は夜の繁華街に行くたびにほぼ毎回会うことになる。
ヴィランの動きを察知したヒーローたちは協力し、異変の調査や宏子の捜索を行う。その中でもケット・シーはヒーローたちの前に現れるが、椎名宏子の友人である白木綾がケット・シーに会うと、彼女のことを宏子であると言う。彼女はその言葉を否定し、その場から逃走した。 椎名宏子が住んでいるアパートの調査を行うと、部屋の中には一冊の魔導書があった。彼女はヒーローであり、この魔導書を駆使して戦うヒーローであったそうだが、彼女はどうも力が振るわずこれといった結果を残せていなかった。また、失踪する少し前に戦闘に一般人を巻き込んでしまうという失敗もしている。このことを気に留めつつも、PC①は魔導書をその場から持ち出す。 そこで、魔導書がPC①に向かって語りだす。椎名宏子と同じ系統の力を持つPC①には魔導書の声が聞こえるのだという。魔導書は、椎名宏子に何が起こったのか、彼女は何を考えているのかを語った。彼女は亡き父から受け継いだ魔導書の力を十分に発揮できず、「中途半端で、何者にも成れない自分」に嫌気が指していた。そんな中、「ジンドッシュ」と名乗る黒いコートの男にクスリを貰い、それに手を出してしまったのだという。彼女はヒーローとしての重圧から解放され、「ケット・シー」として「何者か」になれた彼女であったが、クスリに手を出してしまったこと、ヒーローとしての自分から逃げていることに罪悪感を持ち、心の闇はより深くなっていったのだという。そして、彼女が持つ力は「自らの欲望や願いを具現化させる」というものであり、クスリによってその力が奇妙な形で影響を及ぼし始めたのだという。繁華街で起きている異変は、彼女によるものだったのだ。 全てを知ったヒーローたちは、夜の繁華街でケット・シーこと椎名宏子に出会う。クスリに手を出してしまい、街をめちゃくちゃにしてしまった自分はもう戻れないと語るが、ヒーローたちの説得により、「ケット・シー」ではなく「椎名宏子」に戻ることを決意。そこに、黒いコートを着た男、ジンドッシュが現れる。彼は「心の闇」を育てることを目的とし、ヒーローたちにクスリを渡していたのだという。宏子の心の闇をさらに育てようと戦うが、ヒーローたちの力の前に敗北した。 クスリによる力の暴走が無くなったことにより、街は平穏を取り戻していた。宏子は薬物中毒の治療を受けつつも、これから再びヒーローとして、椎名宏子として戦うことを決意する。そのために、似通った力を持つPC①は彼女に力の使い方、そしてヒーローとしての在り方を教えるのであった。 |
+ | 登場PC |
1回目のセッションシートが見つからなかったため正確なPC名はわかりませんので記名しません……
追記:ヒーローネームだけ書いておきます
1回目
PC①…フェンリル PL:はんこつ PC②…ギフテッド PL:臼 PC③…ラピスラズリ PL:みるふ PC④…biim(ブラスト・イズ・イン・マウント) PL:田中山 PC⑤…赤影 PL:グッピー
2回目
PC①…中森竣也/アルベルト PL:ゲイル PC②…宮街華夜/ティーポット・キャロル PL:にーてん PC③…藤本和泉/アルビノジャガー PL:K.* PC④…角居ノエル/シルバーキー PL:まち PC⑤…藤水涼介/エレクトロマンサー PL:貴美 |
+ | 第一話『殻ノ少女』 |
空から降り注ぐ光により、人々が理性を失い暴れ出す、言動が支離滅裂になる、突如自傷や自害する、突如異形化してヴィランのように人を襲いだす、などの様々な異常が起こった『流星事件』から五年。謎の症状に苛まれていた人々は次第に回復していき、流星事件は『過去の事件』として扱われ始めていた。そんな中、チバシティでは体の一部が欠けた死体が見つかる事件が発生していた。そんな中、記憶喪失のヒーローPC①は、チバシティの海が見える丘の上で『月島 冬子』という少女と出会う。どこかで会ったような、そんな不思議な感覚を胸に彼女と知り合うこととなった。
その後、PC達は体の一部が欠けた死体が見つかる事件について調査と解決を行うことになる。調査を行う中で、かつて『流星事件』によって精神に異常をきたしていた人間が、再びそのような精神異常を発症するという現場に遭遇する。どうやら、このような事態が他にも起き始めているようだ。また、件の死体の近くで何かが飛び立っていったという目撃情報を得る。それを調べていくうちに遭遇したのが、背に鳥の翼を生やした月島冬子だ。どうやら彼女は特別な力を持った、分類としてはヒーローに当たる存在であり、彼女なりにこの事件に対処していたようだ。彼女曰く、この事件は『流星事件』の被害者を殺害し、『謎の光』のもととなる物質を集めて回っていることにより起こっているらしい。そして、それを集めることで特別な力を得ていくことができるそうだ。その過程で冬子も狙われるようになり、なんとか逃げ回っているという状況だそうだ。 そんな情報を彼女から聞く途中、件の事件の犯人と思われる男に冬子が連れ去られる。PC④の能力(裏ハンドアウト参照)を駆使しつつ男を追いかけ追い詰めるが、冬子は男に右腕を切断されてしまう。その切り口からは何故か出血はなく、代わりに謎の白い粒子が男へと吸収されていくが、それを受けた男は狂ったように何故かPC達を襲いだした。PCたちは男を撃退し、冬子を救うことに成功した。HAにより治療と検査を受けた冬子は、どうやら人間ではなくアンドロイドに近い存在らしい。そんな彼女と何らかの近しい感覚を覚えたPC①は、これからも彼女と友人として親しく接することを決めた。 一先ず事件が収束したその後。PC②が経営する喫茶店「hermitage」に白衣を着てメガネをかけた一人の男が訪れる。彼はPC①を探していると言い、実際にPC①を目の当たりにすると「特に問題はなさそうだ」とつぶやいて去っていった。彼が何者なのか、それが分かるのはまた次の話だ。 |
+ | 第二話『虚ノ少女』 |
『殻ノ少女』の連続殺人事件から早半年。かつての流星事件の被害者たちは、個人差はあるが徐々に以前のような精神異常をきたし始めている。なんとか理性で抑えることできる者も多いが、徐々に制御が効かなくなってきている。
ヒーローたちはこの問題について頭を抱えていたところ、PC④は『ディストリビューター』と名乗る存在から謎のタロットカードのような物を受け取る。これがこれから行くべき場所を示すようだが、その結果示されたのは最近ナゴヤシティで発見された地下遺跡で合った。PCたちはオペレーター兼緊急時戦闘用アンドロイド『アルファ』と共に調査へ向かうこととなった。 一方で、月島冬子も特に変わりなく生活していたが、最近になって頻繁にふらふらと外出するようになっていた。また、それと同時に『流星事件』によって精神に異常をきたしていた人々の症状が消えるといった事態が起こっていた。やはり彼女が何らかの謎を解くカギになっていると推察したPCたちは、彼女に共にナゴヤシティに来ることを提案する。彼女はそれを承諾するが、出発の前日、彼女はチバシティから姿を消した。 一抹の不安を抱えつつ、件の地下遺跡へとたどり着いたPCたちは調査を開始する。中は研究施設のようになっており、いくつか破壊されたような跡はあったが老朽化したような様子はなかった。そこでPCたちは一つの文書を発見する。『マリス』という名の研究者が残した手記のようだ(ハンドアウト置き場「マリス博士の手記」参照)。その手記や他の資料から、PC①は消えていたはずの記憶を思い出す。 この施設はかつて奈落(アビス)と呼ばれる存在と戦うために数千年前に作られた研究施設であり、生み出されたアンドロイド、ファフニールはPC①のことで、セイレーンは冬子のことであった。そしてどうやら、『流星事件』はこの人工マナを人々が受けてしまったことによる事件のようだ。手記にあったエンシルは、彼独自の方法で粗悪な人工マナの模造品を創り出し、マリスに無断でアンドロイドたちに人工マナの使用を持ちかけ、使用した。その結果アンドロイドたちはより力を手にいれたが、あくまでも『回路』による感情であったため、すぐには人工マナによる暴走を起さなかった。しかし、『人間になりたい』と言う願いから、『人間を理解するための行動』を起こすようになった。そのことに異常を感じたマリスは、彼女らに人工マナが使用されていることを知り、危険を感じてアンドロイドたちを緊急停止した。そしてマリスはエンシルを問い詰め、人工マナの使用を止めるよう訴えた。 この時、エンシルは多量の人工マナを多くの人々に使用する実験を計画しており、エンシルは邪魔者であるマリスを拘束し、同時に停止中のアンドロイドたちも処分しようとする。 マリスはアンドロイドたちを生かし、エンシルを止めるために、隙を見て自ら人工マナの材料となった。人工マナの材料は、生きた人間であった。そしてその人工マナをアンドロイドに使用し、同時にアンドロイドたちを起動。起動する直前、ファフニールには『エンシルを止めること』、セイレーンには『ファフニールを助けること』というマリスによる命令がなされていた。その結果、人工マナによりファフニールは『時間操作』の能力を手に入れ、エンシルと人工マナ作成装置の時間を停止させる。しかし、あまりにも膨大すぎる人工マナの量と力に、ファフニールの力は完全に暴走してしまった。さらに、本来の願いである『人間になりたい』という願いから、彼女は完全に人間と化し、感情を手に入れていた。暴走するファフニールを助けるため、セイレーンは『人工マナを吸収し、蓄える力』を手に入れる。セイレーンは元の感情のないアンドロイドであれば、人工マナによる暴走の危険性は低いことを知っていたため、セイレーンは自ら人間から遠ざかることを望み、人工マナを吸収した。ファフニールの人工マナの9割ほどを吸収したセイレーンであったが、その過程でファフニールの力が暴走し、二人は現代へと飛ばされることとなった。 また、エンシルの目的も調べていくうちに明瞭になる。彼の目的は、完全な人間の作製。人間は弱く、不完全であると考える彼は、人工マナにより自由に力を得られることを望んでいた。そのために人工マナを研究し、そのために様々な実験を行っているらしい。 そうして遺跡を探索する中で、エンシルが映像越しにPCたちの前に現れる。エンシルは以前『hermitage」に現れた白衣の男であり、約10年前に時間の停止から解放されたらしい。そして現在、エンシルは再び人工マナを使用した実験を行っており、『流星事件』も彼が引き起こしたものらしい。そして現在、彼はファフニールが『時間操作』の力を手に入れた過程から、アンドロイドに人工マナに使用し、そこに命令のプログラムを入れることで、望む力を得て意のままに操ることができると発見した。その実験としてセイレーン、つまり月島冬子を捕えて使用していると語った。冬子は『人工マナを吸収し、蓄える力』によって『流星事件』による人工マナの被害に遭った人たちから人工マナを吸収していたようだ。その人工マナを使用するため、エンシルは冬子の精神を改造し、人工マナを扱うアンドロイドとして利用しているそうだ。 PCたちは遺跡の最深部にいるという冬子に出会い、エンシルの命令に従うアンドロイドと化した冬子はそのままPC達に襲い掛かる。人工マナにより強化された冬子との戦いに苦戦を強いられたPC達であったが、辛くも勝利し、冬子を正気に戻すことに成功する。PCたちは冬子を連れ帰ろうとするが、その直前、エンシルが冬子と遺跡を起爆させる。冬子はPC①に手紙(ハンドアウト置き場「冬子から春花への手紙」参照)と自らの背の翼を託し、そのままPC達を逃がして遺跡と共に崩れ落ちていった。 倒すべき敵、エンシルを捕捉したヒーローたち。チバシティへと帰還し、それぞれが覚悟を決める中、PC①の頭の中に声が響いてくる。その声が言うには、まだ冬子を取り戻す方法はあるという。PC①はその声に耳を傾け、冬子を取り戻すと決意したのであった。 |
+ | 第三話『天ノ少女』 |
ナゴヤシティから戻ってきたPCたち。PC①の脳内に響いてきた声は、PC①(ファフニール)に備わった『時間操作能力』により、冬子を取り戻せると言った。冬子が授けた翼と、エンシルが持っているであろう冬子のバックアップデータ。それをもとに時間を巻き戻していけば冬子を取り戻せるかもしれないらしい。ただし、それは現在のPC①の力だけでは足りない。それを補うためには人工マナではなく、本来の霊素マナ、意志の力、願いの力が必要であるという。多くの人の願いがそれを可能にするとその声は語った。その声の主は、数千年前にアンドロイドたちを作り、自ら人工マナと化した研究者マリスであった。
PC①は他のPCたちや彼女とかかわりのある様々な人々に事情を話し、彼らの協力により願いの力を集めていった。その一方で、エンシルの居場所についても調査を行っていった。どうやらエンシルは『天界』という地球と近しい異世界にいて、拠点を構えているらしい。 エンシルとの決戦の準備を終えたPC達は展開へと行き、大量のアンドロイドを従えたエンシルの拠点へと乗り込む。様々な敵や障害を乗り越え、エンシルの元へとたどり着くことができた。 PC達を出迎えたエンシルは、自身はすでに人間ではなく、自らの身体を改造し、アンドロイドの応用で人工マナを備えたAIを身体の各所に備えたサイボーグであること、かつて人工マナを浴びたことにより『完全な人間』にこだわる偏執症(パラノイア)を発症したということを語った。そのうえで自らの持つ力、そしてセイレーンのバックアップによる力を携えてPC達と戦う。AIの力、人工マナの力を極限まで引き出して戦うエンシルとの戦いにヒーローたちは追い詰められるが、人々の願いがマナとして力となったのか、ヒーローたちは最後まで戦い抜き、エンシルを打ち倒してセイレーンのAIが搭載された右腕を切り離すことに成功した。エンシルを打ち倒したPCたちは、PC①の力をもって冬子を取り戻す。様々な願いの力によってアンドロイドとしてではなく人間として蘇った冬子は、PC達と共に地上へと帰還した。 これで数千年前から始まっていた『流星事件』は完全に収束し、再び平和が訪れた。PCたちはそれぞれの道を歩みだし、PC①、PC②、冬子は世界中を見て回るために旅を始めた。こうして、空から降り注ぐ狂った光による、人の願いと欲望の物語は幕を閉じた。 |
+ | 番外編『カルタグラ』 |
空から降り注ぐ光により、人々が理性を失い暴れ出す、言動が支離滅裂になる、突如自傷や自害する、突如異形化してヴィランのように人を襲いだす、などの様々な異常が起こった『流星事件』から三年(『殻ノ少女』の二年前)。PC①には『綾崎 由良』という恋人がいたが、『流星事件』以来行方不明になっている。以来彼女の手掛かりはなかったが、三年経ったある日、『綾崎 和菜』という、由良の双子の妹と出会う。実家を出ていった由良を探しに来た彼女とともに、PC①は改めて由良を探すこととなった。
そんな中、チバシティでは変死体や行方不明者が続出する奇妙な事件が起こっていた。元々この事件を調査していたPC②に加え、謎の女性に怪しい注射を打たれてしまったPC③、なぜかヴィランに狙われる『嗣草 乙羽』という女性を警護することになったPC④、そして由良を探すPC①と和菜もこの事件に巻き込まれていくことになる。 ある時、乙羽はPC③を以前襲った謎の女性に連れ去られてしまう。彼女は乙羽の友人である『高城 時子』であり、その実はヴィラン組織『オーバーマンチャーチ』に属するミュータントであった。時子はこれまで特殊な薬品の注射によって人々に特殊な力を与えてミュータントを創り出す実験を行っていたが、不完全な薬品によって不自然な死体を生み出すだけに至っていた、ということだ。これを以前乙羽が目撃し、口封じのために時子は乙羽を狙っていた、ということだ。なんとか乙羽を救い出すことには成功したが、時子には逃げられることになったPCたちであった。 改めて事件についての調査と由良を捜索するPC①であったが、そこにそれまで共に由良を捜索していた和菜が現れる。彼女は「姉を探すのは諦め、帰ろうと思う。あなたも探すのを諦めて欲しい」と言い出す。その言い草と彼女の雰囲気に違和感を覚えたPC①は彼女を問い詰める。そうして会話をしているところに、別の女性が現れる。その女性は今まで話をしていた和菜と同じ顔、恰好をしていた。二人の和菜に困惑していると、初めに話していた方の和菜がその場から逃げ出す。彼女の正体は由良であると確信したPC①は、そのまま和菜と共に彼女を追いかけ、彼女が事件に関わっているという可能性に至った他のPCたちもそこに合流する。追いかけた末にとある裏路地に隠された小部屋にたどり着き、そこで高城時子と対峙する。事件を解決するため、そしてここに逃げ込んだはずの由良を探すためにヒーローたちは時子と戦い、勝利を収めた。 時子が倒れたその後、部屋の奥から由良が現れる。彼女は元々ミュータントであり、眼で見た物を自在に動かせるサイコキネシスの力を持っていた。その結果彼女は幼いころから周囲に疎まれ、同じ双子であるのに力を持っていない和菜と違う扱いを受けていた。そうして周囲への不信感を抱えて生きてきたが、家を出てPC①と出会ったことでそれは薄れていった。しかし、『流星事件』により謎の光を浴びたことでその不信感が非常に強いものとなり、信頼していたPC①の元からも去った。その後、オーバーマンチャーチに声をかけられ、「普通の人間よりは同じミュータントの方が信頼をおける」と考えた由良は所属を決意し、現在はそれなりの地位を得ている。この事件の首謀者も由良であったが、その理由は「ミュータントを作る方法を探るため」。彼女は一月ほど前に街中で自身を探すPC①を見つけ、未だに自身を探してくれているPC①に対して不信感から一転して非常に執着心を抱くようになる。そこで彼を傍におきたいと考えるが、オーバーマンチャーチはミュータントのみで構成された組織であるため、ミュータントでないPC①を傍に置くことはできない。そこで、なんとかPC①をミュータントにするためにミュータント化する薬を作り実験を行っていたというのが事件の真相だ。 由良は改めてPC①に共に来てほしいと言うが、PC①は今はヒーローだからとその誘いを断る。逆に由良に投降するよう求めるが、後がなくなった由良はせめてこの憎しみだけは晴らそうと和菜に手をかける。双子であるのにずっと違いを見せられてきた和菜に由良は激しい憎しみを抱いていたのだ。PCたちは由良を説得するが、由良はそれを聞かずナイフで和菜の首を掻き切る。倒れた和菜を見て、由良は涙を流し、自分自身の本当の気持ちも信じられなくなってしまっていたと後悔する。PC①は彼女を優しく抱きしめ、由良はそれに応じ投降する。しかし、そこで倒れていたはずの和菜が動き出し、ゆっくりと起き上がる。切られていた喉元の傷は再生し、元通りになっていた。実は和菜もイモータル、不死身の能力を持ったミュータントであった。同じだったはずなのに、ずっとすれ違っていた双子は、今ようやく同じ存在だと認め合うことができた。 こうして奇妙な死体を生み出していた事件は解決し、綾崎由良と高城時子はHAに拘束されることになる。由良と和菜は和解し、和菜は実家に帰るが必ずまた来るといって去っていった。由良も自らの罪を償うことを決め、PC①は彼女が再び帰って来れるまでずっと待っていると彼女に誓った。 |
+ | 登場PC |
本編
PC①…朝日奈春花/ドラグアグニ PL:ジミー PC②…藤川健一/ヒュース PL:フロスト PC③…上杉牡丹/ダーク・キラー PL:n-ymt PC④…サディク/アルカナ PL:灘
番外編
PC①…神谷正義/エンプティ― PL:フロスト PC②…津田洸/ジューダス PL:貴美 PC③…海原藍人/P・HERO・オーシャン PL:臼 PC④…餅月牙鳥/スラム・ザ・ウィザード PL:田中山 |
+ | あらすじ |
チバシティに隣接する都市、ヤチヨシティ。そこでは巷で少しだけ噂になっている『友愛クラブ』と呼ばれる民間の交流クラブがある。半年ほど前にできたそのクラブには加入に条件があるわけではないが、何らかの悩みを持った人が、このクラブに救いを求めて多く通っているらしい。善良な民間クラブに思えるが、ヒーローたちはこのクラブにヴィランが何らかの形で関わっているという情報を手にし、睨みを利かせている。そこで、HAはこのクラブへヒーローたちを派遣し、調査することにした。
PC①の知り合いである『白坂 恵』と、PC②の姉である『橘 美桜』の2人のクラブメンバーの手引きでクラブへと向かう。クラブ内はいたって普通で、人々が和気あいあいとボードゲームなどに興じていた。また、このクラブの経営者である『園田 恵一』によるカウンセリングも受けることができるという。その中で不可解だったのが、ゲームを遊ぶ際には『何らかのルールの改変もしくは取り消しを行う』というものだった。これにより『ルールによって縛られている人、苦しんでいる人の気持ちを楽にさせる』と園田は語ったが、PCたちはこのクラブに、違和感を覚えずにはいられなかった。また、他人の感情に敏感なヒーローであるPC④は何の感情の起伏も感じない恵に対して若干の不信感を抱いていた。 何度かクラブに通った後、PCたちはクラブが閉まっている夜中に建物の調査を行うことにした。忍び込んだ結果、地下に隠された小部屋があることに気が付く。そこには何もないように見えたが、空間の裂け目のようなものが現れ、そこから園田恵一と『銀河犯罪結社ヒドー』の戦闘員が現れる。このクラブはヒドーが管理する、『犯罪者養成施設』であり、法律を破る、つまりルールを破ることを目的とする彼らは、それを成すための人材をこのクラブで作り上げていた。クラブの裏をとったヒーローたちは園田や戦闘員たちを撃退し、事件は解決したかに思えた。 しかし、翌日も通常通りクラブは運営されており、そこには園田の姿もあった。昨日倒した時に判明したが、園田はヒドーによって作られた機械人間であり、その補充も簡単なことであるらしい。そこで、このクラブを裏で操っている存在がいるはずであると探るヒーローたちであったが、その中で不可解な動きをしていたのは白坂恵であった。少なくともこのクラブの裏を知っている。そう思って彼女の動向を注視するが、その途中でPC②の姉である美桜が『合宿』なるものに参加させられそうになっているという情報を得る。PC達はそれを止めようとするが、園田によって強制的に美桜は連れ去られてしまった。手がかりをもとにPCたちがたどり着いたのは、先の地下室、そして空間の裂け目の向こうにある『ヒドー空間』であった。ヒドー空間はヒドーが作り出す異次元空間であり、この中ではヒドーの力は何倍にも増すという。そして、『合宿』の正体とは、クラブの地下にある部屋からヒドー空間へと誘い、一週間の間、非常に厳しい『ルール』のもとで過ごさせ、『ルール』は不要であり、破ることの重要性を説くというものであった。『ルール』の内容は人によるが、肉体的、精神的苦痛を与える拷問のようなものが多いらしい。なんとか園田の手から美桜を救い出すことができたPC達であったが、この空間を作り、そしてこのクラブを裏から操っていたヒドーの怪人が現れる。それは紛れもなく白坂恵であった。その時、何故だかPC①の脳内にとあるイメージが流れ込んでくる。恵は幼い頃にヒドーにより両親を殺され、地球から連れ去られた孤児であった。素質があったため、改造して怪人とするためにヒドーにより『ルールを破ること』を教えられていたが、本人は理解を拒んでいた。そこで『合宿』と同じように厳しい『ルール』のもとで過ごすことを強いられ、拷問ともいえる環境の中で一年間過ごしていた。その結果心が壊れてしまった彼女はヒドーの考えを受け入れ、改造されてヒドーの怪人となった。しばらくはヒドーのメンバーとして様々な星で犯罪を働いていたが、地球での人員の確保、規模拡大のために『友愛クラブ』を利用する計画、『フラテルニテ計画』を提案する。そして彼女は責任者として派遣され、一般メンバーのふりをして裏で糸を引いていた、というものだ。何故このようなことがイメージとして流れ込んでいたかは不可解だが、このヒドー空間は彼女が作り出したものであり、ある程度彼女にとって都合の良いことが起こるようになっている。彼女は無意識に助けを求めているのではないかとPC①は考え、恵に止まるよう説得する。しかし恵はヒドーとして引き下がるわけには行かないと言い、怪人へと姿を変えPC達と戦った。ヒーローたちは辛くも勝利し、恵は打ち倒される。それでもなお抵抗しようとする恵であったが、どうしてもそれ以上戦うことはできず、ヒドーではなく人間として救いを求め、PC①の手を取った。 その後、クラブはHAとヤチヨシティにより管理されることになり、カウンセリングもPC④の手によって行われるようになる。ただし『ルールを破ること』の教えは撤廃され、通常の交流クラブとして運営されることになった。恵はヴィランとしてHAに囚われることになるが、やがて罪を償いPC①とともにヒーローとして活動するようになるのはそう遠くない未来だ。 |
+ | 登場PC |
PC①…瀬井美心/マリオネット・クリエ PL:ふりお
PC②…橘栄/ロンリーワン PL:はんこつ PC③…ノアル/レイボーレインボー PL:キンタニ PC④…蓑崎黒音/ミーミル・ドリップ PL:田中山 PC⑤…近原聖也/ヨチヤ PL:フロスト |
+ | あらすじ |
気が付くと見知らぬ白い部屋にいた、6人のヒーローたち。異常な状況に混乱する彼らに、突如としてスピーカーから謎の声が告げる。『これからゲームを開始します。これは皆さんが幸福になるためのゲームです。』ゲームの内容は、1. 鍵がかかった扉を開けるために指示通りの行動をしてもらう。2. 行動を行う者を『鍵穴』、鍵穴を指定する者を『開錠者』と呼ぶ。3. 開錠者はPC①である。と言ったことが説明される。従うしかないヒーローたちは、指示通りにゲームを行っていく。大まかなゲームの内容は以下の通りであった。
1. 開錠者が鍵穴1人の顔面を殴打する 2. 鍵穴1人が底の見えない穴に飛び込む 3. 森の中で鍵を探す(鍵は森の中の生きたウサギの腹部に)(鍵穴指定なし) 4. 鍵穴1人が毒入り紅茶のロシアンルーレット 5. 鍵穴1人が右手の小指の第一関節から上を自ら切断 6. 鍵穴二人が怪物の潜む迷路を10分間生き残る 心身ともに傷つきつつもゲームをクリアしてきたヒーローたちであったが、それぞれが秘密を少しずつ明かし(ハンドアウト置き場「PC②裏ハンドアウト(偽物)」「PC⑤裏ハンドアウト参照」)、そのうち一人の犬木ネム(PC⑥)が六番目のゲームで共にいたPC②を裏切るような動きをとる。ネムはそれは誤解だと説明するが、明らかに不自然であった。なんとかPC①は彼女を信じようとし、それに対しネムは次のゲームまでは連れて行って、そこで判断して欲しいと提言する。 そして次のゲームの内容は、『鍵穴1人を犠牲にする』というものであった。順路とは違う扉に一人の鍵穴を向かわせるというものであったが、そこでネムが自分が犠牲になると提言する。戸惑うPC①であったが、最終的にはネムを鍵穴に指定し、ネムは扉に入っていった。 他のヒーローたちは順路へと進んでいくが、その奥でとある映像を見せられる。その映像で明らかになったのは、今までゲーム中に破壊や殺害してきたマネキンやウサギは、連れ去られ椅子に縛り付けられた一般人が謎の機械につながれ、それによって操作していること、操作しているマネキンたちが破壊されると繋がっている一般人も死亡してしまうことであった。その事実に驚愕するヒーローたちであったが、その映像を映し出していたスクリーンの奥に人影が見えた。それは紛れもなく、先程犠牲となって別れたはずの犬木ネムであった。このゲームの首謀者は彼女であり、ヒーローたちに隠された嗜虐心を引き出し、幸福になるためにゲームを行っていたのだという。悪としてヒーローたちの前に立ちはだかり、最後のゲームを行うと言い出したネムは、ヒーローたちに襲い掛かる。戸惑いながらもヒーローたちは戦い、そして犬木ネムことヒュプノスを打ち倒した。倒れたネムはそれ以上は語ろうとせず、止めを刺せとPC①に言う。PC①はやむを得ずそれに応じ、ネムに止めを刺した。
ヒーローたちは意識を失い、目が覚めるとそこはまた見知らぬ部屋であり、それぞれが別々の部屋で謎の機械に繋がれていた。ただし、PC①の傍には繋がれていない状態のPC②が座っており、PC①に語り掛ける。そして今の状況の説明、犬木ネムとPC②のことについて語った(ハンドアウト置き場「PC②裏ハンドアウト(本物)」「PC⑥裏ハンドアウト参照」)。ここはSB社の研究施設であり、PCたちは実験台として使用されているらしい。それを聞いたPC①は繋がれた機械を無理やり外し、脱出を図るが、変身のためのベルトを奪われたうえで拘束され、より巨大な機械につながれた犬木ネムの映像を見せられる。ネムはPC①に抵抗しないよう促し、PC①はそれに従った。そしてPC②はネムの目の前でPC①を殺害しようと攻撃をする。しかし、その攻撃はPC①の顔の横をかすめていった。PC②は夢の中で最後までネムのことを憎もうとしなかったPC①のことを「面白い」と言って見逃し、PC①はそれを不可解に思いながらもネムが囚われている場所へと向かった。
犬木ネムはSB社の開発した機械『ヒュプノス』に繋がれており、それを外せば彼女に大きな負担がかかり、何が起こるのかわからない状況だった。それでも彼女を救うことを選択したPC①は機械からネムを外す。それと同時にネムは苦しみだし、機械もエラー音を鳴らしだした。そして、今機械から外されたネムとは別に、変身した犬木ネムの姿、ヒュプノスがどこからか姿を現した。ネムの力によって具現化されたそれは、「幸福のために、思い出を失くす覚悟はできましたか?」と語り掛ける。つまり、このままではネムの脳に多大な負担がかかり、彼女の記憶が失われるということだ。PC①はその覚悟はないが、記憶を失くした彼女と共に生きる覚悟はあると言い、ヒュプノスに立ち向かう。そしてそこに脱出に成功した他のヒーローたち(PC②以外)が現れる。彼らにも色々と事情があったが(ハンドアウト置き場「PC③裏ハンドアウト」「PC④裏ハンドアウト参照」)、それでもヒーローとして彼女を助けることを選択した。そしてヒュプノスを打ち倒し、ネムを救い出して研究施設を脱出した。 研究施設は(何故か)PC②が壊滅させ、他のPCたちはHAに保護された。しかし、ネムだけは気絶したまま起き上がらず、眠ったままである。そして三週間後、眼は覚めたが彼女はほとんどの記憶を失ってしまっていた。しかしPC①は記憶をなくした彼女と向き合い、共に幸福に生きていくことを誓った。 |
+ | 登場PC |
PC①…楸乃嗣志/ブレイヴ PL:田中山
PC②…水木華/アイスマジック PL:フロスト PC③…月島カガチ/(シャイニングスター) PL:灘 PC④…瑚白依津/ナルカミノミサキ PL:つちの PC⑤…白井光/シャイニーオーラ PL:キンタニ PC⑥…犬木ネム/ヒュプノス PL:エイブ |
+ | あらすじ |
ある冬の日。『チバシティ総合病院』で『植物が枯れる』『妙な気配がする』といった異常が報告されるようになった。具体的なことはわからないし実害は今のところないが、どこかでヴィランが動いている可能性を考えたHAは調査を行うことを決定し、PC③やPC⑤を派遣した。
その他のPCたちも病院内での異常に巻き込まれ、調査に協力することになる。そんな中、PC①は病院内で篠原雪美という女性の入院患者に出会い、わけあって彼女を気にかけていた。調査を進める中で、植物が枯れる原因は夜に発生するという情報を得、夜の病院で調査を行うことにした。そしてその夜、病院にてヒーローたちが目にしたのは病院の花壇や植え込みで何かをする人型の黒いモヤであった。PCたちが近づくと襲い掛かり、なんとかPC達はそのモヤを撃退する。しかし、その打ち倒したモヤは徐々に霧散していき、そこには気絶した篠原雪美が残された。彼女がこの事件に絡んでいることは間違いないと考えたPCたちはひとまず彼女を病室へ戻し、後日改めて彼女について調査を行った。 篠原雪美の年齢は20歳だが、15歳の時から肉体は成長しておらず、肉体年齢は15歳のままであるらしい。両親を亡くしており、入退院を繰り返して一人暮らしをしているが、原因不明の奇病により身体が衰弱していっており、一年ほど前から入院し、現在に至るそうだ。 この原因不明の奇病についてPC①は心当たりがあった。彼が雪美を気にかけていたのはそれが理由であった。彼は他のPCたちにこの奇病、いや、『水仙の呪い』について自身が知っていることを語った(ハンドアウト置き場「PC①裏ハンドアウト」参照)。しかしそうなると呪いを受けてから一年以上生き延びているのが不可解である。 そこで、呪いに詳しいという人物に話を聞くことになった。その人物の名は『嗣草 乙羽』。一介の学生であるが、魔法や呪いについての知識が逸脱している彼女曰く、この呪いは『水仙の霊』というファントム(妖怪)によって生み出された呪いであり、衰弱してゆく身体や精神のエネルギーは、本来呪いの主である水仙の霊へと供給されるというものではないかと語った。しかしこの水仙の霊は既に滅びてしまっているため供給先がなく、呪いだけが独り歩きしてエネルギーを貯めこむタンクのようになっているという可能性を提示する。そして雪美はそのエネルギーを『使えてしまう存在』であるため、一年を過ぎても生き延びているという。その存在とは、薄い混血であってもファントムである、ということだ。水仙の呪いを受けたことにより、彼女に眠っていたファントムの力が活性化し、年を取ることもなくなり、周囲の植物などの生物のエネルギーを吸い取るようになったのではないかと言う。 そして、彼女に与えられた選択肢は三つ。一つは、他人と同じように自分も水仙の呪いを解くこと。二つ目は、このまま衰弱死、もしくは自害すること。その場合、水仙の呪いの力に全てを支配され、完全な呪いの化身、ヴィランが生まれる可能性がある。三つめは、呪いの力を受け入れ、ファントムとして覚醒すること。この方法は呪いに飲まれヴィランと化す可能性があり、さらに彼女の精神状態にも左右されるため、「生きたい」と思わせる必要があるそうだ。そして力の活性化のためには彼女のファントムとしての力の起源が周囲にある必要があるらしい(植物由来の力ではないかと考えられる)。ヒーローたちは、これ以上被害を出さないために、そして雪美のためにも三つ目の選択肢を提案することを決意する。 雪美に事情を話し、彼女の力についても調べた結果、彼女は水仙の霊の末裔ではないかという結論に至る。彼女はチバシティの郊外にある水仙が咲き誇る草原を一目見てみたいと語っており、そこに行けば彼女の力の源も、生きる希望も芽生えるのではないかという考えがヒーローたちに浮かんだ。そのためにPC①は彼女を必死に説得する。言葉や方法を間違えながらも、同じ水仙の呪いに苦しめられた者として、そして呪いを背負わせてしまった者として、その想いは確かに雪美に届き、雪美は周囲の人や自分を呪いの力を受け入れることを承諾する。 しかし、その翌日。水仙の草原へ行くために雪美の元を訪ねたPC達であったが、雪美は衰弱により失明してしまっていた。雪美は悔しそうにしながらも、もう見れないと諦めていたが、PC①はそれでも彼女を連れて行こうとする。眼が見えずとも、匂いは感じられる。様々な方法で水仙を感じることができると。ここで諦めてしまったら、彼女が生きることはできないとどこかで思っていたのか、PC①は雪美を説得する。その想いが届き、雪美は再び、水仙の草原へと行くことを承諾した。 そして草原にたどり着くと、咲き誇る水仙たちから何かモヤのようなものが雪美の元へ集まっていった。彼女のファントムとしての力が活性化しつつある証拠だった。このファントムの力、呪いの力に飲まれぬようヒーローたちは暴走する雪美と戦い、彼女を必死に止める。その結果、彼女の暴走する力は治まっていき、やがてそこには呪いの力を完全に受け入れた雪美が残された。 こうして事態は収束し、チバシティ総合病院には平和が訪れ、雪美は力を受け入れる決意と生きる希望をくれたヒーローたちに深く感謝し、明日へと生きていく決意を固めた。 |
+ | 登場PC |
PC①…文月影人/シルエット PL:りちょう
PC②…阿櫻紅恋華/クリムゾン・プリムラ PL:れみす PC③…三旗正明/トゥルース PL:田中山 PC④…明村雛実/黒衣の天使 PL:瑠璃 PC⑤…赫木五刃羅/ローズ・サウザンドリーフ PL: Katherine MacArthur |
+ | あらすじ |
チバシティから少し離れた郊外に位置する村、倉森村。数週間前から毎晩ヴィランが襲撃しており、HAはヒーローを派遣してこの襲撃に対処を行うことにした。また、この村には何やら『月の剣(つるぎ)』『月の雫』『月の鏡』という特別な力を持った道具があるらしい。詳細は不明だが、襲撃事件の原因に関係している可能性を見て、ヒーローたちは調査を行うことにした。
一方で、倉森村出身のヒーローであるPC①は襲撃の噂を聞き、村を守るために帰ってきた。そこで幼馴染で卯月神社の巫女である『卯月 鈴奈』と出会い、村の詳しい現状を聞く。どうやらヒーローのいないはずのこの村で襲撃に対処できているのは、『ルナティックセイバー』を名乗る何者かが戦ってくれているからだそうだ。そしてその襲撃は夜間にしか起こらないらしい。 そしてその夜、PC①は村の外から現れるヴィランたちと戦っていたが、不意を突かれて巨大な狼の攻撃を受けてしまう。気を失ってしまったPC①が目を覚ますと、そこには刀を手にヴィランたちと戦う何者かの姿があった。顔を仮面で隠し声がくぐもってよくわからないながらも、それは鈴奈であると確信したPC①であったが、彼女は『ルナティックセイバー』と名乗り否定した。そこに他PCたちも現れ、一先ず夜間に現れたヴィランたちの襲撃から村を守ることに成功する。しかし、襲撃が終わると共にルナティックセイバーはどこかへと立ち去ってしまった。 その後、神社で鈴奈は変わらない様子であったが、問い詰めても仕方ないこともあってPCたちは原因の調査を開始する。卯月神社の物置から発見した古書や村の老人から聞いた伝承などをもとにいくつか分かったことがあった。このような物の怪に襲われるという事態は千年前から起こっており、百年ごとに繰り返してきたそうだ。それをどうにかするために卯月神社の巫女が『夜払いの儀』というものを行う必要があるらしい。さらに、それに必要なのが『月の剣』という道具らしい。 夜払いの儀とは何なのか、その道具はどこにあるのか、具体的に何をする必要があるのか。それを調べていると、それについて知っている人物がPC①の前に現れる。それは紛れもなく卯月鈴奈であったが、少し様子がおかしい。いつもと異なる雰囲気の彼女の話に耳を傾けると、彼女は『夜払いの儀』と、そしてこの村のことについて教えてくれた。 倉森村は現世(うつしよ)と幽世(かくりよ)(冥界)のつながりが強い場所であるらしい。現世ではいわゆる「蘇り」が様々な要素で引き起こされており、幽世から現世へと戻ってくる人が昔からいる。しかしその蘇りは当然誰でも行えるわけではない。蘇った人物に対して、幽世から出られない物の怪と化した者たちは、恨めしい、羨ましいという思いから時折物の怪として現世へ出てこようとする。その結果出ていく先が倉森村である、ということだ。そして倉森村に出てきた物の怪を退治し、幽世とのつながりを一時的に弱めるための儀式が『夜払いの儀式』だ。物の怪たちが出始めるのは新月の夜であり、その夜に卯月の巫女がこの儀式を開始し、物の怪を退治するための力を『月の剣』から得るという。しかし、力を得るため、そして最終的には幽世とのつながりを弱めるために巫女の「死」をもって「蘇り」の罪を償う必要があるそうだ。肉体的な死では意味がなく、二度目の死と言われる「魂の死」をもって罪を償うための「罰」となる。要するに、魂を月の剣に捧げることで儀式を行っている、ということらしい。魂は一度に払うことはできず、五日ごとに六回支払い、次の新月まで戦うことで儀式は完成するが、魂を支払ううちに「顔」「名前」「声」が自分のものと他人の物とで失われていくという。例えば、「自分の顔」が失われれば他人は自分の顔を認識できず、「他人の顔」が失われれば自分は他人の顔を認識できなくなってしまう。そして新月まで戦い抜くことができれば、魂を捧げ切った月の剣の力で百年の間幽世とのつながりは弱まり、物の怪が出てくることはなくなる。これが夜払いの儀式というものらしい。 『ルナティックセイバー』の戦いが『夜払いの儀』であり、既に彼女に残されているのは「他人の顔」だけらしいが、そうなると今目の前にいてこのことを語った卯月鈴奈は何者なのか。その鍵を握るのが『月の鏡』らしい。月の鏡は儀式を行う巫女の代わりとなる存在を創り出すための道具であるという。月の鏡は『魂を写す』と言われる銅鏡で、写った人の本質を写しだし、まるで他人のように鏡の向こうで動き、話し始めるらしい。また、『魂のコピー』というものを行うことができ、『鏡の向こうの他人』が同じ魂を持った見た目も同じ人物として現れるそうだ。つまり、今目の前にいる卯月鈴奈は月の鏡によって作られた鈴奈のコピーということになる。月の鏡は、そのものが鏡面なら使用できるが、そうでない場合は鏡面(水など)に接触させることで使用できるものらしく、現在は村の池に沈められているらしい。鈴奈はそこで夜払いの儀式について聞き、コピーを創り出した、ということだそうだ。 このままでは鈴奈は魂を全て捧げ切り、「魂の死」が訪れることになる。そこで彼女を救うために必要なのが『月の雫』である。肉体と魂のつながりを強めることができる勾玉であり、これにより、『蘇り』を行うことができるという。肉体の死だけでなく、魂の死についても蘇りを行うことが可能だが、一度使用すると10年間は使用できない物だそうだ。つまりこの月の雫を鈴奈に使うことができれば、失った魂を取り戻すことができる。儀式は不完全となるため、百年の間物の怪が全く出てこなくなるというわけではなくなるが、それでも格段に数は減るため対処はヒーローの力を使えばいくらでもできるということだ。 そのことを知った夜、ルナティックセイバー、すなわち本物の鈴奈にこのことを語る。彼女を助けるために月の雫を見つけ、使わなければならないとPC①は語るが、その月の雫は鈴奈の手にあった。彼女は、彼女のコピーが言っていることは本当であり、月の雫を使うことができれば自分が助かることも確かだろうと言った。しかし、彼女曰く月の雫は『もう使ってしまった』らしい。どうやら、先日巨大な狼に襲われた際にPC①は死亡してしまっており、彼を救うために月の雫を使用してしまったらしい。 酷く後悔したPC①であったが、まだ方法はあると諦めず、他のPCの協力もあり彼女を救う方法をまだ探す。すると、『月の鏡』にはまだ他に秘密があるということがわかった。夜払いの儀を行った、肉体だけになった巫女は月の鏡に封印されることになるらしい。そして再び夜払いの儀が必要になったころ、『鏡の向こうの他人』として現れるという。つまり、月の鏡が作り出したコピーは前の巫女の肉体が変異したものであり、それに魂のコピーを写し入れるということらしい。そして、この巫女は次の巫女へ夜払いの儀について語る義務が与えられ、肉体も魂も全て夜払いの儀の贄とされるわけだそうだ。そして、月の鏡を使えば、このコピーした魂をもとの肉体に戻す方法もあるらしい。勿論コピーの方は消えてしまうが、オリジナルの方は全て元に戻れるということだ。 PCたちはコピーの方の鈴奈にこのことを語る。彼女は既にそのことを知っていたが、これまでの夜払いの儀でその方法が行われなかったのは、単純にコピーがそれを拒否したからだ。理不尽に贄にされ、百年もの間封印され、他人として現世に戻った挙句一月で消えてなくなる。儀式は月の雫を使った時と同じく、不完全なままで終わる。コピー達はそれが納得できなかった。だからこそ今までやってこられなかった。しかし、鈴奈のコピーは『この連鎖は断ち切らなければ、理不尽に勝つことはきっとできない』と語り、儀式が不完全でも村を守ってくれるであろうPCたちや鈴奈を認め、その方法を受け入れる。 そしてその夜。鈴奈は最後に残された「他人の顔」すらも失ってしまったが、助かる方法を聞いた彼女は、PC達と共に最後の戦いへ赴く。そこには数多の数の物の怪、そしてかつてPC①を殺害した巨大な狼の姿もあった。強大な力を持つ狼であったが、強い意志を持ったヒーローたちに追い詰められ、最後には他の物の怪と同様に打ち倒されることになった。 その日の襲撃が終わり、月が沈んで日が昇るころ。PCたちと二人の卯月鈴奈は月の鏡が沈む村の池にやってきていた。ここにある月の鏡を使えば、コピーは消えてしまうが、鈴奈の魂を助けることはできる。コピーの鈴奈が準備を整え、消えようとする前に、PCたちは鈴奈の前に儀式を行った巫女、つまりコピーの鈴奈の元となった巫女の名前を調べ、それを彼女に告げる。彼女の本当の名前は『卯月 文(ふみ)』。彼女もこの理不尽な連鎖の犠牲者であったが、『理不尽に負けてはいけない』とPCたちに、そして鈴奈に言い残して池へと沈んでいった。そしてその後、鈴奈が池を覗き込むとコピーされていた魂が元に戻り、鈴奈は他人の顔も名前も認識できるようになった。そして彼女の仮面を外すと、そこには確かに卯月鈴奈の顔があった。 こうして、全てが解決したわけではないが倉森村のヴィラン襲撃事件は幕を閉じた。PC①や鈴奈はこのことを忘れず、後世に伝えなければ文の犠牲を無駄にしてしまうと考え、これからやらなければいけないことについて決意を固めるのであった。 |
+ | 登場PC |
PC①…灰山大起/嘆きの刀(ウェイリング・ソード) PL:キョンキョン
PC②…謡井小夜/グラーフ・ブルード PL:れみす PC③…二条時継/轟雷公 PL:Shin PC④…パンダ/リーリー PL:SBT PC⑤…庵野建太郎/オープナー PL:もみぢ |
+ | あらすじ |
ある日、PC①は路地裏で倒れている少女、『ユカリ』を保護することになる。彼女は自分の名前以外の記憶がなく、何故倒れていたのかも覚えていないらしい。
それから約一週間後。チバシティで『ゴア・スクリーミング・ショウ』を名乗る怪人が出没している。特に何をするわけでおないが、彼は10年前にもチバシティに姿を現し、多くの人間を喰い荒らした凶悪なヴィランであることは確かだ。ゴアに対処しようとHAは動き出し、ヒーローたちを集めていた。 一方で、『ユカリの親』を名乗る『九重 沙由美』という女性がHAにユカリの捜索を依頼し、PC③がそれを請け負っていた。恐らく探しているユカリはPC①が保護した少女であり、連絡を受けてPC①とユカリは沙由美とPC③のもとを訪ねる。しかし、ユカリは記憶を失っているうえ、沙由美に不審な点が多かったために彼女について軽く調査すると、九重沙由美という人物は10年前に死亡していることが発覚した。そのことは指摘せず、一先ず後日改めて確認を取ったうえで引き渡す、と言って沙由美にはその場は。 それに加え、怪人ゴアは『ユカリ』という少女を探しているのだという。何らかの関係があるとみたヒーローたちは、ユカリを保護しゴアに対処するために集結する。そんな中、ゴアが人を襲っているという連絡を受けたPC達は、現場に急行した。そこでは確かにゴアが人を襲い、喰らおうとしていた。それをなんとか止めることができたヒーローたちであったが、ゴアを捕まえることや倒すことはできず、そのまま逃がしてしまう。しかしやはり、彼はユカリを探している様子であり、『我慢ができなくなった』という理由で人を襲ったらしい。 後日、PC達はHAチバシティ支部にて情報を集めることになった。今一つゴアの目的やユカリの正体についてはわからなかったが、どうやらユカリは十年前に行方不明になった『九重紫』という少女ではないかという情報を得る。そんな中、ユカリはHAに忍び込んだ九重沙由美に連れ去られてしまう。やはり彼女は本物の九重沙由美ではなく、『デザイアリーグ』というヴィラン組織に所属するヴィランのようであり、ユカリが持つという特別な力を狙っているらしい。沙由美に逃亡されそうになるが、そこにゴアが現れ、沙由美を殺害しユカリを助け出す。ゴアはPCたちにユカリを引き渡そうとするが、その前に『思い出してもらう』と言って、ユカリの目の前でゴアは沙由美を捕食し始めた。その凄惨な光景にユカリはショックを受け、気絶してしまう。そしてそのままユカリを置いてゴアは消えてしまった。 目を覚ましたユカリは、全てを思い出していた。自分のこと、ゴアのこと、そしてこの世界の秘密も。英雄の世紀になり、地球にはマナやアビスという特別なエネルギーや存在が集まってきたことにより、本来いなかったはずの人が現れたり、起きるはずのなかった事象が起きたりするようになった。この急激な変化に『地球』という世界は耐えることができず、『因果律の崩壊』と呼ばれる現象が起きるようになった。その結果、本来いるはずの人間が消える、起きるはずの事象が起きない、というようなことが時折起きる。そしてその『因果律の崩壊』を止めることができる唯一の『特異点』と呼ばれる存在が、ユカリであるそうだ。『因果律の崩壊』はマナのバランス調整であるため、そのバランス調整を行うマナをコントロールすることができる存在、ということである。だが、それにはかなりのリスクが伴う。その因果律の崩壊を強制的に食い止めた場合、世界の事象にほころびが生じ、そこからアビスが介入する。つまり、因果律の崩壊を止め続ければ世界はやがてアビスで溢れかえることになる、というわけだ。そしてかつて、ユカリの兄である『九重 拓也』も因果律の崩壊により消失しそうになっていたが、無意識なユカリの力によって消失せずにいた。だがそんな中、デザイアリーグの怪人『ゴア・スクリーミング・ショウ』により九重一家は襲われる。両親は喰われ、ユカリや拓也も襲われるが、拓也はユカリをかばいゴアに食われてしまった。しかし、ここで奇妙なことが起きる。このゴア・スクリーミング・ショウという怪人の力は実は継承される力であり、代々別人がその力を得て怪人として暴れまわっている、という存在らしい。そして、『消えゆく存在である拓也』と『継承される力であるゴア・スクリーミング・ショウ』という関係が奇妙な反応を起こし、喰われてしまった拓也の意志はゴア・スクリーミング・ショウに乗り移ることになる。『ゴア・スクリーミング・ショウ』という別の存在と化したことにより、因果律の崩壊からは拓也は逃れられることになった。しかし、別の存在となったとはいえ、世界から消えようとしていることは免れられない。ゴアと化した拓也を認知したユカリは発狂し、因果律の崩壊を食い止めることはなくなり、拓也とはまだ別の存在となり切れてないゴアは地球から消失こそしないが、追放され異世界へと飛ばされることとなった。それにユカリも巻き込まれ、10年の間二人で異世界にて怪人とそれに寄り添う一般人として生きていた。しかし、10年経った今、ユカリは再び地球へと呼び戻される。これも地球という世界が『必要だから』と起こした『因果律の崩壊』の一種なのかもしれない。しかしその過程でユカリは記憶を失ってしまった、ということだ。 そして現状、この世界に事象にほころびが生じ、そこからアビスが介入しつつあるらしい。つまり、ユカリが特異点としての力を使用し、因果律の崩壊を食い止めているということだ。その崩壊により失われそうになっているのが、PC①の存在だという。彼女が力を使うことを止めてしまえばPC①は消失する。しかしこのままでいればやがて世界はアビスで溢れかえることになる。PC①はどうにかする方法はないかとユカリに問うが、アビスで溢れかえってもユカリは因果律の崩壊を止め続けるつもりでいるという。彼女はすでにこの奇妙な世界のルールのせいで大切な人を失い、今も自分を救ってくれたPC①を失いそうになっている。ゆえに彼女は語る。「世界が憎い」と。 しかしPC①は、自分が消えそうになっている現状でも落ち着いてユカリを説得し、世界を救おうと試みる。彼の必死の説得に応じ、世界を少し信じてみることにしたユカリは、『マナをコントロールすることによって、あえて介入してきたアビスを明確な形にし、ヴィランとして打ち倒すことで発散する』ということができるかもしれないと提案する。それはヴィランとの戦いを限りなく強いられるだけでなく、うまくいくかはユカリの力次第であり、保証もない。それでも世界と自分を信じてくれたユカリをPC①は信じ、その方法を選ぶことにした。 そしてその後、全てを決断したヒーローたちとゴアは再び相まみえる。ゴアの目的は、ユカリが力を正しく使えるようになり、そして自分がいなくとも守ってくれる存在を見出すこと。目的を達成したゴアは、最後に怪人としてヒーローたちに立ち向かう。それは怪人としての性なのか、自らを消してほしいと頼むためか。ヒーローたちはそれに全力で応じ、ゴア・スクリーミング・ショウを打ち倒す。傷を負い、自らの目的を果たしたゴアは「ユカリを頼んだ」と言い残して消えてしまった。 こうしてゴア・スクリーミング・ショウはいなくなり、彼とユカリの存在によって世界の秘密がまた一つ明らかになる。しかし、その世界の秘密との戦いは終わらない。因果律の崩壊をこれ以上引き起こさず、誰も消えないために、ヒーローたちとユカリはその力を使い続けることを決意した。 |
+ | 登場PC |
PC①…村主優/ネクサス PL:フロスト
PC②…神山良介/餓王 PL:極貧戦士 PC③…美墨陸人/ダークマスター・ミスミ PL: Katherine MacArthur PC④…遠山敬斗/ケイト PL:はらへったぶた PC⑤…メイディー PL:グッピー |
+ | 登場PC |
PC①…南条幸樹/マグス・(ノン)・グラータ PL: Katherine MacArthur
PC②…浅緋/つくも PL:灘 PC③…星野明 PL:極貧戦士 PC④…功坂歩/ライトニングファイヤ PL:はらへったぶた PC⑤…滝沢冥/No Name PL:セツナ |
+ | 登場PC |
PC①…去来川皐月/パストシーカー PL:つちの
PC②…鳳蒼葉/シアン PL:まりも PC③…黒戸詠茉/トワイライト PL:りちょう PC④…宮古ギン/シルヴァー・バレット PL:田中山 PC⑤…御上瞳子/アニマ・サイオン PL:貴美 |
+ | 登場PC |
PC①…小堤天寧 PL:灘
PC②…白風薫/スノウフェアリィ PL:グッピー PC③…波瀬川敷/毒喰み(ライフ・エイター) PL:まち PC④…ルーカ PL:Lemo PC⑤…宵月ミチル/デュアルムーン PL:ジミー |
+ | 登場PC |
PC①…水奈坂悠亜/電脳雀士・ユア PL:にーてん
PC②…キッカ・ランツァ/ PL:ただのあるまり PC③…安海一夏/スノーラビット PL:瑠璃 PC④…葉月陽香/フォスキア PL:りちょう PC⑤…古峰千華/ PL:まがお |
+ | 登場PC |
PC①…炎導ジン/ PL:多田野なべ
PC②…殺生丸狩魔/マジカル・キリング PL:れみす PC③…積善有梨/ポワレ PL:くずもち PC④…白雪とあ/ PL:灘 PC⑤…明智瑛二/ PL:まりも |
+ | 登場PC |
PC①…朝雲夜人/ブラックナイト PL:極貧戦士
PC②…霊郡みたま/スリーピングレイス PL:モナ PC③…琥珀出流/ PL:つちの PC④…千葉胤朋/ソウマグン PL:フロスト PC⑤…カペルネ PL:ユウネコ |
+ | 登場PC |
PC①…天瀬宗一/龍王キウロン PL:グッピー
PC②…神楽命雪丸/サムライバスター PL:クロエ PC③…関田謙/魔破封愛威多 PL:キョンキョン PC④…竜造寺千恵美 PL:ルッチ PC⑤…春夏秋冬春夏/"最速不当"タマモウィザード PL:れみす |
+ | 登場PC |
PC①…一番星銀河/ギャラクティカ・ワン PL:ぎるる
PC②…しいつ/闇助手 PL:Shin PC③…殺生丸狩魔/マジカル・キリング PL:れみす PC④…ヴェント PL:ユウネコ PC⑤…不動亜識/ルールテレジア PL:田中山 |
+ | あらすじ |
最近、チバシティでは気が付いたら『森』の中へと迷い込んでいた、と証言する人が増えている。PC①、PC②、PC⑤もある日気づくと『森』へと入り込んでしまっており、それぞれ森の中で「アリス」「白雪姫」「人魚姫」と名乗る少女たちと出会う。中でもPC①は5年前にも同じように森に迷い込み、アリスに出会っている。しかしアリスは、五年前と同様に12歳程度の姿の少女のままであった。PCたちはそれぞれ出会った少女たちと会話を交わした後に別れ、再び森の中を歩き出したところで森からチバシティへと戻ることができた。
そしてその翌日、夜間にしか現れないというその森を調査すべく、PC③とPC④は森を探していたところでふと森へ迷い込む。一方でPC①、PC②、PC⑤たちも再び森へと迷い込み、五人のヒーローは森の中で一堂に会することになった。互いの目的や状況を話していると、その場を一羽の白兎が通り過ぎて行った。森についての手がかりをつかむべく、五人はその兎を追っていったが、途中で見失ってしまい、代わりにトランプ兵のような謎のヴィランに襲われてしまう。ヒーローたちは戦い、無事に撃退することができたが、襲い掛かってきたヴィランの正体は分からずじまいであった。その後、アリス、白雪姫、人魚姫の三人に出会い、森やトランプ兵、白兎に関して尋ねるが、どれもよくわからないという。森に関しては彼女たちが暮らして遊ぶところであり、トランプ兵は見たこともない存在らしい。白兎は、時折森に現れるが、ほとんど喋らない謎の存在だそうだ。未だに正体がつかめない森であるが、ヒーローたちはひとまず少女たちと別れ、森から戻っていった。 翌日、再び森へと迷い込んだヒーローたち。PC①はアリスと、PC②は白雪姫と、PC⑤は人魚姫と巡り合う一方で、PC③とPC④は白兎と再び出会い、語りかけてきた。白兎は『この森は放っておいてもいずれなくなる。むしろ他人が入れば閉じなくなってしまうからもうこの森に深入りするな』と告げ、どこかへと去っていった。一方で、PC①と会話するアリスは、何か思いつめた様子であった。PC①が気にかけていると、彼女は『嫌なことからいつまでも逃げてていいのか』と悩んでいるようであった。PC①は、それがどういうことなのかはわからないが、逃げてもいいが、その逃げるものが行く道を阻むなら乗り越えるしかないと語りかける。するとアリスは『もしも私を助けてくれるのなら、私が誰なのかを知ってほしい』と答える。PC①がそれに了承すると、彼女は住所が書かれた紙を渡し、ここを訪ねてほしいと言った。PC①はそれを受け取り、その後、他のヒーローたちと合流し、ともに森を脱出する。そして互いに状況を伝えあい、翌日アリスから渡された住所を訪ねることにした。 アリスから渡された住所は、チバシティ内のとあるマンションの一室であった。そこに住んでいたのは「城之崎望」という少女とその母親。そして、望はアリスによく似た容姿(年齢や髪色などは異なる)をしており、目が見えず、耳が聞こえず、言葉も話せない、いわゆる三重苦の状態であった。彼女の母曰く、五年前に交通事故によって聴覚と視覚、言葉を失ってしまい、それ以来無気力に過ごしているのだという。もともと本や映像作品などの『物語』が好きな子だから、それが奪われてしまったことによるせいしんてきなショックが大きいのかもしれない、とも語った。望がアリスだとするのならば、あの森は彼女が現実から逃げ込むために創り出されたものなのかもしれない。 一方で、PC④だけは望のもとに行かず、異世界やアリスたちの『物語』に関連するヴィランや力について情報を集めていた。その結果、関わっている可能性が最も高いヴィランとして、『アイディアルズ』が候補に挙がった。異界に人を送り込み、物語を創り出させ、それによるエネルギーを最終的に奪い取る、神によって構成されたヴィラン組織である。もし彼らが関わっているのならば、アリスたちを『森』という異世界に送り込み、『物語』を創り出させられている張本人である女神がどこかにいるはずだと考えたPC④は、他のヒーローたちにもそのことを話し、改めて森の中を調べることにする。少女たち以外に存在し、ヒーローたちに関わるなと警告した存在、白兎に目星をつけて。 その夜、再びヒーローたちは森へと迷い込み、アリスに出会う。アリス曰く、やはり城之崎望とアリスは同一人物であり、眠りに落ちている間は森の中へと迷い込むらしい。そして、現在白雪姫と人魚姫は自分に会いたくないのだという。どうやら白兎に何か言われたらしい。彼女らを案じて、PC②は白雪姫を、PC⑤は人魚姫を探しに行き、そして話を聞くことができた。彼女らは、白兎から自らの正体、アリスのこと、そしてこの森のことについて聞いたという。この森はアリス(城之崎望)の精神世界となっており、彼女が現実から逃れるために作られた世界であること。自分たちはアリスのイマジナリーフレンドであり、この世界でしか存在できないこと。『このままではいけないのではないか』と現実世界に後ろ髪を引かれたアリスの精神状態が現実世界と融合を起こし、森に迷い込む人が現れたこと。そのせいで森が消えかけており、このままでは自分たちが消えるか、自分たちのどちらかがアリスに成り代わって現実世界での人格となるかを選ばなくてはならない、ということなどを知らされたそうだ。彼女らはアリスのことを大切に思っているが、消えてしまいたくないという思いから激しく葛藤しているようだった。しかし、迷うのであればやはり三人の思いを尊重し合い、会ってよく話し合うべきだと説得され、白雪姫と人魚姫はアリスのもとへと向かう。一方で、アリス自身も現実に向き合うべきか、それとも白雪姫や人魚姫とともにずっとこの森を維持して遊んでいるべきか、悩んでいるようであった。この森の中では目も見えるし耳も聞こえ、言葉を交わすこともできる。物語を愛する彼女にとって、それらを捨てて現実と向き合うことは恐怖であった。しかし、目が見えなくて耳が聞こえず、言葉を交わせなくても、自分が物語を伝え続けるとPC①に説かれたアリスは、現実に向き合うことを決意し、白雪姫や人魚姫と話し合うことを決めた。 その一方で、PC③とPC④は、元凶である白兎を探し出していた。白兎の正体はやはりアイディアルズのヴィラン、女神フォレストであり、望の持つ想像力に目を付け、森の中で物語を生み出させ続けていたのだという。しかし今回のヒーローたちの介入によって潮時だと判断した彼女は、ヒーローたちを駆除し、アリスたちの命をも終わらせることによって、最後に大きな物語を創り出そうと画策する。巨大な狼へと変身し、集まったヒーローたちに襲い掛かった女神フォレストであったが、ヒーローたちの結束した力に敵わずに敗北してしまった。 こうして、森を維持させようとも、強制的に終わらせようともする悪しき存在を打ち倒すことができたが、望の精神とこの世界をつなぎとめる役割を果たしていたのも彼女であったため、世界が次第に崩れ始める。アリス、白雪姫、人魚姫の三人は、すでに彼女らの答えを出していた。彼女たちは、アリスが城之崎望になることを望んだ。三人は互いに別れを告げ、白雪姫はPC②に、人魚姫はPC⑤に、それぞれ関わりの深かったヒーローに感謝と別れを告げ、森とともに消えていった。 やがて、気が付くとヒーローたちはチバシティへと戻っており、その後一切、チバシティから森へと迷い込む人はいなくなった。少女アリスが夢から覚め、現実へと向き合う決意をした証拠である。事件が解決したその後もヒーローたちは望に出会い、物語と、目が見えず耳が聞こえなくとも感じることができるぬくもりを伝え続けるのであった。 |
+ | 登場PC |
PC①…北川成二/マスクドアクターターミナル PL:彩雲
PC②…秋葉ゆか/オータムパープル PL:とふおじ PC③…赤時翔 & デュラン/デュラハン・ラセール PL:細身 PC④…風祭美羽/アネモス PL:ますは PC⑤…碧海樹/剣士 渺 PL:のこ |
+ | 登場PC |
PC①…頓宮直衛/ラスト・アンラスト PL:まち
PC②…流星院かなめ PL:にーてん PC③…飛鳥/フォーチュンテラー PL:SBT PC④…氷上星奈/コスモス★セーナ PL:O-Ton PC⑤…水白建人/VoL-TeT PL:甲丙 |
+ | 登場PC |
PC①…鎌倉遊斗/クインジー PL:Shin
PC②…灰山大起/嘆きの刀(ウェイリング・ソード) PL:キョンキョン PC③…安海一夏/スノーラビット PL:瑠璃 PC④…氷牙/ネーヴェ PL:モナ PC⑤…朝日奈春花/ドラグアグニ(ファフニール) PL:ジミー |
+ | 登場PC |
PC①…玉響朝露 PL:くずもち
PC②…平堅都/3M PL:ライヒ PC③…暁百合音/告笛・ヘイムダル PL:細身 PC④…イザベラ・ターナー/ガブリエル PL:ぴるかす PC⑤…四ッ谷 PL:ユウネコ |
+ | 登場PC |
PC①…秋道こがね/フォール PL:ただのあるまり
PC②…バシレウス/T-Re:X PL:ぎるる PC③…狭間シャーロン/プルーティノ PL:くずもち PC④…狭間ノア/プルート PL:貴美 PC⑤…竜胆界亜/ギフトハンター PL:極貧戦士 |
+ | 登場PC |
PC①…二星一花/ザ・リトル・プリンセス PL:細身
PC②…来栖紘一/ギアマイスタ type1 PL:グッピー PC③…樹神音芽/イーリス PL:ジミー PC④…的射場櫂/シロクマ PL:甲丙 PC⑤…百渓椛/フェンネス PL:OziTaso |
+ | 登場PC |
PC①…碧海樹/剣士 渺 PL:のこ
PC②…糸魚川参/ウオガシ PL:あーちゃ PC③…福永楓/ジャスティスミツクニ PL:はらへったぶた PC④…葉道大志/スプレッドラジエィター PL:三下 PC⑤…霹茜里/ラピス PL:漬物キャベツ |
+ | 登場PC |
PC①…綾瀬柊乃 PL:ユウネコ
PC②…阿櫻紅恋華/クリムゾン・プリムラ PL:れみす PC③…犬牙勇真/黒猟犬“ブラックドッグ” PL:モナ PC④…キーン・スペンサー/アンブロシウス PL:フロスト PC⑤…冬美ゆい/ウィンターブルー PL:とふおじ |
+ | 登場PC |
PC①…レイ PL:モナ
PC②…颯天玲音/Re:ON PL:のこ PC③…天之礼光/リミテッドオーバー PL:ぎるる PC④…明日奏音/コンチェルトフォーブレイブ PL:フロスト PC⑤…日暮保土里/スターリィブルーム PL:田中山 |
+ | 登場PC |
PC①…天音勇歌/閃光・ブリューナク PL:モナ
PC②…正村輝/オーダーデリバライズ PL:クロエ PC③…翼衣橙次郎/ファーストウィング PL:田中山 PC④…常世円/円顱方趾 PL:六連 昴 PC⑤…シンシャ/フィロソフィア PL:細身 |