ビギニングアイドル単発セッション「中京エレベーターガール」
GM:Y武
開催日時:2020年1月10日(日) 17時〜21時
会場:学生会館・
談話室
今回予告
名古屋を本拠地として活動する芸能プロダクション「松越興行」。それは、名古屋の大手老舗百貨店「三坂屋」の社長夫人である松越愛華が、自分の娘であるレイナとジュリアによるアイドルユニット「JR松越」の活動を支援するために設立した、三坂屋の子会社である。
PC達はその松越興行において、JR松越のバックダンサーなどの
サポート役を務めつつ、日頃は三坂屋デパートのエレベーターガールも担当する「アイドルの卵」的な存在であった。「社長一族の道楽に付き合わされているだけの召使い」と揶揄されることも多く、「娘達のことばかり気にして自分達に目を向けようとしない愛華」に嫌気が差した同僚達が何人もやめていく中、PC達はいつか努力が報われる日が訪れることを信じて、地道に活動を続けてきた。
そんな中、先日、遂にPC達に「ユニットデビュー」の話が舞い込むことになった。果たして、彼女達はこのチャンスを掴むことが出来るのだろうか?
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セッション概要 |
松越興行を率いる松越愛華がプロデュースするアイドルユニット第二弾の名前は(エレベーターガールの略称である「エレガ」と、当面の主戦場となるデパートの屋上ステージのイメージから)「Elegant Sky」に決定した。メンバーは、科学者と医者を姉に持つダンス少女「蒼羽つぐみ」、常に人形を持ち歩く最年少(14歳)の「菊池澪利」、引き篭もりを治すためにアイドルにさせられた「南牡丹」、子役経験者で身体能力に優れた「桜木ひなた」、そして韓国帰りで歌声に定評のある「本部くるみ」の五人である。
愛華は彼女達を、娘であるジュリア&レイナが定期的に開催しているデパートの屋上ステージでのイベントにゲスト出演させるという「お披露目イベント」を計画し、その前に少しでも多くのファンを呼び寄せるよう、知名度アップのための様々な仕事を彼女達に割り与えることにした。
まず、つぐみには地下食品売場に出現した害虫の駆除、くるみには物産展コーナーでのキムチの実演販売、ひなたには屋上での(地元球団のマスコットの)きぐるみショー、といった形で「三坂屋内での仕事」が与えられ、彼女達は先輩であるレイナ&ジュリアとも絡みながら、それぞれに着実にノルマをこなしていく。もともと三坂屋内では「エレベーターガール」として顔の知れた存在である彼女達のこうした地道な活動は、彼女達の好感度を大きく引き上げていった。
一方、それと並行する形で様々な「外仕事」も彼女達の元に舞い込んできたのだが、農作業体験企画に参加した澪励は足を捻挫し、インターネットラジオに出演する予定だった牡丹は回線不良で参加出来ず、テレビの新人アイドル発掘番組に出演したくるみも緊張から本領を発揮出来ない、といった形で、いずれも不本意な結果に終わってしまった。
また、愛華は彼女達に対して様々な形でのスキルアップのための特訓メニューも課した結果、つぐみはダンス技術を飛躍的に向上させ、澪利は総合的なパフォーマンス力の底上げに成功したが、歌唱力の強化に挑んだひなたは思うような成果が出せずに終わってしまう。一方、オフの時間に自宅で引き篭もっていた牡丹は画力を向上させ、他の者達とはまた異なる形での「独自の武器」を手に入れていた。
こうして、それぞれにデビューに向けての下準備を進めていく過程で、彼女達は愛華が自分達を抜擢した「二つの理由」を知ることになる。
一つは、最近やや腑抜けた様子の次女ジュリアに刺激を与える「かませ犬」としての役割である。ジュリアは、その大人びた外見とは裏腹に、天真爛漫で幼い性格であり、気持ちにムラがあるため、彼女を奮い立たせるには「下からの突き上げ」が必要と愛華は考えていた。とはいえ、「かませ犬で満足するような者は、かませ犬にすらなれない」というのが愛華の持論であり、この五人には「本気でジュリアに立ち向かえるだけの潜在能力」が備わっていると期待した上での抜擢でもあった。
もう一つの理由は、長女レイナによる「ゴリ押し」である。レイナは日頃は「清楚なお姉さんキャラ」で売っているが、実は重度のアイドル愛好家であり、後輩である彼女達に「かわいい衣装」を着せて踊らせたいと以前からずっと願っていた。そんな彼女の熱意に押し切られる形で、愛華はその申し出を受け入れることにしたのである(ただし、そんな自分の本性を彼女達に悟られると気持ち悪がられると考えていたレイナは、あえて彼女達とは距離を取っていた)。ジュリアはそんな姉に少々呆れつつも、彼女達のことは「姉さんの着せかえ人形で終わるような娘達じゃないだろう」と期待していた。
そんな彼女達の期待を受けた五人に対して、愛華が斡旋したのは、インターネット上の人気覆面作曲家・伏龍である。かつてJR松越からのデビュー曲依頼を断った過去を持つ伏龍は、直前のくるみのテレビ出演時の時の印象から「今回も期待出来そうにない」と思っていたが、実際にくるみと牡丹の絶妙なハーモニーを生で聞いた彼は深い感銘を受け、彼女達のイメージに合わせたデビュー曲「White Melody」を提供することになる。
やがて迎えたお披露目イベントの当日。レイナの用意した「Jewel C」ブランドの綺羅びやかな衣装に身を包んだ「Elegant Sky」の五人は、激しいプレッシャーを跳ね除けて、堂々とステージに立つことになった。
最初の自己紹介の際に澪利の自己紹介が飛ばされてしまうというハプニングに見舞われるものの、直後の前説コーナーではその澪利がきっちりと自分の存在をアピールし、その後はJR松越による華やかなパフォーマンスの背後で、くるみのコーラスとつぐみのバックダンスが人々の注意を惹き付ける。更に、小休止後のステージではJRの早着替えの間の「壁」役としてセンターの位置でダンスを披露したひなたが注目を集め、終盤のプレゼントコーナーでは牡丹が(自分自身で描いたイラストも景品に加えつつ)見事にMC役を務めきった。
そして、イベントの最後で遂に「White Melody」を披露することになった五人は、最後まで集中力を途切れさせることなく、リハーサルの時と同等以上の完成度のパフォーマンスを披露することに成功する。その中でも特にサビ部分に相当する「私のことが好きなら……」から始まるフレーズの合唱パートは観客の心を掴み、この日のイベント参加者だけで早くも200人以上の人々がその場で「White Melody」のCDの購入を予約するという快挙を達成した。
こうして無事にお披露目イベントを終えた五人に対し、感極まったレイナは思わず抱きつこうとするが、ジュリアは「ここから先はライバルだから」と言って姉を制しつつ、「いつか一緒に全国ツアーを回ろう」と告げて、会場を後にする。今、この瞬間から、松越興行にとっての第二の看板ユニットとなる「Elegant Sky」の挑戦は幕を開けたのであった。
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最終更新:2020年01月12日 12:39