+ アーシェ・レゲンスブルグ
<基本データ>
PC名:アーシェ・レゲンスブルグ
PL名:ライヒ
コード名:アイザック・ニュートン
スタイルクラス:ブレイカー
レイヤークラス:ヴェール
ワークス:天秤機関

<ライフパス>
出自:過去からの来訪者
経験:法の守り手
動機:生誕/力の意味を探す(冷凍睡眠から目覚めた時を人生の始点としている)
邂逅:尊敬(to???)
コードフォルダの形態:懐中時計
コードへの感情:割り切り

<自由記述欄>

  _1_
彼は大侵攻よりはるか昔、かつてドイツと呼ばれていた大国のとある美しい街の生まれであった。彼はここで法学を学び、優秀な推理力で身の回りの多くのできごとを解決に導いた。そんな彼は来るべき大侵攻に備えて、街から離れて、イギリスのとある冷凍睡眠の設備に入っていった。
「これを手に取る者へ、僕はアーシェ。
アーシェ・レゲンスブルクというものだ。
目覚めた時には一杯のコーヒーをたのむ。」
という置き手紙を同封して。
彼が目を覚ますとそこはオクスフォード・クレイドルという場所であるらしい。彼はこの時代の英語が少し訛っているのを確認し、その会話内容からこの時代の組織をすると、それに合わせて語りだす。
「僕はかつて、法学を勉強していたし私立探偵ごっこもしていた。どうか、天秤機関に入れてくれないか?」
と冷凍睡眠の機械から立ち上がり、たまたまその場にあった懐中時計に惹かれてそれに触れようとすると、微粒子の収束を観測した。このすぐあとに彼はレイヤードとしての適正を受け、コード:アイザック・ニュートンのレイヤードになる。
現在は前時代の知識や経験を活かして日本語を習得したのち、ムサシ・クレイドルの天秤機関にて活躍中。名前が長いのであだ名で「レーゲン」と呼ばれているらしい。

  _2_
_______僕には尊敬すべき人がいた。
そうだ、力が欲しかったのだ。人が英雄の力を借りて、誰にも負けない力を手にすれば、もう誰も失わずに済むのだ。なぁ、21世紀の技術ではその期待なんか出来ないんだろ。だったらさ、、、あなたを信じて、22世紀に跳んでみるよ。
_______▒▒▒先生。

悪魔の知恵を借りて、禁断の果実を齧った。今の僕にならできるはずだ。水面下で起こる全ての出来事を、一つ一つ解決してみせる。前の世界の時のように、僕は非力では無いのだから。
〈雨降る街の、最後の魔術師〉



+ 美しい街に灰が降る
彼の住むアパートの102号室の扉をくぐって、廊下に沿う綺麗なキッチンを抜けた先、居間の真ん中から少しズレた所にフローリングの剥がしやすいところがある、そこを捲ると彼の直筆の手記の一部が見られるという。その内容は秘匿につき、閲覧不可。(現在GMには公開済み。)

<参加回>
+ アーラ・スルベルト
<基本データ>
PC名:アーラ・スルベルト
PL名:たまねぎ
コード名:アーラシュ・カマンガ-
スタイルクラス:ブレイカー
レイヤークラス:センチネル
ワークス:ガーディアン

<ライフパス>
出自:職人
経験:平凡
動機:事故
邂逅:家族/親愛
コードフォルダの形態:カード
コードへの感情:憧れ

<自由記述欄>
とある武具職人の家に生まれ特筆すべきことも無いごくごく平凡な日々を暮らしていたが、あるとき出先にてベクターに襲われたがガーディアンに間一髪の所で助けられた。そのため、ガーディアンに憧れを抱いていたところコードに適正があると分かり、これ幸いとガーディアンに入隊して日々を過ごしていた。

御城依子とは子供の頃からの付き合いであり、なかば家族のような関係性となっている。

<参加回>

+ 藍川 春樹
<基本データ>
PC名:藍川春樹
PL名:エイブ
コード名:パンドラ
スタイルクラス:サポーター
レイヤークラス:センチネル
ワークス:フリーランス

<ライフパス>
出自:貧困
経験:大怪我
動機:生誕
邂逅:秘密
コードフォルダの形態:カード(カードケース)
コードへの感情:親しみ

<自由記述欄>
 17歳男性。幼いころから何故か周囲の人間に災いや不幸をもたらす体質を持っており、両親を含めた周囲の人間から忌み嫌われていていつも一人でいた。ある日、この不幸をもたらす体質を理由に両親に捨てられ、絶望していたところをレギオンに保護される。レギオン曰くこの不幸をもたらす体質は生まれながらにして持っていたパンドラのコードが原因であり、コントロールする必要があると伝えられる。様々な実験や検証の後、コードをドラゴンとして具現化させ、結果としてコードのコントロールに成功する。しかし他者に不幸をもたらすことが無くなった代わりに、このドラゴンは「災い」を喰らい、それをレイヤードである春樹に与えるという性質を持つようになった。結果的に、春樹自身がかなりの不幸に見舞われるようになった。
 しかし、春樹本人は「他者を不幸にするくらいなら、自分が不幸になった方が良い」と考えており、自分を不幸体質にした原因であると言えるドラゴンのことも全く嫌っておらず、ドラゴンを「ナックス」と名付け「今まで忌み嫌われてきた自分にできた初めての友達」と考えている。
 それ以来レイヤードとして活動するようになったが、再び力が暴走して他人を不幸にすることを恐れて組織には所属せずに、様々なアルバイトをしながらフリーランスで働いている。しかし寂しがり屋であるため、仕事で共に働くようになったレイヤードとはできるだけ仲を深めようとする。

 他人との接し方が良くわからないため、基本的に他人に対しては年下だろうが何だろうが「さん」付けで敬語。しかし割と砕けた敬語を使う。一方でエンフォーサーを始めとした敵対者には語気が強くなり、ドラゴンのナックスに話しかける際には素の口調になる。

 「他人の災いを集め、自分が不幸になる体質」を持つようになった春樹だが、彼はこの力を使って「全ての災いを喰らい、パンドラの箱のように自分が全ての災いを背負う」ということを成そうとしている。それがパンドラのコードを背負い、「災い」を担う自分の宿命だと信じて。

+ 15話終了時
 全てを背負うなんて真似はもうやめだ。俺はそんなには強くなれないって、これまで生きてきて分かったんだ。でも、もう1つ。「簡単に災いに負けるほど、人は弱くはない」ってこともわかった。俺が全部背負わなくたって、人は災いと戦って、強く生きていける。そんな強さを、俺は多くの人から学んだ。
 俺が本当にやりたいことは、「パンドラの箱」になることなんかじゃない。そうやって災いと戦う人たちを支え、そして導くことができる「希望」になることだったんだ。
 どんな状況でも、誰が相手であろうとも。パンドラの箱の底にあった「最後の希望」でありたいと、俺は願ったんだ。
+ 20話終了後、藍川春樹から送られて来たメール
皆さん

お久しぶりです、そうでない方は初めまして。藍川春樹という者です。
先日、巡千歳さんがお知らせしてくれた件について重要な連絡があります。詳細は直接お知らせした方が良いと思いますので、医者の家に来ていただきたいです。お好きな時間で結構ですが、出来る限り早急に対処してくださるとありがたいです。俺はいないかもしれませんが、誰かしら居るはずですのでその場合はそちらに聞いてください。
また、来られる際には十分周囲に注意してください。よろしくお願いします。
+ マカーオーンのアジトに置かれた藍川春樹の文書
 改めまして、藍川春樹です。この度は連絡を受けて来てくださってありがとうございます。妙な文章だったとは思いますが、この連絡が漏れてしまうわけにはいかないので、出来る限りメール上での情報は隠匿させて貰いました。ご了承ください。
 さて、本題ですが、このアジトの主であるマカーオーンさんについてお知らせがあります。先日俺と安倍葛葉さん、加賀美嶺さん、遠竹焠柯さん、パラ・ライカさんの5人はマカーオーンさんに呼び出され、交戦しました。千歳さんの情報通り、マカーオーンさんは現在エンフォーサーと化しており、東方十聖ヒポクラテスの手中にあります。「彼の力を試す」と言った名目での戦闘でした。辛くも俺たちは勝利することができましたが、傍に居たヒポクラテスにマカーオーンさんは再び連れ去られてしまいました。俺たちの力不足で、彼を連れ戻すことができなかったことに関しては非常に申し訳ありません。
 しかし俺たちも何も収穫がなかったわけではありません。マカーオーンさんの兄、ポダレイリオスさんが仲間になってくれました。彼にも色々と事情があったようで、一時は俺たちレイヤードと交戦しましたが、今は間違いなく頼りになる俺たちの仲間です。
 それで、これからお知らせしたいことは2つ。ポダレイリオスさんが知り得る、ヒポクラテスの狙いである「神薬計画」についてと、これからこのアジトとポダレイリオスさんを含めたここに住むリベレーターの皆さんを守ることについてです。これから先を知ることは、少なからず危険を伴います。それでもこの先を読んで、知っていただきたいとは思っています。どちらも、とても大切な情報ですから。


神薬計画について

 ヒポクラテスが握る杖、アスクレピオスの杖。あれはレガリアであり、アスクレピオスのコードそのものが入っているそうです。アスクレピオスの力を使うことで、ヒポクラテスは「死者の復活」を為そうとしています。具体的には、手始めに「不死の軍隊の作成」。最終的な目的として「バベルの復活」を目論んでいるそうです。
 しかしこれを行うためには力が足りない。その力を補充するためのものが「神薬」と呼ばれるそうです。神薬は様々な状態で存在しているそうで、ヒポクラテスはこれを集めている。言うなれば神薬は「パズルのピース」で、奴は「ピースを揃え、パズルを完成させようとしている状態」であるとポダレイリオスさんは言っていました。
 この情報に関しては信頼のおけるレイヤードやリベレーター、及び諸組織に広めて頂きたいです。もちろん情報の出所は伏せて貰いますけど、奴の計画を少しでも食い止めるためにこの情報は必要だと思ってます。よろしくお願いします。


アジトとマカーオーンの家族を守る方法について

 このアジトは主人を失ったことで安全とは言えなくなりました。ブリゲイドの監視下に置いてもらうことも考えましたが、それなりのリスクが伴います。そこで上記の5人で話し合った結果、連絡したレイヤードの皆さんに持ち回りでこのアジトの警護をして貰いたいと考えました。改めて上記5人を含めた、連絡を取った方々を以下に記します。

藍川春樹
安倍葛葉
加賀美嶺
白-6
アルヴィナ・イグナチェヴァ
遠竹焠柯
橋喰大輔
パラ・ライカ
魅夜・レイジングムーン
巡千歳
結月終夜
ルネ・アプリェール
ロイ・パーカー

 この警護は先に記したように、危険を伴います。敵側にマカーオーンさんがいる以上、この場所が割れていてもおかしくありません。ポダレイリオスさんたちを狙って襲撃してくる可能性もあります。場所を変えることも考えましたが、しかし下手な住宅では一般人を巻き込む可能性もあります。それよりは少なからず敵が攻めづらく、何よりもマカーオーンさんに縁のある皆さんが知っている場所である、ということからこの場で守っていくことを選択しました。
 これに協力してくださるか否かはこの場にいる誰かにお知らせください。もしも承諾してくれるならば、簡易的にシフトを決定します。どちらにしても、このことについては上記のメンバー以外には伝えず、このアジト周辺では周囲警戒を怠らないでください。

 これは俺たちの個人的なお願いです。皆さんにも当然拒否権はあります。もしも納得できない、巻き込まれたくないという方は断って頂いて構いません。しかし俺たちは皆さんに協力していただき、マカーオーンさんの帰る場所を、そして彼の家族を守りたいと思っています。
 どうか、よろしくお願いします。


追記:
先の戦いでコ○トコという店の商品(特にマインドリーバー)の質が良かったのでお勧めしておきます。アジトの警備施設強化のための資材も今度そこに買い出しに行く予定です。

+ First Friend
「お前なんて、生まれてこなければ良かった」

 幼い頃に、両親から1番言われたことだ。俺はどういうわけか、その場に居るだけで他人に不幸をもたらす体質を持っていた。不幸って言っても、別に人がいきなり死んだり、重い病気を患ったりするわけじゃない。ただ、小さな不幸でも積み重なればそれは大きな災いとなる。近くに居るだけでそれをもたらすような奴と、誰も一緒にいたいとは思わない。
 だから俺はいつも1人だった。友達なんているわけもないし、両親からも嫌われていた。それでも、10年は俺をまともに育ててくれただけ、かなり良い親だったと言えるのかもしれない。「生まれてこなければ良かった」。この言葉をかけながらでも、俺を育ててくれたことには本当に感謝している。
 でも、それは突然終わった。10歳のある日、家に帰るとそこには誰もいなかった。両親の荷物も全てではないが、いくつか消えていた。代わりに一枚の置き手紙がリビングのテーブルの上にあった。

『さようなら、災厄の塊』

 その時全部分かった。ああ、そうか。俺は捨てられたのか。いつか来るかもしれないとは思っていた。両親に見捨てられ、頼る宛も無くなってしまう日が来るんじゃないかと。これで良いとも思った。これで、親を不幸にするような、苦しめるようなことはもうないから。覚悟は、少しはできていたんだ。
 それでも……いつの間にか、涙が溢れていた。自分が捨てられたのがわかったのと同時に、本当に一人になってしまったことがわかったから。どうしたらいいのか、わからなくなってしまったから。俺は涙を止めることが出来なかった。
 この涙は悲しさや寂しさだけじゃない。怒りや憎しみの涙でもあった。俺を捨てた両親に対するものじゃない。不幸を撒き散らす、この力。これさえなければ、俺は1人じゃなかった筈だ。運命は違ったんだ。


 ……そんな呪われた力が、俺の目の前に龍の姿で現れることになるとは。


 詳しいことは覚えてないけど、ショックを受けた俺はそのままフラフラと外を出歩いてたみたいだ。明らかに様子がおかしかったんだろう、そこでレギオンの人間に声をかけられた。どうしたのか、何があったのかと問われたが、俺はうまく答えることができず、ひとまず保護されることになった。
 レギオンムサシ支部へと連れて行かれ、ある程度の落ち着きを取り戻した俺は、その人に全てを話した。呪われた力のこと、親に捨てられたこと。語り終えると、その人は納得したように頷いていた。ここに来るまでに、頭上から何かが落ちてくる、足元が悪く転びかけるなど、彼に些細な不幸が度々もたらされていたからだろう。

「もしかしたら、それはコードによるものかもしれない」

「コード……?」

 実際に目にしたことはないが、勿論知っている。過去の偉人たちの力を持った特殊な電子データ、コード。それを扱うエンフォーサーや、レイヤードについても。

「稀にいるんだ、コードを生まれながらにして持っている人が。理由はわからないが、君には何らかのコードが埋め込まれていて、それが暴走状態にある可能性がある」

 コードによる暴走。確かに、それならこの呪われた力に納得がいく。だったら……。

「……だとすれば、このコード……無くしてしまうことは出来ないんですか……?」

「……無くしたいのかい?」

「……勿論です。こんな、他人を不幸にするだけの力……無くしてしまった方がいいに決まってます」

「確かにそうだろう……だが、それは現状では少し難しいかもしれない」

 難しい……?俺は眉を潜め、彼の方を見た。

「君の場合は、いわゆる生体端末というものになってて、君自身がコードフォルダになっている状態なんだ。そこから単純にコードを除去するのは、少しリスクが伴う」
「それに……除去中に、君の力により妨害が働く可能性も高い。そうなると君の命の保証も出来なくなる」

「そんな……」

 除去できない。この力から逃れることは出来ない。だとすれば、俺はこの呪われた力と一生向き合っていくしかないのか……?

「……しかし、君が望むのならば、出来ることはあると思う」

「え……?」

「暴走しているということは、今のコードフォルダ、君という生体端末と相性が悪い可能性がある。そこで他のコードフォルダを用意すれば、それに移し替えができるかもしれない、ということだ」

「そんなこと、できるんですか?」

「正直なところ、わからない。詳しい検査もしてないからね。リスクがあることにも変わりはない。だが、これがうまくいけば君をコードから切り離すことは容易になるだろう」

「……」

 人を不幸にして生きていくのか、生きる道を閉ざす可能性を秘めながら身を委ねるのか。俺の中で既に答えは決まっていた。

「……やってください、その移し替え」


 それから、いくつか検査や実験を行い、コードフォルダの移し替えのための手術が行われた。移し替える先はカードと、それを封じるためのカードケース。不安は拭えなかったけど、一度決めたことだし、他の選択肢は俺にはなかった。

 手術から目を覚ますと、俺はベッドで横たわっていた。恐らくレギオンの管轄下の病院だろう。生きている。少なくとも死ぬようなことにはならなかったらしい。

「おはよう。気分はどうかな」

 横には、例のレギオンの人が座っていた。

「はい……気分は大丈夫です」
「それで、移し替えの方は……?」

「ああ、無事に成功したよ」

 そう言って彼はカードケースを差し出してきた。ついさっきまで、俺の中で眠っていた力がこの中に。なんだか不思議な気分だ。ともかく俺は、全てが順調に終わったことに胸を撫で下ろした。

「良かった……」

「……ただ、少し説明したいことがある」

 そう言う彼の顔は少し曇っていた。どういうことだ?まだ何かあるのか?

「詳しいことは明日話そう。今日は休んで体力を回復させておくといい」

 そう言うと彼は立ち去っていった。……不穏なことを言い残さないで欲しいんだけどな……。
 まあ、今考えても仕方ない。言われた通り今日は休んでおこう。そう思って伸びをしようとベッドから立ち上がった時。布団が雪崩れ込んできてバランスを崩した。

「あいたぁ!?」

 頭などは打たなかったが、近くの棚に軽く腰のあたりをぶつけてしまった。不注意だったなと思いつつも、なんとなく違和感を感じていた。
 違和感はそれで終わらなかった。飲み物を飲もうと自販機に行けば小銭を自販機の下に落とし、トイレに行けば紙が切れている。もしや……と俺の中で1つの仮説が浮かんでいたが、確信はできないでいた。


 翌日。例のレギオンの人に連れられて、再びレギオンムサシ支部へと足を運んだ。勿論手にはカードケースを携えて。

「まず、コードをアクティベートしてもらいたい」

 広めの部屋に案内されそう言われた俺は、少し躊躇った。コードの力を使うと言うことは、また誰かを不幸にするんじゃないかと思ったからだ。しかし不安に思いつつも、俺はカードケースを開いた。

 次の瞬間、目の前に現れたのは黒く禍々しい龍だった。

「な……!?」

 突然の出来事に、そしてあまりの禍々しさに。俺は驚いてその場で尻餅をついた。

「これが君の力……パンドラのコードだ」

「パンドラ……?これが……!?」

「レイヤーがどのような形で現れるかは人による。それはコードの元となった人物がどんなものであっても規制は受けないよ」

「……これが……俺のコード……?」

 黒く禍々しい、大きなドラゴン。こいつが今まで、多くの人々に不幸を撒き散らしてきた、俺の呪われた力。

「ひとまず、コードは安定してるようだね。さあ、ここからが本題だ。藍川くん、昨日1日過ごしてみて、何か異変はあったかい?」

「異変……?」

 まず思い当たったのは、何というか……俺に些細な不幸が続いたことだ。いくらなんでも多すぎた。そしてもう1つ、俺の近くに人がいても、その人が特に不幸な目に合わなかったこと。1人や2人なら今まででもおかしくなかったが、全くそんな人はいなかった。
 そのことを語ると、彼はこう語った。

「どうやら、君のコードは暴走こそしなくなったが、やはり不安定らしい。不幸を撒き散らすことはなくなったが、代わりに君が不幸を呼ぶようになってしまったんじゃないか」

「そ、そんなことあるんですか……?」

「そのことは、君が1番わかるはずだ。今ならね」

 そう言って彼はドラゴンへと視線を移す。俺もそっちへと目を向けた。改めてその龍の目を見て、自分のコードへと向き合った。
 言葉として聞こえてきたわけじゃないけど、ドラゴンは全てを教えてくれた。

 ドラゴンの力は、「災い」を喰うこと。そして喰った災いは、俺に供給されること。俺の指示次第で災いを喰うも吐き出すも自在だが、俺が何もしなくても他人の災いを喰う、ということだ。
 つまり、災いを撒き散らす存在だった俺は一転、他人の災いを引き受ける存在になったわけだ。

「……そうか。昨日みたいなことが、ずっと続いていくんだな」

 ドラゴンを眺めながらそう言う俺に、レギオンの人はこう言った。

「これで君は立派なレイヤードだ。だが、君が望むのなら予定通りそのコードを君から切り離そう」

「……」

 他人に災いをもたらす、無くしてしまいたいと思っていた力。でもそれは、他人の災いを背負うための力に変わった。他人が不幸にならないなら、俺一人不幸になったって構わない。この力を捨てる理由はなくなったんだ。
 災いの箱、「パンドラの箱」を開けてしまった女性、パンドラ。災いを撒き散らしてしまった彼女は、それから何を思ったのか。俺のこのコードが、災いを喰う理由。それはもしかしたら、撒き散らしてしまった災いを再び収めようとしているのかもしれない。それがどんなに険しい道のりであっても。

「……すみません。このコード……俺に使わせてください」

「……いいのかい?」

「はい。俺のやりたいこと、見つかりましたから。そのためには、この力が必要なんです」

「……そうか。それが君の選択なら、私から言うことは何もないよ」

「……ありがとうございました」

 彼に頭を下げ、ドラゴンへと向き直る。お前が災いを喰うって言うなら、俺はその災いを全部引き受ける「パンドラの箱」になってやる。かつて呪われた力であっても、今は違うなら。他人のために使える力なら、俺はこいつと共にありたい。

「そうだな……よし。お前の名前は『ナックス』。どうだ?」

 それを聞いたはずのドラゴンの様子に変化はない。だが、どこか頷いてくれているような感覚を俺だけが感じ取っていた。

「頑張ろうな、ナックス。今日から俺たちは友達だ」

 俺は微笑みながら、初めての友達の頭に手を添える。ナックスもまた、微笑んでくれているような気がした。

+ Meet the Mirror
レイヤードになって5年目。俺はフリーランスとして様々な仕事を受け持っていた。通常のアサルトに加えて、簡単に出来るような居住区の見回り、危険区域の軽い偵察の仕事など。いつ暴走するかわからない力を抱えた俺はどこかの組織に属していたわけじゃないが、生活のために色々なところから依頼を受けて東奔西走していたわけだ。

 その日も、居住区の見回りをする仕事をレギオンから受けた。なんてことはない簡単な仕事だ。居住区へ行き、異常がないか調査を行うだけ。それだけのはずだったんだ。

「……何だよ、これ……」

 俺が行き着いた先は、焼け野原だった。

 家屋は燃え尽き、焦げた残骸だけが残っている。残骸は道にもはみ出し、通れそうにない部分も多い。そして、性別の区別もつかないような焼死体がいくつも転がっていた。

「ベクターの襲撃か……?いや、でも……」

 大量のベクターが攻め込んできた可能性も否めないが、それだったらまだベクターが多少いるはずだ。でもそんな姿は1つも見えない。だとしたら一体……?
 深く考え込みそうになったところで、俺はハッとした。そうだ、生存者がいるかもしれない!俺は声を上げながら生存者を探した。

「誰か!生きてる人はいませんか!」

 足場の悪い道を進みながら探し回るが、返事はないし、人の気配もない。正真正銘、全員焼け死んでしまったのか。そう思った矢先のことだった。

「う……」

 かすれるような、子供の声。いつもなら聞き逃していたかもしれないけど、そうするわけにはいかず、しっかりと俺の耳に入ってきた。俺は声のした方向へと駆け寄るが人の姿はない。代わりにあるのは瓦礫の山だった。

「もしかして……」

 俺は瓦礫の山を少しずつどかし始める。ナックスに手伝ってもらおうかと思ったが、もしも人がいたならかえって傷つけてしまう可能性がある。手を擦りむかせながら、瓦礫を掴んでは放り投げた。
 ある程度どかしたところで、人の肌が見えた。そしてもう一度呻き声が聞こえた。間違いない、生存者だ!俺は急いで残りの瓦礫をどかし、生存者を引っ張り出した。出てきたのは、10歳程度の男の子だった。

「う……」

「君!大丈夫ですか!?」

 大きな外傷は見当たらない。骨折等の可能性はあるが、まだ助かる見込みはあるはずだ。

「お兄さん……聞いて……」

「喋らなくていい!聞きたいことはあるけど、それは後で大丈夫です!まずは君を……」

「……僕のせいなんだ」

「……え?」

 耳を疑った。僕のせい?彼はそう言ったのか。何が彼のせいなのか?少しだけ思考が止まったが、答えはすぐに頭に浮かんだ。そしてその直後に、彼は答え合わせをしてくれた。

「みんな、燃えちゃったのは……僕のせいなんだ」

 予想は、正解だった。でもわからなかった。いったい彼が、何をどうやってこんなことを引き起こしたのか。悪戯で放った火が大きくなった、なんてレベルじゃない。一人の子供がどうやって……?
 そんな疑念が表情に表れたのか、男の子は語ってくれた。

「僕は……不思議な力を貰って……レイヤードになったんだ……」

「レイヤードに……?」

「うん……ある人がくれた力なんだ……」

「ある人って……」

「お兄さんくらいの歳の人……その人が、この力を使えば、一人じゃなくなるって……」

「……っ」

 男の子はそのまま語り続ける。俺は横たわる彼を支えていたが、次第に力が抜けていくのを感じていた。

「……もう喋らなくていい!早く病院に連れて……」

「……間に合わないよ。それに、これは……あの人の言うことを聞いて、こんなことをやった僕への罰なんだ……」

「でも……!」

「……レイヤードになったら、みんなに認めてもらえてるって、教えてもらったんだけど……どうしてかなあ……」
「僕はただ……友達が欲しかった……だけなのに……」

「……!」

 そう言って彼は目を閉じた。そして、それが開くことはもうなかった。

「君!おい、しっかりしてくれ!目を開けてくれ!」

 何度声をかけても、何度揺さぶっても。その少年はもう動かなかった。そして、彼は熱を失っていき、この場にある死体の数が一つ増えた。

「……」

 俺はどうすることもできなかった。その少年をその場に横たわらせ、ただ彼の隣で呆然とするしかなかった。
 その時だった。悪魔のような笑い声が聞こえてきたのは。

「いやー、見事見事!なかなか愉快なショーだったね!君もそう思うだろう?」

 聞き覚えのない声だ。だがその声を聞いた途端、激しい憎悪と嫌悪感を覚えた。声のする方向を見ると、俺と同い年くらいの男が立っていた。

「自らの力で街を、そして人々を焼き尽くし、最後には自分まで破滅する!子供ながらにいい仕事をしてくれたよ!いや、力を与えた僕の仕事とも言うべきかな?」

「……お前、誰だ?」

「あー、自己紹介が遅れたね!僕の名前はミロワール!よろしくね!」

「……エンフォーサーか」

「ご名答!そう言う君はレイヤードだね?もう少し早く来てくれたらショーにアクセントが加わったかもしれないけど……まあ仕方ないか」

 なんだこいつは。話をしているだけで吐き気がする。怒りと憎悪を抑えながら、そのまま話を続けた。

「何をした?」

「僕?僕は大したことはしてないよ!この居住区の壊滅はそこの男の子が全部やった事さ!」
「まあ確かに、そのための力を与えたのは僕なんだけどね。でもコードを埋め込むのも手間だなぁ。もっといい方法考えなきゃね」

「……レイヤードになっただけでこんなことになるとは思えない」

「そうだね。でも適性もないのに無理やりコードを埋め込んだんだから、暴走しちゃうのも無理はないよね?いい感じに燃えるように細工もしたけどさ」
「おっと、誤解はしないでほしいな!ちゃんと彼の合意は得てるんだよ?コードを手に入れて、レイヤードになりたいって」
「ただ、想像以上に不安定だったし、手間がかかった割には効率も良くない。これは反省点だ」
「いやー、収穫もあったし、何よりも楽しませてくれた!素晴らしい道化を演じてくれた彼には感謝だね!」

「……」

 聞いてもいないことをベラベラと喋っている。こいつの言うことを信じるのだとすれば、不完全な力を無理に与えた末の結果だって言うのか?そしてこいつは、それをわかりきった上でやったどころか、まだ幼い少年を誑かして破滅させ、その様子を見て笑ってるって言うのか。

……ふざけるな。

 目の前のエンフォーサーを睨みつけながら拳を握りしめていると、気分がいいのか奴はさらに話を続けた。

「あ、よくわかってないだろうから一つ補足しておくとね。彼、親を亡くしてスラムで生きてたんだ。仲の良い友達も、助けてくれる大人もいなかった。誰からも見向きされてなかったのさ」

「……」

「それで面白そうだったから声をかけたんだ。彼は素直で良い子だった。おかげでとっても利用しやすかった!」

「……黙れ」

「『友達ができるかもしれない』って言った時のあの希望に満ちた表情!そして燃え盛る街を見た絶望に満ちた表情!このギャップが最高だったよ!」

「黙れ喰い殺すぞ!!!」

 俺は突発的にカードケースを開き、ナックスを呼び出していた。本来攻撃は得意分野じゃないが、その時の俺にはそんなことを気にする心の余裕なんてなかった。ただ目の前のクソ野郎を潰す。それしか頭になかった。

「おー怖い怖い!そんな恐ろしいドラゴンに襲われたんじゃひとたまりもないや!」

 そうは言うが、ミロワールは明らかに余裕そうに笑っている。ここまでのことをしでかす奴だ。そこらのエンフォーサーとは違うことも、俺一人じゃ敵わないこともわかってた。でも、ここで退くなんて選択肢、俺にはなかった。それだけ奴が許せなかったんだ。
 ナックスは黒い炎を奴に向かって吐きつけるが、ミロワールは大した動きもなくそれをかわす。そして腹の立つニヤケ顔のまま、奴はこう言った。

「うーん、せっかくだからもう少し君と遊んでみたい気もするけど、残念ながら僕は忙しいんだ。次の獲物も探さないといけないしね」

 そう言ってこちらを向いたまま距離を取り出すミロワール。この居住区から去ろうとしているようだった。

「てめえ、逃すとでも……!」

「大丈夫!きっとまた会えるさ!僕のおもちゃと出会うか、君自身がおもちゃになるのか、どっちかはわからないけどね!」

「ふざけるな!戻ってきやがれ!」

 奴を追いかけようとした、その瞬間。近くにあった家屋の残骸が、俺めがけて崩れ落ちてきた。

「な……!」

 『災い』を喰ったせいか、それともミロワールの仕業かはわからない。俺の眼前に瓦礫が崩れ落ち、そのまま俺の視界は暗転した。


 ……運が良かった、と言えば良いのか。どれくらいの時間が経ったかはわからないが、俺は命を失うことなく目を覚ますことができた。あたりは暗くなっていたが、それいかの状況は何も変わっていなかった。
 少し痛む足を引きずりながら、男の子の亡骸へと向かう。手に触れると、もう完全に冷たくなってしまっていた。

「……ごめん」

 どういう意味の謝罪なのか、自分でもよくわからない。彼を助けられなかったことか、ミロワールを逃してしまったことか。どちらにしても、もうどうしようもない。俺はただ歯を食いしばり、悔いと憎しみを噛み締めるだけだった。
 ……いつまでもこうしていても仕方がない。どうやらさっきの衝撃で端末は壊れてしまったようだ。立ち上がり、報告をしにレギオンへと戻るために歩き出した。
 立ち去る前に、もう一度男の子に目を向けた。彼は、俺と同じだ。災いに振り回されて、一人で、寂しくて。出会った人が違っただけで、大きく運命が変わってしまったんだ。

「……俺も、あの人のように君に出会えていたら……俺たちは友達になれていたのかもしれないのにな」

 俺は再び歩き出す。全ての災いを喰らい、背負うという決意を胸に。
<参加回>
+ 秋葉 秋穂
<基本データ>
PC名:秋葉 秋穂 (あきは・あきほ)
PL名:おでん
コード名:那須与一
スタイルクラス:ブレイカー
レイヤークラス:シャドウ
ワークス:クルセイド

<ライフパス>
出自:傭兵
経験:英才教育
動機:守護
邂逅:貸し
コードフォルダの形態:カード
コードへの感情:憧れ

<自由記述欄>
 19歳女性。和メイド、短髪、クール。身寄りのないところを秋葉宗一郎に拾われて以降メイドとして仕えていたが、数年前に主人をエンフォーサーに連れ去られてしまう。その後ヴァイクンタと出会い、レイヤードとして目覚める。
 エンフォーサーへの強い恨みもあるが、それ以上に主人を連れ去ったエンフォーサーを見つけ出すために活動している。
 見た目は世界樹の迷宮Ⅱの短髪女ブシドーのイメージ。
 寝るときは、くまさんのぬいぐるみを抱いて寝る。

(秋葉宗一郎について)
 あきは・そういちろう。時に自分よりも他人を優先する優しくダンディなおじさまである。それ故に秋穂を拾い、娘のように大切にしていた。
 秋穂が和メイドなのは、宗一郎の趣味である。自分は着ないが、和服が好き。

<参加回>
+ 朝比奈アスカ
<基本データ>
(イラスト:自我さん)

PC名:朝比奈アスカ
PL名:O-Ton
コード名:アーサー(宴)
スタイルクラス:チェッカー
レイヤークラス:ヴェール
ワークス:レギオン

<ライフパス>
出自:戦場生まれ
経験:大きな災い
動機:スカウト
邂逅:ビジネス
コードフォルダの形態:キーホルダー
コードへの感情:親しみ

<自由記述欄>

朝比奈アスカは享楽的だ。なぜなら、今を生きることに必死だからだ。
朝比奈アスカは幼い頃の記憶がない。おそらく、アルケオンがらみの災害に襲われたせいだろうと言われている。
朝比奈アスカは家族が居ない。だが、自分が楽しければよい、と、その境遇を受け入れている。
朝比奈アスカはどんな戦場でも生き延びてきた。何故か使えるコードの力で、その場を盛り上げることに長けている。
朝比奈アスカはいつだったか、レギオンにスカウトされた。より生活しやすくなるだろうと思い、所属することに決めた。
朝比奈アスカはこんななりだが、本部査察官である。陽キャ特有の打ちとけやすさで仲良くなり、内情を調査している……という建前である。

うぇーい、かんぱーい!

<参加回>
+ アデルバート・テイカー




<基本データ>
PC名:アデルバート・テイカー
PL名:春原
コード名:アリス
スタイルクラス:ブレイカー
レイヤークラス:シャドウ
ワークス:天秤機関

<ライフパス>
出自:戦場生まれ
経験:放浪生活
動機:絶望(希望を見つける)
邂逅:戦友(マリーナ・アレンスカヤ)
コードフォルダの形態:赤いトランプカード(裏面は鏡になっている)
コードへの感情:憧れ

<自由記述欄>

名前:アデルバート・テイカー
年齢:25歳
コード:アリス
ブレイカー/シャドウ

愛称はアディ

銀髪に水色の瞳。わざと胡散臭いお兄さんを装っている。
影のアリスと共に何年もフリーランスとして活動(放浪)していたが、とある依頼を受けた後に天秤機関から所属の誘いがあり、無事仲間入り。

レイヤードになったきっかけはあまり記憶に無く、恐らく幼少期からそこに影の少女がいたのかもしれない。
どうやら彼曰く、物好きな影のアリスにいつしか好かれてしまったらしい。
「本当に……俺はただのトランプ兵で良かったのにね」と笑っている。
役有りは面倒だなぁ…と、彼にとってレイヤードの存在はその程度にしか思っていない。でも間違いなく、彼女の存在は彼の日常になってしまっている。
ただ"選ばれた"から、レイヤードという存在に"選ばれて"しまったから、今日も明日も己は夢見が悪いものだと。

……口ではこう言ってはいるが、本当はアリスに少しばかりの感謝をしている。
小さな時に両親をエンフォーサーとの戦いで失った。頼れる大人もいない、彼はこうして取り残された。でも寂しくは無かった。なぜならアリスがいたお陰で"二人"だったから。
行く先で依頼を受けて金が稼げた。影に自分の命を救われた事もあった。
各地を陽気にアリスと共に、歩いてきた。

彼女に彼は助けられて、彼女は彼を選んだ。
影の少女アリスとアデルバートによって繰り広げられるお茶会と、不思議な冒険譚はまだ終わらない。



天国も地獄も所詮変わらないなんて、誰に言っても分からないよね。
ねぇ、アリス……君はどう思う?


めちゃくちゃアリス(影)の自我が強い。
アディの手に負えなくなってきました。

「こら、アリス…っ……あ~、あぁ~すみませんうちのアリスが……」



【サンプルボイス】

「ああ、アリス。俺はトランプ兵で良かったのに」
「アリス、夢から覚めたかい?」
「こらアリス。御客人だ」
「影は光がそこにあるからこそ、際立つんだよ」


+ Hello! Alice
───カリカリとペン先が音を鳴らす

少女の影はゆらゆらと、しかし器用に文字を書いていく。
楽し気にペンが時々跳ねながら文字が綴られていく。


【アディの事?是非私からもお話させて頂戴な!
お喋りは難しいから文字で失礼するわ。

彼の名前は『アデルバート・テイカー』
25歳の男性よ。銀髪に水色の瞳、そしてとても綺麗なお顔をしているわ。
けれどそれを"わざと"隠しているお兄さんよ。
普段はサングラスをかけているけど時々頭にさしたりもしているわ。
これはアディのトレードマークみたいなものね!
似合っているけど…ええ、勿論素敵だと思うけれど……私とのお茶会の時だけは外して欲しいわ。
だってその方がお顔を見ながらお茶会が出来るんですもの!
ふふふ、影の分際でって思うでしょう?それは言わないで頂戴。
今度彼に駄々をこねてみようかしら!

それと彼は、私の事を出会った時からちゃあんと子供ではなく、小さなレディとして扱ってくれたの。紳士的でとっても優しくて素敵。
私の我儘にも付き合ってくれるの。
そのお返しに私は彼の周りに付き添って、お手伝いをしているの!
遊んでるだけじゃないのよ?"わざと"迷い込んでいるの。彼の代わりに私がいっぱい迷ってあげるわ!
そうすれば彼は迷わずに済むでしょう?
彼はトランプ兵で良かったって言うけど、私は彼を顔なしのトランプ兵にする気は最初から無いのよ!

不思議な体験は、物語は、常に何処にでも存在するの。
彼の物語は、失った日から再び始まったわ。
折角始まったのなら、最高の物語にしないと私の気は済まないの。
これって我儘かしら?えぇ、我儘でしょうね。

だからどうか彼の物語を宜しくね。
私は無邪気で可憐な少女として、彼をどこまでも連れて行っちゃうから!】


───影の少女(アリス)はカランとペンを置いた。


<参加回>
+ 安倍 葛葉
(絵、まりも)
<基本データ>
PC名:安倍葛葉
PL名:瑠璃
コード名:安倍晴明
スタイルクラス:サポーター
レイヤークラス:ヴェール
ワークス:レギオン

<ライフパス>
出自:貧困
経験:捜索
動機:ビジネス
邂逅:同類
コードフォルダの形態:ファッション
コードへの感情:憧れ

<自由記述欄>
6歳下の妹(安倍晴乃)と二人で暮らしている。自分が6歳のとき、妹が産まれたちょうどその日にエンフォーサーに襲撃され両親を目の前で失った。それ以来妹を母親代わりに育てながら生きてきた。
口癖は「それってお金になるんでしょ?」一言めにお金、二言目にお金。とにかくお金。
実は生まれつき元々体が弱かった妹が10歳の時不治の病を患っていることが発覚しその治療方法や薬を探すことに奔走しており、そのためにお金が必要なのである。
元々両親が遺してくれた財産なども多くはなく貧乏暮らしではあったが姉妹二人で協力しあってなんとか現在まで生きてきた。
姉はどちらかというと父親に似ており妹は母親に生き写しである。姉は夜中にしばしば両親が亡くなった時のことがフラッシュバックし発作を起こすのでそれを母親生き写しの妹が自分の想像の母親になりきって宥めている。(妹は自分が生まれたその日に両親が亡くなっているので実際の母親がどんな人であったかは一切わからない、姉から聞く話をもとに自分で思い描くしかないので)病弱な妹が姉から離れて生きていけないのは勿論だが姉も妹から離れては生きていけないのである。
普段眼鏡をかけているが、実はだて眼鏡で度は入っていない。両親が亡くなったその直後から眼鏡をかけるようにった。自分が妹を守るのだから、これからは泣いてなんかいられない。もう、泣き虫なただの女の子ではいられないのだ。その眼鏡は、涙を隠すためのもの。
最近は、「パラ・ライカ」と任務を共にすることが多いらしい。彼は何か葛葉に思うところがあるみたいだが本人は全く気にも止めていない。ボス絶殺超高火力アタッカーなので支援型の自分とは相性がいいのかなあ、でも必殺技まだ見たことないし支援攻撃のせたらどれくらいの火力になるのかなあ、この人と共闘すればお金沢山稼げそうだなあ、と思っているぐらいである。

[名(?)台詞集]

「(虫の息のラスボスに向かって)さて、あなたは一体何円(いくら)になるのかしら…」(第1章第1話)
「(秋葉さんに対して)1つだけ言わせてもらうと…もし私があなたの立場だったら、私は迷わず妹を取るでしょう。」(第1章第1話)
「今回の件で、はっきりと理解した。私は、妹を…あの子を救うためならきっと、町ひとつだって犠牲にできる。あの子のためなら世界すら敵に回せる。私はそういう人間だ。」(第1章第1話)



[両親との別れ]

葛葉、晴乃姉妹の父親はコード:晴明の支援型レイヤードだった。
妹、晴乃が産まれるその日も、彼は任務に行っていた。任務は、母親が入院する病院からは距離があったものの同じシェルター内であったため、晴乃が産まれたという報せを聞き、戦闘後の後処理などを仲間に任せ急いで病院に向かっていた。
しかし、彼は病院に向かう途中に、病院がエンフォーサーに襲撃されるのを目撃してしまう。
病院に到着して自分の家族の姿を漸くの思いで発見したとき、葛葉と、姉の腕に抱かれた晴乃はなんとか無事であるものの、母親は病院の崩落から娘たちを庇ってもう助からない程の重症であることを悟る。
せめて娘たち二人を連れて逃げようと駆け寄る途中で、生存者に気がついたエンフォーサーが二人を狙って攻撃しようとしているのに気がつき、彼は自分の身を挺して庇った。
その後すぐに他のレイヤード達(そのうちの一人はWWHNPC三ノ上さんでした、父親の同僚で一緒に任務行ったりもしてたらしい)が駆けつけてくれてエンフォーサーを撃退してくれましたが父親も母親ももう自分達が助からないことはわかっていたので娘達に最期の言葉を遺し二人一緒に息を引き取った。この時父親は葛葉に自分の使っていたコマンダーキャップを託し、葛葉はそれを父親の形見として任務中に使っている。

[父親について]

父親は元々レイヤードになる前に医者として働いていたがレイヤードになってからも副業で医者を続けていた。貧民街的な場所で孤児や貧しい人々相手にほぼ無償で診察したり薬を処方したりしていた。勿論大病院に比べ設備が充実しているわけではなかったが住人たちの拠り所となっていた。
両親が生きていた時も元からそんなにお金があったわけではなかったがそれでもとても幸せな家庭であったし、葛葉は父親のことを密かに尊敬し自分も医者になれたらなあと漠然と夢みていた。
今現在家には父親が遺した大量の医学書があるが葛葉はもう医者の道は完全に諦めているので任務以外では勉強や医学書を読んだりするのではなくお金に直結するその日雇いのお仕事を探して一生懸命働いている。
自分が医者になろうにもお金も経験も設備も資材もどう努力しても手に入れられないことは知っているし、妹が不治の病を患っていることが判明してからもやはり自分が医者になるより他を探す方が早いし効率的だと本人は考えている。
そして何より妹を最優先で他を切り捨てる覚悟をしてる自分には父親と違って医者をやって人々に感謝される権利なんて無いだろうとも思っている。
葛葉は医者の道を諦めただけではなくて医学書を読むと妹の病気が治らないんじゃないかっていうことがより強く裏付けられてしまうと考えているので怖くて読めないし妹にも読ませようとしないので普段は残された医学書の数々は本棚の奥にしまいこまれている。しかし、妹、晴乃は実は病で寝込みながらも姉が任務にいっている間にこっそりその医学書を読んだりしている。
「もしお父さんが生きてたら、晴乃の/私の病気も治してくれたのかなあ」って二人とも思っている。

[妹について]

安倍 晴乃(あべ はるの) 20歳。不治の病を患っており、20まではなんとか生きてこられたものの、あと5年も生きることはできないのではないだろうか、と言われている。姉がお金を稼いでくれたり病院に連れていってくれたりする一方で、自分はただ家にいるばかりで申し訳ないと思っている。姉のことは大好きだけど自分の病気のせいで苦労させているし泣き虫な自分が嫌いだけどそういうことを言うと姉に怒られるので隠れて一人で自己嫌悪に陥ることが多い。
自分にも力があれば戦場に赴く姉を守れるのになあと思っている。
比較的調子の良い日は少しでも生活の足しになるようにと家で簪や髪飾り、小物等を作っている。また、母親が遺してくれたレシピ本を見ながら料理をするのが得意である。特に、晴乃が作るお稲荷さんは姉の大好物である。
姉からは「お母さんにそっくり」と言われており、一人のときに鏡を見ながら「お母さんってこんな感じだったのかなあ」「私がお母さんならお姉ちゃんがお父さんに似てるのかなあ」と一人で亡き両親に思いを馳せたりしている。
夢は、いつか病気を治して、自立して、自分も姉と同じくらい強くなってお金を稼いで、今まで育ててもらった分の恩返しをして姉に幸せになってもらうことである。





<参加回>
+ アンデルセン&ゲルダ

<基本データ>
PC名:アンデルセン&ゲルダ
PL名:細身
コード名:ハンス・アンデルセン(ジェネレイトルールにより作成)
スタイルクラス:ブレイカー
レイヤークラス:レガリア
ワークス:フリーランス

<ライフパス>
出自:扇動者
経験:カルチャーショック
動機:関心
邂逅:古き仲間(細川ガラシャ)
コードフォルダの形態:本体(ペン先がアイソレイトコア)
コードへの感情:自己嫌悪
+ コード:ハンス・アンデルセン
※ハンス・アンデルセン
種別:芸術家
能力値:2/2/4/4/4/1
ボーナス:クラフト1,推理1,芸術1
生命力12/精神力18/行動値6
「雪の女王」「おやゆび姫」「人魚姫」「マッチ売りの少女」などの作品で知られる三大童話作家の一人。
元々はオペラ歌手を目指していたが挫折、その後に詩人としての才を発揮して童話作家となった。彼は人生において何度かの恋愛をしたが全滅、生涯独身であった。
このような苦難に満ちた人生の影響でかなり捻くれた性格をしており、作品にもその影響が強く出ている。

※幸福な結末のお話(ナーサリーライム)
最大Lv:3 種別:自動、コード
タイミング:解説参照
判定:自動成功 対象:自身
射程:なし 代償:4MP
使用条件:なし

解説: あなたが《待機》を宣言するときに使用する。あなたがこのラウンド中に行うクラフト攻撃の命中判定にダイスボーナス[LV]を得て、与えるダメージに+[あなたの〈芸術〉](最大:5)Dする。
 アンデルセンの紡いだ物語を具現化して攻撃を補助する。ただし、物語の執筆完了までに少し時間がかかる。

<パーソナルデータ>
年齢:-/14歳
性癖:男/女
身長:150mm/145cm
体重:約20g/36kg
生年月日:不明/12月31日

<自由記述欄>
「アンデルセン!お願いだ!アタシに力を貸してくれ!どうしても…アタシには助けたい人がいるんだ…!」
「うん…僕で良ければ力を貸すよ。ただ、代わりに君は僕に手を貸してほしい。どうもペンというやつはそれ単体では文字が書けないみたいでね。」

「ゲルダ」を名乗る孤児の少女と「ハンス・アンデルセン」のコードを持つペンのレガリア。
アンデルセンはゲルダに理不尽に抗う「力」を、ゲルダはアンデルセンに物語を書くための「手」を貸すという契約を交わしている。
レガリアのペンはペン先にあるアイソレイトコアの光の軌跡で、どこにでも光の文字が書ける便利な代物。物語には読み手が必要だというアンデルセンの思想のもとに壁などの目につきやすい場所に物語を書き残していくことが多い。
物語の結末を巡ってゲルダとアンデルセンの間でケンカになることがよくある。
  • ゲルダ
スラムで育ったストリートチルドレンの少女。とあるエンフォーサーに拐われた「カイ」という友達を探して旅をしている。
過酷な環境に生まれながらも「幸せ」を信じて前向きに生きる少女で、どんな状況でも諦めることだけは絶対にしない。
文字の読み書きができないため、今はアンデルセンから文字の勉強を受けながら物語を書いている。
  • アンデルセン
サヨナキドリの意匠が施されたペンの形状をしたレガリア。ペンだけじゃ何も書けないので文字はゲルダに書いてもらっている。
厭世家でコミュ障で捻くれ者で童貞。悪口を言うつもりはないのに、吐く言葉全てが悪口っぽく聞こえる。
ゲルダを名乗る少女が歩む苦難の人生を「一冊のメルヘン」として、その結末がどのようなものになるかを見届けたいと考えている。

+ 過去話
これはとある少女の物語だ。
その少女は物心がついたときからずっと1人で貧民街を生きてきた。
この世の片隅でただ1人震えるだけだった少女は、ある日1人の少年と友達になった。
どこかで聞いた童話をもとに、お互いを「ゲルダ」「カイ」という名前で呼び合う2人は
支え合い生きる中で、この過酷な世界にも確かな「幸せ」があることを知った。
だが、この奇跡のような「幸せ」はいとも簡単に終わりを告げる。
少年はエンフォーサーに拐われ、力なき少女はただその様を見ていることしかできなかったのだ。
しかし、友達を失った少女は幸いにも理不尽に抗うための「力」だけは手に入れることができた。
かくして、少女は若干ひねくれ者の「力」を片手に大切な友達を探す旅に出たのだ。

+ After2-7「みにくいアヒルの子」
少女は初めて「仲間」を知った

少女は誰かの「決意」を知った
少女は誰かの「慈愛」を知った

少女は自分の「悪意」を知った
少女は自分の「不安」を知った

その全ては君にとっての宝物であり、こぼれ落ちないように小さな手で大切に抱えなければならない代物だ。
大丈夫、少しずつでいい。少しずつ自分だけの宝物を集めていけば、きっと望む空へと羽ばたける。
君はもう、誰にも見向きもされずに小さく震えるだけのみにくいアヒルの子ではないのだからね。

+ After2-9「マッチ売りの少女」
少女は新たな「出会い」を得た
少女は確かな「繋がり」を得た
少女は大きな「思い出」を得た

それらは、君にとってのマッチの火に他ならない。
消えないように灯し続けなければいけない。

「出会い」を「繋がり」を「思い出」を

絶やせば、幻の隙間からは現実が覗く。
それはきっと君の歩みを止めるものだろう。

まだ、まだ、今は歩みを止めるときではない。

たとえ、君の見る夢が幻だったとしても。
それが足を進める理由になるのならば、
きっと、それはどんな真実よりも価値を持つ。


…最後に1つ。友達ができてよかったね、ゲルダ。

<参加回>
+ 伊沢 修吾
<基本データ>
PC名:伊沢 修吾
PL名:まりも
コード名:坂口安吾
スタイルクラス:サポーター
レイヤークラス:ミスト
ワークス:フリーランス

<ライフパス>
出自:病弱
経験:?
動機:
邂逅:借り(レイカ)
コードフォルダの形態:懐中時計
コードへの感情:憧れ

<自由記述欄>
フリーランスの男性。本人曰く、「しがない脚本家」。主に執筆を生業としているが、このご時世にそれだけでは食っていけず、フリーランスとしての仕事を受けることにしている。
大侵攻を経て失われた文化である演劇および映画に強い思い入れを持っている。脚本家を名乗るのもそれが理由だろう。自分が作品を作るためなら何も惜しむことなく全力でつぎ込む。創作については頑固になりすぎるところもある。しかし本人の作品はどちらかというと小説向きである。
私生活は堕落しきっており、部屋を掃除する暇もないぐらい毎度締め切りに追われている。また貯蓄が下手である。

<参加回>
+ 一条 綾音
<基本データ>
imageプラグインエラー : 画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
(イラストレーター:エイブさん)
PC名:一条 綾音
PL名:ぎるる
コード名:名も無き剣豪
スタイルクラス:ブレイカー
レイヤークラス:アームズ
ワークス:レギオン→クルセイド

<ライフパス>
出自:生存者
経験:戦いの日々
動機:正義
邂逅:宿敵
コードフォルダの形態:武器
コードへの感情:劣等感

<自由記述欄>
 小規模なシェルターで生まれ、貧しい生活を送っていた。それでも周囲の人間と助け合いながら生きていたがベクターの襲撃を受け、自身以外が全て殺されてしまう。自身もまた殺されかけ、重症を負いながらもシェルターの奥深くに逃げ込み、その先で刺さっていた謎の刀でレイヤードに覚醒。(その際、精神に多大な負荷がかかった)襲撃してきたベクターを撃退したものの、このままでは野垂れ死ぬと判断しムサシ・クレイドルへと移動。レギオンに入隊する。
 世界に平和を齎すため、正義のため、涙を笑顔に変えるため、人々の幸福を、希望を未来を輝きを守り抜かんと願う限り戦い続ける事を誓った。

 実はレイヤードに覚醒した時に無理に覚醒した為精神崩壊を起こしている

身長:180cm
体重:(空白)
年齢:16歳

+ “俺”の独白
【“俺”の独白】
月明かりのない夜に“俺”は1人、過去を振り返る──

“俺”という人格が生まれたのは“私”の心が砕け、英雄達の記憶が流れ込んだ時だ。
“私”の心の欠片と英雄の記憶の1つが混ざり合って生まれた人格で当初はまだ自己が薄かったが、ジェイソンと出会い、触れ合う事で自己を確立した……いや、してしまったと言うべきなのかも知れんな……

“俺”は“私”に代わって動いていた。当時はまだ“私”は目覚めていなかったからだ。砕けた心の欠片を少しずつ統合する事で目覚めたが。
それでも目覚めるのに数年は掛かっていたし、何より目覚めても完全に心が統合されてないからか表に出てくるのは限定的だった。

……そうだ、統合されるという事は別れた人格が“私”に取り込まれたという事……いや、元の形に戻るのだからこの説明は違うな……既に“俺”や“僕”を除いて他の人格は全て“私”に統合されている。

“僕”も近いうちに統合されるだろう。“僕”……いいや、他の人格達は“俺”と違って自己を確立していない。故に統合されることには恐怖を抱かない。寧ろ、当たり前の事なのだから恐怖する事がおかしいのだ。

……ああ、そうとも。“俺”は恐怖している。“私”になってしまう事を。“俺”が統合されてしまう事を。だが止める事など出来ない。“私”が無意識に行なっている事なのだから止めようがないのだ。

“俺”が“私”の影響を受け始めているのも、“私”が“俺”に影響を受け始めているのも、統合し始めているからだ。

“私”がジェイソン……いいや、ジェイスに恋心を抱いているのも“俺”の影響を受けているからだ。でなければ碌に関わる事がなかった“私”がジェイスに惹かれる訳がないのだ。ジェイスと初めて会ったのも“俺”なのだから……

“俺”もまた“私”の影響を受け始めている。少しずつだが混ざり合っていくのがわかる。ジェイスの名を上手く呼べないのは本来の“私”が男性の名前を上手く呼べなかったからかも知れない。

統合されたらどうなってしまうのか、所詮は泡沫の夢の様な存在の筈なのに何故元に戻り、消えてしまうかもしれない恐怖に怯えているのか……

……駄目だな……1人で居ると色々と考えてしまう。迷ってはいけないのだ。恐怖を抱え、最期まで正義の刃を振るう事を誓ったではないか、あの日、あの時に…

+ 彼女の正体
彼女の正体
一条綾音に親は居ない、彼女の名前は自分で付けたものである
彼女はエンフォーサーやベクターを殲滅する為、過去の英雄達の遺伝子を使って生まれた試験管ベビーの1人
ただし、生まれた彼女には、致命的な欠陥がある事が判明した
それは寿命である。どう延命しようとも彼女の命は20年経つ事なく終わる
そんな彼女に付けられた名前は【ゼウス-No.0】失敗作である
レイヤードととしての適性はあったものの、有名な英雄達の適性はなく、役立たずとして廃棄された
赤子のまま捨てられた彼女はそのまま死ぬはずだったが、運良くシェルターの人達に拾われた事で生き延びる事ができた


※【ゼウス-No.】とはゼウスの如き正義と秩序を為す為に肖って付けられた番号である。本来はギリシャ文字であるアルファからオメガまでが割り振られるはずだったが、一条綾音は失敗作であるが為、0のNo.つまり、仲間はずれである数字をつけられた

※彼女はこの事実を知らない

<参加回>
+ イルマリ・リントゥネン

(絵、まりも)
<基本データ>
PC名:イルマリ・リントゥネン
PL名:BOSS 
コード名:シモ・ヘイへ
スタイルクラス:ブレイカー
レイヤークラス:リベレーター
ワークス:レギオン

<ライフパス>
出自:兵士
経験:死(プラズマによる仮死状態)
動機:覚醒(目的:世界を知る)
邂逅:古き敵(香住了護)
コードフォルダの形態:アイソレイトコア(左目)
コードへの感情:割り切り

<自由記述欄>
 本人も,シモ=ヘイへとしての記憶を強く受け継いでおり,このことを受け入れていた.長距離からの狙撃を得意とする戦闘スタイルから,人類との戦いだけでなく,裏切りもののエンフォーサーの討伐(暗殺)も受けることがあった.
 あるとき,シモはアールネ・エドヴァルド・ユーティライネンのコードを持つエンフォーサーの指揮する部隊に配属される.コード譲りのその性格から部下によく慕われており,自身の生きる目的を持たず,ただ与えられる任務を消化するだけだったシモもコードの影響からか彼を強く慕うようになる.
 シモはアールネの指揮の下で数多くの戦果を挙げ,数々の奇想天外な作戦を立案するアールネの「最大の理解者」とまで呼ばれるようになる.ただ,そのシモも彼の「鳥のようになりたい」という言葉だけはどうにも理解できなかった.
 それから数年後,大きな事件が起こる.アールネがエンフォーサーから離反したのである.
 アールネの指揮下で戦果を挙げ,彼の立てる作戦行動をある程度予測できるシモがこの討伐部隊長として任命された.
 シモはアールネの動きを予測し追い詰めることに成功する.アールネに対し,再び軍に戻るよう何度も説得を試みるシモであったがアールネはこれに応えず,ついに到着してしまった増援の手によりアールネは抹殺されてしまう.
 その数ヶ月後,シモはアールネの弟のコードであるエイノ・イルマリ・ユーティライネンがレイヤード側にリベレーターとして参加していることを知る.
 エイノはアールネの離反の数年前に行方不明になっていたが,秘密裏にアールネと連絡を取っていた.
 エイノの駆る戦闘機による味方への被害は無視できないほどに膨れ上がっており,これを撃破するためシモは出撃し「1対1の戦闘に持込む」として,単独出撃を試みる.
 エイノがアールネをそそのかさなければアールネは死ななかったと恨みをこめる反面,エンフォーサーにとって絶対であった命令を煩わしがっていたアールネの「鳥のようになりたい」という言葉が引っかかっていた.
 戦いは激しさを極め,終にシモは最後の弾丸でエイノの戦闘機を撃墜する.
そこでエイノはシモに,アールネは自由な生き方を望んでいたこと,「鳥のようになりたい」とはエンフォーサーとしての束縛から解放されたいという言葉だったことを告げて絶命する.
 今まで,シモというコードの力を借りて戦うだけだった自分の生き方に強い疑問を持つも,エンフォーサーである自分は命令には逆らえず戦いを続ける中,あるとき,少数精鋭による背後からの奇襲攻撃を受けて一時的に意識を失う.
 意識を取り戻したとき,戦闘は終わっており,左目のアイソレイトコアの色から,自分はエンフォーサーとしての束縛から解放されたことに気づく.
 そこで初めて,エイノ・イルマリ・ユーティライネンの「イルマリ」,アールネの「鳥のようになりたい」という言葉から「小鳥」の意味を持つ「リントゥネン」を取り,「イルマリ・リントゥネン」を名乗り,自分の求める生き方を探すべくレイヤードと合流する.

<参加回>
+ イレーナ・シャーウッド
<基本データ>
PC名:イレーナ・シャーウッド
PL名:K.*
コード名:ロビンフッド
スタイルクラス:ブレイカー
レイヤークラス:リベレーター
ワークス:フリーランス

<ライフパス>
出自:破壊者
経験:潜入
動機:関心
邂逅:古き敵(神無月 慧)
アイソレイトコア:手の甲
コードへの感情:誇り

<自由記述欄>
主にキャラバンの護衛や、居住区を跨いだ荷物や人運びで生計を立てている、フリーランスの運び屋。曰く、不義理以外は何だって運ぶのだとか。
エンフォーサー時代は、シェルターやヘイブンの重要施設に忍び込み、破壊工作を行っていた。しかし、正体を隠しながらも人間と接しているうちに、人間の作る未来への希望が人類根絶の命令を上回り、リベレーターとなった。
元のコードが義賊のロビンフッドということもあり、こちらのほうが性に合っているらしい。

商売人ではあるが、アウトランドで行き倒れている人間を見つけたら、経由地のシェルターに送り届けるなど、面倒見はいい。
モトヤマシェルターについては、エンフォーサー「ヒポクラテス」が討伐された後に復興を始めたという噂を聞き、興味を持っている。

<参加回>
+ 鵜沢 瑠璃
<基本データ>
PC名:鶉沢 瑠璃
PL名:ますは
コード名:ヴィクトル・ユーゴー
スタイルクラス:サポート
レイヤークラス:シャドウ
ワークス:レギオン

<ライフパス>
出自:レイヤード
経験:戦いの日々
動機:ビジネス
邂逅:戦友/信頼
コードフォルダの形態:アクセサリ
コードへの感情:同情

<自由記述欄>
歌は好き。ユーゴーの作品は教養としてもだしもっと力を上手く使えるようになっていったりしないかなという気持ちで読んでいきたいと思っている。
親がレギオン所属だったからなんとなく。直接敵を倒すような力は無いけどサポーターとしてしっかり働けるように勉強中。
スカートなのは自分が動くと効果が切れるので基本動かないという意思。自衛手段も一応はあるが引かないという気持ちで。自身にそうあれと言い聞かす意味も込めて。レイヤード/戦いの日々/ビジネス的に多分親は死んじゃって下の家族のために稼ぐって始めたのがきっかけだったんじゃないかなって思います。
+ エスポワール
<基本データ>
PC名:エスポワール
PL名:OziTaso
コード名:パンドラ
スタイルクラス:サポーター
レイヤークラス:レガリア
ワークス:フリーランス

<ライフパス>
出自:突撃兵
経験:長き眠り
動機:愛
邂逅:秘密
コードフォルダの形態:体内(コックピット、アイソレイトコア)
コードへの感情:割り切り

<自由記述欄>
 ベクターにより鹵獲・改造され、エンフォーサー用に運用していたヴィークル:ギガナイト 突撃C型が“人類滅亡”の命令から開放され、『パンドラ』……というより彼女が開けた『パンドラの箱』のコードに適合したレガリア。
 中には宿主である男性とネコが搭乗している。1機と1人と1匹でエスポワール。
 レイヤードとなってからは宿主に非武装に改造してもらい、他の人々やレイヤードの手助けをしている。大事な家族である宿主とネコを守ることが最大の目的。


 宿主はヴィークルに搭載されたコンテナハウスに引きこもって外に出ず、ヴィークルに内蔵されたマイクとスピーカーを使い、外とコミュニケーションを取る。
 レガリアは基本的に喋らない。一応、操縦席にはレガリアの声が聞こえているらしいので、意思はあるようだ。
 物品の取引時はネコが宿主の代わりにヴィークルから出てくる。躾けられているのか、頭がいい。
 ヴィークルの中はパンドラの箱らしく災厄が詰まっているようで、中を覗こうとすると1機と1人と1匹は全力で抵抗する。
なので、引きこもりの宿主の顔や、コックピットやコンテナの内装を見たことがある人物はとても少ない。

 ついでに、レガリアに最初に遭遇したのは宿主の男性ではなくネコ。
「パンドラの箱の中に残ったエルピス(希望)とは……もふもふのネコだったのだ。
……まぁ、開けて飛び出す災厄も暴れん坊の野良猫だったんだが。」

+ パンドラの箱を開ける
にゃあ!
<基本データ>
PC名:エスポワール
PL名:OziTaso
コード名:エルヴィン・シュレディンガー(猫)(ジェネレイトルールにより作成)
スタイルクラス:サポーター
レイヤークラス:インテレクト
ワークス:フリーランス→レギオン

<ライフパス>
出自:サバイバリスト
経験:放浪生活
動機:ビジネス
邂逅:秘密
コードフォルダの形態:アクセサリ
コードへの感情:同情

<自由記述欄>
 正体は『エルヴィン・シュレディンガー』……というより彼が行った思考実験『シュレディンガーの猫』のコードに適合したインテレクトのレイヤード。
 本体はヴィークルに搭乗していたネコのほうで、宿主の発話した際の声はネコが発したもの。
 つまり宿主もレガリアもいない。1機と1人と1匹でエスポワールなのではなく、エスポワールは1匹なのだ。
 1匹3役で、普段無害なネコを装ってにゃあにゃあ鳴いてることを見るにかなりの演技派である。

 ギガナイト 突撃C型は戦場にほぼ無傷で乗り捨てられていたもので、元々住処にしていた。
 レイヤードとなった後、生身は戦場へ赴くには心許ないと思い、住処のギガナイト 突撃C型を自力でメンテナンスし、運用し始めた。
 自身をレガリアだと偽る理由は、そうすれば攻撃が自身よりヴィークルに向き、ピンチでも最悪乗り捨てて逃げられるため。
 今ではヴィークルに情が湧いてしまい、乗り捨てることはそうそうしなくなっている。
 コードフォルダは小さな箱のような形のもので、首輪に着けている。

 超巨大ベクター討伐任務(第2章第5話)の最中、ギガナイト 突撃C型は爆発四散。住処を失くした彼は、討伐任務で知り合った神縄 禅丸の自宅へ押しかけた。
 以後、居候 兼 ペットとして現在も彼の家に住み続け、他人に迷惑をなるべくかけずそれでいて自分がちやほやされる未来のため、精進を続けている……とかなんとか。

「にゃはは!猫被ったネコが箱まで被ってるのに、本当の姿が易々と見えるわけにゃいだろ!」

<参加回>
+ エルール
<基本データ>
PC名:エルール
PL名:貴美
コード名:クレオパトラ
スタイルクラス:チェッカー
レイヤークラス:インテレクト
ワークス:レギオン

<ライフパス>
出自:レイヤード
経験:過去の探求
動機:継承
邂逅:トラウマ
コードフォルダの形態:アクセサリ
コードへの感情:憧れ

<自由記述欄>
元はただの飼い猫だったが、ある日飼い主の坂元優子がコードフォルダ(腕輪)を残して行方不明に。
優子のコード《クレオパトラ》に適合したエルールは、優子の意志を継いで、高い交渉力と豊富な知識でセラピストをしている。
ちなみに「エルール」とはモンゴル語で「健康」という意味。

※エルールさんの秘密(?)
散々「モフモフは嫌じゃああぁぁぁ!!」と言ってはいるが、アレはあの某外科医の可愛がり方が激しすぎるからであり、優しくなでなでモフモフしてくれる人はむしろ好き。ゴロゴロ言いながらお膝でウトウトする。
偉そうなことを言ってはいても、飼い猫としての本能には抗えないのである。

※エルールさんの秘密その2(?)
猫じゃらしは好きだが捕まえるのは苦手。敏捷1は伊達ではない(??)

<参加回>
+ 大海原 ラメル
<基本データ>
PC名:大海原 ラメル
PL名:とふおじ
コード名:人魚姫
スタイルクラス:サポーター
レイヤークラス:ミスト
ワークス:フリーランス

<ライフパス>
出自:高貴な血筋
経験:死
動機:絶望
邂逅:トラウマ
コードフォルダの形態:自身
コードへの感情:劣等感

<自由記述欄>
おとなしい性格。淡々としているがそれは生前からの癖であり、実際はいろんな人と仲良くなりたいし力になりたい。

「私の力があなたたちに恩恵を与えるというのなら、私はこの身を削ってでもあなたたちを手助けするわ」
「不思議な身体になってしまったのね、私は」

大侵攻前の世界で有名な富豪大海原家の1人娘。水族館を経営していた。

大侵攻により一家は全滅、ラメルも例外ではなかった。

のだが、気づけば浜辺に倒れていた。そして自らが液体になること、レイヤードであることを知る。

今も、家族も友人もいない世界でひとり孤独を抱えて生きている。

死亡条件は「本当に、誰からも必要とされていないことを知り、自分の存在意義がわからなくなったと強く認知したとき。」

<参加回>

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最終更新:2022年11月11日 17:43