シャリテ・リアンは、人形を連れた大狼の姿をした投影体で、元人間である。
ある日突然、このアトラタン大陸に召喚されたシャリテは、
自身を召喚した魔法師によって『大狼の身体』と、『本来の自身の姿を模し、自分の思念を表現する人形』を与えられた。
(と思っていたが、その後人形には自我が芽生えるので、実際とは違う。)
用意された依り代が巨躯なタイリクオオカミである理由は、
魔法師は機動力の高い動物(ここではタイリクオオカミ)を依り代に異世界の人間を投影する実験のはずが、特殊な術式だったために偶然意図せず巨躯で投影されてしまったため。
召喚後間もなく行方をくらました、自身を召喚した魔法師を探している。
エーラムに来た理由のひとつも、自身を召喚した魔法師探しである。
(魔法師は既に死亡しており、シャリテはそれを知らずに探し続けている。)
魔法師を見つけた場合、魔法師に「人間の身体に戻して欲しい(元の身体でこの世界で暮らしたい)」と願う。
願いの理由は、「大狼の姿であるせいで、普通の女子らしく周囲と交流できなかったから」。
この願いが強すぎて、普通の女子然としようとするあまり無理していることもある。
大狼であっても、自分をひとりの女子として認めてくれる存在が現れれば、彼女は人間の身体に戻る必要は必ずしもあるわけではないと考えるだろう。
普段は人形でロシェルと名乗り、「大狼シャリテを連れた、ロシェルという少女」を演じている。
正体を知っている者は、養父メルキューレ・リアンなどのごく一部のみである。
メルキューレは、シャリテの魔法の素質だけでなく、
その自身の技術(義体)とはまた異なる技術で編まれた人形に興味を示し、シャリテを養子として引き取った。
人形を操る際は、思考内で念じるだけで充分だが、五感は大狼(本体)のものしか認識できないため、人形の目には見えていても大狼(本体)の目に見えない位置にあるものや、人形の触覚などは基本的には認識できない。
なので、大体の場合は人形と大狼はべったり寄り添うほど近くにいる。
大狼を疑似的な睡眠状態にすることで、人形の遠隔操作が可能。
射程は半径1km程度で、大狼の視野外に人形が移動する場合などに用いる。
また、人形の五感の内視覚・聴覚・触覚を感じることができるようになる。
(信念/趣味趣向:味覚がおかしいは、この状態でも人形では味覚は感じることができないため。)
戦闘時には、逆に人形とのリンクを切断することでより集中できるようになり、大狼としての運動能力や思考能力が向上する。
デメリットとしては、遠隔操作中本体は無防備になってしまうことや、射程範囲外に出てしまうとリンクが不安定になってしまうことがある。
また、魔法を使う際の副作用で、人形の制御が一時的に不安定になることもある。
性格は強気で、「自らの人生/道は自身で切り拓く」と云う思想を持っている。
ロシェルより身長が小さいだけでなく、気も弱い様な同年代男子にはかなり当たりが強い。
しっかりした性格だとしても、男子というだけで初対面では警戒して接する。
もちろん、信頼した相手なら男子に対してでも友好的な態度で接する。
男子への態度が辛辣な反面、女子に対しては無条件で明るく友好的に接する。
同級生女子の誰かから話しかけられるだけでとても喜ぶ。
魔法都市エーラムに来るまで、同性とまともな友好関係を築けた試しがなく、周囲が自身の大狼の姿に怯えて忌避していたらしい。
本来は、身振り手振りが多く、表情も豊か。
強気で、オシャレや恋バナなんかに興味がある、ませた普通の女子。
当然だがロシェルより、シャリテ自身に親切にしたほうが友人としての信頼は得やすい。
裏を返せば、ただの動物だと思って、シャリテへの誹謗中傷を行うと一瞬で信頼を失うということ。
ロシェルが着ている衣服は、魔法学園の制服を改造したものですらない私服だが、本人は「理由があるから大丈夫!」と云う。
理由は、シャリテ自身が制服を着るべきなのだが、着れないため。
正装がどうしても必要な場面では、ロシェルに一応制服を着させる。
宗教を「自力で解決することを放棄した、他人任せな行為」と嫌っている。
売られたケンカは、例え相手が成人男性だろうと買い、大抵は取っ組み合いになる。
ロシェルは人工物故か妙に頑丈で、素手でのケンカは驚くほど強い。
痛覚も感じないので、どんな攻撃を受けても衝撃で吹っ飛んだり動きを止められない限り、怯むことなく対象に向かって突っ走っていく。
投影前に柔道を嗜んでいたので、投げ技寝技を多用し、動きにも無駄が少ない。
彼女と口論をするなら、逃げ足は鍛えておいたほうがいいかもしれない。
趣味は創作童話を書くこと。想像力豊か故か才能があるらしく、
将来は魔法師と童話作家を兼業したいらしい。
ジュードのいる出張購買部に創作童話を展示、販売の委託をしており、作家名として「アネルカ・ボワ・ロマンシエ」と名乗っている。
他にも、前述の通りオシャレも好きだったり、毎朝の軽い筋トレと称した操作練習は日課で、一応趣味の範疇ではある。
好物は動物全般。料理で言うと、グラタンや一般的な肉料理全般。
しかし人の飲食物はオオカミの姿でも食べることはできないし、
人形も味覚がないため、料理を楽しむことはできない。
嫌物は強烈な刺激臭や唐突な大音量などの五感に強い刺激を与える物、小さい爬虫類。
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