開催日時:2020年12月27日(日) 10時〜18時
開催形式:オンライン/ボイス(Discord+ココフォリア)
GM:Y武
プレイヤー:4名(ラガドーン新入生優先)

レギュレーション
  • キャラメイク: 公式サイト に掲載されたサンプルPCから選択
  • 国ルール:使用せず
  • マスコン:PCは全員「カウント不要のレベル1の部隊」を所持
  • 参加方法:こちらの Google Forms から投稿
※グランクレストRPGのことを知らない方は、上記の公式サイトの一番下にある「コアルール」の中の 第四章:ワールドセクション を御参照下さい。
+ 地図
+ クラス/スタイル概要

今回予告
 バルレア半島の南西部に位置するアストロフィ子爵領の港町コッペルにて、ここ最近、沖の方面から謎の音楽が聞こえてくるという船乗り達の証言が相次いでいる。今のところ、特に実害はないようだが、明らかに何らかの混沌の作用である可能性が高いため、気味悪がっている者達は多い。そんな中、アストロフィの国主ヨハネスが海外渡航のためにこの町に来訪するという知らせが届く。果たして、無事にヨハネスをこの町の港から出航させることは出来るのであろうか?

2020年末連続単発セッション「港町コンチェルト」第2話
「北のソナタ」

混沌を収め、聖印に至れ!

個別ハンドアウト
 プレイヤー希望の人は、以下のPC①〜④の設定の中から一つを選んで、その設定に基づいてPC(プレイヤーキャラクター)を作ってもらいます。色々と専門用語が多くて分かりにくいとは思いますが、ざっくり言えば、以下の通りです。
  • PC①:港町の領主
  • PC②:港町の文官
  • PC③:港町の武官
  • PC④:異世界から来た何か

PC① 推奨クラス:君主(ロード)
 キミは、港町コッペルの領主である。爵位は騎士。キミの母は、(魔法や邪紋に頼ることを快く思わない「聖印教会」の影響力が強い)隣国のユーミル男爵領出身であり、その縁で、最近は母方の親戚であるレオノール率いる「星屑十字軍」が、混沌討伐のために来訪することがある。
因縁:レオノール・ロメオ(パニッシャー/男性/12歳) 推奨感情 メイン:任意/サブ:可能性
 混沌の力に頼らずに混沌災害と戦うことを旨とする聖印教会内の新興勢力「星屑十字軍」を率いる少年。「政治権力は求めない」「人と人の争いには手を貸さない」「混沌災害に苦しむ人々を救うためだけに聖印を使う」という方針を掲げ、各地で混沌災害を鎮める旅を続けている。
+ レオノール

PC② 推奨クラス:魔法師(メイジ)
 キミは、この世界を統括するエーラム魔法師協会の一員であり、現在はPC①の契約魔法師を務めている。今回の謎の怪異に対してはエーラムからも調査団が派遣されることになり、その護衛として、キミの旧知の人物である自由騎士アストライアも同行することになったらしい。
因縁:アストライア11世(パラディン/性別年齢不詳) 推奨感情 メイン:信頼/サブ:任意
 エーラム魔法師協会と協力関係にある自由騎士団「ヴァーミリオン騎士団」の11代目騎士団長(「アストライア」は襲名制)。極東出身の謎多き人物だが、基本的には温厚で物腰柔らかな性格。魔法学生が研修などで各地に派遣される際に随行することが多く、エーラムでも顔が広い。
+ アストライア

PC③ 推奨クラス:邪紋使い(アーティスト)
 キミは、PC①の部下としてコッペル近辺の治安維持を担当する傭兵隊長である。もともとアストロフィは傭兵主体の国家であるため、実質的には正規の将軍に近い立場と言える。そんなキミの元に、かつて共闘したことのある傭兵団「暁の牙」のタウロスから手紙が届くことになる。
因縁:“暴牛の”タウロス(マローダー/男性/17歳) 推奨感情 メイン:任意/サブ:連帯感
 傭兵団「暁の牙」の一分隊「鋼球走破隊」の隊長。異界の投影体との混血児であり、頭の角はその名残だが、聖印を身体に宿せる程度には、混沌の影響は殆ど引き継いでいないらしい。モーニングスターを振り回しながら敵陣に特攻して全てを破壊し尽くす狂戦士として知られる。
+ タウロス

PC④ 推奨クラス:投影体(プロジェクション)
 キミは、アストロフィ子爵ヨハネス直属の軍人であり、国内各地における査察調査を担当しており、現在はコッペルに駐在中である。投影体であるキミがこのような特殊な立場にいるのは、キミがヨハネスに気に入られて「アストロフィ子爵の友人」として扱われているからである。
因縁:ヨハネス(ルーラー/男性/9歳) 推奨感情 メイン:庇護/サブ:任意
 アストロフィ子爵領の現国主。国主の証である子爵家に伝わる聖印は継承しているものの、まだ幼く、実質的な政治的実権は側近の女傭兵フラメアが掌握している。純真な性格で、偶然この世界に投影された「異世界人」であるキミのことをなぜか気に入り、全面的に信用している。
+ ヨハネス

当日の参加PC

PC①:ヤン・マウリツィ・ハウケ 15歳 男性 マローダー
PC②:ジェニー・メレテス 18歳 女性 サモナー
PC③:セダカ・ウィリアムズ 21歳 男性 アームズ
PC④:オスカー ?歳 男性 妖精(ケット・シー)

セッションの概要

 アトラタン北端の地であるノルドの一部には、エーラム魔法師協会とは別系統の魔法を用いる自然魔法師の集団が存在する。彼等は混沌災害の発生周期の解析や、独特の楽器を用いた音楽の力による混沌抑制などといった特殊な魔術の継承者であった。
 そんな彼等が先日、アストロフィ近海で巨大な混沌災害が発生する可能性に気付く。しかし、アストロフィはノルドと敵対する幻想詩連合所属であるため、直接交渉するのが難しく、また彼等は(闇魔法師扱いはされていないものの)エーラムに対して不信感を抱いていたため、魔法師協会に協力を求めることにも消極的であった。それでも混沌災害を鎮めたいと考えた彼等は、暗黒大陸の港町カルタキアの領主ソフィアに協力を依頼する。ノルドから遥か遠くに離れた地に住む彼女との間にどのような縁があったのかは不明だが、彼女はその申し出を快諾した。
 ソフィアはノルドまで赴いた上で、自身の特殊な聖印の力を用いて「混沌災害が発生しそうな海域」に結界を設置し、「その結界の内側」と「ノルドの一角」の音の波動のみを(「瞬換の印」を応用した特殊技法で)入れ替えることで、自然魔法師達が奏でる「混沌を鎮める力を持つ音楽」をその領域内に響かせることに成功する。自然魔法師達の目算によれば、その混沌災害が発生しそうな期間をこの音楽による抑制力によって押さえ込めば、発生は阻止出来るらしい。
 だが、その目論見は想定外の形で打ち砕かれることになった。ノルドの対岸に位置するバルレア半島北岸のウィステリアを拠点とする冒険者集団が、魔境出現の気配を察知して、「暁の牙」所属の傭兵君主タウロスを雇った上で、その海域の探検に乗り出したのである。バルレアの民にとって「魔境」とは、危険であると同時に「有益な投影装備を拾える可能性のある空間」でもあり、彼等はこの機に「お宝」獲得を目指して船でその海域へと向かうことになった。
 やがて彼等はその海域に辿り着くと、ソフィアの作った結界の存在に気付いた上で、タウロスがその結界を粉砕した結果、その反動から周囲に次々と投影体が出現することになる。タウロスの活躍によってそれらは全て撃退・浄化されたものの、気付いた時には彼の依頼主達は海の藻屑となっていた。そんな彼に対して、ソフィアは自らの映像と音声をその空間へと送って事情を説明すると、タウロスは状況を理解した上で、生き残った船員達と共にその海域に留まり、半壊した結界の近辺で頻出する混沌災害の浄化に協力することになった。
 その後、結界が半壊したことで周辺の海域に音楽が漏れ出ることになった結果、「海で何らかの混沌の作用が発生している」という噂は最寄りの港町であるコッペルの領主ヤンの耳にも届くことになる。また、このタイミングで彼の遠戚にあたる聖印教会の君主レオノールもまた(彼が率いる星屑十字軍の中にいたノルド出身の仲間が、現地の魔法師達の語っていた上述の混沌災害の伝承を聞いていたため)混沌浄化のための協力を申し出るために、コッペルを訪問していた。
 一方、ヤンの契約魔法師であるジェニーは、魔法杖通信を通じて、アストライアを擁する調査隊がその海域へと向かおうとしているという話を聞かされる。アストライア達は、「ウィステリアでの実地研修を終えた魔法学校の学生達を乗せた船」がその海域で消息を絶った(しかし、ロケートオブジェクトが示す結果によれば、彼等はまだその海域にいる)ということで、おそらくその海域に魔境が発生しているのだろうという推測の下で、彼等の救出に向かうことになったらしい。その上でアストライアは「出来れば彼等を救出するまで、魔境は浄化しないでほしい」とジェニーに要請する。
 そんな中、アストロフィ子爵ヨハネスがお忍びで(後見人であるフラメアの「侍女」に偽装する形で)コッペルの港からアロンヌへと向かうという旨が伝えられ、ヤン達としては、その前に海の平穏を確保する必要に迫られることになる。また、町の武官であるセダカも(事前にタウロスからの「コッペル近海の混沌の危険性」を知らせる手紙を受け取っていた上に)海から聞こえてくる音楽が更に大きくなっていること気付き、早急な解決の必要性を上申していた。
 ただ、アストライア経由で聞いたエーラム側の憶測によると、あの海域に出現する魔境を浄化するには子爵級以上の聖印が必要であり、そのためにはヨハネスかレオノールの協力が必要になる。しかし、ヨハネスの後見人であるフラメアは彼を前線に出すことに反対し、レオノールが参加すると魔法学校の学生の命よりも混沌の浄化を優先されるかもしれない、という危惧もあったため、ひとまずレオノールの元にはヤンが、ヨハネスおよびフラメアの元には(ヨハネスの友人兼コッペル駐在の査察官である)オスカーが出向いた上で、「ひとまず自分達が調査に向かうので、浄化についてはしばらく待ってほしい」と告げ、両者から同意を得ることに成功する。
 こうして、ヤン達はその「音楽が聞こえる海域」へと向かうと、そこで「パンドラ(闇魔法師組織)を名乗った仮面の男率いる海賊船」が、アストライアを擁するエーラム船団と戦闘状態となっている状況に直面する。しかし、セダカはすぐにその仮面の男の正体がタウロスであることを見破り、そして「この海域に誰も近付かせないようにするためにパンドラを装っている」という彼の意図まで察した彼は、ジェニーの魔法杖通信を通じてエーラム船側に一旦退かせた上で、両者の間に入って仲介を試みようとする。
 すると、彼等の前にソフィア(の映像と声)が現れた上で、これ以上の不毛な衝突を避けるために、やむなくヤン達に対して「ここまでの事情(この海域に誰も近付かせたくなかった理由)」を説明する。そして、アストライア達が探していた「魔法学校の学生達」については、混沌災害で乗船が沈み、海に投げ出されていたところをタウロスによって助けられ、彼等の船によって保護されていたことが判明したため、彼等からアストライア達に引き渡されることになった。
 こうして互いの誤解と不信感を解消した彼等に対して、ソフィアは「これだけの君主がいれば、混沌核の収束過程を制御することで、混沌を分割浄化出来るかもしれない」と告げ、ヤン達の同意を得た上で、彼女は(普通の君主とは異なる謎の技術で)その領域における「時の流れ」を加速化することで、あえて混沌の収束を促すと、その場に「異界の巨大な雀蜂の巣」が出現する。
 その「巣」から飛び出てくる無数の雀蜂達をタウロスやエーラムの魔法師達が次々と迎撃する中、ヤン達は「本隊」である女王蜂率いる精鋭部隊の襲撃を受けるが、ジェニーの捨て身の奮戦の甲斐もあって、どうにか女王蜂達を撃退し、その間にアストライアが「巣」を浄化したことで、どうにかコッペル近海で発生しようとしていた混沌災害を事前に防ぐことに成功する。
 ソフィアはその状況を確認した上で姿を消し、目的を果たしたアストライア達はエーラムへと帰還し、タウロスもまた事態にケリをつけたことを確認した上で何処かへと去っていく。そしてヤン達はコッペルへと寄港した上で、ヨハネスとフラメアの出港を見送り、事態が収束したことをヤンから告げられたレオノールもまたコッペルを後にした上で、やがて暗黒大陸へと向かうことになる。そして一年後にはカルタキアの地にて、レオノールソフィアタウロスアストライアといった面々と出会うことになるのだが、それはまた 別の物語 である。

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最終更新:2020年12月29日 00:10