14年度 後期卓 エリュシオン

GM:助動詞にいてんろく


第1話


日曜

ルインズブレイドの少年、神喰アリカはお気に入りの場所、屋上にいた。
今日は天気も良く、屋上にはハンモックを貸し出す「昼寝屋」なるものもいる。
こんな連中が存在し、それが商売として成り立つのも、ここが久遠ヶ原であるからこそだろう。

そこに、借りたハンモックに揺られ眠るアリカの肩をたたく人物が。
アリカが目を覚ますと、目の前には見知らぬ少女。
少女は唐突に赤い宝石がはめ込まれたペンダントを見せてアリカに聞く。
「あなた、これについて、なにか、知らない?」
少女の話を聞く限り、少女は記憶を失っており、気付いたらここにいたという。
目を覚ました時、身につけていたペンダントの宝石からは強いアウルの力を感じたので、
これについて調べれば、自分の正体が分かるかもしれないと思ったらしい。

アリカがペンダントについて何も知らないと知ると、少女はその場を立ち去ってしまう。


月曜朝~授業

授業開始前の早田アイのクラス、朝から(朝まで?)研究室にこもっていたアイはパンをくわえて教室に駆け込む。
HRが始まり先生が口を開く。
「今日は転入生を紹介する。フランスから来た留学生のルノ・フィレードさんだ。
 他国との交流もきっと君たちにとってプラスになることと思う。」
そうして教室に現れたのは(アイは知らないが)昨日、屋上でアリカと会った少女に瓜二つの少女。

その頃、引きこもりニート天使ことアプリコットの部屋には、報道委員長、柚原風月が訪ねていた。
柚原は最近学園内で活動していると噂の世界征服同好会について、アプリコットに調べてもらおうと思っていたのだが、
アプリコットの好きな酒を報酬に出したり、八方手を尽くして説得しても、引きこもり生活をエンジョイする
アプリコットを動かすには足らず、ついには諦めて部屋を後にすることとなったのである。

授業が始まり、アプリコットは(ネット経由で部屋から出ずに)魔力開発の授業を、他4人は生存訓練の授業を受け、
皆それぞれに撃退士としての力量を高めていく。


月曜放課後

昼休み、先生がアイを引き留めて、今日の放課後にルノさんに学園を案内してくれないかと頼む。
一刻も早く研究室に戻りたいアイだったが、案内する場所は研究室でも良いからということで、何とか承諾する。

ルノを引き連れて研究室に戻ると研究室の先輩である柚原の姿が。
柚原は彼女らにコーヒーを出してくれるが、柚原の傍らには沸騰する水の入ったビーカーが。
「柚原さんはそんなぞんざいなことをする人だったっけ?」と思うアイに、柚原曰く
「朝から面倒臭いのに関わって疲れていると、行動は雑になるもんだよ。」とのこと。
そんな会話をしつつ、柚原は今朝アプリコットに頼み損ねた世界征服同好会の一件をアイに頼むことを思い立つ。
ついでに、(出来る訳ないと思いつつも)「あの引きこもりを部屋から引っ張り出してこれたら、
研究施設の充実ぐらいは学園に掛け合ってあげてもいいよ。」とのこと。
柚原とアイが話している間、研究室を眺めていたルノはふと窓の外に、自分と同じ顔の人影(日曜にアリカが会った少女)を見つける。
「すいません、ちょっと用事が出来たので、今日のところは失礼します。案内ありがとうございました。」
そう言って、ルノは研究室の外に駆け出して行った。

時間を少し戻して、昼休み。
不良少年、伊庭燕は幼馴染で風紀委員の安城緋沙から、恋愛委員の小林渚は委員会の先輩の高良香織から、恋愛委員会室に呼び出される。
コロッケをつまみながら待っていた高良と燕を引き連れて委員会室にやってきた緋沙の2人が話すことには、
学園側からの依頼の斡旋という形で、燕と渚に頼みたいことがあるらしい。
曰く、緋沙のクラスメイトであるルノ・フィレードという生徒は、しばらく前に悪魔の襲撃に巻き込まれて亡くなった生徒、
実観アリスさんと瓜二つであり、彼女らの間の関係について調べてくれないか、とのこと。
彼ら2人は(燕は嫌々ながらも)これを承諾する。

なお、恋愛委員会室での会話は、スクールアイドルでもあるアプリコットが、盗撮・盗聴し、実況をくわえて
番組として流すという暴挙をしていたのだが、それはまた別の話。
柚原さんが頭を抱えていたのも別の話。

スクールアイドルって何だっけ?

一方、アリカはいつものように出向いた屋上で、偶然日曜日に出会った少女が、あの後廃墟に向かったということを知る。


月曜真夜中

全員、睡眠をとっただけです。割愛。


火曜朝~授業

火曜日の朝、登校中のアリカはまたしても、日曜日の少女を見かける。
少女の記憶の手がかりはまだ何一つ掴めていないことを話し、少女は立ち去ってしまう。

授業中、他の皆が授業を受ける中、燕は購買に出向いていた。
購買を見て回る燕に、偶然居合わせた香織が声をかけてくる。
「よっ、昨日の緋沙ちゃんの彼氏じゃん。授業サボってこんなところでどーしたよ?」
彼氏というところを否定する燕に、香織は燕の友人であるアリカがルノらしき少女と一緒にいるところを見たという人が
いるという情報を伝える。


火曜放課後

火曜放課後、アプリコットとアイは共謀し、柚原に依頼された世界征服同好会の一件を調べだす。
その方法はSNSを使って関係者を煽って釣り出すというもの。
(向こうの性格もあって)SNS上で、妙に世界征服同好会に詳しいMcYと名乗る人物に接触する。

同じころ、燕の元に緋沙が訪ねてくる。
(実は、先程から盛大に勘違いをしている恋愛委員の香織が燕に聞くよう緋沙に仕向けたのだが)
緋沙は燕と現在の調査状況について情報交換をして去っていく。
その後、燕は緋沙から依頼された実観アリスについての調査を行い、「実観アリスは悪魔の襲撃によってビルの崩落に
巻き込まれ死亡したことになっているが、その確認は取れていない。」「実観アリスは生前、素性の怪しい人物との
接触が多かった」などの情報を得る。
ちなみに同じく調査に向かった渚は、気合を空回りさせた結果、アウルの暴走でダメージを受けていた。


火曜真夜中

皆が寝静まったころ、アイは研究室に向かう。そこには、柚原の姿が。
柚原は、昼間のアイとアプリコットの行動について苦言を呈す。
曰く、あんなことしたら向こうからも情報筒抜けだぞ、気を付けろとのこと。
彼は、何だかんだアイやアプリコットのことは心配しているようである。

ちなみに、柚原は防具強化加工の実験を提案してきたが、アイは拒否している。


水曜朝~授業

水曜の授業、昨日までの共通科目と違い、今日は専門科目の授業。
皆それぞれ授業に出るが、専門科目の難しさゆえか、理解しきれない者も多いようである。


水曜放課後

授業後、アイとルノは先生から、地下の物置に置いてある資料を持って来て欲しいと頼まれる。
その途中、地下にあるアプリコットの部屋の前を通ろうとしたとき、前から歩いてきた男がすれ違いざまに
ルノに攻撃を仕掛ける。
男は世界征服同好会に所属する御神楽優作という少年。
(この時点ではアイは知らないが)同好会を脱退したルノを連れ戻すため(あと、ついでにアイとアプリコットへの
個人的な怒り)、2人を襲撃しに来たのである。

騒ぎを聞いて駆けつけたアリカ、燕、渚と、戦闘によって部屋のドアを破壊されて巻き込まれたアプリコットも加わり、
5人は御神楽の撃退に成功する。


after

さて、何が何やら分からないまま御神楽の襲撃を受けたPCたちだが、彼らには後日説明の場が設けられる。
以降はその場で御神楽とルノ(アリス)の供述を元に柚原が語った内容である。

まず、もともと、実観アリスと御神楽優作はP9Pと呼ばれる世界征服同好会の一組織に所属するメンバーだった。
当時のアリスはクローンによる人造撃退士の育成を研究していたという。
だが、アリスは世界征服同好会から離反(その理由は取り調べでも語られなかったが、)
実観アリスは悪魔の襲撃によって死亡したと装い、フランスからの留学生として、ルノを名乗って改めて学園に転入した。

実観アリス離反後、御神楽優作ほかP9Pメンバーはアリスの研究成果をもとにアリスのクローンによる
人造撃退士の作成に成功する。 
しかし、ある時、そのクローンは脱走してしまった。
彼女が恐らく、アリカが日曜に出会った少女だろう。
ただし、何故クローンに脱走されたのか、何故クローンが記憶を失っていたのかについては、
御神楽にとっても謎であるらしい。

また、その際に、クローンが貴重なアイテムを持ち出していたこともあり、
御神楽はクローンとアイテムを奪回し、ルノも連れ戻すという任を受けることになる。

以上が今回の事件についての御神楽とルノの供述である。

また、柚原曰く2人の今後については、ルノに関しては、プロフィールの詐称の件もあるし、お咎めなしとはいかないだろうが
世界征服同好会からは既に脱退し、取り調べにも協力的なため、何らかのそれほど重くない処分が下されるだろうとのこと。
御神楽の処分に関しては、通常の学園内の犯罪者に準じた処分と思われる。

「ただ、クローンの少女の行方は未だ知れないし、その少女に関しては謎も残る。
 そうでなくても、世界征服同好会の他メンバーが報復に動くことがあるかもしれない。
 各自、十分に気を付けて学園生活を送ること。
 あ、部屋に引きこもっていろという意味じゃないぞ!アプリコット。」

そう言って、柚原はこの場を締めくくった。



GMコメント

14年度後期エリュシオン第1話お疲れ様でしたー
個性的なPCたちに随分振り回された気がしますー
かなり謎の残る、というか謎のまま最終戦に突入してしまった第1話ですが、
そこら辺の情報は次回以降も関わってくると思いますー

あと、今回は長々とセッションまとめを書きましたが、
次回からはもうちょっと短くまとめたいと思います。

ともあれ、後期卓エリュシオンよろしくお願いします。

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最終更新:2014年10月18日 00:13