GM:助動詞にいてんろく
第2話
日曜 ~それぞれの日曜日~
恋愛委員、高良香織は自室で1人思った。
「恋愛が足りてねえ…」
「先週は伊庭くんと緋沙がちょっと会話しただけじゃないかっ!そんなことでいいのか、恋愛委員!」
「いや、そんなんでいい訳がない!今週はラブコメするぞっ!」
そうして彼は携帯を取り出し、後輩の小林渚にメールを送る。
月曜の夜になって、渚のもとには「今週はラブコメするぞっ!」という謎のメールが送られてくるのだが、それは特にどうでもいい話である。
一方、報道委員長、柚原風月は日曜日だというのに仕事に追われていた。
実観アリスの処遇手続き、戦闘によって壊れた施設の修繕依頼…
そんな柚原のもとに1枚の書類が届く。
「ああ、施設修復の見積書か… これはまた派手に壊したな…」
風紀委員、安城緋沙はPC各氏にメールを送る。
内容は先週の事件の顛末を伝えるもの(第1話after参照)。
曰く、御神楽はともかく実観アリスについてはそう遠くないうちに学園生徒として復帰できるかもしれないとのこと。
また、学園警察の拘置所で御神楽優作は語ったという。
「ククク…俺はP9P四天王の中でも最弱。俺を倒した程度で勝った気になるなよ…」
これもまた特にどうでもいい話である。
月曜朝~授業 ~柚原「もうあいつ面倒臭い」~
月曜授業前、前回の戦闘で破壊されたアプリコットの部屋を訪ねてくるのは柚原報道委員長。
だが、柚原が部屋を見渡しても、アプリコットは見当たらない。
そして部屋には不自然に膨らんだ布団が…
柚原は声をかけてみるも、布団の中にはクッションが詰まっているのみ。
面倒臭くなった柚原は要件を書き置きに残し、部屋を立ち去っていった。
柚原が立ち去った後、シャワールームに別の布団を持ち込んで引きこもっていたアプリコットは書き置きを一瞥する。
「この部屋はしばらく修理工事のために立ち入りできなくなる。一応君も学園の生徒だし、代わりの部屋は探しておく。地下だということとネット環境以外に何か注文はあるか?」
アプリコットはセキュリティーのしっかりした部屋を希望する旨を柚原に伝えた。
その後、授業では、アプリコットは魔力開発、他4人は生存訓練を受ける。
月曜放課後 ~引きこもり天使の引っ越し、そして恋愛模様~
月曜の授業終了後、柚原風月は渚のもとを訪ねる。
「この前のゴタゴタでアプリコットの部屋が壊れちゃっただろう。」
「それで、新しい部屋を探すことになったんだが、確か、君の寮の地下にちょうど良く部屋が空いていただろう。
そこを使ってもらおうと思ってな。」
「いや、まあ、君はアプリコットとは知り合いだし、自分の寮なら良く知っているだろう。
アプリコットに寮の案内をしてやって欲しいんだ。」
渚がそれを快諾する一方(アプリコットと柚原の関係を渚が訪ねてきて一悶着あったものの)、アプリコットの方にも柚原から引っ越し先が見つかった旨を伝えるメールが届き、アプリコットは渚の住む寮「こだま寮」に引っ越すことになった。
また、一方アプリコットは引っ越し前の部屋でスクールアイドルとして番組配信を開始する。
これにより、柚原にとって不本意な噂がまた学園に流れることになるのだが、それはまた別の話。
その後、引越しを渋るアプリコットに渚が「柚原さんとデートさせるよ」と脅しをかけたり、アプリコットが新しい部屋への移動中に天使の気配を感じたり、アプリコット不在のため、渚が引越し屋に荷物の運び込み先を聞かれ、引越しを成り行きで手伝わされたりしたものの、引越しは無事に完了した。
渚とアプリコットが引っ越しを進める中、伊庭燕は風紀委員、安城緋沙に呼び出されていた。
待ち合わせの喫茶店にいつもよりお洒落して現れた緋沙は燕に言う。
「これは、先週の事件に関わったみんなに対してなんだけど、先週から行方不明のクローンの少女の捜索を頼みたいの。」
燕はそれを快諾した上で、1つの悩みを緋沙に相談する。
「俺ってダアトらしくないよな?」
この質問に「そういう魔法使いがいても良いんじゃないかな。それに、私は燕の戦い方、嫌いじゃないよ。」と答える緋沙に
燕は好意を持ち始めていた。
なお、この放課後、アイはいつも通り研究室に出かけて武器の強化を試みて、自分の武器である和弓をうっかり破壊してしまい、屋上に出かけたアリカは下の研究室から謎の爆発音を聞いて首をかしげることになる。
月曜真夜中 ~焼きそばパン事件~
月曜真夜中、寝ずに行動していたのは小林渚と早田アイ。2人は一緒に温泉に向かう。
夜の温泉でゆっくりリフレッシュした2人だが、温泉から上がると事件が。
小林渚の持っていたシルバーリングが見当たらない。
そして、その代わりに何故かロッカーに入っていたのは…見覚えのない焼きそばパン。
「焼きそばパン?」
困惑する渚をよそに学園の夜は更けていく…
火曜朝~授業 ~噂と調査と悪戯を~
火曜朝、PCたちに昨晩、緋沙が廃墟周辺にいたという話がどこからか伝わってくる。
緋沙も廃墟に用があるのかと疑念を抱きつつも、アイは火曜日の授業を受ける。
時を同じくして、渚と燕は緋沙が昨晩何をしているのかを調べ、安城緋沙もまた独自に
クローンの少女について調べていたという事実を知り、
アリカはクローンの少女の行方について調べ、彼女もまた廃墟にいたということ、
その少女が白衣姿の不審な男と一緒いたという情報を知る。
一方で、アプリコットは生徒会室に潜入し、ちょっとしたいたずらを仕掛けてくる。
それ故、後に柚原は身に覚えのない内容で生徒会執行部から呼び出しをくらうことになる。
火曜放課後 ~謎の占い師~
火曜放課後、アイ、アプリコット、渚の3人は引っ越しの時にアプリコットが感じた天使の気配についての調査を始める。
どうやら、ルーグという名の下位天使が最近学園に出没し、アウルを溜め込む性質を持ったとある宝石を探しているらしい。
燕は廃墟に出向き、怪しい占い師と出会う。
クローンの少女やペンダントの宝石について何か知っているようなそぶりだが、
燕は肝心な情報を聞き出せずに終わる。
大げさに衣装を翻し、オッドアイを煌めかせ、去っていく占い師。
そのオッドアイがカラコンによって作られたものだと気付いた燕は
「あれ、ただの中二病じゃね?」と思いつつ、去り際に渡された1枚のカードに目を落とす。
火曜真夜中 ~こちらも恋愛模様?~
今日も夜の温泉に出かけたアイはそこでアプリコットにばったり出会う。
また、渚は燕の部屋にいた。
恋愛委員会の渚は、燕の恋愛模様が気になるようであるが、燕は緋沙の好意にも自分の好意にも気付いていないようであった。
アリカは廃墟に出かけたところ、サーバントに襲われている少女を見かける。
しかもその少女は件のクローンの少女のようだ。
アリカは見事サーバントを撃退し、少女を助ける。
「えっと…たすけて、くれて、ありがとう」
そう言う少女は完全に恋する乙女の目でアリカを見つめていた。
水曜朝~授業 ~戦いの準備~
水曜、夜が明けてくる。2人で朝日を見つめるアリカとクローンの少女のところに緋沙がやってくる。
「あれ?あなたは確か、神喰アリカさん?」
「こっちの方に天使が来なかった?」
どうやら緋沙は先程アリカが倒したサーバントを操っていた天使を見かけ追ってきたらしい。
3人はその天使を探すが見つからず、アプリコット、アイ、燕、渚も呼んで今日の放課後に出直すことを決まる。
天使討伐作戦を控えた水曜午前、皆それぞれに、授業、アイテム調達、などなど各自準備を整えていく。
水曜放課後 ~対天使討伐戦~
水曜午後、廃墟に集まった皆の前に件の天使、ルーグが現れる。
ルーグは人造撃退士のサンプルとしてのクローン少女と少女の持つペンダント(ルーグはこのペンダントの宝石を
「天使の石」と呼んでいた)を狙い、守ろうとするPCたちに戦闘を仕掛ける。
連日の徹夜の影響で弱っていたアイがルーグの攻撃で倒れるものの、アプリコットの回復によって
戦線に復帰したアイがインフィルトレイターらしからぬ三節棍さばきで痛打を与え、
最後は渚の雷打蹴(ライダーキック)によってルーグを撃破する。
after
ルーグは「この場は退却するが、貴様らが天使の石を持つ限り、天界からは狙われる宿命にあると知れ。」と捨て台詞を残して、天界に撤退していく。
クローンの少女は、撃退士としての素養があることもあり、学園生徒として転入することになる。
また、クローン元である実観アリスの偽名を流用し、ルノ・フィレードと名乗ることとなった。
クローンの少女改めルノはその感情の薄い瞳に、学園生活への期待と、アリカへの恋心を煌めかせていた。
GMコメント
第2話お疲れ様ですー
誰だよ第2話からはもっと短く書くって言ったやつ。
ともあれ、第2話は、第1話で残された課題の内、クローンの少女(ルノ)の行方に
スポットをあてたシナリオでした。
それでは、次回もアリカ、アイ、渚、燕、アプリコットの活躍に期待を!
最終更新:2014年10月17日 23:54