GM:助動詞にいてんろく
第4話
before
高良先輩の兄によってペンダントの宝石を媒介とした記憶封印の解除の術式をかけられたルノ。
その場には渚、アイ、アリカ、燕も同席していたが、術式がかかった瞬間、ペンダントの宝石から
強烈な光が放たれ、目がくらんだ皆が再び目を開けると、ルノには彼らが想定しない変化が起きていた。
ルノの背には白い翼、頭上には光の輪。
何が起こったのかは分からないが、その姿はどう見ても天使のそれであった。
高良さんも何が起こったか分からず狼狽する中、尋常ならざる事態が起きているのは察し、
術式を解こうとするが、その前にルノが指先から放った光に弾き飛ばされてしまう。
その後、ルノは他の皆にも敵意を持っているような素振りを見せ、止めようとした彼らと戦闘になる。
ルノの圧倒的な力に驚きながらも、彼らは何とか一撃を与え、ルノも多勢と戦う不利を感じたか、
ゲートを開き、撤退していく。
かくして彼らは思いもしない形でルノを失ったのである。
その場には残されたペンダントが床で怪しい煌めきを放っていた……
月曜朝~授業 ~アリスの学園復帰~
月曜朝、目を覚ましたアリカは違和感に気付く。
背中にうっすらと光でできたような小さな翼があるし、心なしかアウルの力も天界寄りのものになっている気がする。
これは、ルノのペンダントによるものなのだろうか?
ペンダントは未だに怪しく光を放っている……
授業前、早田アイのクラスでは教師から今週もHRで話があった。
「しばらく休学していた実観アリスさんが今日から学園に復帰となる。
前みたいに転校生として知らない人の中に来る訳じゃないし、大丈夫だとは思うが、まあ仲良くやってくれ。」
今週も生存訓練の授業を受けた後、アリスはアイに話しかけてくる。
以前の事件の件で迷惑をかけたことを謝るアリスだが、「後で神喰先輩や小林さん、アプリコットさんや伊庭さん、
それからルノにも謝っておかないと。」
そう語るアリスはどうやらルノの身に起きたことを知らないようだ。
アイがルノの身に起きたことを伝えると、天使化という言葉を聞いた途端、アリスは表情を変える。
アリスもまた何かこの件について知っているようだ……
月曜放課後 ~少女たちの日常(恋愛なんて無い!)~
アリスと別れたアイのもとに別の人物が現れる。クラスメイトの津崎博人である。
先生から修学旅行のしおりの製本作業を頼まれた彼は、アイにも手伝ってくれないかと頼む。
2人は作業しながら会話を始めるが、アイがあまり人には語りたがらない自身の研究内容について
博人がしつこく聞いたことで険悪な雰囲気になってしまう。
中庭に出かけた渚は、こちらもアクシデントに遭遇する。
中庭を散策する渚の近くに、突如振ってきたのはハンマー投げのハンマー。
慌てて謝りに来た筋骨隆々の陸上部の青年と話をしながら、改めてこの学園の日々のカオスであることを思い知るのである。
なお、突然鉄球が降ってくるとかは久遠ヶ原ではよくある事である。
今週もアイドル活動を始めようとしたアプリコットのもとに来客が訪れる。
ドアベルを鳴らす相手の姿をインターホンの画面で確認すると、アプリコットにとっては旧知の天使である。
クロミエルという名で、今も天界に留まっている生真面目な天使である。
相手を確認して引きこもりを決め込むアプリコットであったが、「昼間から貴様が部屋にいないわけがあるか」と
見透かしている様子のクロミエルにアプリコットもようやく彼を部屋にいれる。
本題に入ったクロミエルが言う事には、アプリコットは堕天使をやめて天界に戻るようにとのこと。
天界に戻って働くなんてまっぴらだというアプリコットは働かずに快適な生活をさせてくれて
お酒も支給してくれて、ネット環境も整備してくれて…etcしてくれるなら天界に戻ると
無理難題を突き付ける。
呆れ顔のクロミエルは、「前向きな方向で積極的に検討しておこう」加えて「近いうちに天界に戻るか、
答えをもう一度聞きにくる」と伝えて、部屋をあとにする。
一方、アリカは屋上に向かい、昼寝を始めるが……
月曜夕方 ~天使の誘い~
アリカが目を覚ますと、そこにいたのは天使化したルノであった。
ルノは目を覚ましたアリカに「私と一緒に来てくれませんか?」と問う。
ルノは自身が恋い慕うアリカに使徒(シュトラッサー)として一緒にいてほしいようだ。
ルノは現在、天使化のため学園にもおれず、かといって天界に与することも出来ず、1人でいるしかなくなっていた。
また、天使としてのルノの人格とルノ本来の人格が混在しており、ルノ本人の意思で
(アリカに好意を持っているルノで)いれる時間はそう長く続けられなかった。
アリカがその誘いを断ると、なおも頼むルノであったが、隣の校舎の壁面に設置された時計を見た彼女は、
「時間です。また会いに来ます。その時は私と共に来てください。」
と言って去っていく。
月曜真夜中 ~久遠ヶ原のカオスな夜~
アイは今日も研究室に向かっていた。研究室に行くと、怪しい先輩が
「ちょっと、早田クン。 あふれ出る幼女への愛を力に変換し武器を強化する!
その名もYoujo Power Converter 略してYPCの開発に成功した(かもしれない)んだ!」
「何か武器を持ってないか? ああ、早く試してみたくてたまらない!」
アイがもはや不要となっていた三節棍を、関わり合いになりたくないとでも言いたげにぞんざいに渡すと、
先輩は早速実験を開始する。
10分後、研究室にはロリコン研究者の「どういうことだ!これは! 私の愛が足りなかったのか!?」
という叫びが響き渡るのだが、アイはもはや無視を決め込んでいた。
一方、温泉に出かけた渚は先日の焼きそばパン事件のように、脱衣所で失くしものをしてしまう。
温泉から上がると、タクティカルゴーグルが無い。
慌てて探す渚に、偶然その場に居合わせた満月ちゃんが探す手伝いを申し出る。
ゴーグルは結局見つからなかったが、渚は新たに満月ちゃんという後輩と知り合いになったのであった。
燕は緋沙とデートをしていた。だが、そこに忍び寄る悪魔の影が。
……研究続きでグロッキー状態になりながらも研究室から買い出しに出たアイである。
酔っぱらいのようなテンションで燕に絡むアイは2人の手によって寮に送り返されることに
なったのである。
火曜朝~授業 ~変異、失敗、学び~
火曜日の朝、神喰アリカは目を覚ますと、頭上に薄く光の輪が浮かび上がっていることに気付く。
アウル能力も明らかに天使の力に近いものに変質しているようだ。
彼はとりあえず帽子をかぶって輪を隠しつつ、いよいよ異常な事態を感じていた。
アプリコットは昨日訪ねてきたクロミエルの言っていたことが気にかかったのか、持ち前の電子の世界の情報網を
駆使して調査を開始する。
アイもそれを手伝ったが、昨日寮に送り返された後も寝ていなかったのが災いしたか、
いつもならあり得ない失敗をしてしまう。
彼女らは結局情報を掴むことはできなかった…
そして、先週のこの日、満月ちゃんから突然の告白を受けた燕は、先週の彼女が宣言した通り、
「今日の放課後、中庭で待ってます。」という文面のメールを貰っていた。
中庭にかなり早く、授業中のうちから向かっていた燕は、満月ちゃんを待つ間、なんとなく
中庭で模擬戦をする先輩撃退士(昨日のハンマー投げの青年)を眺めていた。
なんとなく眺めていた燕ではあったが、青年のキレのある動きを見て、自身の戦いに活かせないかと考え、
ちょっとした工夫を思いつく。
撃退士はこういうところからも少しずつ強くなっていくのである。
火曜放課後 ~1週間越しの告白と~
放課後、アプリコットとアイは先程失敗したクロミエルの調査に再度乗り出す。
その結果、クロミエルは天界から「天界に属さない天使を抹殺せよ」との指令を受けており、
このままだと、アプリコットを殺すことになってしまうので、それを避けようと説得を試みたらしいことが分かる。
また、アプリコット以外にも標的とされた天使がいるらしいとも言われていた。
渚は温泉で失くしたタクティカルゴーグルをなんとか再び入手しようとしている頃、中庭で待っていた
燕の元に満月ちゃんが現れる。
再び燕のことが好きと伝える満月ちゃんに、緋沙のことが頭をよぎったか、あるいは
単に年齢差故か、燕は満月ちゃんと付き合うことは出来ないと伝える。
燕は「けど、もし困ったこととかあったら遠慮なく頼ってくれていいからな。」と言い、
満月ちゃんは少し俯いた後、顔を上げて「はい。ありがとうございます。」と返す。
満月ちゃんは「それじゃ、先輩」と言って中庭から去っていく。
満月ちゃんが入って行くのが見えた路地は燕の記憶では行き止まりだったはずだが、燕は何かを察したか、
特に何もせず中庭を去ることにした。
火曜真夜中 ~天使化の謎を解け!~
火曜日の夜、アリカはアプリコットのもとを訪ねる。
自身の天使化に危機感を感じたアリカは元より天使であるアプリコットなら、天使化の影響を
受けないだろうと考え、ペンダントを預かってもらおうとしたのである。
アプリコットは、アリカが頭上の輪を隠すためにかぶってきた帽子を見て、「その帽子はない」とダメ出しを
しつつも、ペンダントを預かることを了承する。
アプリコットにペンダントが受け渡されたころ、こっちもペンダントが気になっていた渚は、
そのペンダントは持ち主を天使化させる効果があると知る。
無論既にこの効果はアリカが身をもって実証しているのだが、かくして彼らはアリカの天使化がペンダントに
よるものであると確信を得るに至ったのである。
また、月曜にルノの天使化の話を聞いて思うところありげだったアリスが語るには、
アリスがP9Pに所属していたころに、アリス、御神楽と同じ研究チームだった者の中に、
ウィルという、撃退士の天使化によるアウル能力の強化を研究していた青年がいたらしい。
彼は常に白衣を着ているのがトレードマークだったとのことで、アリス曰く、ルノの話の中に出てきた
廃墟でルノにあった青年というのも彼なのではなかろうか、と。
水曜朝~授業 ~廃墟の不良生徒~
水曜朝、目を覚ましたアリカは頭上の輪が消え、アウルの性質も元に戻りつつあることを感じる。
一方、アプリコットには何の影響も出ていない。
アプリコットにペンダントを渡せば大丈夫、という読みは当たりであった。
燕は先日会った占い師でも探しているのか、再び廃墟を訪れる。
そこで偶然会った不良撃退士に絡まれ、持っていた阻霊符を奪われる。
ここで力ずくで取り戻すこともあるいはできたのかもしれないが、あえて燕はそれをしなかった。
結局、目的であった占い師には会うことは出来ず、廃墟を立ち去ろうとした彼の携帯が震える。
差出人は、「安城緋沙」となっていた。
水曜放課後 ~委員会室棟前の決戦~
昼休み、アプリコット、渚、アイ、燕、アリカの全員に緋沙から「至急あなたたちに頼みたいことが出来たの。
放課後、風紀委員会室まで来て。」というメールを受け取る。
5人がそこに向かおうとして(案の定部屋から出る気のなかったアプリコットは柚原さんに連行されたわけであるが)、
委員会室棟近くで合流したが、そこに白い翼を広げ1人の天使が降り立つ。
クロミエルは困ったような顔を浮かべながら言う。
(PCたちは知らないが、クロミエルは「せっかくあの引きこもりが部屋から出てきたんだから
この機を逃さず始末しておけ」と上役の天使に言われ、後回しにしようと思っていた
アプリコットのもとに来なくてはならなくなっていた。)
「アプリコット、この前の話の答えを聞こう!」
アプリコットが天界に戻ることを断ると、クロミエルは「ならば、致し方あるまい。」と
戦闘を仕掛けてくる。
燕、アイ、アリカ、渚に加え、柚原さんの助力を受けて、彼女らがクロミエルを撃退すると、
彼はどこか安堵した表情で
「なるほど。これはどうやら私の手に余る戦力だ。天界には失敗したと報告するしかあるまい。」
とつぶやき、撤退していく。
after
クロミエル撃退後、緋沙に話を聞くため、彼らは風紀委員会室を訪れる。
そこで緋沙から語られた内容は……
GMコメント
後期エリュシオン卓GMの助動詞にいてんろくですー
後期卓もそろそろ中盤に差し掛かる頃合い。
天使化したルノ、天使化を研究していた青年ウィル、、、etcまだまだPCたちの前の課題は山積みです。
PCたちはこれからどのようにこの一連の事件と関わっていくのでしょうか。
あ、あと、近いうちに修学旅行もありますね。そっちも楽しみなシナリオです。
それから、次回はちょっと変則的に木曜日からスタートするシナリオです。
PLの方は、それを考慮に入れて、成長、時間割の調整をおこなってください。
最終更新:2014年11月02日 19:54