GM:助動詞にいてんろく
第5話
注)今回は特殊ルールとして、前回の続き(水曜日)からセッションがスタートしています。
before
クロミエルを撃退した後、彼らは当初の予定通り、風紀委員会室を訪れる。
風紀委員会室に到着すると、呼び出した本人である緋沙と高良先輩が待っていた。
さて、緋沙が皆を呼び出した件だが、風紀委員会として頼みたいことがあるとのこと。
曰く、風紀委員会の者が先日、巡回中に下っ端の悪魔を捕まえたらしいのだが、その悪魔が言うことには、
悪魔たちは天使化した少女、ルノ・フィレードを目的として学園に来ているらしい。
天使化した少女、ルノ・フィレードのことだが、彼女は本来アリカのように徐々に進行するハズの天使化が
一気に進行してしまったため、現在、アウルの状態が非常に不安定になっているらしい。
なので、ここで冥界寄りのアウルを流し込めば、その量にもよるが、天使化の解除、あるいは悪魔化まで
出来るかもしれないと考え、ルノの悪魔化を企んで、学園に来ているらしい。
また、高良先輩も天使に詳しい知り合いがいたため、聞いてみたところ、彼曰く
「(ルノさんのアウルが不安定になっていることについて)ありそうな話だ」とのこと。
そこで、当然風紀委員会としては良からぬ企みを持って学園に来ている悪魔を看過するわけにもいかず、
学園生徒に依頼という形で外注することでの解決を図った。ということである。
(風紀委員が自前の人員で解決を図らなかったのは、修学旅行という一大イベント前で人手不足だったということがある。)
彼らはこの依頼を受けることを了承し、学園に潜入しているという悪魔への調査を開始するのであった。
水曜真夜中 ~屋上の天使と悪戯幼女~
水曜の夜、アリカがいつものお気に入りの場所、屋上に行くとそこに声をかけてくる人影が。
アリカが振り返ると、そこにいたのは天使化したルノ・フィレード。
ルノは再びアリカに使徒として一緒に来てほしいと伝える。
アリカはそれを拒むが、ルノの方も、不安のためか、彼女らしからぬ強い語調でアリカに言葉を投げる。
やがて、前と同じく、ルノは時間を見て、
「そろそろ時間です。また私はルノではなくて天使になってしまうでしょう。」
「また来ます。恐らく2日後、今度が私がルノとしてアリカ先輩に会いに来れる最後の時です。」
「その時には私と一緒に来てください。」
アリカは、ルノが金曜にまた現れるということは、ルノを狙っているという件の悪魔もその時に現れるのでは
ないかと考える。
一方、こちらはもはや恒例となった真夜中の温泉。今日は渚とアイが学内の温泉を訪れていた。
渚が温泉でリフレッシュして、脱衣所に戻ってロッカーを開けると、いつぞやのようにタクティカルゴーグルが
紛失しており、代わりにロッカーにはまたも焼きそばパンが入っていた。
渚が温泉から出ていくと、そこにはどこかで見たようなゴーグルを持った小学生ぐらいの女の子が。
しばしの女の子との追いかけっこを経て、その子を捕まえることに成功した渚であるが…
「それ、私のゴーグルじゃない?」
「え…気のせい…」
「それじゃ、それは誰の?」
「…拾った」
「それ、私のなんだけど、返してくれない?」
(話をそらすように)「ところでお姉ちゃん、焼きそばパン美味しかった?」
「食べてないよ」
(不満そうに)「えー、食べてないのー」
「何を仕組んだ?」
「なーんにも。」
こんな感じの問答をしつつ、最終的には女の子は「返すわけじゃないけど、私が拾ったものだから、
お姉ちゃんにあげる。」と言ってタクティカルゴーグルを渡す。
そのイラッとくる言動に、渚がつい脅しのつもりか、装備していたグレートソードに手をかけたところで、
「きゃー! 通り魔だー!」
そう叫んで、女の子は走り去っていってしまった。
その言葉を聞きつけて駆けつけてきたアイと渚が一悶着起こしている隙に、女の子の姿は見えなくなってしまった。
木曜朝~授業 ~実観アリスの青春な日~
木曜の朝、燕はひょんなことから、とある知り合いに関する噂話を聞く。
文月彩羽さんは燕にとっては、アイ経由で同じ修学旅行班になっていたが、本人同士はほとんど面識が
無かったというので、燕もどういう人物なのか少し気になっていたのかもしれない。
曰く、文月さんは昔、天使に襲われたことがあり、それ以降天使に関する研究を始め、今ではいっぱしの研究者レベルの知識を持っているとのこと。
もしかしたら、今後天使に関わる事件があったなら、彩羽は力になれるのではないか。
また、アリカは(恋愛委員会の渚の暗躍により)アリスとデートをしていた。
渚がみんなを呼び出したうえで、2人以外の皆に無視するように言ったのである。
その行動は渚の想定以上の結果を生むことになる。
集合時間を大きく過ぎても誰も現れない現状にアリカが「もう帰っちゃおうか?」と声をかけると、
アリスは何を勘違いしたか「え?帰るって? え?アリカ先輩、私の部屋に来るんですか!?」と。
その数瞬後、自分の勘違いに気付いたアリスは「あ、そういうことじゃないですよね!ごめんなさい!」と思い切り赤面する。
動揺ゆえか、ごまかすように「え、じゃあとりあえず商店街の方行きましょ」と帰路につくアリスは、
アリカの手をしっかり握って引いていき、数歩歩いてまた先程のような反応を繰り返すこととなる。
物陰では満足げな表情で渚がその様子を眺めていた…
木曜放課後 ~撃退士たちの午後~
授業も終わって、燕は今日の授業で出された課題に頭を悩ませていた。
今朝聞いた話による興味もあったのだろう、同じ課題を出されていた彩羽に話しかけてみると、
彩羽も、解けない問題がある模様。
2人でしばらくあれこれ言い合って考えた末、何とかそれぞれ答えを出した彼らだが、先生のもとに
行って提出すると、「ここは違うね。」とどうやら2人とも間違えていたらしい。
秀才である彩羽はクラスメイトに課題について聞かれて、それで正しい答えを出せなかったことで、少し悔しそうであった。
放課後、アリカと渚は緋沙から依頼された悪魔について調査を始める。
その結果分かったことは「件の悪魔は「花鏡」「月鏡」という名の双子の悪魔」「小学生ぐらいの女の子の姿。」
「悪戯好きのはた迷惑な彼女らだが、戦闘となるとそのコンビネーションを活かして立ち回る強敵」とのこと。
渚は「小学生ぐらいの女の子」「悪戯好き」という言葉を聞いて、昨日の温泉で出会った女の子を思い出していた。
同じころ、アイが研究室に行くと、研究室の先輩である柚原さんが誰かに電話をかけていた。
「例の話に出ていた男ですが、もしかしたら6年前の事件の関係者かもしれませんよ。」
「人間を天使化させようなんて大胆なことを企む輩がそうそういては風紀委員もたまらないでしょう。」
「まあ、もし本当に奴が関わっているのなら、私たちはまず知識量で敵わないでしょうから、
もしかすると彼の力を借りなくてはならないかもしれませんよ。」
電話が終わったのを見計らって研究室に入ったアイだが、先程の会話の内容は少し気にかかっていた。
木曜真夜中 ~焼きそばパンと酒とポーションと~
夜、購買に買い物に来たアリカは偶然にも、高良香織と遭遇する。
香織はアリカの姿を見て、笑みを浮かべると、彼に焼きそばパン(らしき何か)を渡す。
これは何か?と聞くアリカに「購買のおばちゃんの新作、ペペロンチーノ焼きそばパンだそうだ。」とのこと。
香織は唐突に「三つ子寮の七不思議」なる話を持ち出し、最近その話がやたらと巷で話題になっているらしいから、
何か原因があるのかもしれないし、調べてくれないか?前払いの報酬として、この焼きそばパンをやろう。と言ってくる。
どう見ても、怪しい焼きそばパンを押し付けたいだけの口実だが、アリカは素直に焼きそばパンを受け取っておく。
アイが研究室にいると、先日、YPCなる謎のシステムを自慢してきたとある先輩が現れる。
なんでも、今度は防具の強化に挑戦しているようだ。
実験に自分の持ち物が使われるのが半ば恒例と化しているアイがステップシューズを渡すと、
先輩は今度はそれをちゃんと強化することに成功する。ただし、デザインがやたら子供っぽくなって…
アイが「随分と可愛くなりましたね。」と言うと、答えて言うことには「いや、私の趣味を投影すると
どうしてもそうなってしまうだけだよ。」と笑ったという。
アプリコットは酒を買いに出ようと寮の廊下を歩いていると、中高生が住んでいるはずの寮の廊下に
明らかにその年齢には見えない女の子がいるのを見かける。
ひとしきり会話して、何故かウマがあったような二人であるが、ここでアプリコットは酒を買いに行かせることに。
しばらくして、何故か酒をちゃんと調達して帰ってきた彼女を晩酌に付き合わせようと部屋に来いというアプリコットだが、
彼女は「用事があるから」と言って帰ってしまう。
その後、アプリコットが部屋に戻って件の酒を開けると、悪戯好きの彼女が全力でシェイクしておいた
ビールやスパークリングワインは思いっきり中身を吹きだすのであるが、アプリコットはその悪戯に
自身に近しいものを感じたのか、どこか面白がっているようであった。
燕は緋沙と一緒に商店街を歩いていたが、そこでいつぞやの占い師に遭遇する。
占い師が先日と同じポーションをくれようとしたとき、緋沙はそのポーションが学園の正規品でないことを咎めるが、
占い師は「ちゃんと許可は取っている。何なら確認してみい。」と言って緋沙が電話をかけようとした隙に
逃げ出してしまう。
緋沙曰く、占い師が去り際に燕に渡していったポーションを見て、「どう見てもただの中二病に作れるような
代物じゃないんだけど…」と言うが…
占い師の謎は深まるばかりである。
金曜朝~授業 ~久遠ヶ原のサージェント~
金曜朝、目を覚ましたアリカは自身の天使化が完全に解除されているのに気付く。
アプリコットにペンダントを渡したことで、徐々に天使化が解けていたのである。
金曜授業中、プールに出かけた渚は、何故かどこかで見た筋骨隆々の青年が率いる集団の特訓に巻き込まれていた。
「口でクソたれる前と後にSirと言え!!」と檄を飛ばす青年に、ノリの良さゆえに「Sir、Yes、Sir!!」と
全力の声で答えてしまったのが運の尽き。
「今のお前たちは久遠ヶ原中の可燃ごみを集めた程度の価値しかない!それがこの特訓を終える頃には
立派なハンマー投げ選手だ!嬉しいか!?」との訳の分からない言葉に、
「Sir、No、Sir!!」と素直に答えてしまったあたりでいろいろ終了。
「なるほど、いい度胸だ!」と青年に妙に気に入られた渚はそのままなし崩しに訓練に付き合わされることとなったのである。
燕は教室で自習をしている彩羽を見かける。
どうやら、先日の件が悔しかったのか、いつもに増して熱心に勉強しているらしい。
難しそうな天使に関する本・文献を机に積み上げる彩羽に、「勉強熱心なんだな」と言う燕。
色が勉強に集中しているということもあってか、あまり会話が続きはしない微妙な空気ではあったものの、
だからこそか彩羽の中で、先日の件で生じた悔しさの空回りのような気持ちは消えていった。
金曜放課後 ~双子の悪戯悪魔~
放課後、ルノが、さらには双子悪魔が来るのではないかと踏んだアリカはアプリコットの部屋で全員集まって待ち構えることを提案する。
アプリコットが全く持って部屋から出るつもりがなかったからである。
日が傾き始める頃、部屋の中にゲートを開き、天使化したルノが現れる。
ルノが「アリカ先輩、私がルノとしてここに来れるのはきっとこれで最後です。」と言うが、
そのセリフが終わらないうちに別のゲートが開き、和服姿の女の子が現れる。
「お酒のお姉ちゃん、久しぶりっ!」
そういう女の子に渚は見覚えがあるようだが、女の子は渚に見覚えはないようである。
一方、女の子に話しかけられたアプリコットはというと、今度こそ酒飲みに付き合わせようと、
声をかけるのだが…
「ちょっと!花ちゃん! 何してるの!?」
そう言って部屋に転がり込んできた3人目の闖入者は、2人目とそっくりの女の子。
こちらは、渚に「焼きそばのお姉ちゃん、久しぶりっ!」と声をかける。
この2人が悪戯好きの双子悪魔、花鏡と月鏡である。
ここで、ルノ侵入時にアプリコットが学園警察に通報していたため、部屋の外からサイレンが聞こえ始める。
「あっちゃー。ホントはもうちょっと遊びたかったんだけど、ちょっと急がなきゃダメみたい?」
と言って、ルノを連れて行こうとし、渚たちはそれを防ごうとする。
この戦闘によって、渚、アリカ、アプリコットが一時戦闘不能になる程も双子のコンビネーションに
苦しめられた彼らであるが、激戦の末、彼らの撃破に成功する。
after
戦闘が終わったころ、学園警察が到着する。
学園警察が部屋を訪れる直前、アプリコットは双子悪魔の悪戯っぷりが気にいったのか、
「警察に突き出されるか、弟子になるか選べ」という。
かくして、アプリコットは花鏡、月鏡という悪戯の弟子を手に入れたのである。
花鏡、月鏡が、ゲートによって部屋を去った直後、学園警察が部屋に到着する。
アプリコットは部屋に不法侵入した件で、ルノを警察に突き出そうとするが、警察の方はルノに
心当たりがあるらしく、「おい、黒瀧さんに連絡しろ!」などと話しているようである。
学園警察についてくるように言われ、ルノと先の戦いで無事だったアイと燕は学園警察に連れられ部屋を出るが…
GMコメント
第5話終了ですー
全10話予定なのでこれで折り返し地点ですねー
ところで、ちょっと質問があったんですが、時たま出てくる学園警察ってのは風紀委員、保安委員、
生活委員という学園の安全管理を司る3委員会のことを指すんですね。(「アフタースクール」に載ってます)
だから、このキャンペーンでは学園警察って言葉はほぼ風紀委員と同義に使ってたんですけど、
それでちょっと、学園警察っていう組織が委員会とは別にあるって誤解を生んじゃったみたいで…
そんな訳で、一応ちょっと補足です。
あと、来週はしばし前に予告した通り、修学旅行編です。
舞台を久遠ヶ原から千年の都、京都に移し、撃退士たちは何と遭遇するのでしょうか?
最終更新:2014年11月09日 00:19