GM:助動詞にいてんろく
第6話
before
アプリコットの部屋で行われた双子悪魔との戦闘の後(ちなみに、アプリコットの部屋はまたも破壊されてしまったため
アプリコットは修繕の終わった以前住んでいた部屋に戻ることとなる)、アイと燕は風紀委員に連れられて、
風紀委員の本部らしきところに来ていた。
そこで出迎えてくれたのは風紀委員長の黒瀧辰馬。
彼は2人の姿を認めると、口を開く。
「よく来てくれた。風紀委員長の黒瀧だ。伊庭くんと早田さんだね?」
「さて、ルノさんの件だが、柚原とも話し合って対応策を探っていたのだが、幸い私たちの方にもこの手の知識に秀でたものがいてね。彼のおかげで、古い文献から、アウルの状態を固定化する方法を見つけることは出来た。」
「これによって、完全に天使化してしまうことは防げた訳だ。だが、あくまでこれは期限を伸ばしたに過ぎない。根本的な解決が必要だ。つまりは天使のアウルを切り離す必要がある。」
「聞けば、京都のとある神社に伝わる霊剣は人間から霊体の類を切り離すことが出来たという伝承があるという。」
黒瀧曰く、その霊剣を使えば、ルノを完全に人間に戻すことが出来ると思われるとのこと。
折よくこれから京都に修学旅行に向かう燕、アイ、渚に修学旅行と並行しての霊剣の捜索を依頼することとなる。
また、翌日には、アプリコットとアリカにも京都に向かって3人の
サポートをするように依頼が出ることとなる。
かくして、燕、アイ、渚、アリカ、アプリコットの5人は霊剣の捜索に京都に向かうことになったのである。
月曜朝~授業 ~いざ京都へ~
月曜、この日から高校2年生は京都への修学旅行に出発する。
さて、旅に出る前のお約束として、彼らはそれぞれ知り合いからお土産をねだられるわけである。
燕は満月ちゃん、アイは柚原さん、渚は高良先輩からであるが、果たして彼らは希望通りのお土産を買ってこれるのだろうか?
午前中、京都に向かう列車の中で、彼らは自習をして過ごすことに、修学旅行中といえど、
依頼も並行してこなさねばならない以上、撃退士としての修練は欠かせない。
生存訓練などの授業の自習を通じ、撃退士としての力量を高めていき彼らを乗せ、列車は京都に向かう…
月曜放課後 ~京都周遊~
京都に着いて、自由行動の時間が始まったが、燕と緋沙は2人で京都を散策し始める。
清水寺参道のお土産屋を巡る2人。
普段はマジメな風紀委員の緋沙も、修学旅行ゆえか、隣にいる人ゆえかどこか浮かれているようである。
お土産屋の店先の木刀を手にする燕に、「燕はやっぱり素手で戦ってるのがカッコいいと思うわよ。
木刀持ってると、何というか…不良っぽい?」という緋沙。
「悪かったな。不良だよ。」と返す燕。
道行く人は「リア充爆発しろ」と思ったことであろう。
渚とアイは早速、件の霊剣について調べてみることに。
伝承などを調べてみたところ、確かにそれらしき記述がある。
恐らく、霊剣が保管してある京都のとある神社、というのは時風神社という神社であろうと分かる。
しかも、偶然にも、自分たちの行動予定に照らし合わせてみると水曜の午後にはその近くを通るらしい。
それならば、ということで水曜午後に時風神社に行ってみようと彼女らの中で話がまとまったのである。
一方、高校2年生ではないがこちらも京都に到着したアリカであるが、京都に来て早々、今回の京都旅の相方で
あるはずのアプリコットが宿に引きこもって寝始めてしまったため、1人で修学旅行に紛れ込み始める。
修学旅行の2年生に紛れ込んだアリカは、地元の学校との交流授業イベントに参加し、流石に
(成績がそれほど良くないとはいえ)上級生である故か、優秀な成績を収めるのであるが…
「おい、あれ誰だよ? あんな奴うちの学園にいたっけ?」
「学園の廊下で見かけたことはある気がするけど…」
久遠ヶ原の生徒からは不審な目を向けられるのであった…
月曜真夜中 ~修学旅行の夜(まくら投げ編)~
修学旅行1日目の夜、宿のとある1室では修学旅行実行委員主催によるまくら投げ大会が開催されていた。
アイとアプリコットのコンビは2年23組代表(アプリコットは助っ人)として出場することに。
激戦の末に2人のコンビネーションを以って24組代表を蹴散らし、勝利を収めるが…
……
「うるせえな。あいつら、覚えてろよ。」
会場に近い部屋が割り当てられていた燕の恨みを買っていたのであるが、それはまた別の話。
また、アリカと渚は温泉に出かけることに。
普段、久遠ヶ原でもよく温泉に通っている彼らだが、流石にここは観光地。
いつもとは趣を異にする温泉に、修学旅行1日目の騒がしさの疲れを癒し、リフレッシュするのであった。
修学旅行1日目の夜は更けていく…
火曜朝~授業 ~京都周遊 2~
修学旅行2日目、皆この日はお土産やら夜通し騒いだゆえの不調を回復するためのポーションやらの買い物に向かう。
燕は満月ちゃんへのお土産を探しに行くことに。
満月ちゃん曰く「前に京都から来た知り合いの人に貰った佃煮がすごく美味しかったんです。
僕、それが気に入ったからもう一度食べたいなって思います。」とのことだが…
燕はそのお店を見つけ出して件の佃煮を調達することに成功する。
お土産も見つけ、燕は順調に修学旅行を楽しんでいた。
火曜放課後 ~京都周遊 3~
午後も高校2年生たちは修学旅行を楽しんでいるようである。
渚はお昼時には京都の名物を食べて舌鼓を打ち、燕はお土産屋で結局店のおじさんの言葉に乗せられ木刀を買ってしまったり。
もっとも、木刀を宿に持ち帰ると緋沙から「結局買ってきたの…?」と呆れた目を向けられるわけであるが…
アプリコットは京都に来ても、毎週の恒例のアイドル活動を欠かさない。
今回は、先週アプリコットの弟子になった花鏡、月鏡の2人をゲストに招いて修学旅行の様子を放送する。
ゲストのおかげ故か、修学旅行という話題ゆえか、いつもにまして放送は人気を博したようである。
ところで、もう一人の潜り込み修学旅行生、アリカであるが…
…潜り込みが先生に見つかって、依頼で京都に来ているという弁明もむなしくこってり怒られていた。
火曜真夜中 ~修学旅行の夜(肝試し編)~
修学旅行2日目の夜、前日のまくら投げ大会を主催していた修学旅行実行委員の生徒が今日は
「肝試し大会やりますよー」と部屋を回って言って回っているようである。
あまり乗り気でないながらも集められたアリカ、アイ、渚、燕(アプリコットは実行委員と結託して脅かし役で参加)。
組み合わせをくじで決め、2人1組で10分ほど林道を歩いたところにある廃寺を目指してもらうとのこと。
くじの結果…
まず出発したのは渚と彩羽のペア。
彩羽は怖さなど全く気にしない様子で夜道を進んでいくが、渚はというと、幽霊の類が出たら斬ってやると
刀の柄に手をかけたまま進んでいく。
その結果、
「ちょ、ちょっと小林さん。 危ないって!」
脅かし役として待機していた実行委員の生徒は返り討ちに遭うという事件が発生することとなる。
一方、アリカとアイのペア。
ここまで一緒に行動することはそれほど多くなかった2人だが、妙に気が合ったのか2人の距離が急速に近づいていくのを感じていた。
が、その様子はアプリコットによって、学園で待機しているルノに伝えられることとなる。
学園に帰った後のアリカが心配である。
最後に燕と緋沙のペア。
ただのリア充であった。
肝試しイベントが終わった後、実行委員の男子生徒は脅かし役をしてくれたアプリコットにねぎらいの品として
「これが必要だろ。」と言って缶コーヒーを渡すのだが、
アプリコットにはそれすらも甘味たっぷりのMAXコーヒーのように感じられてならなかった。
ちなみに余談であるが、博人とアリスもペアで肝試しを回っていた。
ただ、2人とも別に好意を持つ相手がいる(博人はアイ、アリスはアリカ)故、特に何事もなく終わったようである。
水曜朝~授業 ~アプリコットさんの優雅な京都旅行~
午後に時風神社に寄るという用事を控えた水曜日。
とはいえ、午前は京都観光、買い物をして過ごすことに。
連日の安眠妨害の恨みが募る燕が、1日目の騒がしさの元凶であるアプリコットにまくら投げで意趣返しを試みて
返り討ちに遭ったりしたが…
燕を撃退したアプリコットは弟子である花鏡・月鏡へのお土産を買っていくことに。
選んだのは定番中の定番である八つ橋。
弟子には優しいアプリコットさんなのであった。
水曜放課後 ~霊剣との遭遇~
午後になって、皆は時風神社を訪れる。
掃き掃除をしていた宮司のおじさんに、霊剣を見に来たと告げると、件の霊剣を見せてもらえることに。
おじさんが神社の奥から霊剣が入っているらしき木箱を持ってくると、不意にアリカの耳元に囁くような少年の声が聞こえる。
「なあ、風祭のじーちゃん。急に物置から引っ張り出してくるなんて何なんすかー。」
アリカが驚いていると、さらに声が続ける。
「あれ? そこのにーちゃん、僕の声が聞こえるんだ? 剣の声が聞こえるなんてやるじゃん。」
どうやら、この霊剣は人格を持ち、意思疎通が可能で、霊剣が宮司のおじさんに
話しかけていたのがアリカにも聞こえたらしい。
「で? にーちゃんは僕に何の用? 僕を必要としてるんでしょ。 僕の声が聞こえるってことは。」
アリカが、ルノを助けるために力を借りたい旨を告げると、霊剣の声は、木箱を開けてみるよう促す。
アリカが木箱のふたを開けると、その中には剣が入っており、その一瞬後、その場に水干姿の少年が現れる。
「それじゃ、そろそろ僕の力を借りるに足るキミの力を見せてよ。」
剣の精霊との力を示すための勝負が始まるが、アリカは戦闘始まって間もなくして、あっさり倒れてしまう。
アリカの力があまり見れずに不満気な精霊が次に目を付けたのは剣も含め、多くの武器を扱うことに長けた渚であった。
渚もその攻撃力を存分に振るい、精霊を追い詰める。
そしてお互いほとんど余力を残さず、あと一撃で勝負が決まる、というその時、
精霊の背後からアイの放った弾丸が貫き、精霊はその場に倒れることとなる。
自身が力を認めた人物との勝負が何ともあっけなく終わってしまったのが不服な様子の精霊だが、
渚の力量は素直に認め、渚について学園に行くことを了承する。
宮司のおじさんも「時風が決めたのなら私が口出すことはありますまい。」と了承し、
彼らは異界のアウルを切り離すことのできる剣、光霊剣“時風”を借り受けることが出来たのである。
after
彼らは時風を借り受けた後、残り1日の修学旅行を楽しみ、学園へと帰還することとなる。
学園では時風の力を必要とするルノが待っている。
ルノの天使化は無事解けるのだろうか?
GMコメント
第6話、修学旅行編ですー
今回はいろいろ目新しい試みを突っ込んだセッションをやってみました。
自作デート表「肝試しデート表」とか、PL知識で開けてもいい手がかりカードとか。
流石に初挑戦の試みはなかなか上手くは回せんかったような気もするが、
(結局、ちょっと難易度高すぎてPL知識で開けられなかったので…)
GMとしては結構楽しめました。
次回からは舞台を久遠ヶ原に戻して、続きのシナリオです。
そろそろキャンペーンも終盤に入ろうかというところ。
次回も撃退士達の活躍に期待です!
最終更新:2014年11月16日 00:23