GM:助動詞にいてんろく
第8話
before
ひかり寮で人造天使と遭遇し、明らかになった世界征服同好会、ウィルの暗躍。
学園側は、この事件に既に関わっており、撃退士としても十分な実力を持っているアリカ、燕、渚、アイ、アプリコットに
ウィルの捜索と撃退、事態の解決を依頼することに。
風紀委員長、黒瀧辰馬から依頼を告げられた彼らは、調査のため、学園を走り回ることとなるのである。
ウィル、そして人造天使は学園のどこに潜んでいるのだろうか?
月曜朝~授業 ~今週の生存訓練~
月曜は生存訓練、現代魔法基礎、といった重要な授業が揃っているので、調査は午後から行うことにして、
授業に出席する撃退士達。
流石にここまでの冒険をくぐり抜けてきただけあって、全員完璧に授業を理解しているようである。
この一連の事件に巻き込まれての撃退士達の成長が垣間見れる一コマであった。
月曜放課後 ~調査開始!~
午後、早速燕は天使やウィルの情報を調べられないかと考え、生徒会室に向かう。
生徒会室の書類棚を漁って、目的の情報を探していると、そこに風紀委員長の黒瀧辰馬が現れる。
「おお、早速動いているのか。熱心なことだな。」
「全く、ここのところ君たちといい、文月くんといい、若い子たちの力を借りてばかりだな。
文月くんも、君らとは別に調べてくれているようだしね。」
そんな会話をしつつ、黒瀧さんは燕と共に資料を探し始める。
一通り調べ終わって、生徒会室を立ち去ろうとする燕に黒瀧さんは助力を約束し、今回の件の解決を改めて頼んだ。
一方、渚はプールに行っていたのだが、プールから上がってロッカーを開けると…
持ち物の牛乳が消えて、焼きそばパンが入っていた。
視界の端では見覚えのある悪魔の幼女が腰に手を当てて牛乳を飲んでいたのだが、しばし会話して
これ以上会話を続けても疲れるだけだと悟ったのだろう、渚はプールから立ち去ることとなる。
アリカはいつものお気に入りの場所、屋上に来ていた。
いつもはここにいるとルノがよく来るのだが、今日は最初から一緒についてきていた。
「こんなことに巻き込んでしまってごめんなさい。
最初に私がここで先輩に声をかけたときには、こんなことになるなんて思わなかったし、私は自分が何者かすら知らなかった。」
「確か、あの時は、私が持っていたペンダントについて聞いて回ってたんですよね。」
そう語るルノはペンダントの話題が出て、もしかしたら、それの天界のアウルを増幅する力を使えば、
逃げ去った天使の行方を追えるかもしれない、と思い当たる。
しかし、肝心のペンダントの行方は…アプリコットがネットオークションで売り払ってしまっていたのである。
(ちなみに、それを購入したのはアイなのだが、アプリコット自身もそのことは知らない。)
アリカはその後、ルノと共に商店街の質屋を探して回るのだが、全く成果なく終わる。
(アリカはアプリコットから「売った」としか聞いていなかったので質屋を探すことにしたのだが、
実際はネットオークションで売っていたので、見つからないのは当然である。)
こうして、アリカは今後もペンダントの捜索を続けることとなる。
月曜真夜中 ~ラファ×ミカ?~
日も暮れて、今日のところはペンダントの捜索を中断したアリカは、アイ、渚と共に恒例の温泉に向かう。
温泉に浸かっていた渚の前に、実体化した精霊時風が現れる。
「やっと剣から出てこれたよー。 あの銃使いの悪魔の人、容赦ない一撃くれちゃって。」
どうやら、アイから受けたダメージが回復せず、これまで剣から出てこれなかったらしい。
なお、アリカは高良さん(兄)、アイは研究室のお騒がせロリコン研究員と遭遇していた。
温泉は何故かこうにも人の集まる場所である…
アプリコットはひかり寮の501号室、人工天使の封印されていた部屋を訪ねていた。
そこでは風紀委員の安城緋沙が、何か件の人工天使と戦う術の手がかりがないか調べていたのであるが、
アプリコットが緋沙に問うことには…
「ラファエルとミカエルはどっちが攻めでどっちが受けだと思う?」
…どう見ても調査の邪魔をしに来ていた。
火曜朝~授業 ~賢者の予言と野生の勘~
調査2日目、アリカは廃墟に向かっていた。
そこでは例によって占い師と遭遇する。
ここ最近、しばしそれらしき場面を見ていなかったため、忘れかけていたが、
久々に彼女は道端で占いの店を出していた。
アリカは、彼女の正体に懐疑を覚えながらも、これからすべきことを占ってもらうことに。
曰く、「鍵になるべき物は幽霊の部屋に、鍵になるべき人は青春の地に」とのこと。
曖昧な言葉の意味を考えながら、アリカは廃墟を立ち去っていった。
燕は中庭を通りかかると、そこで見覚えのある少女が犬に引っ張られているところを目撃する。
満月ちゃんを連れていこうとしている犬に燕も付いていくと、あるところで地面を前脚で叩いて吠え始める。
そこを燕が掘ってみると何やら価値のありそうな壺が出てくる。
「こんなこともあるものだな」と2人は思うこととなる。
だが、誤算は埋まっていた場所が意外に深かったことだ。
穴を掘った燕は相応の疲れを負った…
火曜放課後 ~真実に迫る午後~
昨日、アプリコットに横槍を入れられて、思ったように調査が進まなかった、という話を緋沙から聞いた燕は
改めて、ひかり寮の501号室に向かう。
床の真ん中に人工天使を封印していた魔法陣が描かれた部屋。
燕は、この部屋を調べて、魔法陣の床下に何かがあることに気付く。
床板の下を見てみると、そこには複雑な紋様が描かれた石が。
どうやら、天使の力を抑える効果を持つアイテムらしい。
燕は、これが何かに使えるのではないかと考え、石を持ち帰ることにした。
一方、アプリコットは昨日の緋沙との会話から思い立って描き始めたラファ×ミカの薄い本を持って図書室に向かい、彩羽と遭遇する。
昨日と同じく邪魔だけして帰るのかと思いきや…
本の展開について相談するアプリコットに、図書室の棚の奥から天使の恋愛模様の実例が記された資料を持ってくる彩羽。
そこから始まるアプリコットの天界裏話にも興味津々。
…意外と(ダメな方向で)気の合った2人であった。
さて、彩羽曰く、先日の人工天使はあれだけ大きな力を持っているのだから、天使であるアプリコットがその力を追えないか、
とのことだが、流石に距離があるゆえ実際に試してみるもののできない。
天使の力を増幅するような何かがあれば、力を追えるかもしれないが…
アイとアリカは研究室に向かうことに。
研究員が作った失敗作の山、「がらくた箱」からアイテムを貰ったり、柚原さんの話を聞いたりと、
研究室で時間を過ごすうち、アリカはふと、研究室の棚に鎮座する件のペンダントを見つける。
アイに交渉してペンダントをようやく譲ってもらい、昨日から探していたものを、アリカは意外な形で手に入れることとなった。
火曜真夜中 ~ゲーセンデート~
アリカが商店街に向かうと、ゲーセンの前を通りかかった時に、クレーンゲームに苦戦しているアリスを見かける。
声をかけて、代わりに取ってあげたアリカだが、そのクレーンゲームに入っていた景品はどう見ても男物のアクセサリー。
アリスは、アリカに聞こえないぐらいの声で「よりにもよってアリカ先輩に取ってもらっちゃダメじゃない…」と
つぶやいて、一転明るい声で「アリカ先輩が取ったんだから、先輩が持っててください。似合いますよ。」と言って
景品をアリカに返すのであった。
同じころ、そのゲーセンの奥、音ゲーのコーナーには、もう1組のカップルが訪れていた。
音ゲーを楽しみ、難易度の高い曲を難なくこなす隠れゲーマーの緋沙と最近の奔走ゆえか眠そうにしている燕である。
この後、ゲーセン内に置かれた椅子で緋沙にもたれかかりつつ寝落ちする燕には、周囲からの、
「リア充爆発しろ」と言いたげな視線が突き刺さるのであるが、寝ている彼はそんなことは知らない。
水曜朝~授業 ~2人目の堕天使~
部室に向かったアリカは、クロミエルと遭遇する。
クロミエルは何が理由か、天界に反旗を翻し、学園に来たというが…
理由を聞いても答えなかったが、「断じてあのニートのためなどではない」という彼の言葉は
少しの疑問を以ってアリカに伝わったのである。
その頃、アイは購買に出かけて高良先輩に絡まれ、他のメンバーも授業を受けたり、物資の調達に向かったりして過ごす。
決戦は目前に迫っていた。
水曜放課後 ~いざ決戦へ!~
水曜の昼、撃退士達は彩羽に呼び出され、再び一同に会することとなる。
アリカが見つけてきたペンダントによって増幅された天使のアウルをそれを鋭敏に感じ取れる天使が
読み取れば、相手の行く先が分かるのではと。
その探知を例によってアプリコットが渋っていると、
「そのニートを動かすより、俺がやった方が早い。」といってクロミエルが現れる。
クロミエルの探知によって特定された場所は廃墟の奥地。
全員で早速その場所に行くと、そこにあった建物には頑丈そうな扉と、それを守るロボットの門番が…
こんなものがいるということは、ここで間違いないのだろう。
撃退士達は、門番の攻撃をさばきつつ扉を破壊することに成功する。
遂に敵の本拠地に来た撃退士達。
この奥にいるのだろうウィルを探して、探索を開始する…
GMコメント
第8話です。
この話は、「休憩プレイス」に重点を置いたギミックを使ってみました。
各プレイスにイベントを設定して、そこに行くとそのイベントが起こるって感じですね。
最終話も近くなり、ここらで一通り学園内を巡って、ここまでのセッションで遭遇したNPCたちと会ってまわって貰いました。
次回はエリュシオンらしからぬダンジョンアタック的なものを予定。
またレギュレーションを考えます…
あと2話、このキャンペーンもいよいよ終盤。
最終更新:2014年11月30日 17:03