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番外編『何故かと言えばフラグだとしか言いようがない』

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番外編『何故かと言えばフラグだとしか言いようがない』 ◆RFGz8y4N2E


南春香はよく転ぶ。


「どうしたお?顎の調子が悪いのかお」
「…どこに目を付けてる…?」
俺が押さえていたのはコメカミだが。
やる夫が、ここ、と人差し指で自分の右目を指すのでそのまま手の甲を押した。
目がぁ目がぁあ、と騒いでいるが興味ない。


初めは鮮明だった。
とにかく転げ回りたい位に身体中が痛い、それでも俺は力一杯に手を握り締める。
けれど否応なく滑り落ちていく不気味な感覚―――掌に残る虚無感。
小さくなっていく少女は目を開き…ほんの一瞬、目が合った。


夢のリアルさは一日胃の不快感を忘れられない程度のもの。
…桂ヒナギク。喪失感と共に覚えている。取り落とした命は桂ヒナギクにそっくりだった。
正夢かと暫く思っていたお陰だろう、目の前で階段から落ちるのを防ぐ事のは容易かった。
が、それは夢で見た桂ではなく…
…南。


南春香はよく転ぶ。


「そうでもないお」
呟きにやる夫は勝手に即答した。目はもう大丈夫らしい。
コイツはどのクラスだったか思い出せない。と言うよりも、恐らく元から知らない。
ここは俺のクラスの筈だが…もっとも、移動教室らしく今は空だ。他クラスのサボりはこう言う所にも居るものらしい。
「…よく、見る」
少し面白いので会話を続けてみた。そう言えばやる夫の名字も知らない。
「転ぶ所をかお?そんなのお前だけだお。あ、分かったおww転ばせてるんだお?ピンチを助けるテンプレのお手軽応用だお!
臭うw臭うおww嗅ぎ付けたお!アカギはドS魔神の変態野野郎だと触れ回るおっおっwwww」
「臭う…?…お前、鼻があったのか」
「しっ、失礼だお!ここにあるお!」
顔の中央を指す…手の甲を押したらその辺りから色々と出たので嘘ではないようだ。
生憎、ちり紙の持ち合わせはなかった。


未だに夢は見るものの、最近は不快な思いが薄れてきている。
起きれば忘れるし、漫画でも読んだ後のような爽快感だけが残っている日まであった。
良い事もあった気がするが残念だが覚えていない。関西弁は印象に残っているんだが。


ポケットを探ると紙が出てきたのでやる夫に渡した。全然血を吸わないと怒っっていたが、そんなことは知らない。
何か書いてある。人参、玉葱、じゃがいも…レシートか。それは吸わないだろうな。
…南達と、買い物に行ったときのレシートだ。


たとえ転んでも問題はない。南でなくてもそうだ、誰でも手の届く範囲なら、
 もう“二度と”は離さない。

「無言で決意固めてるとかキモチ悪いおwww」
「まだ出てるが…大丈夫か…?」
「お前がやったんだお!!」

知らない。鼻を攻撃したのはやる夫自身の指だ、俺ではない。
やる夫が慌ててトイレに行こうとし、椅子に躓いて頭から倒れた。
…非常に無念だが、手が届かなかったのでこれは割愛とする。


とにかく俺の前では…南春香はよく転ぶ。


終。

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