第146話:不信感
皆が人影に気を取られている間にこっそりと抜け出し、森の奥へと移動した。
何人かには気付かれているかも知れないが、今は誰も追ってこない。
隠れ潜んでいたのが誰かは知らないが、気を使っている暇はない。
逃げる隙を作ってくれたことに感謝する。
あれはシャナではない、シャナが近くにいればすぐに分かる。
あのフリアグネの時のように。
この時、悠二は零時迷子の力に制限が掛かっていることを気付いていなかった。
悠二は長門の手を引いて、少し離れた場所まで走る。
ある程度離れた場所まで移動し、長門さんの方へ振り向いた。
「長門さんはあの人達を信用できると思う?」
言葉の裏に僕は信用していないという意味合いを含めていた。
そもそも悠二は出夢でさえ成り行きで行動をともにしていたが、信用できるとは思っていない。
自称とはいえ、『殺人鬼』と名乗る者を信用しろという方が無茶なのだ。
それになにやら知っているらしい仲間。この人たちも人を、殺すのだろうか。
「――――僕は信用していない。それに彼等とは目的が違う」
目的。彼らは脱出と言った。
その目的は僕も同じだが、それより優先して「仲間探し」という目的があるのだ。
それに、僕は見てしまった。戦う気のないと言う彼らの包丁につく『何者かの血』を。
「長門さんも仲間探しするんだったら、一緒に行かない?」
僕が長門さんを呼び出したのはこの為だ。
彼らは罠を張っていた。動きだす予定がないのは明確だ。
動くのならあんな罠を張る必要はない。
仲間を探すためにも、行動したい。
「………」
長門は無表情のまま、悠二を見つめていた。
しばらく経ち、長門は自分の思考を纏め静かに頷いた――――。
何人かには気付かれているかも知れないが、今は誰も追ってこない。
隠れ潜んでいたのが誰かは知らないが、気を使っている暇はない。
逃げる隙を作ってくれたことに感謝する。
あれはシャナではない、シャナが近くにいればすぐに分かる。
あのフリアグネの時のように。
この時、悠二は零時迷子の力に制限が掛かっていることを気付いていなかった。
悠二は長門の手を引いて、少し離れた場所まで走る。
ある程度離れた場所まで移動し、長門さんの方へ振り向いた。
「長門さんはあの人達を信用できると思う?」
言葉の裏に僕は信用していないという意味合いを含めていた。
そもそも悠二は出夢でさえ成り行きで行動をともにしていたが、信用できるとは思っていない。
自称とはいえ、『殺人鬼』と名乗る者を信用しろという方が無茶なのだ。
それになにやら知っているらしい仲間。この人たちも人を、殺すのだろうか。
「――――僕は信用していない。それに彼等とは目的が違う」
目的。彼らは脱出と言った。
その目的は僕も同じだが、それより優先して「仲間探し」という目的があるのだ。
それに、僕は見てしまった。戦う気のないと言う彼らの包丁につく『何者かの血』を。
「長門さんも仲間探しするんだったら、一緒に行かない?」
僕が長門さんを呼び出したのはこの為だ。
彼らは罠を張っていた。動きだす予定がないのは明確だ。
動くのならあんな罠を張る必要はない。
仲間を探すためにも、行動したい。
「………」
長門は無表情のまま、悠二を見つめていた。
しばらく経ち、長門は自分の思考を纏め静かに頷いた――――。
【長門有希】
[状態]:かなり疲労。
[装備]:ライター
[道具]:デイバック一式。
[思考]:情報収集/ハルヒ・キョンの安全確保/
[状態]:かなり疲労。
[装備]:ライター
[道具]:デイバック一式。
[思考]:情報収集/ハルヒ・キョンの安全確保/
【坂井悠二】
[状態]:疲労。
[装備]:狙撃銃PSG-1
[道具]:デイバック一式。
[思考]:彼らを信用はできない/シャナの捜索
[状態]:疲労。
[装備]:狙撃銃PSG-1
[道具]:デイバック一式。
[思考]:彼らを信用はできない/シャナの捜索
| ←BACK | 目次へ(詳細版) | NEXT→ |
| 第145話 | 第146話 | 第147話 |
| 第134話 | 時系列順 | 第153話 |
| 第134話 | 長門有希 | 第168話 |
| 第134話 | 坂井悠二 | 第168話 |
