第215話:恐怖を知らぬ者
「祐巳を探してくる」
潤は要の説明を聞くやいなや、短く告げた。
「そ、そんな! 一人じゃ危険ですよ。僕も行きます」
要は震える声で潤を押しとどめる。
確かに暴走した祐巳は怖かった。あの様は化け物としか言いようがない。
しかし、潤をそんな人間の元に一人で行かせるのも抵抗があった。
「そうはいってもね、その二人の面倒を見てやるやつが必要だよ。あの状態じゃあねえ……」
と、潤は座り込んだままのアイザックとミリアを顎で示した。
二人は祐巳の走り去った方向に呆けた顔を向けている。
確かに、このまま放っておくのは危険であった。
潤は要の説明を聞くやいなや、短く告げた。
「そ、そんな! 一人じゃ危険ですよ。僕も行きます」
要は震える声で潤を押しとどめる。
確かに暴走した祐巳は怖かった。あの様は化け物としか言いようがない。
しかし、潤をそんな人間の元に一人で行かせるのも抵抗があった。
「そうはいってもね、その二人の面倒を見てやるやつが必要だよ。あの状態じゃあねえ……」
と、潤は座り込んだままのアイザックとミリアを顎で示した。
二人は祐巳の走り去った方向に呆けた顔を向けている。
確かに、このまま放っておくのは危険であった。
その時、
「ブラックだ……」
「ブラックだね……」
赤ん坊が知らない人間を凝視するような顔でぽかんとしていた二人が呟いた。
「あ?」
意味の通らない言葉に、潤は眉をひそめる。
「ブラックだ……」
「ブラックだね……」
赤ん坊が知らない人間を凝視するような顔でぽかんとしていた二人が呟いた。
「あ?」
意味の通らない言葉に、潤は眉をひそめる。
「ブラック発見だな!」
「ブラック発見だね!」
しかしそんな潤には構わず、二人は喜びに満ちあふれた表情で立ち上がった。
「ブラック発見だね!」
しかしそんな潤には構わず、二人は喜びに満ちあふれた表情で立ち上がった。
「他の隊員とちょっと違う力、危なくなったら助けてくれるさりげない優しさ、
そして何より孤独を求めて走り出すシャイさ加減!」
「どこをどう見てもブラックだね!」
そのまま興奮のあまり二人は踊り出す。
しかしそれは、ワルツ、タンゴ、サンバがごちゃ混ぜになったダンスともいえない奇行であった。
「よし行こうぜレッド、イエロー、ホワイト、グリーン!」
「だれがグリーンだ!」
「知性派はブルーですってば!」
「わ、わんデシ! (ボクはシロちゃんデシ!)」
思わず二人と一匹は首を振る。
しかしミリアは聞いちゃいない。
「よしみんな、リーダー命令だ、ブラック隊員を迎えに行こう!」
「いやあの……」
「聞けっての!」
「おーーーっ!」
レッド隊員の号令に潤と要の抗弁と、ピンクの大声が続いた。
そして何より孤独を求めて走り出すシャイさ加減!」
「どこをどう見てもブラックだね!」
そのまま興奮のあまり二人は踊り出す。
しかしそれは、ワルツ、タンゴ、サンバがごちゃ混ぜになったダンスともいえない奇行であった。
「よし行こうぜレッド、イエロー、ホワイト、グリーン!」
「だれがグリーンだ!」
「知性派はブルーですってば!」
「わ、わんデシ! (ボクはシロちゃんデシ!)」
思わず二人と一匹は首を振る。
しかしミリアは聞いちゃいない。
「よしみんな、リーダー命令だ、ブラック隊員を迎えに行こう!」
「いやあの……」
「聞けっての!」
「おーーーっ!」
レッド隊員の号令に潤と要の抗弁と、ピンクの大声が続いた。
「……あのさ」
こめかみを押さえた潤が呟いた。
「……はい?」
「こいつ等殴っていい?」
「……………………ダメです」
かなり迷って、要は首を振った。
こめかみを押さえた潤が呟いた。
「……はい?」
「こいつ等殴っていい?」
「……………………ダメです」
かなり迷って、要は首を振った。
【E‐4/工場倉庫/一日目9:00】
【ミリア】
[状態]:超健康(眠くてハイ?)
[装備]:なんかかっこいいね、この拳銃 (森の人・すでに一発使用)
[道具]:デイパック(支給品一式)
[思考]:待っててねブラック!
[状態]:超健康(眠くてハイ?)
[装備]:なんかかっこいいね、この拳銃 (森の人・すでに一発使用)
[道具]:デイパック(支給品一式)
[思考]:待っててねブラック!
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