第083話:海辺の対話 作:& ◆/PaySdnlKU
潤が気絶した祐巳を見つける数時間前・・・・・・・・・
  「お前、妙に臭いな」
「・・・・・・・・煩い」
「・・・・・・・・煩い」
まったく、見ず知らずの女に開口一番臭いといわれるとは消臭剤様様だ。
ヴァーミリオン・CD・ヘイズは半ば自虐的な苦笑いを浮かべた。
組むべきか、一人で戦うべきか・・・・・・・・
とりあえず情報を得るために話しかけてはみたものの、一言会話を交わしただけでわかる。
その「只者でなさ」の前に少なからず気を引き締めることを意識した。
ヴァーミリオン・CD・ヘイズは半ば自虐的な苦笑いを浮かべた。
組むべきか、一人で戦うべきか・・・・・・・・
とりあえず情報を得るために話しかけてはみたものの、一言会話を交わしただけでわかる。
その「只者でなさ」の前に少なからず気を引き締めることを意識した。
「さて、お前はあたしに話しかけてきたわけだがいったい何の用なんだね?」
「いや、ただの情報交換だ」
とはいえ、困ったことに交換できる情報が無いのも事実だ。
ここはデイパックの中の食料かそれともこの消臭剤でも交換するか・・・・・・・そんな馬鹿な。
「・・・・・・・ふっ」
「何がおかしいんだ?」
「気にするな」
「まあいいや。あたしもねえ、まだいきなりこの辺に飛ばされてわけのわかんない状態だから交換できる情報も無いんだわ。まあ、持っててもお前とは交換しようとは思わないけれど」
そう言い赤スーツの女はニヤリと笑う。
するとタイミングよく潮風が吹き荒れ、二人の間に微妙な空気が流れた。
参加メンバーの中でも文句なしに実力者である二人ではあるのだが、かといって協調性があるわけでもない。
組めば間違いなく優秀な仲間。しかし万が一、敵に回ったときは間違いなく・・・・・・・・・・
「いや、ただの情報交換だ」
とはいえ、困ったことに交換できる情報が無いのも事実だ。
ここはデイパックの中の食料かそれともこの消臭剤でも交換するか・・・・・・・そんな馬鹿な。
「・・・・・・・ふっ」
「何がおかしいんだ?」
「気にするな」
「まあいいや。あたしもねえ、まだいきなりこの辺に飛ばされてわけのわかんない状態だから交換できる情報も無いんだわ。まあ、持っててもお前とは交換しようとは思わないけれど」
そう言い赤スーツの女はニヤリと笑う。
するとタイミングよく潮風が吹き荒れ、二人の間に微妙な空気が流れた。
参加メンバーの中でも文句なしに実力者である二人ではあるのだが、かといって協調性があるわけでもない。
組めば間違いなく優秀な仲間。しかし万が一、敵に回ったときは間違いなく・・・・・・・・・・
(だりい)
哀川潤が考えていることはこの場においてもあくまで単純なものだった。
もちろん、彼女の思考パターンからして頼まれて仲間になるなんてことはしないのは確かだ。
(しかしなあ・・・・・・・・・・)
勿論、潤からしてもヘイズがなかなかの実力者であることは察することはできる。
(まあ、あたしほどではないだろうけどな)
ここでライバルを一つ潰すか、あえて生き延びさせて、ライバルを潰させるか。
そもそもこのゲームに乗るか、乗らないか。
潤の思考はそこにたどり着いていた。
哀川潤が考えていることはこの場においてもあくまで単純なものだった。
もちろん、彼女の思考パターンからして頼まれて仲間になるなんてことはしないのは確かだ。
(しかしなあ・・・・・・・・・・)
勿論、潤からしてもヘイズがなかなかの実力者であることは察することはできる。
(まあ、あたしほどではないだろうけどな)
ここでライバルを一つ潰すか、あえて生き延びさせて、ライバルを潰させるか。
そもそもこのゲームに乗るか、乗らないか。
潤の思考はそこにたどり着いていた。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
…………穏やかな波の音が聞こえる中、空気を裂くような沈黙が続く。
「・・・・・・・・乗らないね」
そして沈黙を破るかのように潤が呟いた。
「何がだ?」
「んっ、いつもどおり勝手にやらせてもらうってことさ」
硬くなった背をぐっと伸ばしながら潤は答えた。わけが分からないといったヘイズを尻目に潤はまたにたりと笑みを浮かべ、
「あんただってこんな糞馬鹿らしいゲームになんて乗らないだろ?」
「・・・・・・・まあな」
今度はヘイズもにやりと笑う。
ともかくこの雌猫みたいな女と組んだらこっちの身が滅ぶ。
結局、彼はこう結論付けた。
(まあ残念ではあるが・・・・・・・・)
なんにせよ、今は生き残ることを考えるか。
「・・・・・・・・・・」
…………穏やかな波の音が聞こえる中、空気を裂くような沈黙が続く。
「・・・・・・・・乗らないね」
そして沈黙を破るかのように潤が呟いた。
「何がだ?」
「んっ、いつもどおり勝手にやらせてもらうってことさ」
硬くなった背をぐっと伸ばしながら潤は答えた。わけが分からないといったヘイズを尻目に潤はまたにたりと笑みを浮かべ、
「あんただってこんな糞馬鹿らしいゲームになんて乗らないだろ?」
「・・・・・・・まあな」
今度はヘイズもにやりと笑う。
ともかくこの雌猫みたいな女と組んだらこっちの身が滅ぶ。
結局、彼はこう結論付けた。
(まあ残念ではあるが・・・・・・・・)
なんにせよ、今は生き残ることを考えるか。
「・・・・・・・・・・」
そうしてヘイズは背を向け歩き始めた。
「あら、行くのか」
「ああ、突然話しかけて悪かったな」
「そうだな」
悪ぶりもせずそう答える名前も知らない彼女に背中越しに苦笑いしながら、
「まあ、あんたならいいとこまで生き残れるだろ」
「余計なお世話だバカタレ」
そう言って二人は別の方向へ歩き出した。
そうしてヘイズは背を向け歩き始めた。
「あら、行くのか」
「ああ、突然話しかけて悪かったな」
「そうだな」
悪ぶりもせずそう答える名前も知らない彼女に背中越しに苦笑いしながら、
「まあ、あんたならいいとこまで生き残れるだろ」
「余計なお世話だバカタレ」
そう言って二人は別の方向へ歩き出した。
【H-5/海岸傍の岩場/一日目1:46】
【ヴァーミリオン・CD・ヘイズ】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:デイバッグ(支給品一式)
[思考]:とりあえず東の方向へ
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:デイバッグ(支給品一式)
[思考]:とりあえず東の方向へ
【哀川潤】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:デイバッグ(支給品一式)
[思考]:とりあえず西北の方向へ
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:デイバッグ(支給品一式)
[思考]:とりあえず西北の方向へ
【残り99名】
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