歪みねぇ蟹になりたい




森に、美しき肉体を持つ男がいる。
美しい肉体ではあるがどこかまだ足りない。
そんな可愛い身体な男こそ、鎌田吾作である。

この身体でも、兄貴達と必死に戦う。
彼もパンツレスラーの一人であるのだ。
そして彼の夢、それは蟹になることだった。
兄貴の言う歪みねぇ道、吾作の道は蟹と決めたのであって、
ただの自分が進むと決めた道。
他のパンツレスラー達の言葉に左右された訳でもない。

そんな蟹になりたい想いの強さが抑えきれず、
兄貴との戦闘中、蟹になりたいね?と洗脳する事もあった。
が、吾作の精神攻撃も歪みねぇ兄貴には通用せずに敗北した。
その悔しみもあって、さらに覗いてた兄貴VSカズヤ戦にて、
カズヤが言っていた強くなりたい。
その願いが吾作のものと似ており、吾作は蟹になると同時に
強くなるんだと決めた。だから日々、肉体を鍛える。
兄貴達に敵わない筋肉でも、勝てる日が来ると信じて……。

そんな練習をしていた吾作ではあったが、
急に襲ってきたのは恐ろしい殺し合い。
バトルロワイアルへと招かれた吾作ではあったが、
ここへ来ても直、想い続けていた。


―――蟹になりたい。と


だからこんな所でだらしなく地に倒れてる場合じゃない。
地に倒れるのは敗北した時か、相手との勝負の時か。
そのぐらいしか許されない。
だから吾作は立ち上がる、その姿は森の妖精に近い何か。
歪みねぇ精神を持った男の周りはダーク♂
どこからかVAN様が表れてダーク♂潮干狩りでもされそうだ。
あの歪みだらけの男の名前、吾作はいつまでも忘れられないでいるのだ。
TDNコスギ、VAN様とも呼ばれるダーク♂な心を持った危険人物。
その存在がここにいれば?
間違い無く歪んだ殺し合いを続けてるだろう。

(出来れば、あまり会いたくはないね)

``あまり``である。
つまり、もし会えばどうするか?
パンツレスラーとして、対決を申し込む以外に何があるというのか?
相手は闇に染まったダーク♂な攻撃をしてくる。
―――出会うまでにその対処法を考えないとならない。

と、吾作はもしやと思う。
あのVAN様がいるのならば、兄貴達もいるのではと。
歪みねぇ心を持ったあの者達はかなりの強者だ。
勿論、VAN様も強者の一員なだけあって簡単には敗れないだろう。
それでもあの男達ならやってくれる気がする。
任せるとは言わないが、自分は蟹になる目的があるから。
強くなるなど、ついででしかない。

(そう、俺は蟹になるだけ。蟹になれたらそれでいい)

吾作の真の目的は蟹になることなのだから………。


さて、ダーク♂に染まりし森の中。
吾作は取り敢えずデイパックの中身を見た。
アイテムに頼るのはパンツレスラーとしてどうかだが、
蟹になるのにアイテムを使ってはならない決まりなんてない。

「ほー………まあ、いいか。
 蟹になるのに必要な物はなさそうだからね」

中身を確認した限り、良い物はなかったようだ。
それでも、一つの物を取り出した。
黒く染まった玩具みたいな何か。
まるで潮干狩りに使う物みたいだが、

コレは、潮干狩りの爪。
加工用アイテムではあるのだが、
どこか持つ所が何故か出来ており爪っぽいのは刃に部分。
この爪は名を変えて帰って来た。
その名も………。


『潮干狩りの剣』


※潮干狩りに剣なんて使いません。

そして十分に武器である。
武器ではあるのだが、潮干狩りの爪が素材な為に
斬れ味は微妙なラインである。
剣となっても、威力は所詮潮干狩りなのだ。

吾作はその剣を見るとデイパックへと戻す。
潮干狩り、海に関連するからか何故か重宝したくなった。
ただ、それだけ。
それ以外に理由なんて特にない。

そして目的は蟹になる。
その為に歩み出した。
森の中、パンツ一つで歩く男の図は実にシュールだった。
そんなシュールな図に近づく者がいた。
近づく音に気づいた吾作は後ろへと振り返る。

―――そこには、三角帽を被った小さな女の子がいた。

吾作の姿をやっと確認できたらしいその子は、
直ぐに後ろへとゆっくり一歩ずつ下がっていく。
どうしたんだ、と吾作は疑問に思う。
パンツレスラーにとって、パンツ一つの姿が普通だから。
なのだから、この姿がおかしいのだと気付けなかった。

「最悪ですー!」

それだけ言って、少女は向こうへと走り去ってしまった。
やっと誰かに会えたと思ったが、直ぐに離れられた。
理由もわからない吾作にとっては謎の行動にしか思えなかった。

が、しばらくするとまた向こうから人が来る。
やっぱり小さいその姿。
またあの子かと思った吾作ではあったが、
その数が二つへと増えてるのがわかった。

「貴方がこの子を襲ったのかしら?」

吾作の姿を見て、今度は動じない。
さっきの逃げた子よりも小さい姿ではあるのに、
その言葉には威厳がある自信だらけの感じが入っていた。
吾作はどこか勘違いされてると気付いて違うといった。

「ふーん、じゃあどうでもいいわ。
 貴方はどっちに着いて行きたいの?」

小さい子同士のやり取りが始まる。
結果、やっぱり同士で行動すると決まったようで、
自然に吾作から二人は離れていった。

「一体、何がしたかったんだ?
 しかしあんな小さな子まで連れて来られてるのか。
 主催者達の考えが読めないな。」

吾作はただ、小さき少女が殺し合いの中にいる現状に
主催者の狂気を感じたのだった。


【C-6 - 魔法の森】
【鎌田吾作@ガチムチパンツレスリング】
【状態】健康
【服装】パンツ
【装備】なし
【道具】基本支給品 潮干狩りの剣@ガチムチパンツレスリング
【思考】基本思考:蟹になりたい。
1、蟹になる為に―――?
2、主催者の考えが読めないな。


「外界には変人がたくさんいるのね」

紅魔館の主、レミリア・スカーレットが吾作から離れた後に言った。
男の様子を確かめる為に風子を利用したのだ。
実際に対峙して姿を確認して変人と認識した。
ただそれだけのこと。

「変人にも程があります!本当に、最悪です………」

あんな姿の男の目の前に来て、風子は完全に嫌になっていた。
女の子はそういうものさ………(何)

(外界の人間の考えがコレだけじゃまだわからない。
 殺し合え、そう言われて怖がったり裸で突っ立ったり………。
 本当によくわからないわ………。
 ま、外界の人間がどうであろうと私を怒らせた事が間違いなのをわからせて
 あげようじゃない。この私を下の者扱いにさせた主催者、
 そして私に刃向かう愚かな人間共など、

 ―――この、夜の支配者レミリア・スカーレットが下してくれる!)

と、レミリアに至れば外界の人共を下す事を考えていた。
当然にも風子も外界の人であって人間。
だから、出会った時にレミリアは恐ろしさを見せつけた。
その様子に風子はかなり怯えた為にレミリアは相手を見下し、
反逆してくるかどうかを様子見た。
だが風子は襲う以前に怯えて動けない様であった。
動けない無様な人間をレミリアは心で笑いつつも、
下るかどうかを問い、風子はそれに下ると答えた。
だからこれから風子はレミリアの下部、道具なのだ。
それに気付かずに、風子はレミリアの行動するのであった。


「あ!ここは学校です!………見たことのない」


そして、風子を残す目的。
外界の知識も一応取り入れる為であった。
さっきの学校に至っても、レミリアは何かわからない。
この学校という場所がどんな場所かよくわからないから風子に委ねる。
入るか入らないかを。

「夜だから……あまり、入る事はよくないです。
 それにレミリアさんは夜に活動するのですから、
 今の内に外でやれる事をやった方がいいかもしれないです」

成程、とレミリアはその考えを受けて、
下部ながら良い案を出したと思いつつも
この学校という場所は日が明ける直前まで入らず、
日が昇ってから入るという事にした。

「じゃあ、日が昇るまでどこに行くのかしら?」

と、ここでレミリアは地図を初めて見る。
地図など下部に任せる事としていたからだ。
ここで見たのは、ここがどこか自分の目で確認する為。
と、そこで見た建物の名前の一つに目がいった。

『紅魔館』その存在がレミリアに伝わったのだ。

「ふ、ふふふ………」

静かに笑うレミリアに、風子は?を浮かべる。
笑い止まったかと思うとレミリアは声を出す。

「風子、着いてらっしゃい。
 これから私の凄さを見せてあげるわ」

レミリアは決めたのだ。
自分の持つ素晴らしい建物、紅魔館に行くと。
その紅魔館の凄さを風子に見せつけると。
見せつければ、完全に自分の存在がわからせれる。
そう思ったから、そして何より紅魔館は自分の館。
ここに入れるのは私が認めた者のみなのだから………。


(だから、幸運に思いなさい。伊吹風子)


学校前を通って、彼女達は紅魔館のある方へと歩く。
その道のりは、北東の方に何歩か。
地味に遠いがそれでも歩くのを彼女達はやめないのだ。


【D-6 - 学校 門前】
【レミリア・スカーレット@東方project】
【状態】健康
【服装】レミリアのドレス
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:主催者達と外界の人間共を下す。
1、風子は利用するだけだ。
2、外界の者は変人ばかりね。
3、紅魔館へ行き、風子に自分の凄さを見せつける。

※吾作の姿は確認しましたが、名前は知りません。


【D-6 - 学校 門前】
【伊吹風子@CLANNAD AFTER STORY】
【状態】健康
【服装】制服@CLANNAD
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:???(殺し合いには乗っていない)
1、レミリアさんと行動します。
2、あの男の人、最悪です!

※吾作の姿は確認しましたが、名前は知りません。


【潮干狩りの剣@ガチムチパンツレスリング】

 ダーク♂潮干狩りの時にVAN様が使われた物が、
 剣になって登場した歪みある武器。
 切れ味がだらしねぇので、武器として使えるかどうか。
 仕方ないね。


sm019:荒ぶるKAITO兄さん 投下順 sm021:Escape
START 鎌田吾作 sm055:蟹と魔法少女、どっちになりたい?
START レミリア・スカーレット sm049:人殺しは愛する彼のために
START 伊吹風子 sm049:人殺しは愛する彼のために


最終更新:2011年07月20日 22:22