Black mind
酒場から出た少年を追わず、留まる者が一人。
サンタサン、自分からは出ずに誰かが来るのを待ってるのである。
気味の悪い笑みを浮かべて、その顔から分かる悪企み。
大事な者を失った時の絶望感溢れる顔を見るのが目的という外道な行為、
それをする為に今、手に入った情報を悪い方向に流す。
苗字は不明だが、由香という妹の存在。それを悪人に仕立て上げる。
そして勝手に由香を殺してもらってあの兄の絶望の顔を見る。
想像するだけで楽しくなりそうで、サンタサンは益々笑う。
そんな黒い心を持つ者はいつか破滅する運命を辿ることも知らず……。
とはいうものの、どんな悪い情報を流すかはあまり考えていなかった。
正直、由香という子の外見を知らない為に外見に合わない情報を流しては
直ぐに嘘と見破られて挙句、逆に自分が殺され兼ねない。
どんな姿であろうが考えられる悪情報を流す必要があるのだ。
その内容はサンタサンであろうが簡単には思いつかず、悩まされた。
一度由香という子を見ていれば考え易さは格段に上がるのだが………。
先ずその子が彼にとってのなんなのかを知るべきに思える。
彼女なのか?家族なのか?それを知るのは彼の知人のみ。
ここは一つ賭けに出て考えてみるべきか?
もし由香という子が彼の彼女だった場合ならどう言えばいい?
もし由香という子が彼の姉か妹だった場合ならどう言えばいい?
………と、ここで一つの事が思い浮かんだ。
二つには共通してる事がある、そう………彼女だろうが家族だろうが同じこと。
それは彼の事が好きであるという事だ。家族の方なら仲違いの可能性はあるが、
あれ程、心配するぐらいならそれはないのは確実に分かる。
サンタサンはやっと、悪情報の内容を捉えた。
彼の事が大好きだから、彼の為に殺害に動いてる、そういえばいい。
何故わかるかと言われれば、その彼に出会ってその様子から語っていけば
信じるのも無理は無い。サンタサンは勝ちを確信した。
―――そして、丁度そこに近付く二人の人影。
(来た来た……ククク、まあ軽くやっちゃいますかぁ☆)
サンタサンは悪い笑みを浮かべてその二人の前へと現れた。
静かな夜道に現れた彼の姿は、二人にはどう見えたのか?
それはともかくとして、サンタサンは先ず悪い人じゃないアピールをした。
「こんばんは。あー、殺し合いには乗ってない者ですので大丈夫ですよ」
心の内で思ってることはまったく違う。
だが一般人が心を読める筈が無い、その言葉はいとも簡単に信じられた。
真っ先に殺し合いに乗ってないと言うのは逆に怪しかったかもしれない。
だがそんな心配も今や不要、あっさりと二人は信じたから。
「私達も同じく乗っていない者です。私はひろしと言います。
こちらは流歌さんです。よろしくお願いします」
そう言ってひろしと流歌は礼をした。
取り敢えず名乗って置いて問題は無いと思うのでサンタサンも名乗る。
デスノートなんて持ってない筈、いや持ってても大丈夫なんだが………。
「実況やってました、サンタサンと申します」
そう言って、サンタサンも一礼した。
共に名前を言ってから先ず言葉を放ったのはサンタサン。
勿論、言う内容は決まっている。
出会う前から考えていた由香に対しての悪情報。
これを言い触らすのが目的だから。
「先に言わせてもらいますね。開始早々知ってしまったんですよ~。
先程ね、由香っていう子がいたんだけどこれが危なくてね………。
私は何とか逃げる事が出来たんですが、その子もう人殺しちゃってて……。
近寄らない方がいいと思いますよ?由香っていう子には好きな人がいる
みたいで、多分その人の為に殺し合いをしちゃっているんだと思う。
……まあ、かわいそうだけどどうすることも出来ないね……。」
サンタサンは完璧だと思った。
これ程にも話を作れるなんて一種の才能では?
二人はその話を静かに聞いてくれていた。
そして、反応が返って来た。
「………そうですか。忠告をありがとうございます。私も話す事があります。
この先に館があるんですがその館には入ってはいけません。
入ったら最後、命は無いと思っても問題ないぐらいやばいですので」
ひろしの言った言葉をサンタサンは頷いてわかったと言っておいた。
………だが、サンタサンはそんな言葉を信じる程単純じゃない。
ワタナベの作った改造ポケモンによって一つ一つの言葉を信じれなくなってきていた。
この男は館に何かを隠している。そんな気がしたのだ。
だから自分は次にあっちの方へ行く、そう決めた。
「では、お気をつけて行動を。私は行くべきところがあるので」
そう言ってサンタサンは歩いて行った。
勿論向かう先は館方面――……それがバレないように周り道をする。
と、そうしようとした矢先―――言葉が聞こえた。
その声はとても低く、あの場にいた誰かの声には思えない。
………だが、本当にその声は聞こえてきた。
「嘘を吐いて、どうするつもりだったのでしょう?」
ギクッとそんな音が聞こえそうなぐらいサンタサンは吃驚した。
その声は背後から聞こえてきた。―――そして、振り返った。
サンタサンの目に映ったのは、一つの鏡……それを持つ男と横に女。
先程の二人だ。……その鏡が一体何かは分からない。
……だが嘘なのは事実、何故分かったのか?
もしかして由香の知人だったのかもしれない。知人なら分かるだろう。
予測で嘘と見抜くのもた易いのだろう。
だとするならば、完全にサンタサンはやらかしたことになる。
「は、ははは、そ、それはですねぇ~~……」
サンタサンは頭をフル回転させて言い訳を考えた。
その答えが出るよりも早く、サンタサンの目の前に何かが突きつけられた。
フランベルジェ―――西洋剣の総称で止血しにくくする為に殺傷能力が高い。
そんな剣が今、サンタサンの目の前にある。
「余計な情報を周りに流す理由―――由香という子に何か恨みでもおありですか?
例えあったとしても………嘘を言うのはどうか……?私達としては信用
ならない。だから悪いですが、ここで処分させてもらいます」
そう言って、ひろしはフランベルジェを振り上げて―――。
だが振り下ろす前に、立ちはだかった者がいた。
水無月流歌――彼女がサンタサンの前に立ったのだ。
「……何故、庇うのですか?流歌さん」
「人を殺しては、貴方は成り下がってしまう。それは良くないこと。
そんな理由で彼を殺すことに着くのは明らかにおかしい」
「……………流歌さん、貴女の考えが読めませんね」
ひろしはそう言いつつ、フランベルジェを下ろす様子は見せない。
尚も流歌はサンタサンを庇ってひろしの前に立っている。
無言の空間がそこを支配した。
………だがそんな支配も数秒にして終了した。
ひろしの思う罪人の行為によって―――。
「つまらない茶番は、どちらを有利にしますかねぇ?」
流歌の後ろにいるサンタサンが馬鹿にしたような言い方でそう言った。
それだけならまだ良かった。………だが、次にサンタサンは大罪を犯した。
サンタサンも武器が無い訳ではない。しっかり彼も持っていたのだ。
フランベルジェに劣るが、中華包丁が彼には支給されていた。
その中華包丁は思いっきり前に立っている流歌の頭に向かって下ろされた。
ゴキッ、と嫌な音がしたと思えば―――ひろしの目の前の人物は変わった。
流歌の身体は崩れていき―――前には尚も流歌の顔や身体に包丁を振り下ろす男。
「る、流歌さ―――………」
叫ぶよりも早く、流歌の生は遠ざかっていっていた。
サンタサンの狂ったような表情―――顔が潰れていく流歌の姿。
そんな状況に、ひろしは動かざるを得なかった。
例え流歌が反論しようが、自分の行いで汚くなろうが許せない。
振り上げたままのフランベルジェは、振り下ろされた。
狂いに狂った男の身体は二つになって、流歌の上へと落ちて行った。
「………流歌さん……」
ひろしは静かに名前を呼んだ。
静寂の空間の中、その声は寂しく響いた。
目の前に映る姿―――先程の美しかった顔なんてない。
とにかく醜い、潰れた顔や身体―――惨殺死体だった。
「すいません………」
何も守ることも出来ず、ただ散った彼女に謝る。
そんなので済む筈が無い、流歌の分は取り戻せない。
ひろしは黙ったまま、流歌のデイパック、そしてサンタサンのデイパックを拾った。
流歌の方には、食材とダイヤモンドが5個入っていた。
サンタサンの方には食材とねこみみが入っていた。
一応、ひろしは全部持っていくことにした。
思いがけないところで使えるかもしれない、そんな無駄な期待を込めて。
ただ失ってしまったものはかなり大きかった。
一気に気を落としたひろしが向かう先は、本人ですら分からない。
【水無月流歌@零 ~月触の仮面~ 死亡確認】
【サンタサン@ゲームプレイ・ゲーム実況 死亡確認】
【C-4 - 館外】
【ひろし@青鬼】
【状態】疲労(小) 気分:下 少し手に血
【服装】ひろしの私服
【装備】フランベルジェ@現実
【道具】基本支給品×3 ダイヤモンド鉱石×5@Mine craft ねこみみ@THE IDOLM@STER
浄玻璃の鏡@東方花映塚 中華包丁@現実
【思考】基本思考:???(殺し合いには乗っていない)
1、青鬼のいる館が危険だと周りに知らせる。
2、苗字が思い出せない………?
3、流歌さん………すいません………。
※苗字以外の事の記憶は思い出せます。
※参戦時期は、一人脱出END後です。
※流歌、サンタサンのデイパックを回収しました。
【フランベルジェ@現実】
刀身が波打つ西洋剣の総称。特殊な刀身が肉を引き裂き、止血しにくくするため、一般に殺傷能力が高い。
【中華包丁@現実】
中華料理に用いられる、刃が四角く身幅の大きい包丁
【浄玻璃の鏡@東方花映塚】
閻魔が持つ鏡、大きさは閻魔によりまちまちだが映姫の物は手鏡程度の大きさ。
この鏡に照らされると、過去の行いが全て判ってしまう。
だが、主催者に能力を制限され、バトロワ内のみの過去しか判明させれない。
【ねこみみ@THE IDOLM@STER】
可愛い可愛い猫さんの耳だよぉ~♪みゃ~お♪
【ダイヤモンド鉱石@Mine craft】
ダイヤモンドは見つかりにくいから。
しかしRTAで2分や3分で見つける兵がいる。
なお、デイパックの中には5個入ってた模様。
最終更新:2011年10月06日 00:25