目前の悪夢




のび太はゾンビやリッカーの姿を画面で見てしまった。
それから数分間は固まっていた。
この世のモノとは思えない生命体がここにいるのだ。
あんな存在を見ては、今までの日常生活が恋しくもなる。
……だが、本当にこのような場所から脱出出来るのか怪しい。
先程の生命体を回避してこの施設から脱出しなければならない、
これは不可能でも実行しなくてはならない条件のようなもの。
気を取り戻したのび太は、もう一度モニターを確認した。
ゾンビは映っているがリッカーの姿は消えていた。
これでは何処にいるか分からない、だがのんびりしてはいられない。

(僕は、こんなところで死なないっ!!)

そう強く心に言う。
のび太は更にもう一回モニターを見て―――
―――やっぱりゾンビしかいないモニターを確認すると駆け出した。
出口は何処にあるか知らない。勘で突き進む。
あんな物体、じっとしている方が危険だ。
足は決して早くはないが、のび太の足は止まる様子を見せない。
しばらく走ると、耳が何かの音を捉えた。
ウウウウウという低い唸り声が聞こえた。

(この声……さっきの奴等が近い?!)

その声は益々大きくなってくる。
どっちから来る、のび太は道を見渡す。
前か後ろしかないこの道、どちらから来るのか?
耳を澄ませてもう一度その声が聞こえる方を捉えようとした。
………そして、のび太は方向を確信した。

(明らかにこれは後ろから……だから前に走る!!)

走り初めて数秒後に後ろを振り返る。
ゾンビの姿がそこに見えた。
のび太の判断は正解だった、そんなのに足を止めずにまだ走る。
脱出までが危険――悪夢。分岐点がある。
のび太はそこで曲がることにした。
もしゾンビがこちらに来た場合――あんな奴の思考はきっと単純。
もしかすれば曲がり角に気付かず直進するかもしれない。
それに足は自信は無いけどゾンビぐらいなら捲ける筈。
勝手な決めつけだったが、追手が来る様子は見られない。

また曲がり角だ、左か右かの選択。
細かい事など考えずにのび太は取り敢えず左を選択した。
………そして―――――。

「うわぁっ!!」

何かにぶつかった。
のび太はこの瞬間――死を覚悟した。
先程の生命体にぶつかったなら―――もうお仕舞いだ。
この逃走劇の勝者は生命体ということになる。
………だが、神はのび太に味方した。

「おおっ?大丈夫ですか?」

そんな声が聞こえてのび太は前を見た。
大人の男が二人、前にいる。
攻撃してくる様子も無くむしろ助けようとしてる気がした。
手を差し出してくれた男の人に大丈夫といいつつ立ち上がる。
そして立ち上がり―――先に口が動いたのは男の方だった。

「sojiroといいます。殺し合いは嫌なので乗ってません」
「俺はぞの。殺し合いに反逆し者――またの名を革命騎士……」

厨二ワールド全開なぞの。
のび太はこの二人は悪い人じゃないのは分かった。
殺し合いを打破しようとする協力者とも言える気がした。
とにかく自己紹介をされたのでのび太はし返した。

「野比のび太です。僕も殺し合いには乗ってません」

本当に小学生なのかと疑わざるを得ない態度でのび太はそう言った。
それからのび太は直ぐにこの研究所からの脱出の為に、出口を聞いた。
勿論、二人はこの研究所の事などまったく知らないから分からないと言う。
その答えが返ってくると、のび太は真剣な顔になって直ぐに脱出すべきである
ことを二人に説明した。ゾンビとリッカーのことを話せば直ぐに二人は理解してくれた。

「取り敢えずジッとなんかしてられないぜっ!!カモォン!!」

ぞのが先導して、走り出した。
のび太は既に若干疲れていたが、休憩は後だと言い聞かせて―――
運動が苦手な彼なりに頑張って走った。走りに走った。
分岐点は直ぐにぞのが決断して進んで行く。
sojiroとのび太はそれに黙って着いて行くのみ。
………だが、これは完全に間違った選択だった。
そう、ぞのといえばプロの迷子で有名なのだ。
プロの迷子のぞのが先導すれば―――こんな場所を抜けれる訳が無い。

「あれ……本当に出れるのこれ?」

ぞのがそんなことを言った。
迷子スキル高し彼に先導は間違っていた。
いい加減疲れも溜まって来た頃――さらに悪夢は訪れた。
sojiroが、それに指をさす。

「あ……あの……あれ……なんですか……?」

sojiroの指さす方。
そこにはあのモニターで映っていた生命体がいた。
名はリッカー。動きが素早く天井にも昇れる。
そんな生命体が音をたてながら、こちらに走って来た。

「マズイ!皆、逃げろっー!!」

ぞのがそう叫ぶと、3人は一斉に走り出した。
誰もが命の危機を感じて――死にたくないから走り出した。
リッカーが捉えた姿はその3人の内の誰か―――。
出口のわからない研究所の中で逃げ惑うのは非常にやばい状況だ。
のび太はそろそろ疲れが限界に来ていた。

「っ!のび太君っ!」

sojiroがそう叫んだ。
のび太はもうフラフラになって走っていた。
そんな状態であんな化物が逃げたら、捕まってしまう。
直ぐにsojiroはのび太を背負って走り出した。
後ろの化物は直ぐそこにいる。
このままじゃグチャグチャにされて殺されてしまうっ!
変な場所に呼ばれて、こんな場所で死んで人生を終える?
冗談じゃない。絶対にここから脱出する。生還する。
sojiroは無我夢中になって走った。

(あれ……ぞのさんは何処に……?)

前方にいた筈の彼の姿は何処にもなかった。
周りを見る余裕なんてsojiroにはないが、それだけは分かった。
何か嫌な予感がした。だが、次に見えたのは救いの光景だった。
明かりのついてる研究所内に見えたそれは黒い四角。
それが外だと解釈出来るのに時間は要さなかった。
助かった、sojiroは最後のひと踏ん張りで走って―――。
ついに、研究所内から脱出することができた。
sojiroはそれでも少し研究所から距離を置いて、のび太を下ろした。
知らない間に彼は眠ってしまっていた。
取り敢えずのび太の無事は確保したが………安心は出来ない。
sojiroにはもう一人救わないとならない人物がいる。
ぞの―――出会って直ぐながらも、悪人ではない彼。
……だが、sojiroは再び中へと入る気力は無かった。
のび太を背負って走った、それが十分な疲労に繋がったのだ。

(……無事でいてくださいよ)

それだけを祈って――sojiroは研究所の外から生還を祈るのだった。


【G-2 - 研究所外】
【sojiro⇔夢馬@ニコニコ生放送 マリオ64RTA】
【状態】疲労(中) 休憩中
【服装】私服
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:会場からの脱出。殺し合いは最小限に抑えたい。
1、研究所から出れて良かった。
2、ぞのさん……無事でいてくださいよ……。
3、何ですかあの化物は……。

※ぞの、のび太とは名前を交換した程度です。
※リッカーの姿を確認しました。


【G-2 - 研究所外】
【野比のび太@ドラえもん】
【状態】疲労(大) 睡眠中
【服装】私服
【装備】針(ポケット入)
【道具】基本支給品 おはぎセット@ひぐらしのなく頃に イタリアの白旗@ヘタリア Hetalia Axis Powers
【思考】基本思考:ドラえもん達を探し、ここから脱出する。
0、……………。
1、ドラえもん達を探す。
2、研究所から脱出する。

※おはぎセットの針は抜かれています。
※ゾンビ、リッカーの姿を確認しました。
※ぞの、sojiroとは名前を交換した程度です。



「くっ!ここは、何処なんだっ?!」

ぞのは未だに迷っていた。
プロの迷子は、苦労するものだ。
焦っては駄目だ……でも焦るしかない。
あの生命体を見てからもう何分経ったのか?
そんなの数える余裕なんてない。
今はこの研究所からの脱出が要求されている。
永遠に見つからない出口―――ぞのは閉じ込められたんじゃないかと疑った。
後ろを見ても、先程の二人は消失してしまいもうどうすればいいか。
そんな最中―――ぞのは見つけた。
またしても別の参加者に遭遇したのだ。
期待は出来ないが、ぞのは出口を知らないか聞いてみることにした。

「お~い!出口しら―――?!」

そこでぞのの言葉は遮られた。
襲ったのは、膝部分への激痛。
その部分に視線を向けてみれば血が出ていた。
銃声も聞こえた、だからぞのは理解した。
アレは危険人物だと。そして自分は撃たれたのだと。
それが分かってから、ぞのは壁に身を隠した。
………いや、身を隠すでは駄目だ。距離を置かないと安全じゃない。
無理をしてでもぞのはその場から走り出した。

自分を襲う二名の存在から逃げる為に―――。

銃を持った存在は、不気味に笑いつつぞのの方へと足を進めた。
ぞのの逃走劇は延長された。
今、最大の危機に陥ってる彼が助かる余地があるかは分からない………。



「紗音―――わかってるよ。僕が皆を殺してしまえばいいんだよね……ハハ、ハハハハハ」



【G-1 - 研究所】
【ぞの@ゲーム実況・ゲームプレイ】
【状態】疲労(中) 膝に直弾(出血)
【服装】私服
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:殺し合いはしない。
1、研究所から抜け出す。
2、取り敢えず逃げる。
3、研究所に出口なんかないんじゃ?

※リッカーの姿を確認しました。
※sojiro、のび太とは名前を交換した程度です。


【G-1 - 研究所】
【右代宮譲治@うみねこのなく頃に】
【状態】健康
【服装】譲治のスーツ
【装備】銃器
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:優勝して、紗音を生き返らせる。
1、絶対に、優勝してやる……!!!
2、あの男(ぞの)を殺す。

※参戦時期は、EP1の倉庫確認後~絵羽夫妻死亡前のどこかの期間です。


sm057:Black mind 投下順 sm059:居場所
sm019:荒ぶるKAITO兄さん 野比のび太 sm000:[[]]
sm040:Unknown物体--リッカー-- sojiro⇔夢馬 sm000:[[]]
sm040:Unknown物体--リッカー-- ぞの sm000:[[]]
sm040:Unknown物体--リッカー-- 右代宮譲治 sm000:[[]]


最終更新:2011年10月06日 00:26