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※1
下記の説明は、日本語版 Microsoft Windows XP/Vista/7 上で動作する英語版 RCT3:Platinum!/Deluxe Edition に適用されるもので、他のバージョンには当て嵌まらない場合があります。説明文中の用語の英語/日本語表記は公式のものではありません。
Design-a-matic 4000 (Klinn氏)の
フライング・カメラ・ルート・エディタのチュートリアルで学んだ内容と自ら試行錯誤した結果を基に、説明を記載します。
1.フライング・カメラ・ルート・エディタ(FCRE)とは?
RCT3のプレイ画面の動画を撮影する際、視点を動かす方法には「キー/マウスでのムーブ操作」「ライド・カム(コースター・カム)」「ピープ・カム(※2)」等があります。しかし、これらの何れの方法を用いても、視点を自由なルート(軌道)や速度で動かすことはできません。それを実現するのが「フライング・カメラ」であり、そのルートやレンズの向き、速度を編集するツールが「フライング・カメラ・ルート・エディタ(以下FCRE)」です。イメージとしては「フライング・カメラ」=「ビデオ・カメラを取り付けたヘリコプター」であり、FCREはそのヘリコプターの飛び方を決めるものだと捉えて下さい。ただし、実際のヘリコプターとは違い、地表面や水面を含め、ゲーム中のあらゆるオブジェクト(物体)を通り抜けることができます。逆に、実際のカメラでは当然できる「左右に傾けること」「天地を反転すること」が、フライング・カメラにはできません(図1)。
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図1 フライング・カメラを左右に傾けたり、天地を反転させることはできません。 |
2.FCREの起動
FCREは、キャリア/サンドボックス/カスタム・シナリオ・エディタの何れでも起動できます。余り意味は無いと思いますが、コースター・デザイナー/ビルディング・デザイナーにおいても可能です。起動するには「ピープ・ネームにチート・コード "D Lean"(※3)を入力(大文字/小文字不問)」するか「ショートカット・キー[CTRL+SHIFT+0(フル・キーのゼロ)]を押し」ます。前者はリネームするべきピープがいなければできませんし面倒臭いので、後者をお奨めします。FCREはライド・カム(コースター・カム)/ピープ・カム等の特殊な表示モードでは起動できません。また、マウス・カーソルがメニュー・アイコンや他のダイアログの上に載っている時も起動できません。
FCREを起動すると、以下の様なダイアログがポップアップします(図2)。
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図2 FCREの初期ダイアログ |
この状態では、23番「新しいルートの作成を開始(New Route)」と26番「保存したルートを読込(Load)」のボタンのみ使用できます。
3.サンプル・データの読み込みとプレビュー
フライング・カメラによってどの様な映像ができるのか、サンプル・データを読み込んで再生してみましょう。
FCREのデータ・ファイルは拡張子が".fcr"です。ダウンロードする等して入手したfcrファイルを利用する際には、RCT3の本体実行ファイル(RCT3plus.exe)が保存されているフォルダ(例:C:\\Program Files\Atari\RollerCoaster Tycoon 3 Platinum)に移します。FCREで作成し保存したfcrファイルも全てこのフォルダに収められます。
キャリア・モード「RCT3」の第2シナリオ "Goldrush!" の初期マップ向けに、サンプルのfcrファイル "SampleFCR.fcr" を用意しました。
こちらからダウンロードし、RCT3本体実行ファイルのあるフォルダに保存して下さい。その上で、"Goldrush!" の新規ゲームを開始して下さい。FCREを起動後、図2にある26番のボタンをクリックし、ファイル選択画面から "SampleFCR.fcr" を選び、読み込んで下さい(図3-1)。
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図3-1 fcrファイルを開くダイアログ |
データを読み込むと、FCREダイアログに多くのコントロール(ボタンやスライダ等)が現れます(図3-2)。
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図3-2 サンプルのfcrファイルを開いた直後のFCREダイアログ |
FCREのダイアログは開いたままで、マップ内で視点を動かしてみて下さい。随所にFCREのマーカーが配置されているのが判ると思います(図3-3)。マーカーの表示サイズが小さ過ぎる場合は、22番(図3-2・3-3)のスライダ(青とシアンの境界部)を上へ動かしてみて下さい。これらのマーカーの意味は第5節で説明します。
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図3-3 マップ内に配置されたFCREのマーカー |
雰囲気を出すため、ゲーム進行速度は「通常」に設定した状態で(停止/早送り/高速早送りでも可ですが)、9番「UI(※4)を全て消してフル・スクリーン・プレビュー(Solo Play)」(図3-2・3-3)のボタンを押してみて下さい。すると、全てのメニュー・アイコンやダイアログが消え、フル・スクリーン・プレビューが始まります。パーク・エントランスをくぐって、園内をざっと一周するムービーになっています。9番ボタンによるプレビューは(恐らく)中断できませんので、終了するまで眺めていて下さい。FCREを使って出来るカメラの動きについておおむね判っていただけるのではないかと思います。
4.FCREのダイアログ
第3節で説明しました様にfcrファイルを読み込むか、あるいは、FCREダイアログの初期状態(図2)で23番のボタンをクリックすると、ダイアログには多くのコントロール(ボタンやスライダ等)が現れます(図4)。但し図4は、説明すべきダイアログの要素を全て出現させるために、23番のボタンをクリックした後に幾つかの操作を行なった後のイメージです。個々のコントロールの詳細は第7節以降の説明を参照して下さい。以前のバージョンのFCREには存在していなかった15番「New target smoothing」のチェック・ボックスの機能については、筆者がウェブを検索した限り未だ判っていない様です。情報をお待ちしております。
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1 |
タイム・ライン : 濃淡の境界 = 現フレーム(プレビュー表示)の時点 |
12 |
選択中のキー・フレームをタイム・ライン上の 現フレーム時点に移動(Set Time) |
2 |
キー・フレーム : 四角の左辺 = キー・フレームの時点 |
13 |
選択中のキー・フレームを 現在の視点に置き換え(Set Pos) |
a |
非選択状態のキー・フレーム |
14 |
選択中のキー・フレームを削除(Delete Pos) |
b |
選択状態のキー・フレーム |
15 |
機能不明(New target smoothing) |
3 |
現在の視点をタイム・ライン先頭に キー・フレームとして追加(S) |
16 |
プレビュー・ウィンドウをON (Viewfinder camera view) |
4 |
現在の視点をタイム・ライン終端に キー・フレームとして追加(E) |
17 |
フル・スクリーン・プレビューをON (Main camera view) |
5 |
現在編集中のルートの名前 |
18 |
プレビュー再生を停止 |
6 |
現在のフレーム時点にキー・フレームを 追加(Insert) |
19 |
プレビュー再生を開始 |
7 |
カメラの移動の速さが一定となる様に キー・フレームの時点を再計算(Recalc) |
20 |
プレビュー・ウィンドウ |
8 |
ルートがスムーズになる様に移動方向 ガイドラインの長さを調節(Control) |
21 |
フライング・カメラの全体的な速度調節 |
9 |
UIを全て消してフル・スクリーン・ プレビュー(Solo Play) |
22 |
マーカーのサイズ調節 |
10 |
録画開始(Record) |
23 |
新しいルートの作成を開始(New Route) |
11 |
マーカーの座標系(下記の3つの内1つ選択) |
24 |
現在のルートを削除(Delete Route) |
a |
プレイヤー視点基準(Camera) |
25 |
編集するルートの選択 |
b |
マップ基準(World) |
26 |
保存したルートを読込(Load) |
c |
フライング・カメラ基準(Local) |
27 |
ルートを保存(Save) |
図4 ルート編集中のダイアログ |
それでは、実際にルートを編集して行く前に、次節から順番に「マーカーとガイドライン」「マーカー位置を調整するための3つの座標系」「タイムラインとキー・フレーム」についてそれぞれ説明します。
5.マーカー と ガイドライン
マーカーは、フライング・カメラのルートとレンズの向きを規定するもので、「カメラ・マーカー」「レンズ方向マーカー」「移動方向マーカー」の3種類あり、それぞれ濃紺色の「一昔前のムービー・カメラ」「立方体」「球(正十二面体?)」の形のポリゴンで表現されています(図5-1)。1つの「カメラ・マーカー」には必ず「移動方向マーカー」と「レンズ方向マーカー」が付随しています。
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図5-1 マーカーとガイドライン |
フライング・カメラの「ルート(軌道)」は暗紫色の曲線(正確には折線)で表されています(図5-1)。「ルート」は、始点(S)となる「カメラ・マーカー」から起こり、中間の「カメラ・マーカー」を順に通過して、終点(E)となる「カメラ・マーカー」へと達します。但し、中間の「カメラ・マーカー」無し、始点・終点の2つのみの構成も可能です。「ルート」は常に一方通行かつ一本道で、逆方向への移動や分岐等はありません。
「レンズ方向マーカー」は文字通り、フライング・カメラのレンズの向きを規定します。「カメラ・マーカー」と「レンズ方向マーカー」の間を結ぶ緑線が「レンズ方向ガイドライン」です(図5-1)。筆者が調べた限りにおいて、「レンズ方向ガイドライン」の長さに(恐らく)意味はありませんので、操作性や視認性が高くなる様な距離に「レンズ方向マーカー」を設置して下さい。
「移動方向マーカー」は、その「カメラ・マーカー」を通るルートの形状を決めます。「カメラ・マーカー」と「移動方向マーカー」の間を結ぶ青線が「移動方向ガイドライン」です(図5-1)。「カメラ・マーカー」「移動方向ガイドライン」「移動方向マーカー」は、ドロー(ベクター)系描画ソフトウェアのユーザーにとっては馴染みのある「ベジエ曲線描画ツールのノードとハンドル(ヒゲ)」に相当します(※5)。「移動方向ガイドライン」が長ければ長い程、ルートの形状に与える影響は大きくなります(図5-2)。
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図5-2 移動方向ガイドライン |
6.マーカー位置を調整するための3つの座標系
前節で説明した「カメラ・マーカー」「レンズ方向マーカー」「移動方向マーカー」の位置を調整するには、マーカーのポリゴンを直接ドラッグするのではなく、マーカーには付いている「マーカー移動ハンドル」をドラッグします。「カメラ・マーカー」を移動させると、それに付随する「レンズ方向マーカー」及び「移動方向マーカー」も一緒に平行移動します。
「マーカー移動ハンドル」には、3本の「軸方向移動ハンドル」(緑軸・青軸・赤軸)と、3枚の「平面内移動ハンドル」(2辺の黄線と2つの軸で囲まれる正方形)があります(図5-1・6-1左)。それぞれのハンドルにマウス・カーソルを近付けるとハンドルの色が明るく変化し、その状態でマウスの左ボタンを押し下げると、マーカーをドラッグで移動できます(図6-1)。
ハンドルの一部が、画面外にはみ出たり、オブジェクトや他のハンドルに隠れると、マウス・カーソルを近付けても色が明るく変化せずドラッグ出来ないことがあります。その場合は、視点をずらしたり、
オプションでオブジェクトを非表示にしたり、FCREダイアログ22番の「マーカーのサイズ調節」スライダ(図4)でマーカー・サイズを調整する等して、ハンドル全体が前面に表示される様にして下さい。マーカーのポリゴンは、マーカー移動ハンドルを一部隠している様にみえますが実際には、ハンドル選択の邪魔になることはありません(図6-1右)。
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図6-1 軸方向移動ハンドルと平面内移動ハンドルの選択 |
「軸方向移動ハンドル」をドラッグすると、軸が示す方向とその真逆方向にマーカーを移動できます。「平面内移動ハンドル」をドラッグすると、2つの軸で出来る平面内でマーカーを移動できます。例えば、緑軸と赤軸の間にある「平面内移動ハンドル」は、緑軸と赤軸で出来る平面内を移動させるために用います。
緑軸・青軸・赤軸の意味は、ダイアログ11番の「マーカーの座標系」の3つのチェック・ボックスの内「プレイヤー視点基準(Camera)」「マップ基準(World)」「フライング・カメラ基準(Local)」のどれを選択するかによって変わってきます。
「プレイヤー視点基準(Camera)」は、「Camera」という表現になっているため誤解してしまいがちですが、「フライング・カメラ」基準の座標系ではありません。RCT3のウィンドウ、つまり、プレイヤー視点を基準とする座標系です(図6-2左)。筆者には、コレといった使いどころ(この座標系だととても便利なところ)が見出せず、余り利用していません。
「マップ基準(World)」は最も理解し易い座標系だと思います。マップのメッシュに沿った縦横の緑軸・赤軸と、地表面に垂直な青軸からなる座標系です(図6-2右)。因みに、緑軸と赤軸はそれぞれ、メイン・メニューの「Maps」で表示される地図における上方向と右方向に対応していますが、必ずしも覚えておかなくて良いと思います。
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図6-2 座標系 ~Camera と World~ |
「フライング・カメラ基準(Local)」は、ややトリッキーですが、理解しておくと便利な座標系だと思います(図6-3)。フライング・カメラのレンズ方向が基準になるため、「カメラ・マーカー」については、どの軸で動かしてもレンズ方向は変わりません。緑軸方向の移動はズーム・イン/ズーム・アウトに当たります。「レンズ方向マーカー」「移動方向マーカー」については少し特殊です。緑軸は「カメラ・マーカー」との間のガイドラインと同一直線ですので、「レンズ方向ガイドライン」や「移動方向ガイドライン」の方向は変化させず、長さのみを調整できます。青軸・赤軸は、緑軸に直交し、カメラからみてそれぞれ上方向・右方向です。この2つの軸方向ハンドルを実際にドラッグしてみると判りますが、マーカーの移動距離が大きくなると、ドラッグ中に表示されている軸の方向が、マーカーの移動方向とずれてきます。マウス・ボタンをリリースするまで、マーカーの移動方向はドラッグ開始時に表示されていた青軸・赤軸の方向のまま維持されています。
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図6-3 座標系 ~Local~ |
7.タイムライン と キー・フレーム
FCREダイアログ上部にある灰色の横長長方形を「タイムライン」と呼びます(図7-1)。マップ上の配置されている「カメラ・マーカー」の時間的な位置が「タイムライン」の下に、「キー・フレーム」として灰色の小さい四角形で表示されます(図7)。厳密には、灰色の四角形の「左辺」の位置が「キー・フレーム」になります。「カメラ・マーカー」がマップに2個以上配置されている時には、マップ上の「カメラ・マーカー」の数と「タイムライン」上の「キー・フレーム」の数は必ず一致します。1個の時には「キー・フレーム」を示す四角は表示されません。「タイムライン」の左端はカメラのルートの始点(S)、つまり最初の「カメラ・マーカー」の時間的位置であり、右端がルートの終点(E)、つまり最後の「カメラ・マーカー」の位置を示しています。中間の「カメラ・マーカー」及び「キー・フレーム」に数字等の識別子が打たれている訳ではないので、数が多くなったりルートが複雑に曲がったり交差したりしている場合には対応が判り難いのですが、「タイムライン」上の「キー・フレーム」とルート上の「カメラ・マーカー」は必ず順番通り一対一対応しています。
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図7 タイムライン と キー・フレーム |
20番のプレビュー・ウィンドウ(フル・スクリーン・プレビュー時にはウィンドウ全体)に表示されている映像は、タイムライン上に淡灰色と濃灰色の境界で表されている「カレント・フレーム」(current =「現在の」の意味)の時点でフライング・カメラによって写されているものです。「カレント・フレーム」は、タイムライン上をクリックすることで任意の時点へ移動できます。19番「プレビュー再生の開始」(図4)ボタンで、フライング・カメラの移動を開始すると、「カレント・フレーム」は、21番「フライング・カメラの全体的な速度調節」(図4・7)スライダで設定される一定の速度で、タイムライン上をEへ向かって進行します。
ルート上で隣接する2つの「カメラ・マーカー」の間、また、タイムライン上で隣接する2つの「キー・フレーム」の間のことをそれぞれ「ルート・セグメント」「タイムライン・セグメント」と呼びます。21番のスライダはつまり「カレント・フレームの進行速度」を設定していますが、各「セグメント」におけるフライング・カメラの速度は、「ルート・セグメントの長さ(地理的長さ)」÷「タイムライン・セグメントの長さ(時間的長さ)」×「カレント・フレームの移動速度」で決まります。つまり「ルート・セグメント」が長いのに「タイムライン・セグメント」が短かい「セグメント」ではフライング・カメラは速く動き、「ルート・セグメント」が短く「タイムライン・セグメント」が長い「セグメント」ではフライング・カメラはゆっくり動きます。ルート全体の長さに対する各「ルート・セグメント」の長さの比率に応じて、「タイムライン・セグメント」の長さを配分するのが7番「カメラの移動の速さが一定となる様にキー・フレームの時点を再計算(Recalc)」ボタンです(図4)。但し、筆者がいろいろ試した感じでは、このボタンはルートの形状が比較的単純な場合は期待通りに動作しますが、ルートの形状が複雑になると(断言はできませんが)必ずしもそうではない印象です。
「キー・フレーム」の時点は、灰色の小さい四角のマーカーをドラッグすることで前後へ移動できます。但し、他の「キー・フレーム」と順序を入れ換えることは出来ません。隣接する「キー・フレーム」の四角マーカーと完全に重なってしまってほとんど1つに見えてしまう位置まで動かすことができますが、実際に「キー・フレーム」が統合されて1つになってしまう様なことはありません。重なってしまっている四角のマーカーをドラッグしようとすると、重なっているものの内、時間的に一番後ろに位置する「キー・フレーム」のマーカーが選択されて移動します。「S」と「E」の「キー・フレーム」のドラッグは少し特殊で、それぞれのマーカーを左または右へドラッグすると、中間にある「キー・フレーム」(「S」「E」以外)がそれぞれドラッグと逆方向へ移動します。
8.FCREにおける編集作業の基本的な流れ
編集作業は基本的に、図8に挙げた①~⑤の過程を繰り返すものです。人によってそれぞれ流儀が異なるとは思いますが、筆者は最初に全ての「カメラ・マーカー」を置いた(①・②)後に、FCREダイアログ内にあるプレビュー・ウィンドウを見ながら(④)マーカー位置の調節(③)を行い、最後に速度の調節(⑤)を行なって完成させています。次節では実際に、キャリア・モード「RCT3」の第5シナリオ "Fright Night" のマップを舞台に、カメラ・ルートの編集作業を順を追って説明します。
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図8 編集作業の基本的な流れ |
9.ステップ・バイ・ステップ・チュートリアル
0)準備
キャリア・モード「RCT3」の第5シナリオ "Fright Night" の新規ゲームを開始した上で、[CTRL+SHIFT+0(フル・キーのゼロ)]を押し、そしてFCREダイアログ左下の23番「新しいルートの作成を開始(New Route)」をクリックして下さい。そこまで終えた時のFCREダイアログは図9-1の様になっているはずです。
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図9-1 新規ルート作成開始時のFCREダイアログ |
1)視点の移動 と キー・フレームの追加(=マーカーの設置)
マウス・カーソルをFCREダイアログや他のダイアログ、メニュー・アイコンから外した状態で、通常のゲーム・プレイ中と同様の操作を行なって視点を移動します。多くの皆様は、オプション設定で「カメラ・コントロール・モード」を "Advanced" か "Freelook" のいずれかに設定されていると思いますが、どちらでも構いません(図9-2)。詳しくは
別のページ(準備中)で説明しますが、視点移動の自由度は "Freelook" の方が高いため、FCRE を使いこなしたいとお考えの方は "Freelook" 操作の修得を推奨いたします。両モードの一番大きな違いは、"Freelook" は「(上空を)見上げる」(仰観)が容易であるのに対し、"Advanced" は基本的に「(地表を)見下ろす」(俯瞰・鳥瞰)モードであることです。勿論、"Advanced" でも仰観は可能ですが制約があります。しかし、最終的にフライング・カメラのレンズを上に向ける(仰角をつける)のは、「レンズ方向マーカー」の調整を行なうことでも実現できますので、操作の慣れない "Freelook" に固執する必要はありません。RCT1/2からのプレイヤーの中には "Isometric" や "Normal" をお使いの方もいらっしゃるかも知れませんが、FCRE を利用する上では、これらのカメラ・モードは望ましくありません。
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図9-2 カメラ・コントロール・モードの設定 |
では、実際に視点を移動して、「カメラ・マーカー」を設置してみましょう。図9-3で示した①~⑥のスクリーン・ショットと同じ様にみえるところに視点を移動してから、タイムラインの左右にそれぞれある「S」ボタンと「E」ボタン(図4の3番と4番)を押してみましょう。尚、これらスクリーン・ショットは "Freelook" で、かつ、画面のピクセルサイズ縦横比が3:4で撮られたものであり、画角が異なる "Advanced" (
別ページ参照 準備中)や、画面縦横比が異なる場合は見え方が違ってきますが、今は細かいことを気にしないで下さい。
視点①に移動 →「S」ボタンをクリック → 視点②に移動 →「E」ボタンをクリック
→ 視点③に移動 →「E」ボタンをクリック → 視点④に移動 →「E」ボタンをクリック
→ 視点⑤に移動 →「E」ボタンをクリック → 視点⑥に移動 →「E」ボタンをクリック
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図9-3 視点の移動 と 「キー・フレーム」の追加(=カメラ・マーカーの設置) |
「S」及び「E」は、それぞれのボタンが押された時の視点の位置と方向を「カメラ・マーカー」と「レンズ方向マーカー」として設定し、「タイムライン」の先頭(S)或いは末尾(E)に「キー・フレーム」を追加するものです。既にタイムライン上に2つ以上の「キー・フレーム」が存在している場合は、それらの「キー・フレーム」がそれぞれ後方或いは前方へと順次ずれて行きます。因みに、新規のルートを作成する際に、最初の1つ目のマーカーを設置する時には(上記の例では「S」ボタンになっていますが)「S」「E」「Insert」何れのボタンを用いても同じ結果が得られます。
カメラ・ルートやマーカーを上空や側方からみると、以下の様になります(図9-4・9-5)。ルートの形状を、真上遠方からと、側方遠方から水平に少なくとも一方向眺めて確認する様にすると、ルートの滑らかさやセグメントの長さのチェックにとても役立ちます。
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図9-4 上空からみたカメラ・ルートとマーカーの位置 |
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図9-5 側方からみたカメラ・ルートとマーカーの位置 上パネル:図9-4下パネル赤矢印の方向に遠方からみた場合 下パネル:同青矢印方向に遠方からみた場合 |
マーカー位置の調整をする前に、一度プレビュー再生してみましょう。タイムラインの「カレント・フレーム」(淡灰色と濃灰色の境界)を一番左端(S)まで戻し、図4の19番「プレビュー再生を開始」ボタンを押してみましょう。再生速度が遅過ぎたり速過ぎたりする場合は、21番「フライング・カメラの全体的な速度調節」スライドを上下させて調整して下さい。プレビュー・ウィンドウでフライング・カメラの映像が再生されましたか?一度再生が終わったら、17番「フル・スクリーン・プレビューをON」のチェック・ボックスをチェックした状態でもう一度プレビュー再生を行なってみて下さい。今度は、プレビュー・ウィンドウと同時に、画面全体でもプレビュー再生されたと思います。「フル・スクリーン・プレビューをON」チェック・ボックスは、プレビューが終わったら必ずチェックを外す様にして下さい。チェックされたままだと、視点の移動等の操作ができません。
2)マーカーの調整
引き続いて「カメラ・マーカー」「移動方向マーカー」「レンズ方向マーカー」の調整を行います。「カメラ・マーカー」「レンズ方向マーカー」については、前項「1)視点の移動 と キー・フレームの追加」の時点で、視点の位置や方向が厳密に設定できていれば、ここで調整する必要はなくなります。しかし通常はなかなかそこまで上手くは行きません。
これらの2つのマーカーが視点の位置や方向だけで決定されるのとは異なり、「移動方向マーカー」は「キー・フレーム」を追加する際に隣接することになる既存の「キー・フレーム」との位置関係によって決まります。具体的には、「S」や「E」ボタンで追加する時は隣接することになる既存の「キー・フレーム」は1つですが、この場合はその「キー・フレーム」の「カメラ・マーカー」との距離が大きい程、長い「移動方向ガイドライン」が生成されます。つまり、「移動方向マーカー」は「カメラ・マーカー」から遠い位置に設定されます。「Insert」ボタンを使ってタイムラインの途中に追加する(後述)時は隣接することになる既存の「キー・フレーム」は2つであり、この場合は前後の「カメラ・マーカー」と追加する「カメラ・マーカー」を通る曲線を滑らかにする様に「移動方向ガイドライン」が生成され「移動方向マーカー」が設定されます。何れの場合も、既存の「キー・フレーム」のマーカー位置は一切変化しません。
【脚注】
※1: トップバナーの画像は、次の
Google Sketchupモデルを素に制作しました。:
VIDEO CAMERA by arcanae氏、
Guimbal G2 Cabri by Sketchy@Best氏
※2:
ピープ名を "Jonny Watts" にリネームして下さい(大文字/小文字不問)。RCT3 を開発した英国 Frontier Developments 社のプロデューサ/ディレクタ。代表作にRCT3、Thrillville: Off the Rails、Kinect Disneyland Adventures 等。
※3: 英国出身の映画監督で「
戦場にかける橋」や「
アラビアのロレンス」を手掛けた
Sir David Lean に因んでいます。
※4: UI = ユーザー・インターフェス(User interfaces)、ここではメニュー・アイコンやダイアログのこと。
※5: いろいろ試してみたところでは、ルートの曲線は3次元
3次ベジエ曲線になっている様です。
最終更新:2013年09月08日 21:48