「他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない」
オーブの独立心をあらわした、オーブの理念である。
カガリは比較的自由行動を許されていた。父ウズミが小さな世界しか
知らないまま、自分の後継者になることを危惧したためであろう。
知らないまま、自分の後継者になることを危惧したためであろう。
そんなカガリに信じられない話が舞いこむ。
オーブの企業・モルゲンレーテが理念を無視し、連合の新型機を
開発していることを。
カガリは持ち前の行動力を発揮して、確認に向かう。
嘘であればよかった、精神的に幼いカガリにとってオーブの理念は
とても大切なものであり、守られるべきだった。
企業の裏取引、政治的なずるさ、そんなものは唾棄すべきものだった。
オーブの企業・モルゲンレーテが理念を無視し、連合の新型機を
開発していることを。
カガリは持ち前の行動力を発揮して、確認に向かう。
嘘であればよかった、精神的に幼いカガリにとってオーブの理念は
とても大切なものであり、守られるべきだった。
企業の裏取引、政治的なずるさ、そんなものは唾棄すべきものだった。
だが、彼女が目にするのは残酷な現実。 5機のMS。
またMSを奪取しようとするザフトの戦闘に巻き込まれ、彼女は
一人の少年に命を救われる。
またMSを奪取しようとするザフトの戦闘に巻き込まれ、彼女は
一人の少年に命を救われる。
父親に反発し、思慮は足りないがいつもの行動力を持って
カガリは地方ゲリラへと参加する。ウズミもまた、子を谷に
突き落とすつもりで、護衛兼お目付けとしてキサカを同行させ
好きにさせる。
自分ひとりの力で、少しでも戦争を終わらせたかった。
自分ひとりの力で、何が出来るのかを確かめたかった。
実際には、キサカひいてはオーブの力に守られていることに
彼女は気がつかない。
カガリは地方ゲリラへと参加する。ウズミもまた、子を谷に
突き落とすつもりで、護衛兼お目付けとしてキサカを同行させ
好きにさせる。
自分ひとりの力で、少しでも戦争を終わらせたかった。
自分ひとりの力で、何が出来るのかを確かめたかった。
実際には、キサカひいてはオーブの力に守られていることに
彼女は気がつかない。
そこで再び少年と出会う。守りたいためのものに力を振るう
自分の命の恩人と。自分の国の過ちたるMSを使って力を
振るうキラに反発をおぼえながらも、徐々に心を通わせる。
『力』に関する視点が変わるきっかけともなる。
ザフトの兵士アスランとの出会いから、一面的な善悪が『正しい』とは思えなくなる。
そして『死』にアレルギーを持つ彼女は、『敵』だったザフトまで『人』として認識してしまい
簡単には何も切り捨てられなくなる。
自分には何が出来るのかを、本当の意味で、自分がもっている『力』とは何
なのかを考えるようになってゆく。
AAがオーブ近海で危機に陥ったとき、彼女は『姫』という身分をあかして
AAを『守る』ほうへ踏み出した。
何故なら彼女にとってもっとも身近な『力』が『オーブ』だった。
姫という身分の裏付けでもある存在。 カガリが自分の影響力を
自分自身で自覚し、使おうとしたのであった。
自分の命の恩人と。自分の国の過ちたるMSを使って力を
振るうキラに反発をおぼえながらも、徐々に心を通わせる。
『力』に関する視点が変わるきっかけともなる。
ザフトの兵士アスランとの出会いから、一面的な善悪が『正しい』とは思えなくなる。
そして『死』にアレルギーを持つ彼女は、『敵』だったザフトまで『人』として認識してしまい
簡単には何も切り捨てられなくなる。
自分には何が出来るのかを、本当の意味で、自分がもっている『力』とは何
なのかを考えるようになってゆく。
AAがオーブ近海で危機に陥ったとき、彼女は『姫』という身分をあかして
AAを『守る』ほうへ踏み出した。
何故なら彼女にとってもっとも身近な『力』が『オーブ』だった。
姫という身分の裏付けでもある存在。 カガリが自分の影響力を
自分自身で自覚し、使おうとしたのであった。
2度目のアスランとの邂逅。友人が殺しあう世界。
平和とは何かを彼女に投げかけてる。しかし世界は彼女に
考える時間を与えない。種の排斥戦争となった世界は
オーブを容赦なく巻き込み、自分の理想、目標であった
父が死亡してしまう。
父親が『命がけで』託したものだからということもあり、
平和=絶対の正義だと信じてしまう。
また、自分の血縁者であると判明したキラが平和のために
戦うと決意し、同じような境遇のラクスも剣をとることを選んでいる。
アスランの不器用な好意を受け、彼らと共に歩んでいこうと
決意する。
彼女もまた平和のために、力を振るうことを深く考えないまま。
平和とは何かを彼女に投げかけてる。しかし世界は彼女に
考える時間を与えない。種の排斥戦争となった世界は
オーブを容赦なく巻き込み、自分の理想、目標であった
父が死亡してしまう。
父親が『命がけで』託したものだからということもあり、
平和=絶対の正義だと信じてしまう。
また、自分の血縁者であると判明したキラが平和のために
戦うと決意し、同じような境遇のラクスも剣をとることを選んでいる。
アスランの不器用な好意を受け、彼らと共に歩んでいこうと
決意する。
彼女もまた平和のために、力を振るうことを深く考えないまま。
政治家として戦後、オーブ復興に尽力し外交を行うカガリには
民衆の、ウズミへの敬意をそのままカガリに向ける兵士たちには
絶大な支持があったのだが、同じ政治家の間では疎まれていた。
彼女の理想は清きものであったが、実際の政治運営能力に欠け
カガリの正義は空回りしていく。
『なぜ平和が共有できないのか』という壁に、理想と現実の壁に
阻まれてしまう。
またミネルバの中で出会ったオーブ国民、そして先の戦争での
被害者たるシンの弾劾にも、言葉が返せない。
どうして分かってもらえないのかと、自分もがんばっているのだと
アスランに愚痴をこぼす。彼のいつか分かってもらえるという
言葉にすがり、それ以上考えることができない。
民衆の、ウズミへの敬意をそのままカガリに向ける兵士たちには
絶大な支持があったのだが、同じ政治家の間では疎まれていた。
彼女の理想は清きものであったが、実際の政治運営能力に欠け
カガリの正義は空回りしていく。
『なぜ平和が共有できないのか』という壁に、理想と現実の壁に
阻まれてしまう。
またミネルバの中で出会ったオーブ国民、そして先の戦争での
被害者たるシンの弾劾にも、言葉が返せない。
どうして分かってもらえないのかと、自分もがんばっているのだと
アスランに愚痴をこぼす。彼のいつか分かってもらえるという
言葉にすがり、それ以上考えることができない。
オーブに戻るも、やはり他の政治化との溝は埋まらず、助言者
アスランはプラントへ行き、彼女は一人になる。世話になり、
ユニウス7の落下阻止に尽力したミネルバを守りたくも、その力は
なく、更にユウナが多くを取り仕切り、一見それはとても『国のためには』
正しいことのように思える。 元首としての役割がほとんど意味をなさなくなり、
象徴と『花嫁』としての自分だけが求められる。
自分の理想に、正義に絶望したまま。
アスランはプラントへ行き、彼女は一人になる。世話になり、
ユニウス7の落下阻止に尽力したミネルバを守りたくも、その力は
なく、更にユウナが多くを取り仕切り、一見それはとても『国のためには』
正しいことのように思える。 元首としての役割がほとんど意味をなさなくなり、
象徴と『花嫁』としての自分だけが求められる。
自分の理想に、正義に絶望したまま。
キラに誘拐され、非難するも、彼女が本当にしたいことではなかった
ことから救い出してくれたキラを信じ、また彼らも気持ちを同じく
することに安堵をおぼえる。その安心感、心地よさに、カガリは
力が間違った方向で振るわれつつあることに気がつかない。
帰れろうと思ったら帰れたのに帰らなかったのは、ある意味『元首としての自分』に
意味が見出せなくなったから。 理想が意味の無いものなら、自分がいなくとも
いいのではないかと。ここには自分の理想が息づいていると。
でも『大切なもの』を見捨てられないから、オーブとミネルバが戦うときくと
いてもたってもいられなくなり、戦闘に介入してしまう。
戦争とは何か、政治とは何かを、兵が身をもって示すもカガリには
目の前で死んでゆくオーブ国民としてしか映らない。
時間があれば気がついたのかもしれない。
が、彼女の理想に賛同するものたちが集まり、彼女は自分が間違って
いないと確信してしまう。
理想が高貴なものであるために、賛同者がつのると思考停止して
しまうのは、彼女もまた幼い心しかもっていないためか…。
ことから救い出してくれたキラを信じ、また彼らも気持ちを同じく
することに安堵をおぼえる。その安心感、心地よさに、カガリは
力が間違った方向で振るわれつつあることに気がつかない。
帰れろうと思ったら帰れたのに帰らなかったのは、ある意味『元首としての自分』に
意味が見出せなくなったから。 理想が意味の無いものなら、自分がいなくとも
いいのではないかと。ここには自分の理想が息づいていると。
でも『大切なもの』を見捨てられないから、オーブとミネルバが戦うときくと
いてもたってもいられなくなり、戦闘に介入してしまう。
戦争とは何か、政治とは何かを、兵が身をもって示すもカガリには
目の前で死んでゆくオーブ国民としてしか映らない。
時間があれば気がついたのかもしれない。
が、彼女の理想に賛同するものたちが集まり、彼女は自分が間違って
いないと確信してしまう。
理想が高貴なものであるために、賛同者がつのると思考停止して
しまうのは、彼女もまた幼い心しかもっていないためか…。
更に『理念』もまた大切なので、ベルリンでも介入してしまう。
自国ではないが、平和を掲げるカガリとしては、無差別虐殺は許され
ないものであったが、ここで政治家として無能なことも暴露している。
政治ではなく、力を用いてしまったことを。
そして、再びオーブが戦場となる。
自国ではないが、平和を掲げるカガリとしては、無差別虐殺は許され
ないものであったが、ここで政治家として無能なことも暴露している。
政治ではなく、力を用いてしまったことを。
そして、再びオーブが戦場となる。
彼女の根底にあったのはユウナへの過信であったのかもしれない。道は違えど
平和を求める心は一緒だと。
そのため『自分が行かなくては』と思うまで動くことをせず、オーブにザフトが侵攻する
と『なんでこんなことに!』とユウナを責めた。 甘えと言ってもいいだろう。
自分が理想に賛同するものたちに囲まれ、暖かいゆりかごで何もしなかったために
この事態が引き起こされていることに。だが、彼女の前にはもう苦言を
呈して彼女に気がついてもらおうとする人間はいなかった。
そして『理念』『国民』のためにいてもたってもいられないカガリの前に、アカツキが現れる。
守るための力を肯定されたカガリは、自らそれを駆る。
指揮官として象徴として、自国を守るために。前線へ出てしまったのは
彼女の甘さがそのまま象徴され、危うく撃墜されかかる。
政治判断も甘く、ジブリールをオーブ、ザフト両軍で追うよう進言し、外交的に
戦闘を止める機会、もしくはオーブとしての国の立場を表明する機会でもあったのに
それを活かせない。
平和を求める心は一緒だと。
そのため『自分が行かなくては』と思うまで動くことをせず、オーブにザフトが侵攻する
と『なんでこんなことに!』とユウナを責めた。 甘えと言ってもいいだろう。
自分が理想に賛同するものたちに囲まれ、暖かいゆりかごで何もしなかったために
この事態が引き起こされていることに。だが、彼女の前にはもう苦言を
呈して彼女に気がついてもらおうとする人間はいなかった。
そして『理念』『国民』のためにいてもたってもいられないカガリの前に、アカツキが現れる。
守るための力を肯定されたカガリは、自らそれを駆る。
指揮官として象徴として、自国を守るために。前線へ出てしまったのは
彼女の甘さがそのまま象徴され、危うく撃墜されかかる。
政治判断も甘く、ジブリールをオーブ、ザフト両軍で追うよう進言し、外交的に
戦闘を止める機会、もしくはオーブとしての国の立場を表明する機会でもあったのに
それを活かせない。
その後は、甘さも目立つものの基本的には『身内・オーブの安全』と
『理念』の二柱を守るために行動。 ネオ=ムウだという確信があれば、政治的にはともかく
彼女の心情的には任官は問題なかった。
身内人事という声もあるだろうが、カガリとしては自分の感謝の気持ちを形として
あらわしたかったのだろう。
キラやラクスにはこの上ない信頼をおいており、『この意見には賛成』ではなく
『彼らの意見だったら賛成』という依存心がある。
『理念』の二柱を守るために行動。 ネオ=ムウだという確信があれば、政治的にはともかく
彼女の心情的には任官は問題なかった。
身内人事という声もあるだろうが、カガリとしては自分の感謝の気持ちを形として
あらわしたかったのだろう。
キラやラクスにはこの上ない信頼をおいており、『この意見には賛成』ではなく
『彼らの意見だったら賛成』という依存心がある。
カガリには、いつでも自分に賛同してくるものが必要だった。また頼りない自分に
道を指し示すものが欲しかった。政治家としては致命的に依存心が強かった。
信じるとは響きはいいけれど、過信に容易くつながり、自分で考えず、
他者の思考にまかせきりになることもある。
更に言えば、一度与えた評価を、再確認しない。 『信じられる』と一度思ったら
ずっと『信じてしまう』。
道を指し示すものが欲しかった。政治家としては致命的に依存心が強かった。
信じるとは響きはいいけれど、過信に容易くつながり、自分で考えず、
他者の思考にまかせきりになることもある。
更に言えば、一度与えた評価を、再確認しない。 『信じられる』と一度思ったら
ずっと『信じてしまう』。
父ウズミのように、理想を貫くための政治能力に欠け
ミナのように、現実のために行動するほど、彼女の心は強くなく
彼女は善良であるがために、政治家として治世者として失敗していた。
ミナのように、現実のために行動するほど、彼女の心は強くなく
彼女は善良であるがために、政治家として治世者として失敗していた。