「機動戦士GUNDAM SEED―Revival―」@Wiki

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匿名ユーザー

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無数の情報がたゆたう電子と虚数の海の中で、「ソレ」は世界を見つめていた。

「シン・アスカ。戦闘力向上するもメンタル面において今だ安定性を欠く」
「キラ・ヤマト。前回観測時との差異見うけられず」
「ユウナ・ロマ・セイラン…」
「カガリ・ユラ・アスハ…」

「ソレ」は実体は持たず、何処にも存在しなかった。
しかし、「ソレ」は世界のあらゆる所に目が届き、数多の事象に干渉できた。
かつて、「世界を救う最後の方策」として提示され、日の目を見なかった「計画」の。
その落とし子が其処にいた。

「ソラ・ヒダカ。…?」
「特に差異は見うけられない」
「特出した特徴はない」
「他の個体との差も見うけられない」

無数の、だが同時に一つの「ソレ」がある少女を注視した。

別に突出した能力がある訳ではない。
だが、他の人間とは何かが異なる…ように感じる。

人工知能に「カン」と言うものが存在するのか?
所謂「超能力」的な第六感は無いだろう。
だか、人の「カン」が「知覚できたが明確に認識しなかった」情報の積み上げから生じる「無意識で判断されたデータ」だとこの人工知能の製作者は判断していた。
当然、この人工知能もその考えの元で行動していた。

電子の海に散らばる無数の、そして僅かずつ異なる思考をする「自己」と漣のように情報をやり取りし、その「波」が収束した時。
「ソレ」は一つの結論を出した。

「この個体を要観察個体とする」
「また、現在のままではこの個体に劇的な変動は見込めない」
「したがって、現在、この個体を保護している個体群から切り離す」
「同時に、この個体に重篤な危険が及ばぬように慎重に対応する」

そして、ソラがその生涯でもっとも波瀾に満ちた旅が始った。

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