アメノミハシラのシャトル発着場に、一人の少年が立っていた。
黒髪、黒い上下の服と全身が黒ずくめだの風体だが、特徴的なのはその目の色と、右の顎から頬にかけて縦に走った傷跡。
まるで暗い炎を宿したかのような赤い色である。 その服の色とあいまって死神を思わせなくでもない。
周りでシャトルの発進準備をしている男達も、暗い陰鬱な雰囲気が不気味なのか、決して誰も近寄ろうとはしなかった。
黒髪、黒い上下の服と全身が黒ずくめだの風体だが、特徴的なのはその目の色と、右の顎から頬にかけて縦に走った傷跡。
まるで暗い炎を宿したかのような赤い色である。 その服の色とあいまって死神を思わせなくでもない。
周りでシャトルの発進準備をしている男達も、暗い陰鬱な雰囲気が不気味なのか、決して誰も近寄ろうとはしなかった。
ただ世の中には何処にでも例外がある。 ここにある例外は美しい女性の形をしていたようだが。
その背の高い美しい女性を先頭とした一団は、迷うことなく少年に向かって歩みよっていく。
もっとも彼女が死神なんてものを恐れるとも思えないが。
むしろ死神こそ我が道を避けて通れとばかりに、威風堂々と歩むその女性はロンド・ミナ・サハク
オーブの影の軍神とも呼ばれる女性であった。
その背の高い美しい女性を先頭とした一団は、迷うことなく少年に向かって歩みよっていく。
もっとも彼女が死神なんてものを恐れるとも思えないが。
むしろ死神こそ我が道を避けて通れとばかりに、威風堂々と歩むその女性はロンド・ミナ・サハク
オーブの影の軍神とも呼ばれる女性であった。
少年は考えていた。 これから行う事になるであろう事が成功するのかどうかを。
成功の可能性はひたすらに低い。 失敗すれば・・・・・・だが、そこまで考えて気がついた。
失敗しても仲間のもとに行くだけなのだから、成功しようが失敗しようが自分にとっては大差がないことに
どうせ自分は生きていながら死んでいるのだからと。
ただ・・・あいつだけは・・・・必ず殺す。 自分が守りたくて守ると誓い。結局、守りきることができなかった少女。
自分の恋人だった、あの赤い髪の少女を殺した奴。 アイツだけは・・・・・・・・何があろうとも殺す!!
それだけを目標に、この三ヶ月間リハビリを行ってきたのだから。
どうすれば確実に奴を殺せるか、自分の命はどうでもいいが、奴を殺す前に死ぬわけにはいかない。
さっきまでは失敗しても死ぬだけだからと考えていたというのに、二転三転する自分の考えに
我ながら自分勝手なものだと苦笑する。
成功の可能性はひたすらに低い。 失敗すれば・・・・・・だが、そこまで考えて気がついた。
失敗しても仲間のもとに行くだけなのだから、成功しようが失敗しようが自分にとっては大差がないことに
どうせ自分は生きていながら死んでいるのだからと。
ただ・・・あいつだけは・・・・必ず殺す。 自分が守りたくて守ると誓い。結局、守りきることができなかった少女。
自分の恋人だった、あの赤い髪の少女を殺した奴。 アイツだけは・・・・・・・・何があろうとも殺す!!
それだけを目標に、この三ヶ月間リハビリを行ってきたのだから。
どうすれば確実に奴を殺せるか、自分の命はどうでもいいが、奴を殺す前に死ぬわけにはいかない。
さっきまでは失敗しても死ぬだけだからと考えていたというのに、二転三転する自分の考えに
我ながら自分勝手なものだと苦笑する。
陰鬱な思考に心を占められてはいたが、これまでの訓練の成果というべきか
背後から自分に対し近づいてくる複数の気配に彼は気がついた。
その気配は自分の背後で立ち止まった。どうやら俺に用事があるらしいな。
背後から自分に対し近づいてくる複数の気配に彼は気がついた。
その気配は自分の背後で立ち止まった。どうやら俺に用事があるらしいな。
「いくのか?」
背後から聞こえてきた涼しげな声に、誰がきたのかは分かった。
振り向いた先には、自分と同じ黒髪を長く伸ばした男装の美女が立っていた。
「ああ・・・・あんたには世話になったな」
やや仏頂面で面倒くさげにそう答えたが、世話になったどころではない。
なにせ自分の命の恩人ともいうべき人間なのだから。 彼女の部下が宇宙を漂っていた自分の機体を回収しなければ
今も自分は愛機と共に宇宙を漂っていた事だろう。
自分のその態度に彼女の側近達は一瞬激昂しかけたが、彼女が微笑を浮かべつつ片手を上げて抑えた。
彼女の側近が怒るのも当然だ。 何せ自分自身でさえ、自分がとったガキのような態度に腹がたつ。
彼女には感謝してもしつくせないのだが。どうしてもオーブという名が頭に浮かび、自分にガキのような態度をとらせてしまう。
背後から聞こえてきた涼しげな声に、誰がきたのかは分かった。
振り向いた先には、自分と同じ黒髪を長く伸ばした男装の美女が立っていた。
「ああ・・・・あんたには世話になったな」
やや仏頂面で面倒くさげにそう答えたが、世話になったどころではない。
なにせ自分の命の恩人ともいうべき人間なのだから。 彼女の部下が宇宙を漂っていた自分の機体を回収しなければ
今も自分は愛機と共に宇宙を漂っていた事だろう。
自分のその態度に彼女の側近達は一瞬激昂しかけたが、彼女が微笑を浮かべつつ片手を上げて抑えた。
彼女の側近が怒るのも当然だ。 何せ自分自身でさえ、自分がとったガキのような態度に腹がたつ。
彼女には感謝してもしつくせないのだが。どうしてもオーブという名が頭に浮かび、自分にガキのような態度をとらせてしまう。
「そうか。 だが今さら地上に降りて何をしようというのだ?」
俺の態度を気にもとめず、微笑を浮かべつつ再度問われる。
「奴は・・・・いや・・・・奴等は俺の全てを奪いさった。 ルナを! レイを!! ミネルバの皆を!!!」
言いつのる度に心がきしみ、俺の中の怒りと憎悪の念が強くなっていく。
周りで作業をしていた連中は、突然の俺の大声に何事かと俺に視線を集中させる。
「そういえば」唐突にかけられた彼女の声に、興奮状態だった俺は少し冷静さを取り戻す。
人身掌握にたけている彼女のことだ、多分狙ってやったのだろう。
それが証拠に、こちらを見つめつつ続きの言葉を発しようとしない。 多分俺が冷静さを取り戻すのを待っているのだろう。
「お前のMSだが、修理もできないような状態なので廃棄処分にさせてもらった」
俺が冷静さを取り戻したのを確認し発された言葉は、少し俺に衝撃を与えた。
「・・・・そうか」
俺の愛機、デスティニー・・・・最後の戦いで大破してしまった機体、議長に託された俺のための剣。
俺と共にこのアメノミハシラに収容されたはずの彼は、主人である俺より先に逝ってしまったようだ。
彼女が自分の部下に軽く目配せをする。その目配せされた部下は自分が持っていたアタッシュケースを俺に手渡した。
思わず受け取ってしまったが、これは何だ?
「お前のMSを廃棄するさいにでてきた余剰パーツだ。 選別代わりに持っていくがいい。」
そう言い残し、彼女は部下を従え去っていった。
デスティニーの余剰パーツ?
俺の態度を気にもとめず、微笑を浮かべつつ再度問われる。
「奴は・・・・いや・・・・奴等は俺の全てを奪いさった。 ルナを! レイを!! ミネルバの皆を!!!」
言いつのる度に心がきしみ、俺の中の怒りと憎悪の念が強くなっていく。
周りで作業をしていた連中は、突然の俺の大声に何事かと俺に視線を集中させる。
「そういえば」唐突にかけられた彼女の声に、興奮状態だった俺は少し冷静さを取り戻す。
人身掌握にたけている彼女のことだ、多分狙ってやったのだろう。
それが証拠に、こちらを見つめつつ続きの言葉を発しようとしない。 多分俺が冷静さを取り戻すのを待っているのだろう。
「お前のMSだが、修理もできないような状態なので廃棄処分にさせてもらった」
俺が冷静さを取り戻したのを確認し発された言葉は、少し俺に衝撃を与えた。
「・・・・そうか」
俺の愛機、デスティニー・・・・最後の戦いで大破してしまった機体、議長に託された俺のための剣。
俺と共にこのアメノミハシラに収容されたはずの彼は、主人である俺より先に逝ってしまったようだ。
彼女が自分の部下に軽く目配せをする。その目配せされた部下は自分が持っていたアタッシュケースを俺に手渡した。
思わず受け取ってしまったが、これは何だ?
「お前のMSを廃棄するさいにでてきた余剰パーツだ。 選別代わりに持っていくがいい。」
そう言い残し、彼女は部下を従え去っていった。
デスティニーの余剰パーツ?
その時は、それが何なのか分からなかった。
分かったのは、俺がシャトルが発進した後に”彼”が話しかけてからだ。
分かったのは、俺がシャトルが発進した後に”彼”が話しかけてからだ。
「久しぶりだなシン」